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『邪馬台国の考古学』 その2 難升米の黄幢

2012年10月20日 | 初期国家・古代遊記
三国志 魏書東夷伝中に倭人名は多く記されていながら、卑弥呼の墓の記述があるほかは、魏から官爵を与えられた倭人が、卑弥呼の墓とともに、(初期)古墳に埋葬されているという発想はなかなか、直接的に結びついてきたわけではなかった。その点、東潮は『邪馬台国の考古学』で大胆かつ魅力的な世界を描きだしたように思える。 考古学の成果を語るのに安易に文献に寄りかかってはいけないということ。また一方文献的な探求は、自説に有利な部分の補強のためだけに考古学の成果を使用してはならないということを理解した上で、歴史叙述する可能性を探るのは、意味のないことではあり得ない。 その点、東潮は中国・朝鮮考古学・古代文献史にも、日本考古学にも通じている。 「難升米は黒塚古墳の被葬者であった」のではないかと、この著で披露している。これが考古学的・文献史的な共通理解として研究者間に納得得られれれば3世紀後半の一定点として、古墳時代の開始問題や、初期国家像のフォーカスが合ってくるはずである。 まずは、魏から難升米が受け取った黄幢は、どのように考えればよいのだろうか。 . . . 本文を読む