今日の日中の日差しは新春を思わせる様な明るさであったが一度外に出ると吹く風は冷たく毎日の恒例の散歩に出るのさえ億劫に成る寒さであった。此の状態では家の中で音楽を聴いて過ごすか、テレビを観て過すかだが、音楽の方は午前中で飽きて仕舞ったし最近のテレビ番組には面白い物は少なく、行き着く処は漠然とアマチュア無線をワッチするか、インターネット・サーフィンをして暇潰しをして居た。
そしてインターネット・サーフィン中の15時頃に腑と私が高校生頃にテレビ・ドラマで絶大な人気があったデビット・ジャンセン主演の『逃亡者』の最終回の動画サイトに辿り着いた。確か当時の此のテレビドラマは2年間に渡り放映され可也の高視聴率を維持して私も毎週此の放送がある日は楽しみにして居た思い出がある。
確か此の物語りの原作はビクトル・ユーゴの『レ・ミゼラブル』でパンを盗んだ罪で投獄されたジャン・バルジャンが逃亡の罪も重なって19年に及ぶ刑期を追え其の後に出会った、ミリエル司教の教えで善人と成って行く過程を権威に対する尊厳と犯罪に対する憎悪を持つ厳しくて頑固であるが潔癖で正直な人物である警官ジャベールがバルジャンを追掛け回すストーリーと重なって居る。
此のドラマは妻殺しの犯人として捕らえられた主人公のリチャード・キンブル博士が死刑囚として護送中の列車の脱線事故で逃走し真犯人の片腕の男を求めてアメリカ国内中を点々と歩く姿と護送中の刑事のゼェラード警部(バリーモース)がキンブルの所在情報があるとアメリカ中を何処でも飛んで行き捕らえようとする執念や獲物を狙う凄ましい鷹の様な眼力には凄みがあって恐ろしい程で私等は放映中は何時もハラハラドキドキしながらテレビ画面を食い入る様に見て居た事を思い出し非常に懐かしく特に此の最終話はもう一回見てみたく成った。
此の最終話は高校生時代と社会人に成った数年後にも見て居たので真犯人の顔や姿と最期の場面で塔か何かの高い場所で二人が戦って最後に真犯人の片腕の男が高い場所から落下して死ぬ場面は確り記憶に残って居たが其れ以外の場面等は殆ど忘れてしまって居た。此の当時は白黒画面で最初のタイトル画面の映像や語りは保々完璧に覚えて居たが中のストーリーなどは以外に憶えて居ないが此の物語の主人公を演じたデビット・ジャンセンは外国の男優で初めて顔と名前が一致し憶えられた一人であり此のシリーズの何処かで出演した女優のセザンヌ・プリセットさんは多感な年代に私が憧れた女優さんの一人で其の回の映像も探して是非見てみたく成った。
彼女は晩年『千と千尋の神隠し』の英語版で湯婆婆/銭婆の声優を務めて居る。