子供は親の言うとおりには育たない 親のする通りに育つ
11月は七五三の月です。
七五三参りは、平安時代に始まり室町時代頃に定着したといわれる習慣です。
男女3歳の「髪置の儀」それまでそっていた髪を伸ばし始める
男児5歳の「袴義」袴を着け始める
女児7歳の「帯解きの儀」ひもで着けていた着物を帯で締め始める
それぞれの儀式の名残りです。
今の子供は生後から7歳まですくすくと育ちますが、江戸時代頃までは医療も不十分で7歳までに亡くなる子も多く
「7歳までは神のうち」として7歳までは神様の領域でお葬式もあげなかったようです。
そういう状況ですので、七五三を祝う気持ちも
「よくぞここまで育ってくれた」と思う心と喜びで一杯だったことでしょう。
子供は親の言うとおりには育たない、親のする通りに育つ
だから親は自分の後ろ姿を意識したいものです。
「雨にも負けず、風にも負けず」で有名な宮沢賢治は晩年、貧しい農民のために、病をおして、田畑の研究に没頭します。
それを見て、母親は
「どうして賢治は、自分の事より、困った人のために尽くすのかねえ」
とつぶやいたそうです。
横で見ていた賢治の姉は
「何言ってるの、兄さんはお母さんと同じことをやっているんじゃないの」
と言ったそうです。
なるほど、この母にして、この子あり、母の後ろ姿が無意識に賢治の生き方に影響を与えていたのでしょう。
このように、子供の生き方には親の姿が大きな影響を与えます。
しかし親の方は子供をしつけようと力み過ぎて、肝心の自分の姿をかえりみないという事は良くあります。
その戒めとして「親が変われば子供は変わる」とよく言われるのでしょう。
先に生きると書いて「先生」と読みます。
親は子供にとって誰もが「先生」です。
親だけでなく身近な祖父母、叔父さん叔母さん、地域に生きる年配の方々も同様でしょう。
子供にとって親や身近な方の生き方が一番影響を与えます。
自分の生き方、後ろ姿が常に皆に見られている、そして影響を与えているという気持ちで毎日を過ごしたいものです。
毎日ご神前に祈りを捧げるなかで、
家庭や地域、職場の中での自分の行動や言動、後ろ姿を意識しながら、
より一層神様の御加護を頂ける様に、お互いに努力して参りましょう。