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付け焼き刃の覚え書き

 開設してからちょうど20年。はてなにお引っ越しです。https://postalmanase.hateblo.jp/

「続・テレビまんが主題歌のあゆみ」 日本コロンビア

2019-09-12 | 巨大ロボット
 70年代テレビアニメのオープニング曲をオリジナル音源フルコーラスで収録したCDコレクションの第二弾。
 同じコンセプトで「TVサイズ!テレビまんが主題歌のあゆみ」というシリーズも出ていて、これこそテレビで聞いた曲なんだけれど、なぜかTV放映時にはあったセリフとか効果音が入ってなかったりします。TVサイズだけれど、TVで聞いたのとはちょっと違うなあ……って。
 「少年徳川家康」はちゃんとオープニングでお馴染みのナレーションが入っているし、「赤胴鈴之助」は「ちょこざいな小僧め!」からのセリフはついてるし、「ラ・セーヌの星」は2話までの堀江美都子版ではなくアレーヌ版が勇ましいかけ声と共に収録されてます。
 でも、「アニメンタリー決断」にはオープニングナレーションが入っていないのは残念だけれど、艦これ劇場版の予告編にかぶせると、案外違和感なくはまりますよね。

【続・テレビまんが主題歌のあゆみ】【日本コロンビア】【カバトット】【アンデルセン物語】【さすらいの太陽】【新オバケのQ太郎】【天才バカボン】【ふしぎなメルモ】【さるとびエッちゃん】【決断】【国松さまのお通りだい】【アパッチ野球軍】【ルパン三世】【原始少年リュウ】【樫の木モック】【海のトリトン】【魔法使いチャッピー】【赤胴鈴之助】【デビルマン】【科学忍者隊ガッチャマン】【ハゼドン】【かいけつタマゴン】【アストロガンガー】【ど根性ガエル】【マジンガーZ】【バビル2世】【けろっこデメタン】【山ねずみロッキーチャック】【ジャングル黒べえ】【ドラえもん】【ワンサくん】【ミクロイドS】【ミラクル少女リミットちゃん】【新造人間キャシャーン】【ドロロンえん魔くん】【キューティーハニー】【アルプスの少女ハイジ】【魔女っ子メグちゃん】【ゲッターロボ!】【新みなしごハッチ】【グレートマジンガー】【ジムボタン】【破裏拳ポリマー】【宇宙戦艦ヤマト】【てんとう虫の歌】【ウリクペン救助隊】【フランダースの犬】【勇者ライディーン】【ラ・セーヌの星】【ガンバの冒険】【少年徳川家康】【宇宙の騎士テッカマン】
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「機動戦士ガンダム 40th Anniversary BEST ANIME MIX」 

2019-05-21 | 巨大ロボット
 アニメ「機動戦士ガンダム」の40周年を記念したベスト盤で、1分30秒前後に切り出されたテーマ曲が40曲。
 「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」や「機動戦士ガンダムUC」のように複数曲が収録されているものもあれば、劇場版三部作では「哀戦士」のみ収録とか偏りがあり、一方で「シャアが来る」は台詞入りバージョンと、選曲基準が分からず悩みますが、イージーリスニング用としては悪くないと思います。
 素直にTVサイズで揃えてくれるだけで良いのですけれど、そうすると劇場版や挿入歌が仲間はずれになって悩むところです。「シャアが来る」があるなら「勝利者達の挽歌」だって良いじゃないかと思うんですけどね。

【機動戦士ガンダム 40th Anniversary BEST ANIME MIX】【DJシーザー】【サンライズ】【機動戦士ガンダム】【機動戦士ガンダム 第08MS小隊】【新機動戦記ガンダムW】【機動戦士ガンダムSEED】【機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ】【機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY】【機動戦士ガンダムZZ】【ガンダム Gのレコンギスタ】【機動戦士ガンダム00】【機動戦士ガンダムSEED DESTINY】【機動戦士Ζガンダム】【機動戦士Vガンダム】【機動戦士ガンダムF91】【機動戦士ガンダム 逆襲のシャア】【機動新世紀ガンダムX】【ガンダムビルドファイターズ】【∀ガンダム】【機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争】【機動武闘伝Gガンダム】【機動戦士ガンダムUC】【機動戦士ガンダムAGE】【機動戦士ガンダムII 哀・戦士編】
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「トップをねらえ!超百科」 コンプティーク

