観光客の多い「松尾大社」の横へそれて少し散策すると、西側に石段が有ります。「古社月読神社」が石段の上に鎮座してその流れを眺めているようです。古式に染まったこの神社の石段を上ってみます。
この神社の歴史は非常に古く、顕宗天皇(歴代天皇以前の天皇)と言うから五世紀末、阿閉臣事代((あへいのおみことしろ)が勅命により朝鮮半島に赴く時、月神があらわれ「我が月神を祀れ、福慶あらむ」と言いました。壱岐で月読尊がよりついて託宣したので、これを天皇に奏上して山城国葛野郡歌荒諏樔田(うたあらすた)の地に社を創設したとされ、斉衡3年(856年)にここの地に移されたと言われています。
境内には、江戸時代に建てられた本殿・拝殿・御舟社・聖徳太子社などから構成されています。
この社が京都にもたらされてるにあたってはやはり、渡来人の秦一族が深く関わっている可能性が有ります。このあまり観光客が訪れない神社も、古都京都の神祇信仰や渡来文化を考える上で重要な意味をもつ神社で有ると思います。
「松尾大社」の散策の後に、この古い古い社の散策もお勧めします。
西京区松室山添町15