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電子工作やパズルのブログです。主にLEDを使った電子工作をやっています。

「LED灯器の見え方に関する調査研究」ってなんかおかしい

2014年01月23日 22時54分34秒 | その他
ツイッターで流れてきた「LED灯器の見え方に関する調査研究」ですが、
なんか凄そうなんですが、よく見るとなんかおかしい。
違和感があるのです。

特に、この図4です。

デューティが小さい方がよく目立つと言うのです。
え、えー?ホントに-?


で、よくよく読んでみると、こんな一文が。

なるほど、ピーク値を一定じゃなくて、
光度とデューティの積が一定になるようにしているのか。

ま、確かにそう言う考え方はあると思う。
デューティに関わらず光量を一定にすべきだと。

しかし、この場合、LEDの明るさはどうなっているのか
次のグラフを見てください。

これは、デューティの逆数で光度(cd)を替えたものです。
デューティ100%つまり点きっぱなし(実際は0.4秒間/3秒)が50cdに対し、
デューティ50%ではその倍の100cd、
デューティ10%では10倍の500cdにするというものなのです。
PWMの方が赤で、100%の方が青です。


さらに、人間の感覚は対数的なので、縦軸を対数にしてみました。

あるところから、青の高さより赤の高さが高いと感じると言うわけです。

これを見て、ほとんどの人は分かったと思いますが、
図4の結果は、「LEDが明るい方がよく目立つ」
と言う至極当たり前のことを表しているに過ぎないと言う事です。

なんか、金と時間掛けた割にこの結果だけ?

この後の説明でも出てきますが、目の感じ方は微分で効きます。
つまり、暗いところから明るくなった場合、その差が大きい方が明るいと感じるわけです。
だから、その場合、デューティはほとんど関与しないのです。

それなら、もっとデューティを小さくして1%とかだったらどうなるの?
とやってみるべきですが、5,000cdと言うとてつもない光源が必要になるのでやっていないのです。
そうです、光度を上げるにはLEDの性能が必要な訳です。

そこで、こんな事を書いています。

って、どこからこんな結論出したの?
具体的な数字を出さずにこんな結論をさらっと書いています。

つまり、現在のLEDでは電流を10倍にしても光度は10倍にはなりません。
光度 × デューティ は電力に等しくならないのです。

だから、図4はデューティが小さくなるほど電力は大きくなっているのです。

さらに、通常のLEDで 20mA動作の絶対最大定格は
デューティ10%以下で大体100mA程度です。

さらにデータシートを見ると、
デューティ10%で100mA流したとしても、
光度は20mAの時の4倍くらいにしかなりません。

そして、電流を多く流そうとするとそれだけの電流を
スイッチできる素子が必要になってきて、経済的に合わないことになってくるわけです。

で、なんだかんだで、デューティは30~50%程度が
実用範囲だと言うことなんだと思います。



これが、注入電力が一定で、デューティを変えたとき
どのくらいのデューティが良いのか
と言うグラフだったら、もっと有益なものになったかも知れません。
私はそれが知りたかった。