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付け焼き刃の覚え書き

 開設してからちょうど20年。はてなにお引っ越しです。https://postalmanase.hateblo.jp/

「ひとりぼっちの異世界攻略7」 五示正司

2021-06-23 | 異世界転移・召喚
「平和になったのかな?」
「う~ん、平和はじゃないのかも知れないけど、敵は全滅しちゃったから、全滅しちゃうと戦えないかも?」

 まったく平和じゃないけれど、とりあえず平和になった。

 王都は奪還されたが、貴族の私兵軍と教国騎士団による「辺境地平定軍」がオムイへの侵攻を開始していた。それと同時に、教国がこれまで“天罰"として引き起こしていた迷宮の魔物の人工氾濫(スタンピード)を辺境でも起こそうとしていた。暴走するダンジョンは5つか6つか? それ以上? 1つでも遺せば大勢の人が死ぬ。
 遙がたった1人(+偽迷宮)で教会派数万の軍勢の前に立ち塞がっている間に、オムイ率いる辺境軍が、委員長らの女子会が、大迷宮を潰さんと挑んでいた……。

 周りにクラスメイトはいっぱいいるのに、筋肉が引きちぎれ、血管が破裂し、骨が砕けつつも素知らぬ顔で苦痛を無視して再生しながらひとりぼっちで戦う少年の物語で、オタクや莫迦たちも覚悟の上で人間を殺す7巻。
 そして、王国に残る貴族たちは忘れていたのです。黒髪の軍師や乙女たちは単なるトロフィーではない、迷宮殺しだということを。大迷宮を殺せる者たちを、たかが人間の技量や装備で害せるわけがないじゃないですか。舞踏会が武闘界になってしまう狂気の一夜まで。

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「異世界迷宮でハーレムを5」 蘇我捨恥

2021-06-09 | 異世界転移・召喚
 スキルも使いこなせるようになり、探索も順調な加賀道夫に冒険者の移動魔法を使ったハルツ公爵領の豪雨被災地への物資運搬依頼が舞い込む。そこでハルツ公爵や公爵領騎士団長のゴスラーと知り合い、その能力を認められたのだが……。

 ドワーフのセリーが加わり、迷宮探索したり遠くの街まで旅をしてみたりの5巻。セリーのうわばみっぷりとロクサーヌの異常性が浮き彫りになります。主人公は異世界の「普通」を知らず、ロクサーヌが「こういうものです」と控えめに平然と語るのをいぶかしげに思いながらも信じていましたが、やっぱりアレらは普通ではなかったのです。
 そして鍛冶師の仕事はまさにゲーム的。うん。確かにここはゲームの世界だわ。

【異世界迷宮でハーレムを5】【蘇我捨恥】【四季童子】【ヒーロー文庫】【小説家になろう】【恐怖のズンドコ】【いいエルフは死んだエルフだけだ】
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「異世界迷宮でハーレムを4」 蘇我捨恥

2021-06-03 | 異世界転移・召喚
「大丈夫ですよ。あんなものはどうせ飾りです」
 エロい人にはそれが分からんのです。

 加賀道夫はさらに迷宮探索を進めるために新たな奴隷の購入を検討し始める。もう1枚、前衛がいた方が戦術に幅が出るのだ。
 もちろん、新たな奴隷が女性でなくても良いと考えていた。もし、撤退する危機に陥ったときでも、奴隷のおっさんなら迷わず殿にできるからだ。でも、実際に奴隷商で男の奴隷を紹介してあっさり断念。男奴隷が並ぶ光景は、まるでヤクザの事務所のようだ。無理。絶対、無理。
 そろそろ鍛冶師も仲間に欲しいのだが、鍛冶師になれる奴隷は貴重で、彼に紹介されたドワーフ族のセリーも鍛冶師になれなく挫折した少女だった……。

