izumishのBody & Soul

~アータマばっかりでも、カーラダばっかりでも、ダ・メ・ヨ ね!~

辰年のお正月に「灯台守の話」を読んだよ・・・(関係はないけどね)

2012-01-11 14:51:21 | 日記・エッセイ・コラム
「わたしたちの家は,崖の上に斜めに突き刺さって建っていた。椅子は残らず床に釘で打ち付けてあり,スパゲッティを食べるなんて夢のまた夢だった。・・・・」

 そんな突拍子もない記述から始まる「灯台守の話」は、タイトルと書き出しに引かれて買った本。久しぶりに読んだ外国文学である。


 崖の上に斜めに突き刺さって建つ家で、母と二人で互いをロープで結び合って住んでいた少女シルバー。
「ある日、母さんが落ちた。」ことから孤児になり、盲目の灯台守老人ピューに引き取られる。。。。。
 
 大西洋の荒波が打ち付け、風が吹き付ける”砂に研がれた貝殻みないな町"ソルツを舞台に、灯台を軸に、シルバーと、ピューと、それに夜ごとピューが物語る牧師バベル・ダークの、それぞれの物語にそれぞれの魂が響き合う。。。
 
 静かで不思議な話である。
今まで読んだことがないようなスタイルの小説。
2004年に発表された、とあるからまさに新しい時代の小説なんだね~。
著者紹介には、1959年、マンチェスターに孤児として生まれる、とあるが、自身も数奇な人生を歩んできているようだ。
 
 目次や章ごとの見出しもどれも心を惹き付けられるが、巻頭に引用されている2行の文章
「死ぬことを忘れるな」 ーーミュリエル・スパーク
「生きることを忘れるな」 ーー アリ・スミス
 は、3.11後の今の心情にピッタリ合うような気がするのであった。
(そういえば、表紙にはタツノオトシゴの絵が・・・関係ないか・・・)


 長編とはいえ、文章量は多くはない。
読んでいると、一つ一つの情景が浮かび上がってくる。
台詞の少ない、でも美しい映像を見ているような、そんな気分になる小説だった。


「灯台守の話」(ジャネット・ウィンターソン著/岸本佐知子訳:白水社)

 Photo_2


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ブルージー&ラテンチックな... | トップ | 夏の猫の写真で、寒い時期を... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日記・エッセイ・コラム」カテゴリの最新記事