沖縄・台湾友の会

《台湾に興味のある方》《台湾を愛する方》《不治の病・台湾病を患ってしまった方》皆んなで色々語り合いたいものです。

中国の董軍国防相が国際会議で暴走       櫻井よしこ

2024-06-22 21:03:42 | 日記
わたなべ りやうじらう のメイル・マガジン
                 頂門の一針 6904号 

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中国の董軍国防相が国際会議で暴走
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           櫻井よしこ


『週刊新潮』 2024年6月13日号
5月31日から6月2日まで、シンガポールで「アジア安全保障会議」(シャングリラ会議)が開催された。会議初日に基調講演を行ったのはフィリピンのマルコス大統領だった。氏は南シナ海における中国との対立に関連して、「一人でもフィリピン国民が死亡するような事態が発生すれば、それはルビコン河を渡った、レッドラインを越えたことを意味する。我々は対応する」「我々の条約国(米国)はその場合、フィリピン支持で共同行動をとると信じている」と語った。

水砲でフィリピン船を損傷させ、怪我人を出してきた中国への断固たる警告だ。翌日、オースティン米国防長官が、さらにその翌日、中国の董軍国防相が演説した。

オースティン氏は広い視野から世界の安全保障を語り、殊更な中国非難もなかった。他方、董氏は冒頭からデカップリングやサプライチェーンなど、米国と西側社会が中国排除を目指す貿易制限政策を批判した。米国と西側諸国は乱暴で排他的だと論難し、中国の世界戦略はそれとは対照的で「国際社会への愛と非侵略政策が基本だ」と胸を張った。

「国境問題や海上での争いについて、我々が事件をおこしたり実力行使に及んだことは皆無だ」「中国は紛争を対話と相談によって解決することを旨としており『ジャングルの法』を軽蔑する」と言うのだ。

「ジャングルの法」は「無法の法」とでも訳せばよいのか。フィリピン政府が南シナ海のスカボロー礁の領有権問題を常設仲裁裁判所に訴えて勝利したことを当てこすっていると思われる。

ロシアのウクライナ侵略戦争に関しては、こう語った。

「我々は軍民両用のモノの輸出を厳しく管理しており、戦争を激化させる如何なることもしていない」

専門家の間では、中国の援助なしにはロシアは戦えないほど中国の対露援助は膨大だというのが定説だが、中国はロシアに軍民両用のいかなるモノも輸出していないと主張しているわけだ。

「台湾問題に片をつけます」

次に氏は「中国の核心的利益の中の核心的利益」である台湾に触れて、年来の主張を繰り返した。つまり台湾は中国の一部であるのに、米国と名指しはしなかったが外部勢力が「ひとつの中国」原則をサラミ戦術で切り崩そうとしている、台湾の独立分子に武器を供給し、中国封じ込めに動いていると非難した。中国の分断、中国からの独立の動きは人民解放軍(PLA)が断固として制圧する、そのとき台湾は悲惨な状況に陥るとおどろおどろしい論説が続くのはいつものことだ。だが満席の会場で董軍氏に聞き入っていた世界の専門家たちが本当に驚いたのは、
講演後の質疑応答を聞いた時だろう。

一巡目の質疑で韓国、独、米、印、タイの5か国の識者、研究者、コラムニストなどの問いに董氏がまとめて答える運びになった。それに対して董氏は、「質問が多彩だ。流石、シャングリラ会議だ」と奇妙に感心し、「時間の関係もあり、早速答えたい」と言って始めた。しかし董氏は事実上どの質問にも答えず台湾についてのみ語った。

歴史的、司法的視点から台湾は紛れもなく中国領だという主張を支えようと、台湾は1000年以上前から中国の管轄権下にあったとの説を持ち出した。だが、同説には歴史的根拠は全くない。

滔滔と語る董氏にシャングリラ会議の主催者であるシンクタンク、国際問題戦略研究所(IISS)のバスチアン・ギゲリッチ総裁が思い余ったように口をはさんだ。

「言いたいポイントはわかりました。中東とウクライナの質問に1分でよいですから答えて下さい」

だが董氏は構わずに言った。

「まず台湾問題に片をつけます」

再び演説を始めた董氏にギゲリッチ氏がまた懇願した。

「もう10分も台湾について話しています。他の質問にも、1分でよいです、答えて下さいませんか」

丁寧な言葉遣いの要望にも董氏は、台湾問題は中国の国内問題だと力を込めて言い渡した後、ようやく南シナ海の状況を語り始めた。

「航行の自由作戦? なぜこのことがいつも問題になるのか。なぜだ」

航行の自由作戦を展開する米国への不満が強い口調でほとばしり出た。二巡目の質疑は米国、オランダ、日本の専門家らの質問だった。米国の研究者は、会議初日のマルコス氏の「レッドライン」発言に関して「この危険な状況に中国は如何に対処するのか、南シナ海での水砲の使用を止めるつもりはあるか」と尋ねた。

