伊豆の渓流を考える日々

Fishing club HUSLER 伊豆前戦基地
伊豆の渓流、釣行報告等を書き留める。
渓流オフは海を楽しむ。

Myコンパクトギャフ

2008-05-24 | ハンドメイド
 私が愛用しているイカ用のギャフを紹介してみようと思う。全長2.6m、仕舞込み寸法35㎝の片手でらくらくの軽量コンパクト・ギャフです。

先ずはどんなものか画像で紹介。

 持ち歩き時、カバーが被った状態
 ポイントカバーを外した状態 
 ギャフヘッド部の拡大
 伸ばすとこんな感じ

 一連の画像でお解りと思うが、一応仕様と言うか作りを紹介しておく事にします。
先ずは柄の部分はグラス製渓流竿ダイワ小継「瀬」硬調3.1mの穂先と2番を外したもの。中古釣り具ショップで300円で購入。
 次にヘッド部分は天秤などの製作用にショップで売られているステンレスバネ線φ1.8㎜を成形してステンレス用の半田付けで固定し半田のさびを防止する為にエポキシ樹脂でコーティング。軽量化の為に市販のギャフに比べてかなり細いが伸びる事もなく強度は十分である。柄との接続はトップと同じ位の長さのステンレスバネ線を製作したヘッドに固定し、バネ線に細いステンレス針金をらせん状に巻き半田付けしたものにエポキシ接着剤を塗布し、トップに差し込みエポキシ接着剤が充填する様に接着する。
 ギャフのポイントカバーは浮きゴムの内径2.0㎜を使用し、使い古しのPEラインで巻き柄に固定するのだが、ゴムの劣化による交換を考えて柄には接着せずに巻き付けたPEラインのばらけ止めと、浮きゴムのずれ止めの為にPEラインに接着剤を染み込ませ固定する。浮きゴムがある程度つぶれる位まで締めれば柄からずれる様な事は有りません。
 ざっとこんな感じですが、後は釣行時に身につける為にカラビナなどを取り付けるリングなどを付けるのですが、私の場合エギバッグに付いているタオルを通すゴムリングに通して持ち歩くので一応ずれ止め用に浮きゴムをリング状に取り付けています。
 総材料費は接着剤や半田、ステンレス針金などの雑材料費を除いて1000円以下です。

 初号機は昔使っていた5.5mの仕舞い込み寸法30㎝のグラス製の渓流竿に頂いた市販のギャフベッドを取り付けたもので長さも4.5m位で、今のほど軽くは有りませんが、コンパクトで良い感じながらギャフを使うほどの大物が獲れる前に一度も使わぬうちに宇佐美の堤防で海に落としてしまい海の藻屑と成ってしまった。
 初号機をなくしてしまってから仕方なく市販のオートギャフを買って使っていたのですが重たくて持ち歩くのに煩わしく感じていた。ある時、伊東港でキロクラスのアオリを掛けてテトラを登ろうとした時に足を滑らせてあわや落下という時にイカと共にギャフもろごと手から離れてテトラの隙間に落下してそのまま沈んでしまい無くしてしまったのだが、一応コンパクトタイプだったが長い重いで私の通うフィールドでは5mものながさをあまり必要としなかったのでこれを期に、2号機を製作。
 2号機は仕舞込み寸法45㎝、4.5mのグラス渓流竿で製作。その時に市販のギャフヘッドを買おうとしたが意外に高かったので、当時、小物用にマイクロハンドギャフを製作していた事も有り、ヘッドから自作。強度の面も考えて柄の先径を太くした事も有り3m位で堤防の足場が高い所では使えませんでしたが、かなり活躍してくれました。2号機は釣友が伊東港で2キロ近くのアオリを掛けたがギャフやネットを持っていなかった為、テトラを下りてハンドランディングをしようとした時にテトラから落ちて膝をケガした事を聞き、3号機製作中な事も有り、彼に進呈。
 3号機は2号機と同じく仕舞込み寸法45㎝、4.5mのグラス渓流竿で製作。もう少し長さをが欲しくて柄の先径を細くし、ギャフヘッドの重量を考え、ヘッド径を小さくして、見た目には掛けた後に直ぐに外れてしまうのではと心配だったが、2.6キロを筆頭に何バイものイカのランディングをしてくれました。ランディングに失敗したのは波に洗われて外れてしまった1パイだけす。3号機はついこの前まで使っていましたが、この前ご一緒した釣友に「ギャフは持ち歩かないのですか?」と聞かれたので「これ。」とエギバッグにぶら下げた3号機を見せた処、随分褒めて頂いたので気をよくしてさし上げちゃいました。
 その時はもっとコンパクトなのを作ろうと、既に今回の4号機の材料は調達してあったが使える物が有るうちは、なかなか作らずにいたのだが無くなれば作るだろうとの考えだったが、やはり必要に迫られると直ぐに作りますね。接着剤などの硬化時間まで含めて夜ちょこちょこと製作して1週間掛かりませんでした。
 こんな経緯で今回の4号機が出来上がった訳ですが、徐々に改良がされ良い感じに仕上がったと思います。

