
五将家の一角、駒城家当主である篤胤の言葉。
友軍撤退までの時間を稼ぐべく、北領で決死の後衛戦闘を続けていた剣虎兵大隊指揮官・新城大尉だったが、既に戦力は激減し、東方辺境姫ユーリア率いる帝国軍の猛攻によって蹂躙されるのを待つばかりとなっているように思えたが……。
社会制度の変遷、それによる経済活動の変化、またそれによる国家の変容までしっかり理詰めで設定された、いずこともしれない世界での祖国防衛戦争と国内での権力闘争を描いた作品。
文庫で再始動したシリーズですが、中公の新書でスタートしたときは手をつけていませんでした(1巻だけは買ったものの当時は未読)。既に佐藤大輔の面白さと筆の遅さ……というか、すぐにシリーズが止まるのは知られていましたから、「完結するまでとっておこう」と思っていたのですね。
それから早幾年月……というか、1巻の初版が1998年のはずだから15年になるはずだけれど、この文庫化できちんとけりがつくものと期待して手をつけてみました。
人相は悪いし、体格も優れているとはいえないし、無口でバカみたいに思われることもあるけれど、頭の中ではいろいろな考えがぐるんぐるん回っていて、敵に回すと致命的という主人公です(Aくんみたいだね)。
文庫もぼちぼち出るそうですが、読み始めると面白くて止まらないので、既刊9巻までを古書かKindle版で読んでみようかなとふらふらしているところです。
【皇国の守護者2】【勝利なき名誉】【佐藤大輔】【中公文庫】【大河戦記】【士官学校】【遅滞防衛戦】【捕虜交換】【血塗られた英雄の伝説】