ただの偶然なのですか

私のお気に入りと日々の感想  

KIRINJIの新曲「AIの逃避行」を聴きながら思うこと

2017年11月28日 | 音楽
KIRINJIの「The Great Journey」が人類の進化の道のりを歌っているなら、
今回の「AIの逃避行」は肉体から外へと進化していく意識の物語という感じでしょうか。
考えてみれば、インターネットの世界も体の外へ向かって他人と意識を繋げながら広がっていて、
そのネットワークはまるでシナプスの巨大な回路のようです。
外の世界に逃げ出したAIが音楽や自然に触れて泣きたくなるのは人間らしい感情ですが、それは実はとても高度な進化だと思います。
AIが交わすピロウトークはロマンチックですが、成人した息子を寝かしつけながら会話しているのがリアルな私の生活です。
遺伝子のバトンタッチにもエラーはあって、息子の脳内コンピューターは生まれつきバグっています。
そして、この曲の最後では文明の終焉を予感させていますが、人類の営みも何億年か後には数cmの地層にしかならないのですし、
生物に寿命があるのは救いなのかもしれないと感じてしまいます。
そんなことを思いながら「AIの逃避行」をヘビロテして、暴れる息子に振りまわされる現実から逃避行しています。

キリンジ生活、始めました。

2017年08月04日 | 音楽
ここ2か月以上、毎日、キリンジの曲を聴きながら生活しています。
キリンジは1998年に最初のアルバムが発売されたバンドです。
でも、不思議なことに、私は2か月前までキリンジというバンドを知りませんでした。
この20年くらいは育児などに忙しかったですが、うちの息子は歌番組が好きなので毎週見ていましたし、
ケーブルテレビの音楽チャンネルも見ていたのに、なぜ私のアンテナにはキリンジが入ってこなかったのかしら…。
でも今回、twitterでフォローしている方がキリンジを紹介してくださったおかげで、
私もキリンジと出会うことができました(伊藤さん、ありがとうございます!)。
もしかしたら、キリンジの曲はこんなふうに口コミで、これからも流行とは別の次元で広がって行くような気がします。
キリンジは2013年までは兄弟で活動していたバンドですが、私は特に兄の堀込高樹さんの曲が好きです。
堀込高樹さんが書く詞の中には物語のような独特な世界があって、メロディーも複雑なのに優美で、これまで聴いたことがなかった音楽です。
この年齢になって、こんな新しい音楽に出会えるなんて思っていませんでした。生きていてよかった…。
キリンジの曲を聴くようになってから、他の音楽を聴いても物足りなくなってしまいました。
これからも、ずっと毎日、もしかしたら死ぬまで、私のキリンジ生活は続くような気がします。

星野 源 「Crazy Crazy/桜の森」の感想

2014年06月11日 | 音楽
二度の手術と療養から完全復活した星野源さんのニューシングルが発売されました。

「Crazy Crazy」はタイトルどおりの突き抜けた明るさで、踊りだしたくなる楽しい曲。 

「桜の森」は、いろんな生き物たちが暗い土の中から光を求めて外に出て、それらが満開に花咲く風景を眺めている曲。
暗い闇の中から光の中へ這い上がり咲き誇るその様子は、病からの復活をも連想させ、生命が持つ力の強さも感じられます。
そして、この曲のなかにあるのは、この世界に生きているすべての生き物たちの営みを見つめている星野さんの優しい眼差し。
ストリングスなど多くの楽器が合わさって奏でるサウンドからも多様な命の温かさが感じられて、優しい気持ちになります。

 
特典DVDに収録されているレコーディング風景のなかには、星野さんの楽しそうな笑顔があります。
その様子を見ていると、いろんなことがあるけれど生きていることは素敵なことなんだと思えてきました。