 1号機から全て柄にするロッドにはグラスを選んでいる理由は、中古市場で極安であること、カーボンの場合傷が付くとそこからあっけなくぽっきりと行くが、グラスの場合比較的粘りが有るからです。
 ポイントカバーは自作マイクロギャフにも採用している方法ですが、格好が悪い事と付け外しが多少手間な事に目をつむれば、自作をする場合材料価格、調達の楽さなどはもとより軽量な事、それに材質がゴムですから柔らかいので安全な事などのメリットが有ります。

 今回の4号機のデビューは伊東港エギング釣行(2008.05.23) でアオリではなかったものの初仕事をしました。初めて軽量なケンサキイカにギャフ打ちしたのですが、一度失敗した事により軽量イカを掛ける時の感じも判りまずまずのデビューだったと思います。
 私のエギングスタイルは他のエギンガーさんからすれば考えられない位の細いリーダーを使い、比較的ライトなタックルで特に秋イカシーズンには
ロッド :カラマレッティー・プロト GOCPS-792ML-SJ
リール :エアリティー2506・ブリーデンWハンドル
ライン :ヤマトヨテグス ファメルSWスーパーPE0.6号
リーダー:グランドマックスFX 1.0号
と超ライトな仕様の為、軽量なコンパクトギャフは必須アイテムに成っています。私が通うポイントでは2.6mで殆どカバー出来るので、コンパクト軽量ギャフを手にしてしまうと市販の重たいギャフはもう持てません。一抹の不安は今回柄のベースに成った渓流竿は発売している時代にはけっこうグレードの高い渓流竿だったと見えて作りが密な感じなので水につかる事による固着が心配である。現に聞く話によると2号機は固着で縮まらなく成り使えなく成ったようです。

もしも、このギャフに興味を持って作ってみようという方がおられる様でしたら、ここに書ききれなかった細かいノウハウはいつでもお教えしますのでご質問下さい。また、良いアイディアなど浮かびましたらそっと教えて下さい。

フックの話し

2007-04-19 | ハンドメイド
土肥山川釣行の記事でアスリート・トラウトチューンのことについて質問を頂いた。私、アスリートしか使わない、少しは外のルアーも使うけどエギング以外の全釣行の95%はアスリートを使う、アスリートフリークなのである。故にコメントを返すのに夢中で書き込んでしまったのだ、アスリートの事は色々と書きたいことが有るが、後でゆっくりと書くことにして。今回はフックについて書こうと思う。

私が保有するアスリートは全てシングルのバーブレスフックが装着されている。ごく一部を除いてエサ釣り用の鉤にラインでアイを取り付けた自作の物が付いている。
特にアスリートの5.5㎝及び7㎝に付けているのには私なりのちょっとしたこだわりを持って作っている。

最初にことわっておくのだが、シングルバーブレスにしたのは私がルアーを始めてから間もない頃に伊東港でメッキ釣りをしている時にお声掛けして頂いたのが切っ掛けで交流が始まり長いことお付き合いをさせて頂いていた上野可津見氏に薦められ使い始めたのです。当時は未だミノー用の縦アイのシングルバーブレスのフックが市販されていなかった事もあり、氏はがまかつのメジナ用「ヴィトム」を愛用されていた。アイはフライバッキングラインで作っていました。私も渓流を始めるようになり幾たびとなくご一緒させて頂いたのだが、最近では氏と休日が合わないことや釣りに対するスタンスの違い等でとんと疎遠に成ってしまったのだが、氏は相変わらず週間「つりニュース」やブログ「Light Action」で活躍されている。しかし、フックはシングルバーブレスフックの良い物が多く市販される様になったこともあり、自分でアイを巻くことはしなくなってしまったようである。

