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付け焼き刃の覚え書き

 開設してからちょうど20年。はてなにお引っ越しです。https://postalmanase.hateblo.jp/

「朝湯、昼酒、ローカル線」 勝谷誠彦

2009-07-18 | 冒険小説・旅行記・秘境探検
「えっ、先生が来たっ?」
「マジい? 見つかる?」 

 駅舎の食堂で、制服の上にエプロンをして給仕してくれていた女子高生たちが一瞬にしてパニック状態に……。

 鉄道にまるっきり興味がなかった写真家・勝谷誠彦が、雑誌『旅』の連載を引き受けたばかりに鉄道マニアの担当編集者の指令のままに日本中のローカル線を乗って回った記事のまとめ。それを2002年にJTBから単行本化されたものの文庫化。

 あちらこちら飛び回らされてぶーぶー言いつつ、あっちこっちで美味い物を見つけたり、スゴイ景色に遭遇したりとなかなか愉しそうな22の旅を収録。それぞれの末尾に編集の筋鉄注釈が入り著者の言動にあれこれツッコミをいれているのに、自分が小ずるいことをしたと指摘されている回にはピタッと鉄道用語の解説だけになってしまうのが笑えます。

【朝湯、昼酒、ローカル線】【かっちゃんの(鉄)修行】【勝谷誠彦】【紀州鉄道】【養老天命反転地】
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「マレー半島すちゃらか紀行」 若竹七海・加門七海・高野宣李

2009-07-11 | 冒険小説・旅行記・秘境探検
「マレーシア? 行く行く、ハリマオ様のいるところでしょ?」
 30代の女性3人が好奇心のおもむくまま行き当たりばったりにマレー半島を蹂躙した16日間の記録。

 旅行記って好きなんですよ。本を読むことで他人の知識や経験を自分のものとすることができる……というのが読書の効能なら、もっとも得られるものの多いジャンルではないでしょうか。(実際の役に立つかどうかは別として。)
 そして旅行記といえば、行った先とは関係無しに自分の思索についてばかり語りたがるものもあるけれど、やはり行く先々の文化や風俗、気候や自然について語るのが本来で、そして旅に困難があればあるほど面白いけれど、自分自身にあまり元気のない時はあまりに悲惨すぎる旅はちょっと読むのが辛い。
 そういうわけで、これくらいの旅がちょうど良いのです。

 参加メンバーのわがままというか思いつきや気まぐれやこだわりで計画は二転三転。はっきり言って行き当たりばったり。炎天下の河原で焚き火をし、ジャングルトレインことマレー鉄道東海岸線で時刻表に無いと言われた列車に飛び乗り、ボート上で首吊りにされ、自分の手すら見えない暗闇のジャングルで一晩を過ごし、虫に刺され日焼けに苦しみオオトカゲをいじめてと楽しさ満載。
 話を聞いていると楽しいけれど、自分は絶対に経験したくない旅の話ですね。あとがきを読むと、困ったときに誰かが助けてくれるのは女3人旅だけらしいし……。

【マレー半島すちゃらか紀行】【若竹七海】【加門七海】【高野宣李】【トイレ】【憑き物】【ゲマス】【グレート・ムサ】
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「名人誕生~面白南極料理人」 西村淳

2009-07-06 | 冒険小説・旅行記・秘境探検
 1988年夏。巡視船<えさん>の西村主計士に、入港後ただちに管区本部に出頭せよとの命令が届く。それが西村淳が第30次越冬隊に参加する事の始まりだった。
 別に南極観測隊への参加はどちらでも良かった西村だが、断るなら断ってやるぞという上司の態度にむかっ腹を立て勢いで参加。
 著者が他の隊員候補者と顔を合わせ、越冬準備にとりかかり、やがて海を渡って第29次越冬隊と交代するまでの物語。

