消えゆく霧のごとく(クンちゃん山荘ほっちゃれ日記)   ほっちゃれ、とは、ほっちゃれ!

きらきら輝く相模湾。はるか東には房総半島の黒い連なり。同じようでいて、毎日変わる景色。きょうも穏やかな日でありますよう。

東洋英和女学院・院長の史料捏造疑惑にあきれ果てる(むべなるかな!を追記2019 5/10)

2018年10月29日 06時20分55秒 | おらあ、文句があるだよ!
 とても記事など書けないひどさで天を仰ぐ 
 
 研究者として失格、牧師として失格、得意の創作で小説でも書いたらええわな!
 あきれはてて記事を書く気になりません。
 ただ、北海学園大学准教授(ドイツ宗教思想史)小柳敦史氏の勇気ある指摘は特筆されなければなりません。

 報道を見繕って、無断転載しておきます。


 日本基督教学会 深井智朗氏への公開質問状と回答を学会誌に掲載  2018年10月3日『キリシン』

 日本基督教学会は、9月11~12日の第66回学術大会開催に合わせて発行した学会誌『日本の神学』57号(2018年版)で、「質問と応答・会員から会員へ」と題し、同学会員である小柳敦史氏(北海学園大学准教授)による深井智朗氏(東洋英和女学院院長)=写真=への公開質問状と、深井氏による回答(暫定報告)を掲載した。
 同誌によると、小柳氏から学会三役(片柳榮一理事長、土井健司専務理事、芦名定道学会誌編集委員長=いずれも当時)宛に連絡があったのは2018年2月。協議の結果、公正を期するため、小柳氏と深井氏による学会誌上での公開された質疑応答という形となった。5月、深井氏より「十分な調査の上で回答したい」旨の回答を得たが、本号で「学会員全体で共有するのが望ましい」との判断から、深井氏の同意の上で、小柳氏の質問状、深井氏よりの回答、芦名委員長による経緯の説明を「暫定報告」として掲載するに至った。
 芦名氏によれば本件掲載の理由は、日本基督教学会の倫理規定にあるように、「学会とは研究者が相互の研究内容に関して検証を行う場であると考えるからであり、その意味で、問題を全体に周知することが必要であると判断したから」である。その上で、「研究者が自らの研究を論文、著書などで公にする場合、剽窃(ひょうせつ)・盗用・二重発表・二重投稿(そしてデータの捏造)とならないように細心の注意を払い、研究を公にした後も、それに疑義が示された場合には責任を持って対応すること、そのために研究に際して使用した資料はきちんと保管し必要に応じて検証可能なようにするという研究者倫理の意義を再確認するには、暫定報告で十分」としている。
 小柳氏の質問状は、深井氏による『ヴァイマールの聖なる政治的精神――ドイツ・ナショナリズムとプロテスタンティズム』(岩波書店、2012年)などの注と資料の実在に関する問題2点を提示。「深井氏が我が国におけるドイツ・プロテスタンティズム研究の第一人者と目され、多くの読者を獲得しているだけに、現在の状況が放置されると信頼性の危うい情報がますます広く流通することとなります」「かねてより指摘されていた、注の不備や誤訳にも適切にご対応いただき、深井氏の著作を学問的な文章として読める状況が整えられることを切に希望します」とした。
 対して深井氏は、「定められた頁数の中で書いた原稿で、注や参考文献を途中かなり削り、内容も行単位で規制されて書き、校正する中で、注については割愛せざるを得ませんでした」「誤りがあれば訂正し、問いにお答えしなければなりません。その準備はもちろんいつでもあります」と応じた。なお深井氏は、すでに日本基督教学会を退会している。

 芦名氏は、「問題の核心点の解明には至っておらず、さらに深井会員による最終調査の確認が必要ですが、学会誌での取り上げは今回で区切りとせざるを得ません。場合によっては、最終決着は場所を移して行われることになるかもしれません。ともかくも、以上によって、学会員のみなさまに研究者倫理についての注意を喚起するという目的を果たすことができれば」と結んでいる。


