数少なくなった登り窯・日下部窯
火を絶やさずに3日3晩見守る
松の薪は2年前からこつこつ準備
JR熱海駅前、平和通りのそば屋で『熱海新聞』ゆう地場のミニコミ紙を眺めていましたら、「3年ぶり登り窯に火」「あすから公開」つう記事が目につきました。画像や写真では見たことがありますが、ホンモノの登り窯は見たことがないので、きのう9日、川奈の日下部窯にお邪魔しました。
登り窯は上り勾配の室内にしつらえてあり、長さは十数メートルはありそうでした。窯のまわりは階段状になっていて、人が物を運んだり歩き回れるようになっています。
この度は、11月8日に火入れし、9日、きょう10日と3日3晩、松の薪をくべ続けて火を絶やさないようにするとのことでした。窯の温度は最高では1300度にも達するというのですから、室内はこの季節でも「暑い」という感じでした。缶の麦ジュースなどで水分を補給しているように見受けられましたね。
裏山の大木を伐り倒して準備してきた松の薪を火炉にくべるのは、主の日下部義高氏はもちろん、お身内やお弟子さん、近所の人やらが交代で担当しているとのことでした。日下部氏は陶芸界ではよく知られたお方ということです。下の画像の鉢巻姿の方はことし初めて薪くべのお役を担うという近所の方で、「温度を保つのが難しいとのことです。先生はまる3日、寝ないで窯を守ると聞いています」と話していました。
こちら側にも同じように薪の投入口がある。ぼけ画像ですが、タオル頭が日下部氏
登り窯の焼き物が収まっている部分。上に2か所の空気穴があって火が吹き出ている。