頼子百万里走単騎 "Riding Alone for Millions of Miles"

環境学者・地理学者 Jimmy Laai Jeun Ming(本名:一ノ瀬俊明)のエッセイ

2018年11月日本地理学会主催G空間EXPOシンポジウム

2019-07-25 18:13:30 | グルメ

日本地理学会企画専門委員会は,本年度もG空間EXPO2018におけるシンポジウムを開催しました.

日 時 2018年11月17日(土)14時〜16時30分
場 所 「日本科学未来館」(江東区)7階 イノベーションホール
テーマ 地理学で読み解く食の愉しみ――川上から川下まで
オーガナイザー 一ノ瀬俊明氏((研)国立環境研究所)
講演者
西森基貴氏((研)農業・食品産業技術総合研究機構)
野中健一氏(立教大学教授)
尾形希莉子氏(お茶の水女子大学・学生)・長谷川直子(お茶の水女子大学准教授)



今回は裏方ですが、日本地理学会のサイトには小生がオーガナイザーと紹介されています。確かに、あれこれ仕込みをやったのは小生ですが。



http://www.ajg.or.jp/20181102/4986/
 
司会兼モデレーターは山本先生で、確かに小生は今回の企画のオーガナイズを主導しましたが、当日はサクラのコメンテーターです。

Symposium of the Association of Japanese Geographers
“Find a pleasure of geographical aspects of food - from the production to the consumption” in the Geo Spatial Expo 2018

連日の準備疲れが、というはずはないのですが、冒頭あいさつの途中で目の前にいる人物の名前(委員長)が出てこなくなって、不自然な間が2~3秒あく事態に(いきなり痴呆症か?)。そこから歯切れが悪くなり、「今日は不調だわ。」って感じ。締めのあいさつまでには復活し、うまくまとめられたと思います。

As current hot issues in geography, we would like to focus on the themes like a recent boom on Japanese food as an UNESCO Intangible Cultural Heritage, how to appeal Japanese food and how to supply Harar food for the Tokyo 2020 Olympic Games, the Zero-hunger policies declared in SDGs, and the problem of “food-desserts”, in a viewpoint of geographical information about community culture. A possibility of “food” studies in geography is now growing. The Globally Important Agricultural Heritage Systems, which authorizes the production places of Japanese food materials and seasonings, covers related cultures, as well as the production materials. Therefore, this symposium provides a pleasure of geographical aspects of food from the production to the consumption.




 

カメムシ抽出エキスとライムで作るモヒートが流行っているという。南米とアフリカ。

<オーガナイザーとしての小生の閉会挨拶>
本日は、数ある魅力的なシンポジウムが目白押しの中、日本地理学会主催の本シンポジウムを選んでいただき、まことにありがとうございました。我々地理学者は普段、日本や世界の各地へ調査等で出かけた折も、現地ならではの様々な食文化を体験しています。私などはよく、「グルメは地理学者の特権なり」という表現を使っているほどです。「食」やグルメがなぜ地理学の課題なのか、皆様には今日の講演で十分ご理解いただけたものと思います。本日の講演では、現在から未来に向かって我々の「食」を巡って何が起きうるのか、過去から現在にかけて人類が様々な食材と出会い、どのように食文化を形成してきたのか、今ホットな「食」の流行はどのように形成されているのか、といった問題をわかりやすく描き出していたように思います。我々日本地理学会でも、9月に和歌山で行われた秋の学術大会において、関連するシンポジウムが行われています。シンポジウムのメンバーからは「モンスーンアジアの風土とフード」という、シャレっ気たっぷりのタイトルで本も出ております。そのシンポジウムでは、コメの遺伝子解析で有名な佐藤洋一郎先生が、世界各地の食文化における炭水化物とタンパク質の組み合わせ事例をマッピングしておられました。たとえば日本や東南アジアでは、米と魚という組み合わせになるわけです。しかし我々の暮らすモンスーンアジアは、今まさに気候変動の問題に直面し、「食」についても適応を考えるべき状況にあります。本日のシンポジウムでも、「食」を4次元的視点で愉しむという体験を皆様と共有できたのではないかと思います。我々日本地理学会企画専門委員会では来年以降も、G空間エキスポにおいてはちょっと異色のシンポジウムを皆様に提供してまいります。

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 2018年11月22日(車いすワイ... | トップ | 2018年11月21日(和服にへジ... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (本人)
2020-04-01 16:11:36
総合討論における小生の発言はこのようにまとめていただいた。およそ理解していただけている。(パネラーとして回答したのは学部時代の恩師。)
「歴史的に古い時代の環境と新しい時代の環境の両方から,特定のフードを捉えるという視点が良いのではないかという意見が出た.これは,環境変化に伴って,フードがいかに変化するかという視点であり,この分野に自然地理学の研究が大きく貢献できることが強調された.」
松本ら(2019):2018年秋季学術大会シンポジウム 食の人類史からみたモンスーンアジアの風土を読む,E-journal GEO,14(1),93-98
返信する
Unknown (本人)
2023-11-14 10:40:43
今回は12月2日オンラインで。
ここまでの資料は作りませんが。
返信する

コメントを投稿

グルメ」カテゴリの最新記事