
・舞台は「紅桃寮」
・四〇四号室が「開かずの間」
・事件の発生から解決までが「7日間」
を条件に書いた4編のミステリ。
なので、「紅桃寮」も男子高の寮だったり、中学の女子寮だったり、組合の保養施設だったり。
谷原秋桜子『聖母の掌底突き』
両親が夜逃げした学生が遭遇した、美大付属高校の寮に出没する幽霊の物語。寮に人が戻ってきた後の続編が読みたい。
野村美月『桃園のいばら姫』
女学院中等部の寮で繰り広げられる女子生徒たちの相克を描いた、青春物語。若さゆえの過ちとか痛さとか揺れ動く気持ちとか、野村美月の重い部分を美しく濃縮した感じの話。
緑川聖司『三月の新入生』
男子高の寮で生徒が転落死して以来、開かずの間となった404号室の謎を解く話。いちばん真っ当に題材をミステリとして処理してます。
加藤実秋『マジカル・ファミリー・ツアー』
家族旅行で出かけた箱根で出くわした怪しい家族との逃走劇だけれど、3つの条件はクリアしているだけという扱い。キャラの魅力と勢いで押す話なので、ページ数が足りないかな。
【寮の七日間】【usi】【ポプラ文庫ピュアフル】