 初めてのツッコミ役、好奇心旺盛で勉強家のセリーが参入。やっぱりロクサーヌは普通ではなく、道夫とセリーの目線での会話が始まります。とはいえ、道夫も十二分に異常なので、主に遠慮しつつもセリーのジト目ツッコミが始まります。
 ウェブ版のモンスターカードがスキル結晶に変更されたのは納得。
 ファンタジー小説の主人公たちの冒険をゲームで再現しようとテーブルトークRPGのルールが作られ、それをコンピュータでも対応できるようシステムやNPCの言動をシェイプアップしたコンピュータRPGが生まれ、それが今度はそぎ落とした部分をそのまま放置して小説にフィードバックされるという流れです。ここで、カードが結晶になって、ちょい戻った感じです。

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「異世界迷宮でハーレムを3」 蘇我捨恥

2021-05-31 | 異世界転移・召喚
 加賀道夫が魔法使いのジョブを得て、迷宮攻略のペースも上がる。
 そして収入も安定してきたので、クーラタルの街で一軒家を借りることにしたのだが……。

 主人公の衣食住が安定してきたところで、あらためて探索者の死について考える回。正直、ロクサーヌがいなければ、「これくらいなら」と迷宮を甘く見ていた主人公は1か月以内に死んでいた気がします。確かに主人公はチートだけれど、それ以上にロクサーヌがチートキャラなんですね。そのあたり、本人の自己評価が低すぎるので未だ目立ちませんが、2人目以降の奴隷が加入してくると如実に分かるようになります。
 そして「ハーレム」といいつつ、その描写は昔のハリウッド映画みたいなもので、それっぽい雰囲気になるとフェードアウトして、さも「夕べはお楽しみでしたね」みたいな感じで夜が明けます。その点、しっかり描き込むコミック版はコミカライズした意義があります。

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「異世界迷宮でハーレムを2」 蘇我捨恥

2021-05-30 | 異世界転移・召喚
 狼人族の少女ロクサーヌが戦闘奴隷(兼性奴隷)として道夫のパーティーに加わってから、すべてが順調だ。なにより、この世界の常識を彼に教えてくれる存在は貴重なのだ。それは彼の失敗を未然に防ぎ、あらたなジョブを獲得するための手がかりとなる。
 そんなとき、ロクサーヌを購入した奴隷商の商館を、通りの陰からうかがう盗賊を発見する……。

 書籍化にあたって、細かい修正事項も見受けられます。
 武器防具やアイテムのスロットに挿入するものが、カードではなく結晶になってました。確かに何かのゲームそのままのようなシステムの世界ですが、モンスターカードとか言ってしまうとさらに何かのTCGみたいなので、これはすんなり受け入れられました。

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「異世界迷宮でハーレムを1」 蘇我捨恥

2021-05-29 | 異世界転移・召喚
 母親を早くに失い、父親からは虐待され、学校では苛められていた加賀道夫は開き直って武術を習うが、それは虐めが無視に変わっただけだ。もはや生きていても面白くないと自殺サイトを眺めていた道夫は、異世界で人生やり直そうなどとネットゲームの広告のようなサイトに目が留まった。
 黙々とキャラメイクをしていたと思ったら、いつの間にか見知らぬ田舎の馬小屋で、ジャージ姿のままで目が覚めた。ゲームか現実か、道夫が半信半疑のままでいると、村が盗賊に襲撃されてしまう……。

 現実世界に居場所のなくなった主人公が、ゲームのようなシステムが機能している異世界に転移して、その際に手に入れたチートな能力によって頭角を現し、女奴隷を手に入れることで迷宮でも寝所でも大活躍する話。書籍化にあたって大幅な書き足しがあり、ストーリーは変わらないけど、どこか足早で状況説明だけ済ませたようなプロローグからしっかり書き直し。小説としての完成度が上がりました。
 ウェブ連載を最初に読んだときは「ご都合主義だ」と軽く読み飛ばしたけれど、なんとなく気になって何年かしてから読み直してみれば「これはこれで面白く読めるなあ」と再評価し、コミックの出来が良かったので10年目に書籍購入。仕事で疲れたときに読むとストレスフリーで安らぐんですよ。
 ただ、ヒロインであるロクサーヌのイラストが、狼人族なのにラブラドール・レトリーバー系のたれ耳なんですね。狼なら立ち耳だろ?とは思いましたが、文章中にぱたぱた耳の描写があるので、イラストは間違いじゃないんです。