 神学の大家「東洋英和女学院長」に浮上、
  神をも恐れぬ“論文でっちあげ”騒動
 デイリー新潮 10/25(木) 5:58配信

 これぞ「神業」なのか――。ミッション系のお嬢様学校として知られる東洋英和女学院のトップである深井智朗院長(53)の論文に、引用元の人物が見当たらないという「でっちあげ」疑惑が浮上。「告発者」が深井氏の非を指摘すれば、彼がそれをかわすという論争が繰り広げられているのだ。以下は、神のみぞ真相を知る神学界の不思議な騒動。
 テレビ朝日の武内絵美、日本テレビの笹崎里菜。近年では女子アナ輩出校の感も漂う東洋英和の売りは、何と言ってもプロテスタントの信仰を土台とした人格陶冶(とうや)にある。その精神を体現しているのが深井院長だ。6月には彼の著書、その名も『プロテスタンティズム』が評価され、第19回「読売・吉野作造賞」を受賞している。だが、

「深井先生の書籍および論考に関し、問題だと感じている部分が2点あります」

 こう指摘するのは北海学園大学准教授(ドイツ宗教思想史)の小柳敦史氏だ。その問題点は、9月25日発行の神学年報「日本の神学57」に概要が載ったことで表面化した。改めて小柳氏に説明してもらうと、

「1点目は、深井先生の著書『ヴァイマールの聖なる政治的精神―ドイツ・ナショナリズムとプロテスタンティズム』に、創作、敢(あ)えて申し上げれば捏造に相当する疑いがあるということ。彼はカール・レーフラーなる人物が書いた『今日の神学にとってのニーチェ』という論文に依拠して、当該書の第4章4節を展開していますが、カール・レーフラーなる人物も『今日の……』という論文の存在も確認できないのです」

 続けて2点目は、

「深井先生が雑誌『図書』の2015年8月号に寄稿した『エルンスト・トレルチの家計簿』という論考で、彼が依拠した資料が存在しているか疑わしいこと。その論考を読むと、深井先生はあたかもドイツにあるトレルチ資料室の管理責任者から資料を入手したように書いていますが、私が確認したところ、そうした事実はなかったのです」

 とどのつまり、あろうことか神学の権威の著書等に複数の出所不明の情報が載っていたというのである。
 何てことだ、オーマイゴッド! 

「ついにこうなったか」
 当の深井氏は、「1点目のカール・レーフラーについては、綴りを誤って記してしまいました。2点目の家計簿に関しては、小柳さんが想定する人とは別の人から資料を入手しました。入手元に迷惑が掛かってはいけないと思って伏せていましたが、先方に許可を得たので、明らかにする予定です」
 と、でっちあげ疑惑を否定。しかし、彼を知る日本基督(キリスト)教学会のメンバー曰く、

「深井先生の仕事の粗さは知られた話です。そもそも、極めて初歩的な発音間違いがあったりして、彼のドイツ語の語学力にも疑問符が付けられていました。ですから今回の件は、学会では、ついにこうなったかと受け止められています」

 果たして神学の大家はでっちあげに手を染めていたのか否か――。当分、「神学論争」は続きそうだ。

「週刊新潮」2018年10月25日号 掲載
 
         ***** 追記 *****

    むべなるかな! 懲戒解雇

まことにこれはむべなるかな!やね。以下、読売報道。

著作に捏造と盗用、東洋英和・深井院長を懲戒解雇
5/10(金) 15:02配信  読売新聞

 学校法人・東洋英和女学院(東京)の院長で、同女学院大教授(近代ドイツ宗教思想史)の深井智朗氏(54)による研究不正問題で、同女学院は10日、東京都内で記者会見を開き、深井氏を同日付で懲戒解雇にしたと発表した。今回の不正を巡っては、同大に設置した調査委員会が深井氏の著作に捏造のほか、盗用があったと認定したことも明らかにした。

  調査対象になったのは、2012年に刊行された深井氏の著書「ヴァイマールの聖なる政治的精神」(岩波書店)と、15年に雑誌「図書」(同)に掲載された論考「エルンスト・トレルチの家計簿」。調査では、深井氏が「ヴァイマール」で紹介した「神学者カール・レーフラー」は存在せず、その論文も捏造であるなどと認定した。