 今まで料理のエピソードとして断片的に語られていた、南極探検に参加したあれこれの顛末をいちばん最初から語り直してみましょうという1冊。なので、まだやっと南極についたところです。
 まかりまちがっても「料理人の心得や料理の神髄」とか「南極観測の学術的意義」なんてことに言及するようなものではなく、期待する方が愚かという点だけは念押し。いや、そういうことを期待して裏切られたという人がいるようです。
 ただ、各地各団体から集まってくる、一見ヘンな人たちが実はスゴイ人たちで、そんな人たちに囲まれて正式な調理師としての勉強もしていない著者が、なんとかみんなに美味いといってもらおうとあれこれ画策する話ですが、やっと南極料理人としての活躍が始まったばかり。
 ただ、20年後に届いたメールから、いろいろ大変なことが多くて気晴らしも難しい南極では、おいしいものを食べることがイライラの解消となり、明日への意欲の原動力だったと指摘されます。
「食事が、気分だけではなく、円滑な人間関係にも大きく影響を与えると悟りました」

 そもそもの最初に『面白南極料理人』の自費出版を持ちかけてきた印刷会社に「あんたの本を読みたいと思う者が全国で1000人もいるものか」と罵られたという南極料理人のシリーズも、来月8月には劇場公開。これだったら、子供を連れて観に行っても良いなあと思います。
 さあ、このあたりで上映してくれるかな?

【名人誕生】【面白南極料理人】【西村淳】【コンダラ】【住民税】【パンプキンスープ】【赤道祭】【自費出版】
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「怪しいアジアの歩き方」 クーロン黒沢・ポッチン下条

2009-06-30 | 冒険小説・旅行記・秘境探検
 『地球の歩き方』といえば、口コミレベルまでの詳細な情報を詰め込んだ海外旅行ガイドブックの老舗。
 『あやしい地球の歩き方』といえば、海外オタク事情や海外でマニアックなアイテムを購入したりイベントに参加した体験談をまとめた同人誌。
 で、この『怪しいアジアの歩き方』は、アジア各国で遭遇した怪しげな人々と危険な事件の数々について赤裸々に綴った体験談集。『地球の歩き方』はガイドブックの定番だし、そのタイトルをひねった『あやしい地球の歩き方』については、著者の1人であるクーロン黒沢が『香港電脳オタクマーケット』にて無許可で紹介していたそうだから、このタイトルもそのあたりを意識しているんでしょうね。
 内容的には、人の善意や好意を頭から否定するようなボッタクリの宿や飲食店や屋台や税関や警官や両替窓口や犯罪者やパックパッカーらについてのエピソードや、大麻やコカインや売春その他の国によっては犯罪だったりどこの国でも犯罪だけれどもんな普通にやっているよ……という、真っ当に添乗員付きの団体旅行に参加していたら絶対にお目にかからない/かかっちゃいけない事件の数々。
 口絵のカラー写真に写っていた「マレーシアの綾波」みたいな制服姿は面白いと思いました。

【怪しいアジアの歩き方】【クーロン黒沢】【ポッチン下条】【タイ】【カンボジア】【バングラディシュ】【ネパール】【ベトナム】【マレーシア】【シンガポール】【香港】
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「ヨーロッパ退屈日記」 伊丹十三

2009-06-26 | 冒険小説・旅行記・秘境探検
『諸君、食卓は憩いの場所である。安らぎの場所である』
『その平和の場へ、金属製のナイフとフォークという、凶器に酷似した、まがまがしい道具を持ち込むというのはいかがなものだろうか』
『そこへくるとわれわれの箸はどうです。
 この静かな簡素な形、竹や木で作られた素材感の好もしさ、しかもです、ナイフやフォークが、たかだか六、七世紀の歴史しか持たないのに反し、箸には二千年以上の歴史があるのです』


 映画俳優にしてデザイナー、エッセイスト、翻訳者、雑誌編集者そして映画監督である伊丹十三が、1961年に俳優としてヨーロッパ長期滞在したおりの見聞録をエッセイとして雑誌発表し、それをまとめた1冊。