2017-12-25 | 巨大ロボット
 銀河中心殴り込み艦隊の成否を待たず、地球を脱出してシリウス星域に移住を始めた人々は、地球外文明が残した超先史時代の遺跡を発見。精神をエネルギー化する「理力」と呼ばれる力の理論化・兵器化に成功した移民者たちはシリウス同盟を結成。地球政府に対して独立を宣言した。
 地球政府はシリウスの独立を認めず戦端が開かれるが、カルネアデス計画によって人的にも物的にも資源が枯渇していた地球と、今なお発展途上のシリウス同盟では、互いに全面戦争に突入するほどの余力はなかった……。

 雑誌コンプティークの別冊付録の小冊子。OVA『トップをねらえ!』と『トップをねらえ2!』の間にマルチメディア展開で『トップをねらえ!NeXT GENERATION』という企画を展開していた時期がありました。そこで矢野健太郎、そうま竜也、西田司らによるコミック、苑崎透の小説などが発表されていましたが、それに加えてパソコンゲーム雑誌『コンプティーク』において読者参加ゲーム(リーダーズチャレンジ)も、「ロボクラッシュ!」と隔月で開催されていました。ゲームデザインはクロちゃんこと黒田幸弘。
 この別冊は『トップをねらえ! NeXT GENERATION』の設定資料集であり、読者参加ゲームのマニュアルであり、巻末に銀河中心殴り込み艦隊が地球に帰還するまでを描いたそうま竜也版コミックが収録されています。今、読めば、この中途半端にロストテクノロジー化してしまったカルネアデス計画の残滓と、超科学というより魔法に近いシリウス文明が混ざった果てが『トップをねらえ2!』なんだなあと感慨深く思えます。
 この『NeXT GENERATION』の存在を知らないと、1から2への変化って、ちょっと唐突ですよね。

【トップをねらえ!NeXT GENERATION超百科】【コンプティーク10月号付録】【ガイナックス】【角川書店】【そうま竜也】【美樹本晴彦】【黒田幸弘】【A.C.M.E.】【貞本義行】【吉田ひでとし】【M&Fプロダクション】
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「巨神計画」 シルヴァン・ヌーヴェル

2017-08-02 | 巨大ロボット
「人間はひとりでは怖がりで、愚鈍で、利己的ですが、充分な人数がまとまれば、それなりにまともになるだろうと思ってるんです」
 アメリカ陸軍三等准尉、カーラ・レズニックの言葉。
 「1人1人はまともでも集団だとダメになる」という言葉はちょくちょく聞きますが、その逆の言葉は案外と新鮮に聞こえました。

 アメリカである日、少女ローズが転落した穴から発見されたのは、巨大な何かの手らしき物体だった。
 それが6000年前に何者かが地球に残していった、人型巨大ロボットの一部と推察したアメリカ政府は、密かに極秘グループを編成し、その回収と解析にあたらせたのだが……。

 地球全土に散らばったパーツを集め、復元し、解析していく一方で、それを巡る個人間、組織間、国家間での軋轢や発生したトラブルを、どうやらチームの中心人物らしいインタビュアーの会話記録を中心に描いていくもの。女性型巨大ロボットが暴れる話というより、それを巡って人間同士が右往左往する話で、たとえば『エリアル』なら「マッドサイエンティストが政府の予算をだまくらかして勢いでゴーサイン出した。予算が膨大でタイヘンだった」みたいに流すところを、地道にインタビューや私的記録や実験記録の積み重ねだけで語っていくというもので、むしろ『ダンガードA』(コミック版)?
 インタビュアーがいったい誰のために、何のために動いているかが、1つのポイントかな。この人、なにかクンパオチキンばかり食べている気がしますが、四川料理の鶏肉とピーナツの炒め物のこと。アメリカンチャイニーズの定番だそうですが、これ美味しいですよね。
 ところで、ミスター・バーンズが言っていた「借り」って、最後の最後のアレのことでしょうか? いったいどこから介入していたのやら。