「3~4分しか時間がない中でこんな難しい問いには答えられない」と董氏は拒否し、スカボロー礁に関する中比両国のやりとりを「中国風」に解説し、次のように結論づけた。

「(フィリピンのやり方は)ブラックメールでハイジャック(犯)のルールだ。中国はいつもルールに基づいた国際秩序(の枠内)でやっている」

習主席向けの発言

董氏の発言をどう読むか。明らかに国際社会に向けてというより、習近平主席向けの発言だ。発言が強硬なのは習氏の考え方を一所懸命に反映した結果であろう。独裁者習氏が台湾問題で強硬論に傾きつつあるのではないかと推測するゆえんだ。氏はこんなことも語った。

「国際組織はひとつだ。国連とその中核組織だ。国際秩序もひとつだ。国際法に支えられた国際秩序だ」「国連の権威は高められ、国際法は守られなければならない」

現実を見れば、国連は中露が拒否権を行使するために事実上機能停止となっている。その国連の権威を強化する、或いは国際法をもっと守るとはどういうことか。

習氏と中国共産党の深謀遠慮がここに透視される。スタンフォード大学フーバー研究所の上席研究員で著名な中国問題の専門家、エリザベス・エコノミー氏がフォーリン・アフェアーズ誌(5~6月号)で次のように書いた。

中国は国連や国際法を換骨奪胎して中華風に作り直す野望を抱いているが、エコノミー氏は中国がその目標達成のために如何に熱心かつ地道に支持を広げてきたか、具体例を示している。たとえば中国国営通信社の新華社は世界に180の支局をもつ。CNNの2倍である。外交においても中国がおよそ全ての国々に大使や総領事を派遣しているのに対し、米国は約30か国で大使が不在である。米国がウッカリしている間に、中国は地道に動いているというのだ。

オースティン氏は、欧州、中東問題も大事だが米国の優先度はインド・太平洋にあり、同地域の安全と繁栄を守ることが米国の安全保障政策の核心だと語っている。アジアの安全が保たれて初めて米国は安全でいられるとする米国の、日本への期待は非常に大きい。そこで安全保障を考えるとき、結論はいつも同じになる。日本は一体どうするつもりか、憲法改正はまだかということだ。



米、「ウクライナのNATO加盟は、まずロシアとの戦争に勝たなければならない」 プーチン「モスクワが領有する領土からウクライナ軍の撤退、NATO放棄」

2024-06-22 21:01:26 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
     令和六年(2024年)6月20日(木曜日)弐
        通巻第8297号   
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米、「ウクライナのNATO加盟は、まずロシアとの戦争に勝たなければならない」
プーチン「モスクワが領有する領土からウクライナ軍の撤退、NATO放棄」
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 スイスで開催されたゼレンスキー主導の「ウクライナ平和会議」は無残な失敗に終わった。
バイデンが欠席し、代理のカマラ・ハリス副大統領もそそくさと帰国し、ドイツのショルツ首相も予定を早めて帰国した。不協和音が鳴り響いた。

 そのうえ「次のウクライナ平和会議は西側諸国では開催されない」と、スイス大使ガブリエル・ルッヒンガーが述べた。
 それもこれもロシアを招かず、中国は早々と欠席を表明したため、最初から開催の意義が希薄であり、そのうえインドはゼレンスキー大統領の「平和会議」宣言への署名を拒否した。
ブラジル、サウジアラビア、南アフリカ、UAE、メキシコ、タイ、インドネシア、ヨルダン、イラクなど12カ国は最終声明に署名しなかった。

会議前の6月7日にロシアのプーチン大統領は停戦の条件を概説した。それは「モスクワが領有権を主張するすべての領土からのウクライナ軍の撤退、およびキエフのNATO加盟への野心の放棄」が条件だった。

