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電子工作やパズルのブログです。主にLEDを使った電子工作をやっています。

定電流ダイオードで、また残念な記事

2015年07月02日 23時19分37秒 | 電子工作
電子工作マガジン2015夏号の31ページにこんな記事がありました。

これ、全然ダメでしょう。
赤色LEDでもCRDに掛かる電圧は1V程度しか有りません。
青や緑だと0.5V以下だと思います。
こんなところに定電流ダイオードを使っても定電流にはなりません。

E-103のデータシートを見てみましょう。

E-103だと、1V以下では2~4mA程度です。しかも定電流ではありません。
右上がりなので、ほぼ抵抗と同じと考えて良いでしょう。300Ωくらいです。
規格表では、肩特性 Vkは3.5Vです。要するに定電流になるのは3.5V以上だと言うことです。

おそらく定電流ダイオードという名前から、
必ず一定の電流が流れると思い込んでいるのでしょう。
でも、おかしいのはデータシートを見ていないのかと思うと、
最大300mW、耐圧30Vとか注意書きが有ることです。
1Vで10mA流れたとしても10mWしか消費しないのは明らかなのですが…

この人、実は前科があります。
電子工作マガジン2012春号の74ページ。
こちらは回路図が有りませんが、実体配線図がこれです。



白色LEDに4.5Vですから、CRDにはせいぜい1.5Vしか掛かりません。
従って、特性表から7mA程度しか流れませんし、Vkは4.3Vなので定電流領域でもありません。
こちらにも300mWとか書いているので、
この人、何か消費電力で痛い目にあったトラウマがあるに違い有りません。w

結局、CRDをつないでも抵抗の代わりにしかならないのですが、
一応、電流制限にはなるので、LEDは点灯します。
電子工作だから、ま、良いか。
ってとこだと思うかも知れませんが、ウソを教えちゃダメでしょ。
よい子のみなさんは、雑誌記事をうのみにしないで、よく考えましょうね。