【巨神計画】【シルヴァン・ヌーヴェル】【加藤直之】【創元SF文庫】【ロボットSF】【クンパオチキン】【自爆ボタン】【ティターン】【帝国】
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「伝説巨神イデオン 接触編・発動編」 監督:富野喜幸 

2017-06-13 | 巨大ロボット
 1981年1月というのは、SFアニメが2本相次いで打ち切り食らってぶっ飛び最終回を迎えた月です。
 葦プロの『宇宙戦士バルディオス』は人工太陽が極地の氷を溶かして世界中を未曾有の大津波が襲った……というところでおしまい。
 サンライズの『伝説巨神イデオン』は艦隊戦が激化してメインキャラがぼろぼろ死ぬ中でイデが発動しておしまい。
 この破滅エンドが連続してくるわけですよ。名古屋地方なんか放映時間帯の関係で連続して観させられるわけで。
 どちらも幸か不幸か、最終回部分を劇場公開することができました。
 イデオンについてはテレビ版の総集編である『接触編』と新作の最終回相当分の『発動編』が併映で同時公開。当時は座席指定も入れ替え制もほとんどありませんでしたから、みんなトータル3時間超の映画を朝から夜までエンドレスで劇場で観ていたわけで。そりゃあ、回転悪いわな。
 『接触編』終盤から『発動編』の冒頭にかけてはダイジェストですから、とにかく人が死ぬ。報われないまま、敵も味方も死んでいきます。生首飛びます、下半身が次々に吹き飛びます。頭がおかしくなります。『発動編』の本編始まってもペースは落ちません。大人も子供も幼児も、頭吹き飛ぶ、蜂の巣になる、頭上から隕石落ちてくる。だいたい女性陣は頭を撃ち抜かれます……。
 そりゃ面白いし、好きではあるけれど、こういうのを観ていると、「待て待て待て、待ってください、お父さん!」の癒やしのパロディ・ネタが欲しくなるんですよ。
 そもそも、つまりは異文化の誤解と男の意地とプライドのせいで2つの星間文明が滅びちゃう話なので。
 救われねー。

【伝説巨神イデオン】【THE IDEON 接触篇 A CONTACT】【THE IDEON 発動篇 Be INVOKED】【矢立肇】【富野喜幸】【湖川友謙】【すぎやまこういち】
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「戦国魔神ゴーショーグン」 製作:葦プロダクション

2017-05-31 | 巨大ロボット
 2001年、世界を影から支配する悪の秘密結社ドクーガは、真田博士が研究する謎のエネルギー「ビムラー」を狙って動き出した。
 博士は秘密を守って自爆し、一人息子のケン太は博士の親友サバラスによって救出され、移動要塞「グッドサンダー」で世界を放浪するのだが……。

 謎のエネルギーを巡る攻防戦と逃亡劇がテーマのロボットアニメ。
 ただ主役メカの巨大ロボット・ゴーショーグンやケン太より、グッドサンダーチームのメンバーの方が人気が出て、さらにその北条真吾、キリー・ギャグレー、レミー島田の3人よりも敵の3幹部の方が人気が出たんじゃないかという作品。
 というか、最終回の時点で戦いには勝利したものの主役たちがパッとしない状況でくすぶっているのに対して、敵幹部は裏世界だけではなく、表の社会でも大成功していて大統領になっていたり実業家や文化人として脚光を浴びているというのが独特。こんな話は他にないです。
 このTVシリーズは終了後にOVAや小説となり、レミー島田以下の6人が、6人が、敵も味方も併せて6人が、精神世界や異世界や宇宙の果てなどを放浪しながら冒険し続けることになります。

