「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和弐年(2020)3月14日(土曜日)弐
通巻6403号
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「ウィルスは米国が(武漢に)持ち込んだ」(中国)
「欧州はパンデミックの中心となった」(WHO)
****************************************
トランプ政権高の官が武漢コロナに感染したかのような風情がメディアの報道に現れた。というのもトランプのフロリダ州の別荘で大統領と会ったブラジル大統領とマイアミ市長が感染したと発表され、引き続きイバンカと面会した豪首相が感染したと報じられた。
カナダのトルードー首相夫人が感染したため、首相自身が隔離生活を宣言する。トム・ハンクスであれほどの大騒ぎを忘れたかのように、こんどは世界の指導者たちが感染の不安に嵌り込んだ。解決策が見えないから、恐怖指数が急騰するのだろう。
米国は大統領予備選の集会を中止し、オハイオ州は百人以上の集会も禁止した。
ウォール街の株価暴落は世界市場に波及し、時価総額は20-25%ほど凹んだ。このため、市場関係者は暗い表情、1987年のブラックマンデー以来の下げとなった。コンピュータのプログラミングに組み込まれていないシナリオの突発は、株式市場にもパニックを運んだ。
米国は「国家非常事態宣言」を発表した。FEDはすでに1兆5000億ドルを市場に供給した。効果? ウォール街の株価は2000ドル近く反騰した。
中国の金融当局は銀行間レートを切り下げ、8兆円をばらまき、景気刺激策に打って出たが、民間企業はすでに20-30%の賃下げ、あるいは大量のレイオフが行われ、失業率が跳ね上がっている。
これらの動きがアジアの株式市場に跳ね返って、世界同時株安、近未来への懸念が拡がる。つまり世界同時パニックである。恐怖指数ともいうが、リーマンショック時の80に迫る。(3月13日現在、75)。
ギリシアの聖火リレーが中止された。IOCは東京五輪の開催中止もありうるような発言に切り替えた。
五輪景気を当て込んでいた首都圏の不動産市場に暗雲が拡がり、三菱地所、三井不動産、住友不動産の株価が急落していることは何を意味するか?。
イタリア、スペイン、ドイツに急激に感染者が拡がり、メルケル独首相は「ドイツ国民の60-70%が感染する可能性がある」と恐怖発言、与党大会を延期した。
英国は地方選挙を秋に延期し、イタリアは国民投票を延期し、この事態にWHOは「欧州がパンデミックセンターになった」と、中国の逆宣伝「ウィルスは米軍が持ち込んだ」に追随するかのように不安を煽った。
パリのルーブル美術館、NYのメトロポリタン美術館など世界的に有名なミュージアムも一斉に休館。ブロードウェイのミュージカルもほぼ休演。エベレストの麓のネパールも、エベレスト登頂の入山を禁止した。
イスラエルは危機に直面して内ゲバをしている場合ではないと大連立への動きがでた。こうした世界の大変動、激甚なTUNAMIのようでもある。過剰な対応かもしれないが、「出口の見えない暗闇」にいるからだ。
令和弐年(2020)3月14日(土曜日)弐
通巻6403号
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「ウィルスは米国が(武漢に)持ち込んだ」(中国)
「欧州はパンデミックの中心となった」(WHO)
****************************************
トランプ政権高の官が武漢コロナに感染したかのような風情がメディアの報道に現れた。というのもトランプのフロリダ州の別荘で大統領と会ったブラジル大統領とマイアミ市長が感染したと発表され、引き続きイバンカと面会した豪首相が感染したと報じられた。
カナダのトルードー首相夫人が感染したため、首相自身が隔離生活を宣言する。トム・ハンクスであれほどの大騒ぎを忘れたかのように、こんどは世界の指導者たちが感染の不安に嵌り込んだ。解決策が見えないから、恐怖指数が急騰するのだろう。
米国は大統領予備選の集会を中止し、オハイオ州は百人以上の集会も禁止した。
ウォール街の株価暴落は世界市場に波及し、時価総額は20-25%ほど凹んだ。このため、市場関係者は暗い表情、1987年のブラックマンデー以来の下げとなった。コンピュータのプログラミングに組み込まれていないシナリオの突発は、株式市場にもパニックを運んだ。
米国は「国家非常事態宣言」を発表した。FEDはすでに1兆5000億ドルを市場に供給した。効果? ウォール街の株価は2000ドル近く反騰した。
中国の金融当局は銀行間レートを切り下げ、8兆円をばらまき、景気刺激策に打って出たが、民間企業はすでに20-30%の賃下げ、あるいは大量のレイオフが行われ、失業率が跳ね上がっている。
これらの動きがアジアの株式市場に跳ね返って、世界同時株安、近未来への懸念が拡がる。つまり世界同時パニックである。恐怖指数ともいうが、リーマンショック時の80に迫る。(3月13日現在、75)。
ギリシアの聖火リレーが中止された。IOCは東京五輪の開催中止もありうるような発言に切り替えた。
五輪景気を当て込んでいた首都圏の不動産市場に暗雲が拡がり、三菱地所、三井不動産、住友不動産の株価が急落していることは何を意味するか?。
イタリア、スペイン、ドイツに急激に感染者が拡がり、メルケル独首相は「ドイツ国民の60-70%が感染する可能性がある」と恐怖発言、与党大会を延期した。
英国は地方選挙を秋に延期し、イタリアは国民投票を延期し、この事態にWHOは「欧州がパンデミックセンターになった」と、中国の逆宣伝「ウィルスは米軍が持ち込んだ」に追随するかのように不安を煽った。
パリのルーブル美術館、NYのメトロポリタン美術館など世界的に有名なミュージアムも一斉に休館。ブロードウェイのミュージカルもほぼ休演。エベレストの麓のネパールも、エベレスト登頂の入山を禁止した。
イスラエルは危機に直面して内ゲバをしている場合ではないと大連立への動きがでた。こうした世界の大変動、激甚なTUNAMIのようでもある。過剰な対応かもしれないが、「出口の見えない暗闇」にいるからだ。