
自由・独立・人権はなにより尊いと、フィリピン独立闘争を指揮した南洲翁、大西郷の檄。
この話、映画化された『海底軍艦』のイメージが強いのだけれど、実際は海洋SFではなく、仮想戦記とか冒険小説のジャンルなんですよね。はっきりいって武侠小説。
武力にものをいわせ、植民地を拡大していく西欧列強に対抗すべく、大日本帝国の桜木海軍大佐とその部下は南洋の孤島・朝日島に秘密の造船所を建造し、海底軍艦<電光艇>を建艦していた。
いかに列強の大艦隊といえども、海底からの攻撃には手も足も出ないだろう……。
『海底2万マイル』と同じく、軍艦が水中を進むだけで超兵器扱いされる時代の物語。
海賊も悪いし、アメリカも卑劣だけれど、もっとも極悪な敵はロシア帝国。ムウ帝国なんか出てきません……という『海底軍艦』と空中戦艦が登場する続編『武侠の日本』の2作を収録した1冊。アジアを見下す西欧列強を、日本人が中心となって団結したアジアの人民の力で退けて自由・独立を!という、当時の世相を色濃く反映した押川春浪の主張がぎゅぎゅっと詰まってます。
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