 この作品が他の作品に与えた影響はいろいろあるかと思いますが、第一は、それまでナレーションか主役のモノローグで語るだけだったアニメの予告編が、登場人物が入れ替わり立ち替わり自己紹介したり複数でボケたりツッコんだり掛け合い漫才したり好き勝手するようになったことかな。
 敵組織が幹部毎の独立採算制という点。
 劇場版はテレビシリーズのエピソードをそのまま2話分を再構成してコマーシャルを入れたらOKだ。
 戦闘シーンのBGMに権利切れのクラシック音楽を使うと、安価で豪華になるぞ。
 嫁さんが美人は正義だ。
 戦国とか真田とか九度山とか霧隠とか言ってるけれど、ネーミングだけだぞ。
 一括払いは潔い。

 リメイクしないかなあ。

【戦国魔神ゴーショーグン】【葦プロダクション】【首藤剛志】【スタジオZ5】【佐藤元】【亀垣一】【いのまたむつみ】【湯山邦彦】【ツングスカ隕石】【メカは友達スパイナー】【機械の反乱】【瞬間移動】【生命】
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「ARIEL 正規ユーザー・サポート・パック」 笹本祐一

2017-02-25 | 巨大ロボット
 『未来少年コナン』は原作とまったく別物なので置いとくとして、スペースオペラの古典『キャプテン・フューチャー』がテレビアニメ化したのが1978年。
 国産スペースオペラの第一作『クラッシャージョウ』が劇場アニメ化したのが、ちょいと遅れて1983年。同じ年に超能力者による終末戦争SF『幻魔大戦』も劇場アニメ化。
 このあたりから日本のSF・ライトノベルが年に数本、劇場やOVA用作品としてアニメ化されるようになり、1985年には伝奇ファンタジー『吸血鬼ハンターD』もOVA化。『クラッシャージョウ』の劇中劇が注目されていた、『ダーティペア』はテレビアニメ化。さらには新井素子の異世界召喚もの『扉を開けて』や萩尾望都原作の『11人いる!』、眉村卓のジュブナイル時間SF『時空の旅人』が劇場公開と、なんかマイナージャンルの気分だったSF界にも日の目が当たり始めたような気がした80年代。ええ、みんな観に行ったし、買いましたよ。
 で、その終わり際の1989年に前後編で発売されたのが『ARIEL』の「SCEBAI最大の危機」。ただ、これは1994年のKSS版『マップス』でも思った事だけれど、制作サイドが「この原作のどういうところが面白いのか」理解できないような、既存のフォーマットに焼き付けようとして消化不良の感。なんだかんだ理屈をつけても、地球の科学で恒星間文明と正面から渡り合って勝つような話じゃないんだってば。
 そうした不満を解消したのが、1991年の『DELUXE ARIEL 接触編 THE BEGINNING』と『DELUXE ARIEL 発動編 GREAT FALL』。廃棄物は稼働限界で自滅し、地球文明の危機は腹筋で救われて、初デートと受験はさんざんな結果に終わるという、いかにもSFファンが好きそうな壮大なバカ話は原作者自らシナリオ執筆したものでした。
 そのオープニング、『ウルトラセブン』そのまんまじゃねえか!?というテーマが収録されているのは、今のところ、この「正規ユーザー・サポート・パック」という名のサウンドトラックCDと原案小説と設定資料等が収録されたセットのみ。
 小説原作のアニメ化は多々あれど、曲がりなりにも商業作品で他作品のパロディを堂々とやってしまうという暴挙に、先鞭をつけたのはたぶんこの作品。この「エリアルのうた」を聞くだけでも購入した価値がありました。ただし、テレビサイズの収録はなし。
 エンディングの「危ない土曜日」は、某イベントで原作者の方が「俺はアイドルを使って欲しかったんだよ。アイドルソングとはちょっと違わないか?」とぼやいていたのが印象に残ってます。

【DELUXE ARIEL】【正規ユーザー・サポート・パック】【ポニーキャニオン】【わたなべぢゅんいち】【田中公平】【笹本祐一】
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「ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン(下)」 ピーター・トライアス

