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安易な結論に逃げる社会/おのによる凶行相次ぐ ゲーム影響か

2007-09-28 12:54:11 | ニュース
報道たるもの、コトバに気をつけろ!











おのによる凶行相次ぐ ゲーム影響か(抜粋)
2007年9月25日

「未成年者がおので親を切りつける」事件が相次いだ。

京都府警南署の巡査部長(45)が

京田辺市の自宅で殺害されてから

25日で1週間。


<逮捕された直後の二女(16)>
就寝中の父をおので襲った凶行について
「後悔していない」

理由は
「父の女性関係が嫌だったから」


<捜査幹部>
「彼女なりの論理なのか」


<犯行>
①おのは、犯行の5日前に買い
②自室に隠し持っていた
③犯行前には「返り血が目立たないよう」黒のワンピースに着替えていた


事件では

「マンガ化・アニメ化されたゲームの影響」が

「インターネットの掲示板」

などで指摘されている。


<ゲーム>
①主人公の少女が振り回すおのが象徴的に使われ
②猟奇的なシーンを問題視する声もある
③事件後、一部テレビ局で同作のアニメ放映が休止された

④二女は「ゴシック・ロリータ(ゴスロリ)」と呼ばれる作中の主人公が身にまとっていた黒ずくめの衣装に興味を持っていたことも判明
⑤絵が得意で、マンガやアニメにも強く興味を抱いていたとみられている


<府警>
二女のパソコンやメモ帳を分析するなど動機の解明を進めており

(捜査幹部)
「手おので首を切るという犯行は異常。好きだったマンガやアニメなどから何らかの影響を受けていた可能性はある」


<間庭(まにわ)充幸・静岡大名誉教授(犯罪社会学)>
「ゲームが少年犯罪に与える影響は以前から指摘されてきた。京都や長野の事件にも影響を与えていたかもしれないことは十分に考えられる」

「今の少年たちはインターネットのような素早い反応ばかりを求めて心の余裕がなくなっている」
「対話が苦手で家族とのコミュニケーションさえも満足にとれず、親子関係の崩壊につながるケースも増えている。」











さて

「もう一つの事件」は











「オノで父殴った」と出頭 長野、中3少年を逮捕(抜粋)
2007年9月24日 共同通信

24日午前2時ごろ

長野県辰野町の女性から

「自宅で夫が頭から血を流している。息子がいない」

と110番があり

頭部に重傷を負った無職の夫(44)が病院に運ばれた。

命に別条ないという。

同2時半ごろ

夫婦の二男で中学3年の少年(15)が

近くの交番に

「父親の頭をオノで殴った」と出頭

少年は殺人未遂の疑いで逮捕された。

少年は「殺意を認めている」という。

警察は動機やオノの入手経路などを追及している。











というもの。



なるほど

「少年の事件」は

タイミングからしても

「少女の事件の影響を受けているように見える」。



では

少女の事件は?



「ゲームの影響がない」

ワケではないのかもしれない。



でも

「正確な表現」

とは思えない。



さらっと記事を見ると

「ゲームの影響で殺人を犯した」

というように

「とられかねない」表現だ。



しかし

実際はどうだろうか?



これだけの内容から類推できるのは

「犯行にオノを使った」のは

「ゲームの影響である可能性がある」

ということだけではないか?



例えば「教授の発言」

「ゲームが少年犯罪に与える影響は以前から指摘されてきた。」



どういう影響か?
誰が指摘してきたのか?



あいまいすぎる。

全く意味のない発言。



普通に読めば

「ゲームによる影響で犯罪を起こす少年が多い」

ということだが

「本当にそうか?」



確かに

「爆弾の作り方」という本を読めば

「興味本位で作りたくなる」

ということはあるだろう。



しかし

「興味本位でヒトを殺したくなる」だろうか?



確かに

そういう例もあるが

それを

「アニメの影響」

と言い切っていいものか?



「教育の仕方が間違っていた」
「精神的に病んでいる」

ことの所産ではないだろうか?


そして「タイトル」。

「おのによる凶行相次ぐ ゲーム影響か」



これも

「ゲームでの影響」で

「凶行」

が続いてるように読める。



しかし

実際には

「犯罪に斧を使う」ことのヒントが

「ゲームにあった」

というだけであるのかもしれない。



忙しい中

「何となく、記事を見てしまう」と

以上のような「トラップ」のために

「アニメ」は

「悪いもの」であり

それは

「いろんな識者からも言われている」。



だから

「有害なものは排除しなくてはならない」

という結論になりがちだ。



そして

「本来の結論」

から遠ざけられてしまう。



少年たちが

「病的な犯行」に向かう

本当の動機は何か?



教育に問題はないのか?



「いかに刺激的なものを見た」としても

マトモな家庭で

マトモに育った人間であれば

それが

「架空」のものであり

「実際にすべきではない」ことであるのは

分かるはずだ。



この人たちのリクツでいけば

「13日の金曜日」

を見た子供は

みんな

「連続殺人」

を犯すことになる。



無論

ろくに世の中のことを知らない子供たちが

気軽に

「過激なサイト」

を見ることができてしまう「ネット」を

全面的に肯定するわけではないけど

安易に

「アニメやゲームの影響」で片付けて

問題の深い部分を

「むしろ遠ざけてしまう」ことの方が

問題ではないか?



昔のことを思い出してみよう。



ホラー映画を見るとき

僕達は

「襲う側の人間」に

同化しただろうか?



少なくとも

自分は

「襲われるほう」に

感情移入してた。



そうじゃなきゃ

ちっとも「怖くない」でしょ。



今回のゲームでは逆に

「オノで襲う登場人物の気持ち」

に同化してたのかもしれないけど・・・。



それは

ゲーム。



現実に戻っても

「ゲームのようにしか現実を見ることができない」

それが

「今回の子供たち」だとすれば

「そういう人間」を

作ってしまっているのは

「ゲーム」ではなく











「家庭」や「教育」だ。
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