京の話題

12000年以上続いた「平安京」の文化・寺社仏閣・お祭り等を紹介します。

京の話題(平安京その37)大徳寺のそばにそっと有る、雲林寺

2011-10-17 00:42:48 | 京の話題

北大路通りの大徳寺前のほんの少し南に下がった所に、ひっそりとした寺が有ります。境内は狭いですが歴史は古いです。

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桓武天皇の皇子淳和天皇は船岡山の東麓に離宮を造営しました。それが「紫野院」と称しました。天長9年(832年)に「雲林亭」と称し後仁明天皇の皇子「常康親王」が拝受しました。

後。親王の出家により、六歌仙の一人で僧正編昭(桓武天皇の孫)に与えられて元慶寺の別院として宮寺となり、その時分に「雲林寺」と改められました。

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雲林寺は「大鏡」に記されています。「雲林寺の菩提講にまうでて待りしかば・・・・」菩提講がさかんで多くの都人を集めました。謡曲「雲林寺」でも良く知られています。

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当時は、「源氏物語」「古今集」にも記されている名刹でしたが、次第に衰退していき、その後、後醍醐天皇のときに雲林寺跡地は大徳寺に与えられました。

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現在の寺は、往時の威名を伝えべく江戸時代の初期に大徳寺によって建てられたものです。

有名な、大徳寺の陰にこのような名刹が有ります。大徳寺のすぐ近くです、大徳寺を訪れたときにこの寺の散策も。

注:大鏡。藤原道真の権勢を語る歴史物語。

北区紫野雲林寺町23