 米国ではホワイトハウス国家安全保障会議報道官ジョン・カービーが6月18日に記者会見を開き、「ウクライナがNATOに加盟するには、まずロシアとの戦争に勝たなければならない。NATOと米国は当該要件を協議した。バイデン大統領はウクライナの将来はNATO加盟国になると信じている」と味も素っ気もない空論を付け加えた。

 ウクライナが戦争の勝つ? NATOが全面的にロシアと戦端を開くなら話は別だがマクロン仏大統領がフランス部隊をウクライナへおくりこんだことにスペイン、イタリア、ハンガリーなどは露骨に反対した。したがってNATOの全面参戦はあり得ず、ということはウクライナが勝つ展望はほとんど考えられない。
アジアタイムズが「冷静」に報じた
「ウクライナは 崩壊の危機に瀕している。ウクライナ軍は兵力が不足しており、軍の死傷者が多い。状況は日に日に悪化している。ロシアによれば、ウクライナは 5月に3万5千人の兵士を失った。ウクライナは兵士を補充できず、強制徴兵プログラムでは訓練を受けた人員を補充することができない。
 NATO の指導者たちはウクライナの崩壊を恐れている。彼らはロシアが次に何をするかを推測しているが、ウクライナを救う選択肢はほとんど残っていない。比較的少数の NATO 兵士を派遣することは解決策ではない。それはヨーロッパがすぐに遺体袋でいっぱいになることを意味する」(6月3日)。


シリコンバレーから脱出するビッグテック企業が目立つ。 「バイデン氏は居眠り運転をしていた」とアリソン・フイン女史

2024-06-19 22:05:19 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
     令和六年(2024年)6月20日(木曜日)
        通巻第8296号   <前日発行>
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シリコンバレーから脱出するビッグテック企業が目立つ。
「バイデン氏は居眠り運転をしていた」とアリソン・フイン女史
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マグニフィシェント・セブン(GAFAM + テスラ + エヌヴィディア)に影が射した。テスラはカリフォルニアから本社を移した。
ハイテク企業とベンチャーが蝟集したシリコンバレーから脱出するビッグテック企業が目立つ。

中国との競争力を高めよと言いながら対中禁輸はザル法。台湾を守ると言いながら兵器供与はベタ遅れ。そして米国経済を領導してきたマグニフィシェント・セブンに独禁法などで司法省が提訴、巨額の罰金と事細かな規制。

「バイデン氏は居眠り運転をしていた」と語るのはアリソン・フイン女史(6月18日)。嘗ては民主党への大口献金者として知られた。
 「バイデン政権はテック企業と略奪者がシリコンバレーを乗っ取ることを許した。サンフランシスコは、科学実験の失敗見本。朝起きると、行くべき食料品店はなく、十代の娘たちを連れて買い物に行くショッピングモールも(閉店して)ない。大通りさえ安全ではなく、かつては素晴らしかったこの街には、高校生よりも、フェンタニルの使用者と売人の方が多い」(「フォックス・アンド・フレンズ・ファースト」、6月18日)

アリソン・フインは、2008年にオバマ陣営のために数百万ドルの資金調達に協力した。
 「希望に満ちて、女性と有色人種の平等に焦点を当てたオバマ前大統領の「素晴らしい考え」を信じていた」として彼女は続けた。
「バイデン政権のもとでは大手テクノロジー企業で働かない限り、お金を稼ぐのは非常に難しい。そのテクノロジー企業ですら(いまのような政策を継続すれば)いずれ海外に追いやられるだろう」

 「一方でトランプ陣営の準備している政策は、新興のAIやブロックチェーン企業への減税の約束を含め、新興企業にとってより希望を与えるものだ。次の産業革命を先導するだろう。だから私はトランプに投票する」と彼女は語った。
 シリコンバレー、最新の動向である。

トランプ「バイデンは第三次世界大戦をひきおこしかねない」と警告 『本来いるべきではなかった無能な指導者』がいるため

2024-06-19 21:58:07 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
     令和六年(2024年)6月19日(水曜日)
        通巻第8295号  
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トランプ「バイデンは第三次世界大戦をひきおこしかねない」と警告
『本来いるべきではなかった無能な指導者』がいるため
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6月16日、デトロイトの共和党集会でトランプ前米大統領は「バイデンは第三次世界大戦をひきおこしかねない」と警告した。
「バイデン政権の弱さと失敗が米国をして『重大な危険』に陥れたのであり、この国には『本来いるべきではなかった無能な指導者』がいるために、第三次世界大戦に突入する恐れがある」とした。