 まだまだ日本人の海外渡航が難しかった時代の話です。ビートルズは嫌いではないけれど、その上っ面だけ真似たファッションはキライだとか、なにが粋でなにが粋でないか、男が生きていく上でこだわらければいけないことはなにか、そんなことにこだわりつつヨーロッパを眺め、日本を考えています。

【ヨーロッパ退屈日記】【伊丹十三】【嫌いなもの】【使い古された紋切り型】【ゲイリー・クーパー】【ミシュラン】【スパゲッティ】【三船敏郎】【英語と米語】
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「海浜棒球始末記(その2)~世界おしかけ武者修行」 椎名誠

2009-06-22 | 冒険小説・旅行記・秘境探検
『写真に撮ってはだめだと言ってきた人を写真に撮ってどうする』
 棒球する場所を求めて辿り着いた台湾の海岸にて監視の兵隊さんに怒られる。大陸に面している側はたいてい立入禁止で軍が監視しているのです……。

 『海浜棒球始末記』で披露された浮き玉三角ベースボールのウ・リーグは、2005年にこの続編が刊行された時点でも健在で、2008年の文庫版の時点でも元気ということなんだそうです。
 その勢いが余って、世界各国に遠征して現地のチームと浮き玉三角ベースボールをしちゃおうというのが、この『世界おしかけ武者修行』。もっとも、この海浜棒球のために遠征するというより別の海外取材のついでにやっちゃおうという感じで、このテキトーさ加減も海浜棒球らしいですね。

 幽霊騒ぎとウィスキーに明け暮れたスコットランド遠征、どうやら『メコン・黄金水道をゆく』あたりの取材ついでだったらしいインドシナ遠征、海を知らないモンゴルの子供と草原を知らない島の子供を対戦させようというモンゴル遠征、浮き玉の生産地探しを兼ねた台湾・韓国遠征、そして強敵ぞろいだったパプア・ニューギニア遠征。
 この時点では浮き玉の製造工場は見つからず、昔は似たようなものを作っていてもダイオキシンが発生するからと止めているところばかり。「ダイオキシンだろうがなんだろうが、かまわずバンバン作っている」国を求めての探索が続くようです。

【世界おしかけ武者修行】【海兵棒球始末記】【椎名誠】【▲ベースボール】【妖精の輪】【麻雀台】【ビート】【臭臭鍋】【フェリー航路】
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「海浜棒球始末記~ウ・リーグ熱風録」 椎名誠

2009-06-18 | 冒険小説・旅行記・秘境探検
「縄文式の竪穴住居にこもって銀座OL相手に棒ふりまわしてんだって?」
 最初は世間の認知具合はこんなもんでした。

 奄美大島の砂浜で椎名誠が見かけたのは、流木をバットにして浜辺に転がっていた浮き玉を打つという三角ベースボールに興じている漁師たちの姿だった。
 浮き玉は、発泡スチロール状の玉の真ん中に穴が開いているため、投げても打っても風の影響で変化しまくり。どこへ飛んでいくのかなかなか予想できないという面白さと普通の野球ほど遠くに飛ばないという手軽さで、たちまちみんなのお気に入りに。
 その仲間うちでの遊びが瞬く間に全国に広がり、加盟数50チームを超える全国リーグになっていく顛末を綴ったもの。
 
 ただし、タイトルに偽りあり。「始末記」といいつつ始末がついておらず、2001年の単行本刊行時はおろか、2004年の文庫版刊行時にもリーグは健在というあたりが嬉しいじゃないですか。
 こういう遊びが難しいなあと思うのは、規模が大きくなるのも愉しいのだけれど、人に広めていくということはルールをはっきりさせ組織を整備していくということなので、ある意味で野放図な三角ベースボールと相反することになってしまうということ。そのあたり、長く続いているということは、良いさじ加減にできたということなんでしょうね。
 みんなでわいわい酒呑んで金属バット振り回して走り回るという愉しさを大事にしてもらいたいです。

