2日
シンガポール航空のCAは、全員がマレー語を理解しているわけではない。「スラマ・パギ」は通じたが、「トロン・ミンタ」「サピ」などが通じない。中華系のCAも、日常生活は英語らしい。ようやく謎が解けた。
成田もバンコク新空港も、ものすごい混雑であった。降りたとたん携帯に難題が着信。市内へのバス中で対応の返信に追われる。通じちゃうってよくないこともある。午後5時、王宮前のホテルへチェックイン。飛び込みの日本人バックパッカーは、その辺にドミトリーがいっぱいあるからと断られていた。日本からネットでとると数十円安い(これはホテルのスタッフも知らなかった)のに。
タクシーと交渉するのがうざかった(今回も夜に2回ほど乗車拒否された)のと、街の様子をチェックしたかったので、バンコク中央駅までほぼ3km、中華街(ラタナコーシン〜ヤワラー)を1時間で歩いた。昼間の暑さ(最高32℃)はすでに和らいでいたが、かなりのエクササイズとなった。中央駅の前の屋台で、辛いひき肉のサラダ(ラープムー)、もち米、イサーン風焼き鳥(ガイヤーン)をコーラで流し込んだ。100バーツ。アジアに出張すると、つい食べ過ぎてしまう。せっかくのエクササイズが。生肉のラープ(ラープディップ)をはじめて見たが、日本以外で食べるのはなんか恐ろしい。
深夜2330に、カオサン通りの安ホテルで働いている知人から電話。外国人バックパッカーのたまり場みたいなところらしい。カオサンへ初めて入ってみたが、欧米人が地元の女性(ヤンキー)を口説いているようなところだ。こんなところでタイ語以外を話せば、こっちも同類に思われてしまう。
3日
王宮近くの超安ホテルの前のアパートで、住人と思しき(アパートに出入りしていた)女性が夕涼みのごとく椅子を出して路上に座っている。そばを通るとその手のお誘いをかけてきた。聞いてみると、その安ホテルと「提携」したビジネスが成り立っているという。目からうろこ。
住宅街の辻を奥深く入っていくと、京劇の表演が行われていた。中華街なのでさもありなん。ひとつだけ違うのは、セリフが全部タイ語。チケットを売っているようでもなく、タダ見を決め込んでしまった。この日もイサーン料理を堪能。
4日
会議のあるAITキャンパスまでは、市内からタクシーで少なくとも350〜400バーツかかる。平均的なタクシードライバーはぼったくるので、500バーツですめばいいほうかもしれない。しかしこんな行き方もある。王宮のそばにあるタマサート大学の本部校舎から、郊外のAITキャンパスのそばにあるタマサート大学のランシット校舎まで、43バーツのスクールバスが走っていることに気がついた。今回は学生に混じって格安の移動を実現。次からもこれを愛用しよう。
中国の代表は、なんと私の華東師範大での教え子(山東省出身・女性:28歳、中華版鈴木杏って雰囲気)であった。4年ぶりの再開。O家で家庭教師をしていた孫女史(当時・助理教授)と同期の李女史(上海環境科学院工程師)。2人とも昨年出産したばかり。李さんは日本で博士号を取りたいという。兼任がスタートした名古屋大に来てほしいものである。
6日
会議終了後、一緒に参加していた名古屋大での上司から通訳兼ボディーガードを頼まれ、アユタヤへ同行。初めて象に乗ってみたが、あんなに乗りにくいものはない。AITキャンパスに戻ってから、タマサート大学で学生バス(43バーツ)を探した。キャンパスは広大で、タクシーでバス乗り場を探すのに苦労した。女子学生に場所やチケットの買い方を聞くと、片っぱしから話がはずみ、擬似的「ナンパし放題状態」の錯覚に陥りそうであった。しかしバス停付近に地名がついておらず、場所の同定は難航した。1830の最終便を捕まえ、王宮そばのホテルにチェックイン。
7日
午後、突然の嵐になった。乾季に大雨。ホテルから一歩も出られなくなった。プールの白人たちも避難していた。夜ピンクラオの古式按摩(2時間200バーツ)に行ったら、春節ということで宝くじとみかん2つをくれた。
8日
エカマイのバスターミナルから、「世界一邪悪な海岸」パタヤビーチへフィールドサーベイに出かけた。片道117バーツ。高速道路を2時間走ると到着。チェックインののち、ビーチでヒアリング。タイ側の女性スタッフが、そういう世界を一度のぞいてみたいというので、白人男性観光客が浮かれまくっているその手のお店にご案内。見渡せば日本人も多く、小生(例によって半袖の唐装)は偽装香港人に。
9日
14時に現地を出発し、高速道路を2時間走って空港に到着。途中サービスエリアで季節はずれの竹虫が売られていた。揚げてから数カ月たっており、新鮮ではないだろう。出発間際にレストランで注文してなかなか出てこなかった300バーツの高級蒸魚料理をでかいドギーバックにつめてもらい、見送りのスタッフと空港のロビーでむさぼりついた。超うまい。今回も様々な発見に満ちた出張でした。