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「異世界転移、地雷付き。5」 いつきみずほ

2021-04-18 | 異世界転移・召喚
 キノコ騒ぎも収まって、ナオたちは知り合いも呼んでの新築祝いの宴。みんな酔っ払って大変。一方、冒険者稼業ではアンデッドと遭遇するようになって、通常の武器では倒せない相手への対処が必要に。
 アンデッド対策を求めて、見つけた神殿に足を踏み入れたナオは、そこであの邪神と再会する……。

 冒険しない転生冒険者たちの異世界ライフも5巻。一か八かの一攫千金狙いはしないで、死んだり大怪我をしたらおしまいと謙虚堅実に冒険しながら実績を積み上げていきます。そして、やっぱり日本人ならマイホームには欲しいお風呂の建設です。こういう話なら、それなりに地方都市で評価を得られるようになり、自分の持ち家を持つようになったらゴールインで終わっても良い気がしますが、まだまだ続くのです。
 収録短編は、地雷でない方のクラスメイトの1人、冒険者サイの物語。

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「異世界に落とされた…浄化は基本!」 ほのぼのる500

2021-03-31 | 異世界転移・召喚
「召喚術は世界の秩序を乱すからダメだとあれほど!!!」

 掃除屋を営む35歳の青年、天王翔はある日、異世界の勇者召喚に巻き込まれたが、召喚そのものは失敗。翔が目を覚ますとイヤな空気に満ちた暗い森の中にいた。
 そこは、人間の王国の陰謀によって呪われた土地となっていた……。

 しがない掃除屋さんが異世界を浄化して廻って、知らないうちにフェンリルやフェニックス、ドラゴンなど伝説の生き物からスライムまで、さまざまな生き物に慕われるようになり、自分がどれだけ強いのか自覚することなくスローライフを愉しむ物語。

【異世界に落とされた…浄化は基本!】【ほのぼのる500】【イシバシヨウスケ】【 TOブックス】【ほのぼの勘違いファンタジー】【小説家になろう】【ほのぼのファンタジー】【蜘蛛】【狼】
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「ニートだけどハロワにいったら異世界につれてかれた10」 桂かすが

2021-02-14 | 異世界転移・召喚
『型とはつまるところ先人たちの技と経験の集大成なのだ』

 剣聖のもとで修行しているマサルだが、能力的に伸び悩んでいる。そこで剣聖は魔法の使用を禁じた上でステイタスも封印し、その上でオーガクラスからやり直せと命じた。そもそもスキルまかせの底上げ前提で、マサル自身はまともな剣の型ひとつ知らなかったのだ。ボロボロになりながらの修行は続く。
 一方、獣人たちがマサルの配下となる部隊を編成したと聞きつけたエルフたちが、自分たちもと支援部隊の編成を始めていた……。

 2年半ぶりの10巻! 待ってたよ! あまりに間が開きすぎて、イラストの人、少し絵が変わっちゃったよ。
 2013年に「小説家になろう」でスタートして8年。チートな能力をタナボタで手に入れた主人公にハーレムができるという典型な話なんだけれど、後追い諸作品のようにチートにかまけて苦労しないということもなく、違いは見た目だけで無個性なヒロインが自動的に加算されていくような話でもなく、常にリスクとリターン、メリットとデメリットがあることを前提にマサルは選択を繰り返していきます。本当だったら、のんべんだらりと暮らしていて、気ままに戦闘力を誇示して悦に入っていればいいのに、それはできないんですね。どんなスゴい力も使い方次第で強くも弱くもなり、神にも悪魔にもなれる。でも、主人公は良くも悪くも一般人の感覚で生きています。
 この頃の作品で今も残る作品はこういう傾向があるのかも。
 今回はマサルが原点に返って修行をやり直すところから、ヒラギス奪還作戦が始まり勝手に先陣を務めて万の大群を相手取るところまで。とりあえず山を割ったり、辺り一面焼け野原にしたり、みんな元気です。
 11巻の予定もあるそうなので、心待ちにしたいと思います。今回は初めて地図ページがなくなっていたけれど、次回はちゃんと掲載されていることを期待します。