 問題は浮き玉の確保で、もともと浜辺に漂着していたものを利用しているので、どこかのスポーツ用品店で買いそろえるわけにはいきません。手分けして浜辺を歩き回り拾い集めて各チームに送るのにも限界があるというのに、いったいどこから流れてくるのか謎のままなんだとか……。

【海浜棒球始末記】【ウ・リーグ熱風録】【椎名誠】【▲ベースボール】【ウースポ】【温泉】【結婚式】【カツ丼】【カレーライス】
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「極北の狩人」 椎名誠

2009-06-17 | 冒険小説・旅行記・秘境探検
 作家・椎名誠がテレビドキュメンタリー取材班と共にアラスカのエスキモー、カナダのイヌイット、シベリア・チュコト半島のユピックと、極北の狩猟民族を訪ねて回った旅の記録。
 やはり椎名誠の旅行記は面白い。ぐだぐだだったり脇道にそれっぱなしのように見えつつも、自分が観たいもの、見てきたものがしっかり書かれ、行った先に住む人の人々の衣食住に言及され、また同じ旅先について書かれた先人の著作や探検の記録にまで触れられている。だから、たとえぐだぐだでもしっかり着地するのですね。
 さて、本書では、極北の狩猟民族をひとくくりにして「イヌイット」と呼ぶことはしていません。彼らはそれぞれエスキモーであり、イヌイットであり、ユピックです。
 日本では「エスキモー」というのは「生肉を食う人々」という意味だから差別語だとして一律に「イヌイット」と言い換えてしまうのですが、現地に行ってみれば本人たちが「自分たちは生肉を食べるんだからエスキモーであたりまえだろ」という認識なので、他人が勝手に差別語として別の言葉に言い換えてしまう方が差別というか失礼というもんですね。対象についてよく知らないまま勝手にラベル張ってるわけですから。

 さてさて、一行はアラスカ最北端のポイント・バローで寿司35貫盛りを食べたのを皮切りに、極地であれこれ食べて回ります。物資を空輸に頼らざるを得ない極地ではとにかく何でも高い。マクドナルドだって価格は倍額。レストランは不味いか大味で飽きてしまう。そうすると、ひたすら自炊でカレーライスということになり、決まった仕事のない著者がひたすら調理担当としてカレーライスをつくる光景に笑ってしまいます。
 もちろん刺身を食べる日本人ですから、取材先の人々と同じものも食べます。さすがにいくら動き回るサプリメントといってもアザラシの寄生虫は遠慮したいけれど生肉は平気。カリブーでもイッカクでもセイウチの醗酵肉でもアザラシのスープでも大丈夫。シベリヤで食べるホヤは美味しかったそうです。
 犬ぞりの練習をしてみたり、ホヤ採りをやってみたり、どこでも行ってみよう、なんでもやってみよう、見てみよう、食べてみようという精神にあふれた旅行記でした。それが旅行記にいちばん大事なことですね。

【極北の狩人】【椎名誠】【白熊警察】【蚊】【T-1】【カレーライス】【トゥフタック】【肥満体】【白夜】【携帯電話】
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「ほげらばり~メキシコ旅行記」 小林聡美

2009-06-16 | 冒険小説・旅行記・秘境探検
 女優小林聡美のメキシコの旅行記。
 チチェン・イッツァの遺跡へ行き、しょぼい動物園を見学し、へたくそな合気道教室を横目に通り過ぎ、メキシコ・プロレス“ルチャ・リブレ”を観戦し、地の果てのホテルに泊まったりした16日間の旅日記。

 いきなり活字が大きめ。行間字間も広い。なんというか教科書を読んでいるみたい。34字×13行の1ページ442字。幻冬舎文庫ってこんなものだっけ?