さて、私のフックだが鉤はいまでもヴィトムを使っている。最近は近所の釣具屋で手にはいりづらく成ったのでオキアミカラーに塗装されたスパーヴィトムで最近では同じがまかつの「ひねくれ」のストレートタイプ辺りも使う。いずれにしてもメジナ(グレ)用のバーブレスフックです。
アイには少しこだわりが有りまして。最初のうちはバッキングラインやPEライン、市販のケプラーなどを使ってみたが、バッキングは太さは丁度良いが腰が有りすぎる。逆に当時のPEラインは良い太さのだと腰がなさすぎるのとスプリットリングにばらけた原糸が挟まる。ケプラーは太すぎる。などどれもしっくりこないのです。そこで考えたのがPEライン1号を三つ編みにする事です。きつく密に編むことによって程良い腰が出るのと程良い太さに成る。その上三つ編みの仕上がりが平たく帯状に成るためルアーにセットしたときちゃんと正面を向くなど非常に具合が良いのです。しかし、編むのが大変、ボビンそれぞれに1号ラインを巻き3個のボビンを交互に交差させ密に編んでいくのだが原糸が細いのでなかなか大変で私が編むと1m編むのに6時間以上掛かり結構肩が凝る作業なのだ。最近ではPEラインの多くがコーティングされている物が殆どで5号位のが太さ的にも腰も丁度良いのだが、私は平編みにこだわっていまでもセッセと三つ編みしている。
続いて鉤にアイを作るのだが、これはフライをタイイングするのと同じ要領で、バイスに鉤を挟み、先ずは三つ編みのアイ用ラインの端をゲイブ側にスレッドを荒く巻き付け仮止め、続いてラインを上に返してアイの大きさが程良くなるように調節し、スレッドを荒く巻いて仮止めする。ラインの端を切ってからスレッドで今度は密巻きで仕上げ、ハーフフィッチ3回程度でフィニッシュ。スレッドは太い方が楽なのだが鉤自体が小さいのでなるべく細い方が巻いたところが太くならないで良いのです。スレッドのカラーは赤系が良い感じ。ルアーのカラーに合わせてモスグリーンやブラウン、アイボリーを使ってみましたが、赤が一番良い感じなので今は赤で落ち着いています。
次にスレッドが解けないようにラッピングです。本当ならばエポキシ樹脂を染みこませてラッピングしたいのですが、ほんの少量調合するのが面倒なのと硬化時間もかかるので私はもっぱら瞬間接着材を使っている。アイのラインが鉤に接する所まで染みこむようにたっぷり付けるのだが、アイ部分に毛管現象で接着剤が浸透して固まってしまい、せっかくラインでアイを作る意味がなくなってしまうことがあるので一工夫。瞬間接着剤を染みこませる前にアイ部分のラインに爪楊枝の先に水を付けてアイに水をたっぷり染みこませておくとアイ部分に接着剤が浸透しなくて上手くできるのです。

ラインでアイを付けたシングルバーブレスフックの利点だが、第一に掛けた魚に比較的優しいと言うことだ、ラインのアイが360度以上ねじれるのでヒットした魚が回転したり暴れた時に比較的フックが自由に動き鉤穴が大きくならないのと、リリースの時にもバーブレスなんですんなりです。
第2に掛かった魚がバレ難いと言うのだが、私の場合渓流を始めたときには既に今のフックを使っていたのと、巻き合わせや当たりに対して瞬時に反応出来るような反射神経を持ち合わせていないのとでバラシ頻発なんで何とも言えないのです。
難点は落ち込みの上流にルアーを落とし、流れに乗せて落ち込みに落とした時などたまにフロントフックがラインに絡む事がある。これはラインの張り具合なんかで解消できるのだが多少不満である。
フックの向きだが、私が付けている向きと逆に付けているの人もいるが未だ試したことがないのでどちらがよいのかよく判らない。今度逆向きにセットして試してみようと思う。

添付した画像は、ジャクソン アスリート5.5Sのホログラムレッドヘッドの赤い塗装を剥がしてライトグリーンのラメ入り塗装をしてカナブンなどが飛び交うテレストリアルシーズンを意識してチューンをした物です。元々はシンキングですが、フックが軽量に成ったため実際はフローティングになってしまっています。
装着フックはヴィトム7号で私としてはベストマッチサイズだと思っています。尚、アスリート7SP、7Fには8号。アスリート5.5Fには6号を装着してます。