糸崎公朗ブログ1・路上ネイチャー協会

写真家・糸崎公朗のブログです。『子供の科学』と『デジカメWatch』で連載をしています。

国分寺市による空間放射線量測定結果(転載)

2011年06月22日 | 原発・地震関連
コメント欄で教えていただきましたが、国分寺市による市内の放射線量測定結果が公表されました。
http://www.city.kokubunji.tokyo.jp/kankyou/2334/014434.html
しかしリンク先を見てみると、データはPDFをダウンロードしないと見ることができずに面倒です。
そこでこの資料をJPEGに変換し、ここに掲載してみます。



ぼくのガイガーカウンターGM-10の計測値に比べだいぶ低いようですが、これは計測器の特性によるもののようです。
放射線測定機(サーベイメーター)はガイガーカウンター以外にも種類があるそうで、これもコメント欄で教えてもらった以下のページが参考になります。

http://www.nikkei.com/tech/trend/article/g=96958A9C93819499E2E0E2E3E78DE2E0E2E7E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2;p=9694E0E2E2E6E0E2E3E3E3EBE7E6

国分寺市で使っている測定機「PA-1000 Radi(堀場製作所)」はガイガーカウンターより精度の高いシンチレーション式で、それなりに高価で、数値としてはこっちの方が信頼できるかも知れません。
しかし問題は別のところにあり、それは武田邦彦さんが「あまりの恐怖に? ピントの外れた東京都」という記事で以下ように指摘しておられます。
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6月、東京都が重い腰をあげて、放射線の測定を始めました。テレビでその様子を見たら、公園の中央の平たいところで測っていました。

今、公園で線量が高いところは「公園の中央」ではなく、ヤブやベンチの下などです。

つまり、東京とは「できるだけ放射線の低いところ」に狙いをつけて測定しているように見えます.すでに多くの人が「公園のヤブ、風の吹きだまり」などが1時間に1マイクロシーベルトを越えるという値を出しているのに、そこを避けているのです.

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こんな計測の仕方では、せっかくの効果で高性能な測定機もまさに宝の持ち腐れです。
しかしこれを逆手に取れば、自分が持っているガイガーカウンターの数値がどれだけ標準とずれているのか、確認することができます。
東京都も、恐らくは国分寺市も「できるだけ放射線の低いところ」を測っているのですから、自分でも同じような場所を計測し、数値を比較すればいいのです。
そしてその数値を基準にして、「放射線の高いところ」を探すとより信頼できる数値が割り出せることになります。
ガイガーカウンターをお持ちでない方にとっても、表を見ると「もとまち保育園」の数値がほかより若干高く、参考になるかも知れません。
いずれにしろ、放射線量の「正確な数値」を割り出すのは困難で、絶対的な数値に惑わされず、いろんな場所を比較した「相対的な数値」で判断した方が良さそうです。

当ブログの放射線基準値(自然放射線量)について

2011年06月22日 | 原発・地震関連
すみません、更新が滞ってしまいました。
以下の記事で計算間違いがあれば、ご指摘ください(その類のミスが多いので…)。

さて、自分が使っているガイガーカウンター「GM-10」について、落ち着いて調べてみました。
参考になるのは、原発事故以前から日野市に「GM-10」を設置し計測していた「ナチュラル研究所」というサイトのガイガーカウンタのページです。
ここからリンクされている「アーカイブ」というページを見てみますと、冒頭に以下のように書いてあります。

 (1) 被災以前は、当地の計測値は平均14CPMで、0.11マイクロシーベルト/時でした。この値は、自然界の放射線量に相当し、地域によって大きく異なるのだそうです。

次の図は、「日本地質学会」というサイトの「日本の自然放射線量」というページに掲載されていた図を、ぼくが加工したものです。
オリジナルには県境がなかったもので…無断で申し訳ありません。
右クリックで少し拡大します。

これによると、関東エリアの自然放射線は「0.00581~0.0540マイクログレイ/時」ということになり、こちらのページで換算すると「0.004648~0.0432マイクロシーベルト」になります。
この数値と比較すると、ナチュラル研究所の「平均0.11マイクロシーベルト/時」は倍以上高いことになります。

しかしナチュラル研究所の「リンク集」に、同じくGM-10で計測しているページがいくつか紹介してありまして、ここを見るとどこも一様に数値が高めで、ぼくの計測値ともそれほど違いはありません。
これから判断すると、GM-10の計測値は少し高めに出る傾向はあるものの、機種ごとのバラツキは少ないということになります。
従ってナチュラル研究所で計測された東京での自然放射能「平均0.11マイクロシーベルト/時」という数値も信頼できることになり、これを基準に現在の数値が判断ができそうです。
ぼくが6月19日に「放射線量が少なさそうなところ」として計測したマンション階段で「平均約0.11-0.12マイクロシーベルト」という値が出ましたので、これと合わせても妥当だと思えます。