 うん、旅日記だねえ。面白かったけれど、読後感は「メキシコ行ったわよ! 食べ物が口に合わなくてタイヘンだったわ!」「タイヘンでしたね」くらいかな。
 たとえばチチェン・イッツァにしても、単にそういう名前の遺跡に行きました、登るのが辛かったですということしか伝わってこないというか書いてないんです。案内人の解説も素通り。ユカタン半島にあるマヤ遺跡の中で最も壮大な遺跡であるとか、「生け賛の泉」と呼ばれる巨大な泉があってなんて書いてない。
 同じ味付けのメキシコ料理に飽きて、日本料理店や中華料理店を徘徊してみてもどれもひどいものだったらしいけれど、メキシコ1日目から梅干しとお茶という旅なので、たぶん最初からメキシコが肌に合ってないんですよ。
 人と人とのふれあいについては言及が多いので、著者の関心がそっち方向だというのは判るのですが、自分が行ったことのない土地の話なので、名勝旧跡・街並や食事といった方向に関しての記述が少ないと、なかなかイメージが湧きません。そこが残念……。 

【ほげらばり】【FORGET ABOUT IT!!】【メキシコ旅行記】【小林聡美】【トリオ】【アシカ】【井上陽水】【鉄板焼き】
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「波のむこうのかくれ島」 椎名誠

2009-06-06 | 冒険小説・旅行記・秘境探検
 宝島、小笠原諸島、対馬、硫黄島、竹島、水納島、水納島、天売島と椎名誠が旅した8つの島での出来事を、垂見健吾の写真を添えて綴った1冊。愉しそうにあちらこちら旅する光景には少し羨ましくなりましたが、実際に自分が旅してもそれほど愉しめないんだろうなあと思いました。そういう人間、アウトドアはあまり好きじゃないんです。
 ただ、人が愉しそうに旅する話を読むのは好きです。イカスミカレーが失敗し、波に洗われながら温泉につかってビールを呑み、みんなで三角ベースボールをして、ウニクラ丼を満喫して……ああ、いいなあ。
 この中の三角ベースボールについては、別に『海浜棒球始末記』としてまとまっているけれど、今はどんなんかなーと思ってさっと検索してみたら、浮き球三角ベースボールのリーグはまだ続いていて2009年で10周年なんだとか。それはめでたいことでありますね。

【波のむこうのかくれ島】【椎名誠】【垂見健吾】【離島】【三角ベース】【オロロン鳥】
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「わしらは怪しい雑魚釣り隊」 椎名誠

2009-04-29 | 冒険小説・旅行記・秘境探検
 椎名誠が怪しい仲間たちとあちらこちら旅してキャンプして大騒ぎする<怪しい探検隊>の釣り編。今回はあちらこちらの海で雑魚を釣り上げては「雑魚だってちゃんと料理すれば美味いんだもんねー!」とメシ食って酒呑んで大騒ぎする話だけれど、魚は別に自分で釣らなくて買ってきても良いそうです。その代わり釣れないと思いっきりバカにされますが……。

「ヒャー今回は毒のない魚が食えるんですねー!」
 大量のイワシが釣れるらしいと聞かされ喜ぶドレイの言葉。

 あいかわらずの怪しい面々。こういうぐだぐだな話は好きなんです。
 それから、実は八丈島で購入した「第一東ケト丸」という漁船がどうなったのか前から気になっていたのだけれど、それも今回消息が判明。なるほどーそうかーと納得。うーむ。こわいなー。

【わしらは怪しい雑魚釣り隊】【椎名誠】【つり丸】【ドレイ制度】【釜玉うどん】【シイラ】
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「機動内親王 澪子様の冒険1~女皇の帝国外伝」 吉田親司

2009-04-25 | 冒険小説・旅行記・秘境探検
 本編は読んでいないのだけれど、『機動内親王』というネーミングに負けて購入。本来あり得ない単語の組み合わせには弱いのです。普通だったらスパイ映画や小説のタイトルをもじりそうなところを「機動」と来たか!という侠気に負けました。「宮内中央情報調査室」ってのもすごいな。

 とある1941年12月。空路ベネチアへ降り立った旅客機が爆発。乗客であった大日本帝国の内親王・駒条宮澪子はからくも難を逃れると、負傷した斉藤侍従長が残した謎の言葉「銀盤を手に入れよ」に従ってヨーロッパを駆ける。共に従うのは執事・黒磯に看護婦のハツ。それを追うのはソ連の刺客3人組チーム<カサノヴァ>。
 華麗な黒ドレスに身を包んだ帝国プリンセスの大冒険が始まる!