2016-12-08 | 巨大ロボット
「名誉なんぞ、気分ようなるための言葉遊びや」
 人と動物のちがいは名誉のあるなしだという石村紅功に対して久地樂は反論する。

 密かに人々の間で流行しているのは先の大戦で日独が負けた改変歴史世界を舞台とするゲーム〈USA〉で、これがアメリカ人抵抗組織のプロパガンダ工作に利用されているのだが、これを開発したのが所在不明の六浦賀将軍らしい。
 いつの間にか陥れられ、このままでは拷問死か名誉ある自害しかなくなった特高の槻野昭子は石村大尉に助けられ、失った片腕にガンアームを装着して抵抗組織の本拠地サンディエゴへと向かうのだが……。

 登場人物のほとんどが軍人か軍属か憲兵か特高かという話で、五族協和だか八紘一宇だかお題目を唱えているくせに天皇陛下をちょっとでも侮辱すると即死刑というディストピア。まだ東海岸のナチス支配地域の方が住みやすそうだけれど、あちらはあちらで純アーリア人以外は抹殺されているんだよね。
 とにかく近未来ガジェットががんがん出てくるし、怪しいゲーマーやらギャングのボスやら何代目ジョージ・ワシントンやらエイブラハム・リンカーンやら登場するのだけれど、どんどん死ぬなり退場したままそれっきりになるので後に何も残らずもったいない。メカ・パイロットの久地樂(くじら)も関西弁でキャラが濃いのに出番は少なくて、もう少し使いようはなかったのかな。
 帯にあるような「高い城の男」&「パシフィック・リム」というより、「高い城の男」リブート版といった感想でした。

【ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン(下)】【ピーター・トライアス】【John Liberto】【ハヤカワ文庫SF】【改変歴史SF】【人造女給】【片腕マシンガール】【電卓ヤクザ】【ポメラニアン】
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「ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン(上)」 ピーター・トライアス

2016-12-07 | 巨大ロボット
「人間はそれぞれ1個の宇宙を持っているということだ。体内に血球をめぐらせ、臓器を動かす神だ。この宇宙は、無限にあるなかの1個の個性的な宇宙だ」
 電卓バレーの暗黒街のボス、工匠の言葉。

 第二次大戦はいち早く核兵器と巨大ロボット兵器を投入した日独の枢軸側勝利で終わった。そして40年。アメリカ西海岸は日本の統治下にあって日本合衆国(USJ)と呼ばれている。
 情報統制を担当する帝国陸軍検閲局勤務の石村紅功(いしむら・べにこ)大尉のもとに、特別高等警察の槻野昭子が訪れる。石村のかつての上官であり、軍事ゲーム開発の第一人者の六浦賀将軍が消息を絶っているというのだ……。

 表紙イラストからすると巨大ロボットSFっぽく見えるけれど、実際には出番はさほど多くなく、反日のアメリカ勢力テロリストをめぐる特高と憲兵隊の、人の命も尊厳も風船より軽い捜査に(暗い過去のある)ノンポリ技官が巻き込まれる、サイバーパンク小説。21世紀版『高い城の男』と言われるけれど、確かにロボットアクションSFとかではなく、そちらの要素が強い話です。
 いわゆる大日本帝国の悪いところを濃縮した上に、薔薇の香りの香水を振りまいて取り繕ったようなディストピア感は、知っていてわざとやっているのか、勘違いの上塗りしているのか気になるところです。朝食に、味噌汁とベーコンにカッパ巻という組み合わせは何なんでしょうね。ご飯に焼き海苔とキュウリの漬け物というのは普通だけれど、カッパ巻かい! 太平洋戦争で日本が勝っていたら、こういう食文化になっちゃうのかねえ? ちょこちょこ日本文化が根付いているのをみせるために食事シーンとかあるのだけれど、ぜんぜん美味そうじゃないんだ。
 日本語訳は上手く雰囲気を活かしていて、パソコンだかなんだかを「電卓」と訳したのはすごいと思いました。

【ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン(上)】【ピーター・トライアス】【John Liberto】【ハヤカワ文庫SF】【改変歴史SF】【人造女給】【艦娘】【アナハイム】【電卓知能】
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「ガンダムアーカイヴ」 メディアワークス

2015-02-27 | 巨大ロボット
 大掃除をしていて掘り出した、機動戦士ガンダムの完全設定資料集。モデルグラフィックス編集部の刊行したやつではなく、1999年刊行の大判A3サイズの華愛蔵版でやたら高かったやつ。無理して買ったような気もするし、誰かが買うだけ買って自宅では邪魔になるからと置いていった気もするし。
 こころあたりは回収に来てください。

 内容は初期企画『ガンボーイ』から劇場版『めぐりあい宇宙』までのファーストガンダムの設定資料集で、メカやキャラクターの作画用設定書の欄外にキャプションがちょろちょろ書いてある感じです。ガンダムの原画を描くにはお薦め。ストーリーとか図版以外の設定についてはほとんど無いに等しいのですけれど、こちらはいまだ新設定が追加されたり掘り下げられたり修正されたりと変化が激しいので、そもそも役に立ちそうにありません。初期の設定を確認したいだけなら、アニメック別冊の『機動戦士ガンダム大事典』が今でも古書で手に入るので、そちらの方が使い勝手が良さそうです。

【ガンダムアーカイヴ】【GUNDAM ARCHIVE】【機動戦士ガンダム/完全設定資料集】【メディアワークス】
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「機動戦艦ナデシコ~The prince of darkness」 監督:佐藤竜雄

2014-06-20 | 巨大ロボット
 1998年の『機動戦艦ナデシコ~The prince of darkness』劇場公開に合わせて、名古屋市交通局がタイアップした地下鉄用プリペイドカードを発行し、ナデシコC艦長の「電子の妖精」ことホシノ・ルリがデザインされました。まあ、デザインと言っても映画ポスターの転用ですが、地下鉄駅で普通に定価で買いました。もちろん使いました。
 笑いどころは、テレビ版の主人公がミスマル・ユリカで、このプリペイドカードもユリカと呼ばれているのに、あえてユリカじゃないということですね。みんな、そんなにるりるりの方が好きかっ!?
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「超音速のMS少女」 明貴美加

2014-04-02 | 巨大ロボット
 1980年代というと「TVマンガ」から「アニメ」への移行期。そして、「美少女+メカ」という遊びがラムロイドとかポニーメタルとか同人のお遊びから商業誌へと広がっていった時期の産物。
 いちばん古い作品が85年の雑誌「ジ・アニメ」の企画用で、最新が94年の描き下ろしポスターのRX-78。νガンダム少女が「逆襲のシャア」映画公開時のプロモーション企画だったのにはびっくり。

【超音速のMS少女】【明貴美加ファースト・イラストレーションズ】【明貴美加】【アートボックス】
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「ARIEL II 幻影の侵略」 笹本祐一

2013-05-25 | 巨大ロボット
 まだ音声記録媒体がレコードかカセツトテープしかなかった時代。朝日ソノラマはオーディオ・ドラマを収録したカセットテープを文庫サイズのボックスで販売していました。今だったらオリジナル・アニメあたりの位置づけで、小説がアニメ化されるなんてほとんどなかった時代の自社作品のメディアミックス化の先駆けです。
 その12本目が巨大美少女ロボット作品……というか、赤字経営の侵略会社の奮闘記と化していたエリアルの2本目です。

 ソノラマ文庫カセット版は『吸血鬼ハンターD』とか『ハイスピード・ジェシー』とか、通し番号を見ると40作近く発売されています。そのうち『ARIEL』は3本。
 1つめはオーソドックスな原作そのままアレンジの内容紹介版、2つめがこの「侵略宇宙人が予算が無いのでやっつけ仕事でノルマ達成」の回。そして3つめが「地球を滅ぼしにバーサーカーが攻めてきたけれど、超巨大な殺戮マシンの艦隊と戦うより、戦闘のための臨時支出を経理部長に納得させる方が難しかったよ」という話で、こちらについては2004年発売のARIEL読本に、復刻ドラマ「野良無人戦艦の恐怖」としてCD版が収録されていますので、今でも聞くことができます。これは傑作。

