
上手い下手とは関係ないよと、顧問の吾妻先生の言葉。
ハカセこと河本博士は文芸部長にして、たった1人の部員。
汗っかきでデブの桶井陸は、毎日のように部室に入り浸っているが、まだ部員じゃない。部員になると年1の会報に原稿を書かなくてはいけないのが面倒くさいのだ。
そんな文芸部に新入部員が来た。メガネのかわいい女子生徒だ。あまりのかわいさに、何が目的だ?浄水器でも売りつける気ではないのか?と疑心暗鬼になる2人だが……。
創元推理文庫だけれど、推理はフレーバー程度のまごうことなき青春小説。
青春ミステリで文芸部というと創元推理文庫なら似鳥鶏の『理由あって冬に出る』、角川文庫で米澤穂信の『氷菓』、少し色が付いてファミ通文庫の野村美月『“文学少女”』とかいろいろあるけれど、それらと比べるとミステリ分は遙かに薄いですね。
なぜ創元?と思わないでもありませんが、痛面白いからいいか。
小柄で黒縁メガネのハカセと小柄で体重98キロのブーちゃんが、新入生をめぐる謎を解き明かす……というより、言動が気になってストーカーまがいの詮索をしちゃう話。痛い、痛い……。
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