【ニートだけどハロワにいったら異世界につれてかれた10】【箱庭世界ラズグラドワールド】【桂かすが】【さめだ小判】【MFブックス】【異世界冒険ライフ】【小説家になろう】【赤い羽根】【型】
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「ひとりぼっちの異世界攻略6」 五示正司

2021-01-28 | 異世界転移・召喚
「王家なんて誇りを失えば埃の様に吹き飛ぶもんだけど、自分で無能で無才で無知で無力だと知りながら這いずり回るしか出来なかった惨めな代王が誇りを見せたんだよ」
 見苦しい足掻きにこそ、誇りがあったんだよと遙。

 命懸けで辺境にまでやってきた王弟の目的は黒髪の少年の身柄確保。教国に狙われている王国が割れるのを防ぐため、代王である自分と遙の首を貴族軍に差し出そうというのだ。そんな愚かで無意味な行動は断固として反対したい軍神メロトーサムだが、あいにくなことに遙本人が王都に行く気満々だったのだ。
 しかし、その頃既に、商国の傀儡と化した第二王子が謀反を起こして王都が占領、病身の国王は行方不明となっていた……。

 こどもはみんな、あったかくして、おなかいっぱいで、しあわせでなくちゃいけないのだ。

 刊行は順調で、なにかいつも新刊を見ている気がしますが、まだ6巻というかもう6巻というか。あの言葉遊びのノリツッコミが無限ループしているような語りもブラッシュアップでかなり読みやすくなっていますが、それでも通訳がいないとよく分からないことは多々あります。それにルビが重要なので、目が悪いと読みにくくて困りますね。

【ひとりぼっちの異世界攻略6】【life.6~御土産屋孤児院支店の王都奪還】【五示正司】【榎丸さく】【オーバーラップ文庫】【最強ぼっちの冒険譚】【魔導ブラ】【辺境Tシャツ】【お風呂女子会】
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「一般人遠方より帰る。また働かねば!」 勇寛

2021-01-09 | 異世界転移・召喚
「杉山君、僕が思うに普通の人は、車より速く走れないし、トラックに撥ねられたら病院に行くし、人一人をビルの4階までホームランは出来ないし、日本刀で斬られたら死ぬし、警察に囲まれたら捕まると思うよ」
 伊藤店長の反論は尤もだ。

 杉山茂はありきたりの一般人だ。ほどほどに働いて、フリーターとしてはそこそこ稼ぎ、チェーン店で温かい定食が食べられる程度の生活で満足している。彼が異世界に召喚された「勇者」や「聖女」「魔王」といった素養を持った高校生の転移に巻き込まれたときも、結局、そこそこの能力しか身につかず、ヒラ兵士として彼らの従者を務めるのが精一杯だった。
 ところがなんとか異世界を生き延び、1人、現代へと帰還できたものの、財布や携帯をまだ異世界にいる勇者に預けたままなので、手持ち無しの連絡不可能な状態に。しかも、勇者たちと比べれば比較にならない低レベルでヒラ兵士クラスの茂でも、こちらの世界では超人レベル。帰宅する際にビルの谷間を飛び歩いていたり、トラックに轢かれそうな人を助けたのが防犯カメラに捉えられていて「謎の超人出現」と大騒ぎになってしまう……。

 「小説家になろうにてロングヒットの人気作、ついに書籍化!」というから、どれだけ長期連載かと思ったら、2018年の6月から始まって連載中ということで、まだ2年ちょい。コミック版も同時に始まってますが、オリジナルのストーリー展開になってます。
 そこそこ稼いでほどほどに幸せな生活をしたいだけの男が、いろんな事件に巻き込まれていくうちに雪だるま式に話が大きくなって、いつの間にか警察に追われたり政府に警戒されたり、果ては超能力やら魔術を使うような秘密結社だか犯罪組織の抗争に巻き込まれ、東西奔走しないといけなくなる苦労譚。あくまで静かに生活したいだけの主人公に対して、勝手に盛り上がっていく支援者たちの熱狂とのギャップが泣かせます。
 「鳥喰らい」のから揚げ定食食べたいよね。

