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付け焼き刃の覚え書き

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「策謀のイェンディ~暗殺者ヴラド・タルトシュ2」 スティーヴン・ブルースト

2008-12-20 | ヒロイックファンタジー・ハイファンタジー
 一口で言ってしまうと、仁義なき戦いに皇室の跡目争いが加わって泥沼にという話。『ゴッドファーザー』とか『仁義なき戦い』が好きな人は、あれのファンタジー版と思えば良い。

 1巻から数年遡り、暗殺者だったヴラド・タルトシュが巧いこと手管を発揮して街の小さな縄張りを確保するところから始まります。ところが、その縄張りを隣のシマのボスが狙ってきたことから、たちまち血を血で争う抗争に発展。
 まあ、運が良ければ甦生魔法で生き返ることもできますが、それにしたって死屍累々で甦生も不可能な死者が続々と。死者復活に金がかかるし、復活できなきゃ遺族に見舞金を払わないといけない。腕の立つフリーの殺し屋や魔法使いをどれだけ抱え込めるか、つまりどちらの資金が尽きるのが先かの殲滅戦。

 いきなりタマネギの比喩から話が始まる、ちょっと冷めた視点がハードボイルドタッチ。千年万年と生きるのがあたりまえの貴族階級に対し、ヴラドたち<東方人>は70年も生きたら御の字の短命種(エルフと人間みたいですね)。そういうファンタジー世界での切った張ったの攻防の裏には、どうも皇位継承をめぐる陰謀があるような気もするし無いような気もするし。

【策謀のイェンディ】【暗殺者ヴラド・タルトシュ】【スティーヴン・ブルースト】【砂漠で反省】【復活の呪文】
コメント
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