いせ九条の会

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とても痛ましい事柄/山崎孝

2008-10-20 | ご投稿
【タリバン:自爆「6割が身体障害者」 カブール大准教授】(2008年10月19日の毎日新聞HPより)

 【ニューデリー栗田慎一】アフガニスタンで増加し続けている自爆テロ事件で、実行犯の6割以上が身体障害者だったことが、カブール大学医学部のルサフ・ラドガリ准教授(32)の調査でわかった。障害者の多くが地雷や不発弾の爆発で手足を失った住民とみられ、武装勢力タリバンが、社会的弱者の障害者を自爆犯として利用している実態が明らかになった。

 准教授は2年前から、カブールを中心に自爆テロの実行犯の遺体80体を独自に検分。うち65%に当たる52体が、手や足、指などが自爆前から欠損している身体障害者だった。

 准教授は現場に残された義足や歩行補助具の流通ルートを調べ、うち1件は06年、カブールの援助団体が中部ロガール州で地雷被害に遭った男性に贈ったものであったことも突き止めた。

 タリバンは「米軍の空爆による犠牲者の遺族が、(志願して)自爆している」と主張している。准教授は「手足などを失い失業して貧困に陥った障害者が、家族の生活を保障するなどと口約束されて、自爆している可能性がある」と指摘する。

 准教授は近く、タイ・バンコクの研究機関の支援を得て、自爆犯のDNA鑑定を開始する。「民族、出身国などを割り出し、自爆の背景を科学的に解明したい」という。

 【ことば】アフガニスタンでの自爆テロ

 90年代の内戦時代まではアフガニスタンには自爆テロはなく、国際テロ組織アルカイダ系の外国人が持ち込んだとみられる。03年のイラク開戦後、イラクで自爆テロが頻発するのに合わせてアフガンでも外国軍や政府組織などを狙った自爆が急増。国連の調査では、05年に17件だったのが、06年123件、07年は約150件、08年も増加傾向にある。(以上)

【コメント】ルサフ・ラドガリ准教授は、「手足などを失い失業して貧困に陥った障害者が、家族の生活を保障するなどと口約束されて、自爆している可能性がある」と指摘しています。とても痛ましいことです。

タリバンは「米軍の空爆による犠牲者の遺族が、(志願して)自爆している」と主張しています。タリバンの行いは卑劣ですが、タリバンの主張の根拠を与えている、米軍やNATO軍の多数の住民犠牲が伴う「テロとの戦い」方を止めなければなりません。

麻生首相は盛んにインド洋における給油活動は国際的義務だとか、その有効性を協調しています。しかし、すでブログで紹介したように「防衛問題セミナー」(9月24日)で、元インド洋派遣海上支援部隊指揮官の久野敬市・一等海佐(自衛隊千葉地方協力本部長)は、二回派兵された体験に基づき、海自艦船が活動するインド洋に日本列島がすっぽり入った地図を示し、同海域の広大さを指摘して、海自の補給艦1隻が約15隻の外国艦船に給油していることを紹介した後、外国艦船の活動は「ザルにもならないぐらいだ」と述べ、活動の有効性に疑問を投げかけています。

インド洋における給油の油代は2001年12月~2008年9月まで合計で49万9500kl、金額では235億5千万円相当です。これに給油をするための海自の活動経費を加算すれば相当な金額となります。このお金をアフガニスタンのテロの温床となっている貧困対策に使う方が、はるかに有効な税金の使い方になると思います。