ぼくがGM-10で計測した国分寺市の放射線量は「平均約0.11~0.22マイクロシーベルト」で、これを「自然放射線0.04マイクロシーベルト」で計算すると「2.75~5.5倍」になり、だいぶ驚き不安になられた方もおられるかも知れません。
しかし、GM-10の計測値「自然放射線0.11マイクロシーベルト」で計算すると「1倍~2倍」ということになり、ずいぶん安心できる(とは言え不安はぬぐいきれない)数値になります。

本来なら、このような基本条件を理解した上で計測値を公開すべきでしたが、申し訳ありません。
どうもぼくはせっかちな性格で、新しいデジカメも説明書を見る前にまず使ってみないと気が済まないのです…
もともと理系ではない上に、慣れないガイガーカウンターの扱いにいたらぬ点もあると思いますが、今後ともよろしくお願いします。

ナチュラル研究所・ガイガーカウンター

2011年06月19日 | 原発・地震関連


「ナチュラル研究所」というサイトに、ガイガーカウンターによる放射線測定値のグラフが掲載されてます。
http://park30.wakwak.com/~weather/geiger_index.html
震災前から東京都日野市に設置されていたのでご存じの方も多いと思いますが、ここで使われているガイガーカウンターはぼくが使っているのと同じ「GM-10」です。

で、あらためてこのページを見たら「リンク集」がありまして、同じGM-10を使用したさまざまなサイトが紹介されてました。
http://park30.wakwak.com/~weather/geiger_links.html
ちょっと落ち着いてこのページを見て、自分のデータと比較して勉強してみます・・・

東京都による都内各地の放射線測定結果

2011年06月19日 | 原発・地震関連


東京都による「都内における各地の空間放射線量の測定結果(2011年6月16日測定)」というページを見つけたので、紹介します。
http://monitoring.tokyo-eiken.go.jp/monitoring/tonai/d20110616.html
国分寺でも測定したはずですが、まだその数値は掲載されていません。
近いところだと小平市が掲載されてますが、
小平市仲町小平第二小学校 地上1m 0.05マイクログレイ/時間
という数値が出てます。
同ページには「※大気中の放射線量1グレイは1シーベルトに換算できます。」とありますから、0.05マイクロシーベルトになります。
ということであれば、通常通りの自然放射線のみの値で、何の問題もないといえます。

ただ、ぼくが持ってるガイガーカウンターで計測すると、国分寺あたりの公園など土の上は約0.15マイクロシーベルトの値が出ますから、東京都の計測値の3倍近くもあります。
東京都が使用している、日立アロカメディカル製のサーベイメーターは40万円以上する高級品だそうで、そっちの数値の方が正しいのかも知れません。
ただ、これまで「お上」はさまざまなデータをごまかした前科がありますから、今ひとつ信用しきれないのが残念なところです。
もちろん、ぼくのガイガーカウンターが実際の3倍の数値が出る欠陥品であれば、そっちの方が安心です。
いや実際、放射線の測定がこんなにも難しいとは思いませんでしたが、カメラの露出とはずいぶん勝手が違います。
何が正しいのか自分でも調べてみますが、みなさんの情報もお待ちしております・・・。

110619放射線測定値(国分寺市)

2011年06月19日 | 原発・地震関連
昨日、他の人が所有するガイガーカウンターと比較測定しましたが、自分のガイガーカウンターの数値が果たして正しいのか?あらためて不安になってしまいました。
いずれにしろ、一般に手に入るガイガーカウンターで絶対的に正しい数値を求めるのは難しいそうで、あくまで「目安」にしかなりません。
しかし同じガイガーカウンターでいろいろな場所を計測すれば、相対的な数値の違いだけは把握できます。
そこで今日は放射能の影響が少なそうな、地上から高い場所を測定してみました。


まずは西恋ヶ窪のいなげや向かいのマンション。


4-5階の階段踊り場にセット。


平均約0.14-0.17マイクロシーベルト。
地上とさほど変わらないような・・・?
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すぐ近くの地上1mでも計測(センチニクバエがいた場所)。


平均約0.12-0.21マイクロシーベルト。
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本多OKストア隣のマンション。


8-9階の階段踊り場にセット。


平均約0.11-0.12マイクロシーベルト。
ちょっと欲張って長めに計測してみましたが、地上より若干低めの数値が出ました。


ちなみにこれは昨日計測した自宅室内で、平均約0.12マイクロシーベルトでだいたい同じくらいです。
これが原発事故前の平常時の値なのか、平常より高めの数値なのか、現時点では分かりません。

