京の話題

12000年以上続いた「平安京」の文化・寺社仏閣・お祭り等を紹介します。

京の話題(平安京その26)平安時代にも記載が有る、深泥池

2011-10-06 07:48:54 | 京の話題

京都の方々が恐れられているこの池。深泥池(みぞろがいけ)は洛北の上賀茂の近くに有り、平安時代前期に菅原道真よって編纂された「類聚国史」の中に、淳和天皇が天長6年(829年)水鳥を羅(あみ)で猟(かり)すると有ります。

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名前のいわれは、「泥濘池」(水が滞った池)が深泥池と言われています。

この池は、平安時代・室町時代・江戸時代の数々の書物に出てきますが、なんといってもこの池から幽霊が出ると言う事です。

古来この池の北方に住む鬼が出入り口にして、あやかしの者たちが生きかう異界で有りました。御伽草子にも貴船の奥には鬼が棲むという伝説が有り、貴船とこの池が地下水脈と通じていると言われています。この池の周辺では、幽霊を見た、自殺した死体が上がった、自動車がカーブを曲がり切れずに衝突する事故が後を絶たないと言う不思議な事が良く有ると言われています。

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しかし、おぞましい話ばかりでなく、この池は、深泥池生物群集として多くの天然記念植物に指定されている植物群が群生している貴重な池です。

浮島は夏になると浮かび上がり、冬には沈んでしまう不思議な植物が生息しています。ミツガシワ・ホロムイソウ・ジュンサイ・タヌキモ・モウセンゴケ・オオミズゴケ・ハリミズゴケ・ヌマガサ・イヌノハナゴケ等貴重な、寒冷地に分布する植物や食虫植物・高層湿原種が生息している、日本では唯一の不思議で貴重な池です。

しかし、魔界伝説の方が有名かな?今は初秋、色々な植物が水面を覆い尽くしています。

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一度、上賀茂神社の散策のついでに、この不思議な池も散策を、お勧めします。


次回はここ洛北の地をから洛西の地へと移動します。寺社等には散策しやすいように住所も記入する予定です。