「ロシア、中国、北朝鮮の指導者と異なり、バイデン氏は絶好調ではない。米国の政治家の中で「最も聡明な人物」だったことは一度もない。核戦争は「世界の壊滅」につながる可能性があるにもかかわらず、現在米国にはこの問題について「議論することすらできない」指導者がいる」と徹底的にバイデンを揶揄した。

 二人のテレビ討論は郵便投票が例年より早くはじめる関係で従前の予定から大幅に日程を早めることとなった。

またトランプ前大統領はウクライナへの継続的な財政支援に関して、バイデン政権が「これまでに見たことのないレベルで資金を浪費している」と批判し、ゼレンスキーを「史上最高のセールスマン」と呼んだ。

「彼(ゼレンスキー大統領)は我が国に来るたびに600億ドルを持ち帰る。ゼレンスキー氏が金を受け取るたびに、すぐに「もっと」要求する」として、トランプは以下を付け加えた。
 「ウクライナ紛争は私が大統領だったら決して起こらなかった。しかし11月に再任されれば「24時間以内に」ウクライナ戦争を終わらせることができる」
ただし「どうやって達成するか」の具体的計画は明かにしなかった。
大統領選挙、言葉はエスカレートしているが、他方でバイデンは大學ローン減免で4000万人の対象者を相手に(投票を)呼びかけている。
また不法滞在十年の者には市民権を付与するように緩和すると言い出した。
不法入国から十年といえば、裨益するのはメキシコ人だ。かれらが市民権をえると誰に投票するだろうか?

このような姑息な手段でバイデン民主党は選挙戦を有利に展開しようというわけだ。ついでに書いておくと中国人の不法移民のルートはエクアドルが大半だが、エクアドル政府は6月18日、中国人へのヴィザ発給を一時中断するとした。


鍛冶俊樹の軍事ジャーナル (2024年6月18日号) *能動的サイバー防御の本質

2024-06-18 20:25:16 | 日記
鍛冶俊樹の軍事ジャーナル
(2024年6月18日号)
*能動的サイバー防御の本質
 大紀元に拙稿「能動的サイバー防御の知られざる本質 日米共同作戦に致命的混乱引き起こす恐れも」が掲載された。以下、その概要を紹介する。

 政府は7日、能動的サイバー防御に関する有識者会議の初会合を総理官邸で開いた。岸田総理も出席し、河野太郎デジタル相に、早期に関連法案を取りまとめるよう指示した。早ければ秋の臨時国会に法案を提出することを視野に入れているという。
 能動的サイバー防御について、例えば朝日新聞は「国の重要インフラに対する海外からのサイバー攻撃が発生しないよう、普段からネット空間を監視する。サイバー攻撃を受けてから事後的に対処するのでは遅いと言う発想が前提にある。怪しい動きを事前に察知し必要な場合は相手のサーバーに先制攻撃をして無力化する。欧米や中国は特に力を入れていると言われる分野だ。」と説明している。

 能動的サイバー防御について、日本における一般的理解は、サイバー攻撃だと考えられている。だが、この議論には実は致命的な欠陥が一つある。それは、そもそも米国が提唱するActive Cyber Defenseにはサイバー攻撃は含まれていないのだ。
 “Active Cyber Defense”という用語が初めて用いられたのは米国防総省が2011年に公表したサイバー戦略においてであるが、それらの説明を総合すると「情報を活用して攻撃被害が出る前にリアルタイムに脅威や脆弱性を発見し検知し分析し緩和する防御的サイバー活動に対する全般的なアプローチ」という趣旨であろう。
 ここにはサイバー攻撃という概念は含まれていない。米国における”Active Cyber Defense”は日本における専守防衛に近い概念なのである。

 サイバー戦争は、情報戦争の一分野であるが正規戦と密接につながっている。従って米国ではサイバー攻撃は武力行使と一体のものと認識されており、自衛権の行使に他ならない。米NSAのサイバー攻撃が米軍の空爆に直結し、CIAが要人暗殺とサイバー攻撃を両立させているのは、それ故である。
 日本は憲法により軍事が禁じられているため、戦争そのものが理解不能であり、従って情報戦争も理解できないから、サイバー攻撃が情報戦争の一分野であることも理解できない。
 能動的サイバー防御という概念が米国から導入されたという虚偽の説明でサイバー攻撃を正当化しようとしているが、これは、将来、日米サイバー共同作戦において致命的な混乱を引き起こすことになりかねないのである。
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