
イーサン・スターク軍曹の言葉。
21世紀、巨大な軍産複合体と化して地球の資源をあらかた支配したアメリカが、今度は月の資源もいただきだと月面へ進出。既に足場を築いていた他国に治安維持活動だと言い張って戦争を吹っかけるのだけれど、思い上がりも甚だしい動機の戦争なので、最前線も愚劣指揮官ばかりで……。
今作も主人公は逆境だ!……という、スターク軍曹の宇宙戦争。
企業は権益を確保するために戦争を始め、民間人はその戦争をビデオ中継で観て楽しむ。民間人も企業も税金を払わないから、企業は利益のために戦争を仕掛け、その利益で戦争が継続されるけれど、上級指揮官は今どき精神論で「精神は物質の3倍の力を持つ」と言い出すバカばかり。
勝っても負けても明るい未来は来そうにない3部作の1冊目。
【月面の聖戦1】【下士官の使命】【ジャック・キャンベル】【寺田克也】【ハヤカワ文庫SF】【平和維持活動】【視聴率】【税金】