「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和五年(2023)9月5日(火曜日)
通巻第7897号 <前日発行>
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<速報>
ゼレンスキー、ウクライナ国防相を更迭、胴元は起訴。どうなっているのか?
新国防相は国家ファンド相殺のクリミア・タタール人
****************************************
9月3日、ウクライナのゼレンスキー大統領はレニコフ国防相を交代させると発表した。「550日に渉ってウクライナ軍をまとめてくれたが、国防省は、軍と社会全体の双方との関係において新しいアプローチを必要としている」と理由を挙げた。
汚職、腐敗の伏魔殿といわれるウクライナ国防省の実像が、この人事で傍証された。
国防省では食料調達などの発注を巡り、不正や汚職の疑惑が相次ぎ、西側が供与した武器がブラックマーケットに出回るなど絶望的な展開となっていた。レズニコフはロシアの侵攻前の2021年11月に国防相に就任、軍事戦略の指揮を担ってきた。
前日までにマネーロンダリング(資金洗浄)や詐欺の罪で起訴された富豪コロモイスキーの身柄拘束を命じた。ウクライナ裁判所は、保釈金5億1千万フリブナ(約20億円)を提示したが、コロモイスキー弁護人は異議を申し立てていた。
ゼレンスキーの胴元といわれたコロモイスキーは同じユダヤ人で、東部ドニエプロペトロフスク州の知事も務めた。
ウクライナの新国防相にはテステム・ウメノフ(ウクライナ国家ファンド総裁)を充てるとした。ウメノフは41歳、元国会議員でクリミア・タタール人である。
戦費をすべて西側に依拠するウクライナに国家ファンドがあること自体が不思議な話だが、EUが戦争開始後に凍結したロシアの資産はおよそ31兆円。この凍結資産をEUは復興資金に使うとしているが、これと関係があるのかもしれない。詳細は不明だ。
ただし、ウメノフはウクライナ産穀物の輸出に関して辣腕を振るった。ウクライナ憲法では新国防相は議会の承認が必要である。
令和五年(2023)9月5日(火曜日)
通巻第7897号 <前日発行>
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<速報>
ゼレンスキー、ウクライナ国防相を更迭、胴元は起訴。どうなっているのか?
新国防相は国家ファンド相殺のクリミア・タタール人
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9月3日、ウクライナのゼレンスキー大統領はレニコフ国防相を交代させると発表した。「550日に渉ってウクライナ軍をまとめてくれたが、国防省は、軍と社会全体の双方との関係において新しいアプローチを必要としている」と理由を挙げた。
汚職、腐敗の伏魔殿といわれるウクライナ国防省の実像が、この人事で傍証された。
国防省では食料調達などの発注を巡り、不正や汚職の疑惑が相次ぎ、西側が供与した武器がブラックマーケットに出回るなど絶望的な展開となっていた。レズニコフはロシアの侵攻前の2021年11月に国防相に就任、軍事戦略の指揮を担ってきた。
前日までにマネーロンダリング(資金洗浄)や詐欺の罪で起訴された富豪コロモイスキーの身柄拘束を命じた。ウクライナ裁判所は、保釈金5億1千万フリブナ(約20億円)を提示したが、コロモイスキー弁護人は異議を申し立てていた。
ゼレンスキーの胴元といわれたコロモイスキーは同じユダヤ人で、東部ドニエプロペトロフスク州の知事も務めた。
ウクライナの新国防相にはテステム・ウメノフ(ウクライナ国家ファンド総裁)を充てるとした。ウメノフは41歳、元国会議員でクリミア・タタール人である。
戦費をすべて西側に依拠するウクライナに国家ファンドがあること自体が不思議な話だが、EUが戦争開始後に凍結したロシアの資産はおよそ31兆円。この凍結資産をEUは復興資金に使うとしているが、これと関係があるのかもしれない。詳細は不明だ。
ただし、ウメノフはウクライナ産穀物の輸出に関して辣腕を振るった。ウクライナ憲法では新国防相は議会の承認が必要である。