【一般人遠方より帰る。また働かねば!】【勇寛】【つくぐ】【Kラノベブックス】【小説家になろう】【食いきれないなら映える写真は撮るな】
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「北海道の現役ハンターが異世界に放り込まれてみた3」 ジュピタースタジオ

2020-12-19 | 異世界転移・召喚
「どんなに反対があろうとも、やらねばならぬ事なれば、説得を惜しまず、正式に手続きを取り、多くの者の支持を取り付け、公式にやらねばならぬ。それが政なのだ」
 国王は、周囲が王にふさわしいか常に見ているからこそ、いい加減なことはできないし、邪魔な相手を暗殺で排除するなんてしてはいけないのだという。できるかできないかではない。敵対する者を消して解決しようとするのが愚策と言うだけだ。

 中島も異世界での生活にも慣れてきて、ハンターとしての経験も積んできた。ハトの駆除ばかりでなく、連続暗殺事件も解決したし、ゾンビの群や不死身の魔女とも戦った。
 でも、それは彼が強くなったからではない。今でも敵に先手を取られたらあっさり死んでしまうだろう。強いのは銃。彼にできるのは常に臆病でいて、必ず相手の先手をとるよう心がけるだけなのだ……。

 公務員兼ハンターの青年が異世界に召喚されて、北海道では想像もできなかった怪物を相手にハンティングをする物語の最終巻。やった! 完結したよ! このまま他の「北海道のハンター」シリーズ、『北海道に魔物が出たので地元ハンターが出動してみた』あたりも書籍化してくれないかしら。

【北海道の現役ハンターが異世界に放り込まれてみた3】【ジュピタースタジオ】【夕薙】【ガガガブックス】【頼れるエルフ嫁と送る異世界ライフ】【実銃ウンチク&狩猟知識満載】
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「ひとりぼっちの異世界攻略5」 五示正司

2020-12-17 | 異世界転移・召喚
「このお話は無駄に長いけれど無駄を削ると何も残らないという糖質ゼロの綿飴みたいなお話で、書籍化では無駄を最低限にと、それはもう削りに削り詰めに詰めて校正して、頁数ギリギリにまで削っているんですが……」
 作者あとがきより。
 まったくウェブ連載は読んでも読んでも最新話に追いつかんのです。

 遙は甲冑委員長やスライムを護衛に付け、クラスメイトたちのレベルアップを図る。迷宮をクリアし続けないと魔物で世界があふれてしまう世界で生きて行くには強くなるしかなく、そして彼は誰一人死なせるつもりはないのだ。
 しかし、学級委員長たちのレベルは上がっても思うほど強くはならない。それは彼女たちの戦い方が誰かを守るための剣になっているから。彼女たちは魔物を倒すために戦っているのではなく、自分たちのために傷つき続けている遙を守る力になりたくて戦っているのだ。バカの柿崎たちもいう。「なんであんな体で平気な顔が出来るのだろう」と。彼らには遙の腕がもがれたのも、お腹を抉られたのも、体中が貫かれたのも分かるのだ。その痛さや苦しさも想像できる。ただ、再生してきれいな体になっているだけだって。
 だから、みんな笑って破産するのだ……。

 お大尽様相手のボッタクリとか弱肉強食の食事風景とかエンドレスな言葉遊びとか、ふざけてばかりのようで、その裏で人間の弱さ強さとか、自己中心的な言動と自己犠牲的な生き方の対比とかしっかりやっているので作品としてのバランスが意外に良いのです。
 絵的にも美少女たちのポートレイトを1つ1つイラストに加えながら、その合間に墓標のシーンとかモンスターとの戦いも落としていないのでイラスト的にもバランスが良いのです。それで登場人物紹介も、ちゃんとアップグレードされてるんだよ。
 誰よりも好き勝手に生きているようで、誰よりも他人のためだけに生きている、壊れた道化師みたいな幸せの大災厄の冒険譚。もうみんな諦めて幸せになっちまいな。