【ARIEL II】【幻影の侵略】【笹本祐一】【鈴木雅久】【ソノラマ文庫カセット版12】【原えりこ】【渡辺菜生子】【富沢美智恵】【阪脩】【塩沢兼人】【山寺宏一】【平野文】【田中和美】
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「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」 総監督:庵野秀明

2012-11-24 | 巨大ロボット
 公開から1週間。夫婦でレイトショーに行ってきました。
 前回は子供を連れてもう何回かリピートしたけれど、今回はブルーレイが出たら買えばいいかな。そんな感じ。まあ、みんな以前の周回よりは成績が良くなっているけれど、まだまだだなあ。大人がもう少し言葉を選べ。時間はあるんだから。

 嫁さんいわく、「シンジくん、今度こそキミを幸せにしてみせる…」と誓っていたカヲルくんが「……あ、間違えちゃった。てへぺろ☆(・ω<)」でオチちゃった話。特定オールドゲーマーには「シンちゃんがたかまぁになっちゃった」といえば雰囲気が伝わるかもしれない(たぶん無理)。

 序破急のQは、観客の頭の上に出っぱなしのクェスチョンマークのQ。中高年が過半数を占めたヤマト2199と違い、こちらの観客は大学生あたりが中心といたって普通。帰り道で、みんな「だからどういうことなんだってばよ!」と頭を悩ませていたけれど、2004年のNHK「トップランナー」で総監督自ら「エヴァンゲリオンは哲学的と言われるが、実際はそうではなく衒学的(知ったかぶり)である」と言い切っているから、気にしてはダメ。
 あるいは、1996年のあさりよしとおの同人誌での「エヴァのおびただしい設定は全てドラマを展開するための方便である」という評論が至言。難解な裏設定やらは気にせず、そのシーン、そのキャラを楽しめばいいから。
 深読みしたいなら、スタッフのことは考えず、自分がどう考えれば辻褄が合うかだけを考えればいいから。

 ええ。いろいろ変わっていたけれど、中身は紛れもなくテレビで観ていたエヴァンゲリオンだったし、庵野監督もゼネプロ版「帰ってきたウルトラマン」の頃からちっとも変わっていませんでした。

【ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q】【庵野秀明】【摩砂雪】【鶴巻和哉】【前田真宏】
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「覇道鋼鉄テッカイオー」 八針来夏

2012-06-01 | 巨大ロボット
 人間の生体エネルギーを増幅するオーガニックドライブで動く人型兵器オーガニックアーマーは、今では無人機を駆逐して銀河でもっとも普及し活躍している兵器だ。しかし、オーガニックドライブの特性ゆえ、このメカの性能を最も発揮できるのは肉体を極限まで鍛練した武侠たちなのだ。
 少年カザンが身につけている功夫は、凄まじい剛力と念動力を与える童子神功。だが、この童子神功は少年が童貞を失うと使えなくなるという代償が要求されるものであった……。

 ロボットものって、主役メカは“主役”なんですよね。少なくとも操縦者と並び立つヒーロー的存在。神にも悪魔にもなるけれど。
 ただ、このオーガニックアーマーの場合、その特性から兵器の能力も武器もそのまま搭乗者の能力のままということになるので、ロボットの影が薄くなりがちです。Gガンダムみたいに生身で巨大ロボットを叩き潰せる人間が出てくる話もありますが、よほど巧く扱ってやらないといけません。
 そういう意味でロボットというよりパワードスーツに近い感覚の作品です。
 それから、軽いコメディタッチでいくかと思いきや、民間人までどんどん殺されてしまう話なので、のりの軽い登場人物たちの言動に違和感があります。このあたりは好みですけどね。

【覇道鋼鉄テッカイオー】【八針来夏】【Bou】【スーパーダッシュ文庫】【新人賞大賞】【銀河を揺るがす武侠たちの大バトル】【最強の童貞】【ウィザード】【銀河武侠】
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