こくぶんじガイガー手帳

2011年06月19日 | 原発・地震関連

「こくぶんじガイガー手帳」
http://kokubunjigeiger.wordpress.com/

制作者はこのブログにもコメントを寄せていただいてるnaitouさんで、国分寺市のほか国立市の放射線量が掲載されています。
naitouさんもガイガーカウンターをお持ちで、ご自身の計測値とぼくの計測値がgoogleマップの該当位置にリンクされています。
まだできたばかりのサイトで、naitouさんも試行錯誤の最中だそうですが、大変にありがたいです。
昨日は、国立市や立川市でも独自に放射線測定をされている方がおられることを知ったのですが、お互いうまいかたちで連携し、それぞれのデータが有効活用できればと思います。

ちなみに国分寺市では6月17日に市内3カ所で放射線測定が行われたようですが、数値はまだ公表されていません。
http://www.city.kokubunji.tokyo.jp/kankyou/2334/014435.html

110618放射線測定値(国分寺市)

2011年06月18日 | 原発・地震関連


虫(ツユムシ幼虫)のいた場所を測定してみました。
日立中央研究所の壁際です。
平均約 0.14-0.19マイクロシーベルト
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国分寺駅ビルのレストラン街。
平均約 0.14-0.19マイクロシーベルト
*本当は屋上の高いところの空間線量(事故前の通常時に近い値)を計りたかったのですが、5時までで締まってました(笑)。
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国分寺駅構内から自宅までの道のりを歩きながら測定。
駅構内より道路上の方が高く、平均約0.15-0.18マイクロシーベルトでした。

110618放射線測定値(国立市)

2011年06月18日 | 原発・地震関連
今日は国立にある国立北保育園のご厚意により、園内の計測を行いました。
園児のご父兄にガイガーカウンター「RADEX QUALTA」をお持ちの方がおられて、ぼくの「GM-10」との比較も行いました。


まずはこのような教室ですが・・・


ぼくのGM-10は子供用机の上に置き計測したので高さ約0.5m
平均約 0.13~0.16マイクロシーベルト


RADEX QUALTAでは
高さ1mで0.14マイクロシーベルト
高さ0mで0.13マイクロシーベルト

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教室前ベランダ、高さ0mでの比較。


GM-10 平均約 0.15~0.17マイクロシーベルト
RADEX QUALTA 2回計測 0.15~0.16マイクロシーベルト

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グランドの雨水が落ちた窪み、0m


GM-10 平均約 0.13~0.17マイクロシーベルト
RADEX QUALTA 2回計測 0.11~0.14マイクロシーベルト
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砂場、高さ0m。


GM-10 平均約 0.14~0.19マイクロシーベルト
RADEX QUALTA 2回計測 0.14-0.15マイクロシーベルト
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菜園、0m。


GM-10 平均約 0.08~0.16マイクロシーベルト
RADEX QUALTA 2回計測 0.14-0.14マイクロシーベルト
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雨水マスの上。


GM-10 平均約 0.11~0.17マイクロシーベルト
RADEX QUALTA 2回計測 0.13-0.15マイクロシーベルト


プール、0m。


GM-10 平均約 0.13~0.19マイクロシーベルト
RADEX QUALTA 2回計測 0.16-0.16マイクロシーベルト

プール排水溝、0m(RADEX QUALTAのみ)2回計測 0.21-0.24マイクロシーベルト
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計測の結果ですが、ぼくが計測した範囲ではこの幼稚園の敷地が特に高いようには思えません。
もっとも数値が高かったのはプール排水溝で、落ち葉の吹きだまりがありいかにも数値が高そうに見えました。
これ以外に幼稚園の敷地内で「吹きだまり」的な場所はなく、どこも清潔にされていたので他に数値が高い場所はありませんでした。

RADEX QUALTAとの比較ではGM-10の方が若干高めの数値が出ることもあるようですが、だいたい同じような感じではないかと思います。
いずれにしろ2代がピッタリ同じ数値と言うことはないので、あくまで「目安」なのだとあらためて思いました。

都内では放射線測定を嫌がる学校も少なくないようですが、それだけに国立北保育園のご理解とご厚意には感謝いたします。
ぼくは父兄の方に依頼されて計測に伺った「部外者」ではありますが、しかしいくら「よその子」とは言え未来の日本を支える人材でありますから、ぼくにとっても無関係とは言えないわけです。
今のところぼくにできるのはただ計測することだけですが、データはみなさんのお役に立てていただければと思います。