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三津嚴島神社ブログ

愛媛県松山市神田町に鎮座する嚴島神社の神主の記録

4月1日の言葉「敷島(しきしま)の大和心(やまとごころ)を人とは(わ)ば 朝日に匂(にお)ふ 山桜花(やまざくらばな)」

2021年04月01日 | 今月の言葉

4月1日の言葉は、「古事記伝(こじきでん)」で有名な国学者「本居宣長(もとおりのりなが)」の歌です。

「敷島の」は大和心にかかる枕詞、「匂う」は現在では「香りが匂う」という意味で使いますが、
当時は「花が美しく咲いている、映えている」という意味で使っています。
また「大和心」は「漢心(からごころ)」(中国かぶれの心)に対する「日本人としての昔ながらの柔軟な知恵」という意味です。

すなわち「大和心とはなにかと、尋ねられたら、朝日に照り輝く山桜の花であると答えよう。
日本人である私の心とは朝日に照り輝く山桜の花の美しさを知る、その麗しさに感動する、そのような心です。」

宣長の山桜に対する思い入れは人一倍で、自分が死んだら山桜の木を一本植えて、
そこに遺体を埋めてくれと遺言を残し、弟子がその通りに松坂市の山室山(やまむろやま)に埋葬しました。
墓の後ろには山桜の樹が植えられています。そして今も松阪市の観光名所の一つとなっております。

今まさに春爛漫(らんまん)、境内の桜も華やいでいます。今年はコロナの影響でお花見もままなりませんが

元々桜といえば、山桜の事でした。さくらの「さ」は「早乙女(さおとめ)」や「早苗(さなえ)」の「さ」で稲の神様
「くら」は「座(くら)」で神様の宿る場所を意味しています。

すなわち「さくら」は稲の神様が宿る場所という意味になります。

今月の御朱印は華やかな桜をデフォルメして、デザインしました。

稲の収穫が終わって冬になると、稲の神様は山に還(かえ)られます。

春になり山々に自生している山桜の花が白く咲き始めると
「さあ稲の神様が桜の木に降りて来られたぞ」という事で桜の木のもとに皆が集まって、
神様にお酒や食べ物をお供えし「今年も豊作でありますように」と願いながら、共に飲み食いをしました。
これがお花見の始めと言われております。

そして山桜の花を稲の花に見立てて、その年の豊作を占ったようです。
すなはち、稲の神様をお迎えする神事がお花見のルーツという事になります。

そう考えるとお花見ひとつにも、先祖代々受け継がれてきた日本人としての知恵
「大和(やまと)心(ごころ)」が受け継がれているようです。
また桜の香りには、抗菌、リラックス、鎮静作用がある事が科学的にも証明されており、
これも長年に亘る生活の知恵「大和心」と言えそうです。

   「敷島の大和心を人とはば 朝日に匂ふ 山桜花」

コロナ禍での自粛により、ストレスのたまる生活を余儀なくされていますが、
宣長の言うように「花の美しさを知り、その麗しさに感動する日本人としての心」「大和心」
いつまでも持ち続けたいものです。

今日も春の日差しの様なうららかな心でお参りしましょう。

いつも神の恵みと祖先の恩を忘れずに明るく清らかな気持ちでお祈りしましょう。

心の幸福は感謝の気持ちから始まり、ひたすら祈る事によってより大きくなるのです。

 


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4 コメント

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[進み行く素数]  (ヒフミヨは天岩戸の祝詞かな)
2024-02-02 12:07:09
 ≪…しき嶋のやまとごゝろを人とはゞ朝日にゝほふ山ざくら花…≫を、≪…「大和心」…≫そのモノが、数の言葉ヒフミヨ(1234)に持ち合わせる数学の基になる自然数を愛でる、本歌取りにて・・・

 ひふみよのやまとごゝろに数とはゞ朝日にゝほふ山ざくら花

[山ざくら花]を『自然比矩形』( 1×(e-1))とすれば。[朝日]は太陽を知る数の言葉(e-1)である。
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Unknown (あらしょう)
2024-04-16 09:30:35
最後の締め括りの文、素晴らしいです。
返信する
マルテンサイト千年グローバル (サムライ鉄の道リスペクト)
2024-09-14 01:44:44
最近はChatGPTや生成AI等で人工知能の普及がアルゴリズム革命の衝撃といってブームとなっていますよね。ニュートンやアインシュタイン物理学のような理論駆動型を打ち壊して、データ駆動型の世界を切り開いているという。当然ながらこのアルゴリズム人間の思考を模擬するのだがら、当然哲学にも影響を与えるし、中国の文化大革命のようなイデオロギーにも影響を及ぼす。さらにはこの人工知能にはブラックボックス問題という数学的に分解してもなぜそうなったのか分からないという問題が存在している。そんな中、単純な問題であれば分解できるとした「材料物理数学再武装」というものが以前より脚光を浴びてきた。これは非線形関数の造形方法とはどういうことかという問題を大局的にとらえ、たとえば経済学で主張されている国富論の神の見えざる手というものが2つの関数の結合を行う行為で、関数接合論と呼ばれ、それの高次的状態がニューラルネットワークをはじめとするAI研究の最前線につながっているとするものだ。この関数接合論は経営学ではKPI競合モデルとも呼ばれ、トレードオフ関係の全体最適化に関わる様々な分野へその思想が波及してきている。この新たな科学哲学の胎動は「哲学」だけあってあらゆるものの根本を揺さぶり始めている。こういうのは従来の科学技術の一神教的観点でなく日本らしさとも呼べるような多神教的発想と考えられる。
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Unknown (shoji)
2025-03-30 12:44:44
松阪市に住んでます。伊勢湾から昇る朝日が郷土の山々に咲く山桜にあたり輝く様は何とも言えぬ心の平穏を感じる美しさです。山桜は山の頂上に向けて次々と咲いて行きます。宣長さんの先祖はその山々の麓で伊勢国司北畠家の家臣とし住んでいたと家のむかし物語に書いています。
大和心の説明ブログに感動しました。
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