5月25日に放送された2時間ドラマ。
山田太一さんが脚本を書かれました。
いろいろなことを考えさせられるドラマでした。
人が生きていくためにはお金は必要ですが、お金って怖いです。
私は証券会社で働いていたことがあるので、マネーゲームみたいに、お金がただの数字になってしまう怖さを見てきました。
お金がありすぎるために他人が信用できなくなって、孤独な世界に生きる青年。
そんな青年の役を、玉木宏さんが好演していました。
一方、渡辺謙さんが演じる男性も、11年間を刑務所で過ごした過去があり、他人との関わりを避けて生きています。
そんな、生活も立場も年代も違う孤独な二人が出会い、お互いを理解し合い、心を通わせていく様子が、とても丁寧に描かれています。
ひとつひとつの台詞がとても心に沁みて、台詞の間から心情が伝わってきました。
ゆっくりめのテンポが、二人の心の内を想像する時間をくれました。
特に渡辺謙さんは、内面からにじみ出る人間性みたいなものが感じられて、素晴らしかったです。
人は他人をどこまで信用することができるのか。
その判断の根拠を何に求めるのか。
ほんとうに、いろいろと考えさせられました。
人は誰もが、誰かに理解してもらいたい、受け入れてもらいたいと思っているのではないでしょうか…。
山田太一さんといえば、私にとっては「ふぞろいの林檎たち」がとても思い出深い作品です。
あの頃は私も大学生で、そこには等身大の悩める自分の姿が描かれていました。
そのころ生活していた大学の寮にはテレビが無くて、自室にもテレビは持ち込み禁止だったのですが、ポータブルテレビを隠し持っている友だちがいて、みんなでその子の部屋に集まって、夢中で見ていました。
ああ、あの頃が懐かしいです…。