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「10年ごしの引きニートを辞めて外出したら自宅ごと異世界に転移してた」 坂東太郎

2020-10-07 | 異世界転移・召喚
 無職で引きこもり歴10年の北条雄二は、両親の死をきっかけに引きこもり脱却を決意し、家の外に出るが、そこは見覚えのない世界。ファンタジー生物が闊歩する異世界の密林だった。
 なぜか繋がるライフラインとネットを頼りに、ユージは愛犬コタローとともに生きていく覚悟を決めるのだが……。

 書籍化されたけれど、書籍版は大幅な改変がされて別物になっちゃってるので、読み返すときはウェブ版です。
 異世界に来てしまったけれど、なぜかライフラインは保証されているというのが大前提。しかもインターネット回線は普通につながっているので、通販を頼んでも品物は届かないけれど情報は行き来できるので、そこでサバイバルに必要な情報を手に入れていくというのが骨格です。これだけだと、よくある現代世界にインフラ依存して異世界で無双するパターンですが、この話の特色は現代日本側にあります。
 最低限の衣食住を確保して、手探りながら異世界のんびり開拓していく主人公に対して、その主人公からの掲示板への書き込みは最初はネタとしてはやし立て観測しているだけだったネット民、掲示板の住人たちが、その投稿内容を暇つぶし半分で検証していくうちに信じ始め、ネットを通じてなんとかバックアップできないかと試行錯誤し始めてからが本番です。いわゆる「電車男」パターン。
 主人公のユージは思わぬ異世界転移で引きニート脱出となりますが、掲示板の向こうの人々も1人1人いろんな悩みや葛藤を抱えていて、引きこもっていたり、人生脱落しかけていたにも関わらず、ユージを応援しようと動いていくうちに自分たちの殻を破り、思わぬ出会いがあり、1歩ずつ新たな道を歩み始めるダブルストーリーなのです。
 異世界で空から襲ってくる魔物に立ち向かうのも冒険なら、他人との接触が怖くて引きこもっていたような人間が夜中に家を出て買い物に出られるようになるのも冒険。そういう人間が全国から集まって、なにか大きなイベントを仕掛けるところまでいけば大冒険。さらに、そういう活動を通じて同性や異性の友人ができたら、完璧なサクセスストーリーってもんです。
 この異世界と現代の交錯するさまが、実に面白くて爽快なのです。

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「すーちゃんと薬草勇者」 神代ふみあきnext

2020-10-03 | 異世界転移・召喚
 ユージシン村のギルドには世にも珍しい冒険者がいた。異世界から落ちてきたという出自も珍しいけれど、それは内緒。彼はほとんど魔物を殺したことがないのにDランクまで昇格した、素材採取専門の冒険者なのだ。彼のパートナーはスライムのすーちゃん。なんでもかんでも呑み込んで「ひぎゃっ」と言わせる天才だ……。

 不殺で素材採取専門の冒険者が、相棒のすーちゃんのおかげでどんどん強く偉くなっていくのだけれど、変に使命感を感じるでもなく、かといって増長するでもなく、自然体で飄々としながら娼館のおねえさんたちや森のモンスターたちを助け、冒険者たちが感謝し、貴族がひれ伏す異世界下克上ファンタジー。ジャンルでいうと、テイマー無双な話なんだけれど、2012年の作品なのでこの手の話としては古株。とりあえず全25話。分量はないけれど軽快なテンポでサクサク進みます。
 通常の「小説家になろう」ではなく、18禁のノクターンノベル掲載だけれど、エッチというよりは下品なコメディー。雰囲気で言うと……そう、万が一にもコミカライズするなら安永航一郎がベストというくらい。たぶん最高。
 とにかくノリが良く元気に話が進むのでストレスフリー。これを読みたくなるのは「モルダー、あなた疲れてるのよ」くらいの精神状態のときかな……というわけで、今、読んでます。

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