 背丈の小さなプリンセスと長身看護婦の凸凹コンビが活躍し、男装の執事やらメカマニアが加わって、空に陸にの冒険の旅。
 ただ、表紙はイラストに紛れて気がつかなかったのだけれど、最後に物語は「続く」で終わっていて、背表紙を見たら確かに「1」の文字が入っています。しまった! 一発ネタだと思っていたら続き物なんだっ!?(まあ、面白かったからいいや)

【機動内親王】【澪子様の冒険】【女皇の帝国外伝】【吉田親司】【飛行船】【温泉】【秘密基地】【ピザ】【鍋焼きうどん】【アラン・チューリング】【氷山空母】
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「メコン・黄金水道をゆく」 椎名誠

2009-04-08 | 冒険小説・旅行記・秘境探検
 椎名誠がインドシナ半島を縦断するメコン川を旅した45日間、4500キロの記録。

「ビールが飲みたい」

 椎名誠の旅行記やエッセーは親子そろって大好きでかかさず読む本なのです。
 旅先で出会った人たちの姿が描かれ、飲み食いする様子が愉しそうで、なおかつ読むことで自分たちの姿と対比できるところが面白いのですね。向こうも人間、こちらも人間。どちらがエライとか優秀とか関係なく、とにかく愉しく酒を呑んで1日が終われば最高だよねという雰囲気が伝わってくるわけで、お酒呑んで暗くなったりしてちゃダメだよねと同意しました。

 今回も、市場で蜘蛛売りの少女に会ったり、元気の良すぎる葬式に困惑したり、温くて甘いビールを考察したりとあいかわらずの旅でした。

【メコン・黄金水道をゆく】【椎名誠】【ラオス】【カンボジア】【ベトナム】【水上家屋】
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「世界のシワに夢を見ろ!」 高野秀行

2009-04-04 | 冒険小説・旅行記・秘境探検
 著者が世界のあちこちへ行ったり来たりしている間のミニ・エピソード集。

「いやあ、だって空港の係官、地雷を知らないんだもん」

 成田空港のテロ対策は100円ショップの玩具刀は通さないくせにホンモノの地雷は素通しという話から、アフリカの奥地で初体験とか、山奥の無人駅で夜明かしとか、どんなに科学が発展しても現地に行かなくては解らないことは多いとか、米粒が行進する話とかあれこれ盛りだくさんの1冊。
 早稲田の下宿もタイの裏通りもコンゴのジャングルも、等しく「世界のシワ」(辺境)でひとくくりにされてしまうあたりが愉しいね。

【世界のシワに夢を見ろ!】【高野秀行】【洞窟】【マリファナ】【蚊】【賄賂】
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「珍獣ハンター イモトの動物図鑑」 日本テレビ

2009-03-12 | 冒険小説・旅行記・秘境探検
 世界中に出かけていろんなことをしようというテレビ番組「地球の果てまでイッテQ」から、珍獣ハンター篇をまとめたもの。コモドドラゴンと追いかけっこしたり、ワニと綱引きしたりとなかなか本編を映像で観ると愉しいけれど、動物図鑑の方は今ひとつかなあ。なんとなく怪獣図鑑っぽい解説には笑ったけれど、「地球5周分の旅日記」というには物足りなかったですね。図版としても文章としても。
 まあ。ポイントで買ったからいいや。
 なんというか、テレビの企画本というのは番組の人気があるうちに出版してしまえとばかり勢いで作るのか、いつまでも書架に置いておけるタイプは少ないですね。むしろ放映終了後何年も経ってからじっくり編集されるものに面白いものが多い気がします……というか、最近買ったり読んだりしたものの傾向なんですが。

【珍獣ハンター イモトの動物図鑑】【日本テレビ】【地球5周分の旅日記】
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