頼子百万里走単騎 "Riding Alone for Millions of Miles"

環境学者・地理学者 Jimmy Laai Jeun Ming(本名:一ノ瀬俊明)のエッセイ

コロナ対策検証(8割削減をまじめに実践しよう)

2020-04-30 21:35:19 | 日記

本来なら査読を経ていずこかの雑誌より発表ということなのだが、事態の喫緊性に鑑みて、職場のHP上電子ジャーナル(Discussion Paper:アブストラクトや体裁などの審査はあり)に出してもらうこととした。もちろんちゃんとした学会にはすでに投稿済みだが、秋ごろ出ていたのではもう意味がない。

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時空間ランダムウォークモデルによる感染対策の検証

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大を防ぐため,SIRモデルに代表されるマクロな微分方程式系の計算で得られたと思しき結果をもとに,「人と人の接触機会を8割削減する」ことが提唱されている.こうしたメカニズムを直感的に理解しやすい形で示すことを目的に,特定対象地域の二次元空間(地理空間)におけるランダムな人の動きをランダムウォークモデルで表現し,接触する二者の間での感染を計算するモデルを構築した.またこれを用いて,現在提唱されている「8割削減」の有効性検証を試みた.本研究で示された時空間ランダムウォークモデルによる数値シミュレーションの結果も,異なるアプローチで導き出された「8割削減」の合理性を支持しうるものであった.

コメント (4)
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