izumishのBody & Soul

~アータマばっかりでも、カーラダばっかりでも、ダ・メ・ヨ ね!~

三代一美先生・訳による顧 留馨・著「陳式太極拳」~その1  

2013-12-26 15:00:49 | 太極拳
陳式太極拳を習いはじめて、30年になる。


最近はさまざまな書籍や資料もあり、中国から多くの指導者も来日し、在住しているが、習い始めた頃は手探り状態だった。
ワタシの師匠である、日本太極拳友会の三代正廣館長と、一美先生が、情熱をもって本当の太極拳を求め続け、探し続けてきたその後を、なんとか追いかけて30年である!


ここ数年前から、仕事がヒマになったこともあり、書類の整理をしていて気がついたことがある。
習いはじめた頃に、先生から沢山の資料をもらったのだが、今読み返すと、結局ここン10年かけて分かったことなどは、すべてその当時もらった資料に書かれていることばかりであった(!)ということだ。
アタマで分かっても、身体で理解するまでにそれだけの時間がかかったのね~。。
まさに「アタマばっかりでも、カラダばっかりでも、ダ・メ・ヨ・ね!」なのであった。


以前、「人生で大切なことはすべて砂場で教わった」という本があったが、まさに、太極拳で大切なことはすべて最初にもらった資料の中に書かれていた、といえる。


そんなこんなで、三代一美先生がその当時、自分で訳した顧 留馨老師の「陳式太極拳」。
まだPCがない頃で、手元にあるのはワープロのコピー。
何度も読み返すうちにボロボロになっていた。。


陳 正雷先生が「太極拳は、理念を理解すること」と言っていたが、まさに、理念を理解するのにとても貴重な資料である。
三代一美先生が訳した顧 留馨老師の「陳式太極拳」を、少しずつ、書き写して(というのか?)、これから更新して行こうと思う。
以下、第1回目の書き出しから随時打ち込んでいきまっす。
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陳式太極拳 顧 留馨・著  三代一美・訳


 陳式太極拳の八大特徴



  太極拳は、我々の祖先が長い間の生活実践において創造し、逐次発展させてきた優れた拳術である。
 数百年の亘る反復実践と経験の総決算によって、人々はやがてこの内在関連と運動規律を理解するようになった。先人が残した「太極拳譜」は実践の総括となるものである。


 それは我々の、太極拳研究に貴重な手掛かりを提供してくれ、我々が太極拳をさらに深く学ぶ手助けにもなった。しかしながら、先人は時代に寄る制限を受けているので、理論の中には役にたたないものも少なくない。それで我々は実践の中で検査し、我々の新しい考えを加えなければならない。そして不要な物は削除し、精華は吸収し、その正確な理論の把握に一歩進め、この拳種が人民の保健事業によりいっそう貢献できるようにしたい。
それゆえ、太極拳を学ぶ時には、必ずこれらの太極拳論の正確な理論をしっかりと掌握し、併せて、その要をよく知り、しかる後にその基礎の上に立って発展させ、さらに深めていくのである。


 太極拳は、運動過程全体が始めから終わりまで、“陰・陽”と“虚・実”の連環となっている。そして動作上の表現は各挙式ともすべて、“開・合”、“円・方(真っ直ぐ)”、“捲・放”、“虚・実”、“軽・沈”、“柔・剛”、そして“慢・快”を有している。併せて、左右、上下、内外、大小、進退という両者相対したものを統合した独特な形式をしているのである。
 これが太極拳を構成している基本原則なのである。



太極拳は、その外形が独特であるだけでなく、内功にもその特殊な要求がある。
太極拳を練習するときは、まず意を用いて無駄な力は用いてはならない。それゆえ、太極拳は内にあっては意気運動であり、外にあっては精神運動である、ということは、結局、“意を練り、気を練る”ことが必要だということなのである。
 このような意気運動の特徴は太極拳の精華とするところであり、併せて、他の各種特徴を統治するものである。


 この他に、太極拳を練習するときは、全身の放長と順纏・逆纏相互変換の基で、動作は柔と剛、且つ弾性に富んだ表現が要求される。この動きは“一動全動”、“関節連貫”、“相連不断”、”一気呵成“が要求され、速度は慢あり快あり、快慢は相伴わなければならない。力は柔有り剛ありで剛と柔は同じ程なければならない。 
身法は中正不偏が要求され、虚の中に実があり、また、実の中に虚があり、開の中に合が宿らなければならない。これらの条件を備えて、太極拳はやっとその特殊作用を充分発揮することができるのである。


 保健体育上、運動器官と内蔵器官を増強させるばかりでなく、意識を指揮する能力、つまり“意を用いて力は用いず”という能力を鍛錬、増強することができ、また、気を全身に巡らせることもスムーズにできるようになる。このように気を練り、意を練ると、意気はお互いに増長し、強くなり、身体は自然に強健になる。


同様に、技撃上にもその独特な作用がある。
軽を以て重を制す、慢を以て快を制す、且つ自然を制す、併せて自然を掌握することができる。
 動作は一動全動ができるようになり、“全身が一つ”になることができる。己を知り、他を知り、時を知り、空間を知るという勁(撞勁)を極めた功夫に到達するのである。


 陳式太極拳の理論と他の流派の理論は、同じところもあるが、また、そうでないところもある。これから陳式太極拳の特徴を以下のように分けることにした。


以下続く。


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