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岩波書店 人文系講座1950年代後半以降

2015年02月13日 | 文献 岩波講座 日本歴史

戦後の人文系岩波講座 左2冊は『岩波講座現代』 1963-1965 その右5は『岩波講座現代思想』1956-1957 その右9冊は『岩波講座第2次現代思想』 1993-1995

 

岩波書店 人文系講座1950年年代後半以降 その1

毎年例年のごとくであるが、新年1月1日の新聞朝刊には岩波書店の本年刊行の新企画の予告が出る。

この中には第一次岩波世界史講座のように全30巻を越えるもの、新日本古典文学大系のように100巻を越えるものもあった。予約注文制の場合も多く、全巻購入総額もそれ相当の額になる。その都度さっと予約できるわけでもなく、ノートにメモされている購入予定書目の山を強引に押しのけ割り込み、予約か断念か、の一大決断をするのである。

1月1日は恐る恐る、そして期待もないまぜになって新聞の紙面を開く。今年は値が張る企画がないように、また気合いの入った企画もあるように願い、常に矛盾だらけの気分で刊行予告を眺めるのである。

毎年複数ある岩波書店の企画のうちの一つを迷いつつ選び、後は、どうしても読みたい企画のシリーズはバラで買うことになる。今年の新企画の中に『岩波講座 現代』 全9巻というものがあった。今年の秋には現在刊行中の『岩波講座日本歴史』22巻が終了するので、その後には何とか手が出るかもしれない。

そういえば、いつだったか岩波書店の本に『講座現代』というものがあり、必要あって何冊か古書店で入手した記憶があった。手元にある第一次の『岩波講座現代』の発行年月を見ると、第1回配本は1963年6月5日なのだった。ケネディとフルシチョフ対決の冷戦まっただ中の刊行なのだった。この頃の日本の論争の一端がわかる。このシリーズが始まって刊行中の秋11月22日ケネディは凶弾に倒れる。


2015年の今、岩波書店の予告にある通り、50年以上も刊行間隔に隔たりのある同名の新講座がこの秋はじまる。まだ、巻別の内容細目は明らかになっていないが、第一次の講座と比較して、50年後現代をどうとらえようとしているのか。

この間に、50年前の『岩波講座 現代』の中にある視点・使用される用語・対立など、当時何を現代ととらえ、何を課題とし、何を実践しようとしたのだろう。またどのような尺度のものさしを用いて、現代を理解し測定しようとしていたのか、政治・文化・国際紛争・経済・技術などキーワードの中身を現在の視点で吟味するとどうなるか、また1960年代にはあって、あるいは2015年の視点で、明白に視覚から抜け落ちた切り取られた死角というものが存在するのか興味深いものがある。

またこの企画の前、1956年には、岩波書店は『岩波講座 現代思想』 全12巻を刊行している。いずれの企画も冷戦期の国際状況を受け、思想状況は、左右の対立が影を落としている。

敗戦後70年をむかえる今年、50年ー60年前の日本とそれを取り巻く世界について、当時の日本の言論や理論はどのようなものであったか。また、その後の世界の変化に対し、これから日本・日本人は何を現代の課題とし、実践するのか?

 

私は、日本の独立達成?こそが最重要かつすべての問題に関わる、日本の現代に要請された緊急の課題だと思うのだが。それはそれとして

以下は、今年秋刊行される予定の『岩波講座現代』に合わせ、また敗戦後70年という問題に深入りして比較検討するために、

日本人は今から50年・60年前、何を考えてきたのか・なにを考えてこなかったか、考えてみよう。

 

『岩波講座 現代思想』 1956-1957 と 『岩波講座 現代』 1963-1965 の収録論文構成を掲げる。

 

 ▼ 『岩波講座 現代思想』 1956-1957 巻及び論文構成

 

 

 

  ▼ 『岩波講座 現代』 全16巻  巻別 論文構成

 

 

 

 

 

 

今日はここまで、

続く 

 



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