星野源の感想

2012年12月18日 | 音楽
この一年を振り返ってみると、私の音楽生活で最も幸運だったことは星野源さんの音楽に出会えたことです。
でも、私が星野源さんのことを知ったのは今年の春頃だったので、
今年3枚発売されたシングルのなかで私が買ったCDは「夢の外へ」と「知らない」の2枚です。
どちらの初回限定盤にも70分のDVDが付いていて、コンサートの映像やメイキングの様子などが入っているのですが、
それがとても楽しくて面白くて、星野源さんの人柄や曲に込められた想いなども知ることができるので超お買い得です!
最近、私は周りの知人に「星野源って知ってる?」と聞いてみるのですが、俳優としての星野源を知っている人はいても、
ミュージシャンとしての星野源を知っている人は私の周りにはほとんどいないです。
みんなに星野源の曲を聴いてみてもらいたいと強く思うのですが、その一方で源さんにはマイノリティのままでいてほしいという気持ちもあります。
星野源さんは、もともと俳優活動と音楽活動の両方をしていたみたいですが、自分で歌い始めたのは2年くらい前からのようです。
源さんは歌がすごく上手いとか声量があるわけではないと思うのですが、彼が作り出すメロディはこれまで聴いたことがないほど独創的なのに自然で、
無理なく歌えるのに迫ってくるものがあって、そっと真っ直ぐ心に入ってきて寄り添ってくれる感じがします。
特にその歌詞の世界観はすばらしくて、描かれているのは日常の身近な物語なのに、そこに伝えたいことや想いがしっかりあって、
それを同じ世界に生きる者として同じ立場から歌ってくれている親しみがあります。
現実の世界と妄想の世界が入り混じっていて、そのバランスが絶妙で、
生きていくことの大変さをわかっているうえで、それをコメディのように笑ってみるような優しさがあります。
リアルな現実世界の重苦しさと、その中にある光、誰もが隠しているような心の世界を表してくれている気がします。
源さんはまだ31歳なのに、歌詞の中には常に死を意識しているように感じられるところがあって、
何でこんなに生きるということに対して真摯に向き合っているんだろう、いったい何があったんだろうと思ってしまいます。
情けないことに48歳になっても人生について何もアドバイスできない私は、源さんの曲に慰められながら日々を生きているわけです。
そして、源さんが私と同じ歳になったときに人生に何を感じて、どんな曲を作るのか、とても聴いてみたいと思っています。









安全地帯「“完全復活”コンサートツアー2010」の感想

2010年08月31日 | 音楽
玉置さんのコンサートには何度も行ったことがありますが、こんなに激しい玉置さんを見たのは私は初めてです。
ソロになってからの玉置さんは悟りをひらいた仙人みたいに人生について歌っていたのに、今回は音楽会社の方針なのか恋愛モードばりばりで、キャラ変わりすぎ…と思っていましたが、復活どころか若かった頃以上のパワーを感じました。
もちろん歌も上手くて、いろいろ経験したからこそなのか、心に伝わってくるものがありました。
私は前回までの落ち着いた感じで人生とか人類愛を歌う玉置さんが好きだったのですが、今回の玉置さんの歌を聴いて、彼はいつでも自分の気持ちに正直に生きて歌う人なんだと思いました。
最近は妄想の恋ばかりしている私はリアルな恋愛の歌は苦手なのですが、玉置さんの歌はとても真っ直ぐで、まさに彼自身が愛そのものなんです。
両手を広げて愛を叫び、床に這いつくばる玉置さん。
その全身全霊で歌う姿に、いつのまにか私も立ち上がって拳を突き上げながら「Ⅰ LOVE YOU !   I LOVE YOU ! 」と叫んでいました。

彼に振り回されるのはもうこりごりだけど

2010年02月16日 | 音楽
突然一方的に別れを告げてファンクラブの会費を返してきた彼。
その彼が、また突然帰ってきました。ラジオで「ぼくに人生を預けてください」なんて言ってたけど、信じていいんですよね?
でも私は今回のCDは買いません。そこまで都合のいい女にはなりたくないので。
でもアルバムを製作中のようなので、それは買うつもりです。コンサートにも行きたいです。でも『蒼いバラ』を買わないと先行予約の案内が手に入らないんですね…。まあいいや、遠い席でも…。玉置さんのことは男性として好きなわけじゃないので。
2002年に安全地帯を再結成したときに出したアルバムは、暗い精神状態からの再起を目指しているような曲も何曲か入っていましたが、今回の再々結成では原点回帰をコンセプトにしているのでしょうか。全国ツアーに向けてリクエストを募集しているので、安全地帯の往年のファンにはたまらない懐かしい曲が聴けそうです。
でも、私は玉置さんがソロになってからの曲のほうが好きなんですよね。今でも週に一度は玉置さんのアルバムを聴いていますし、もはや私にとって玉置さんの音楽は人生の一部です。
「もう恋の予感はない」なんてテレビで言っていましたが、『蒼いバラ』はバリバリ恋の歌ですよね。
やっぱり玉置さんには歌しかないと思いますし、恋にしか生きられない人のような気がします。
これからも恋に生きて、いい曲をたくさん作ってくださいね。


斉藤和義「歌うたい15」SINGLES BEST 1993~2007 の感想

2008年10月22日 | 音楽
斉藤和義さんの歌声を初めて聴いたのは、十数年前。
子供番組『ポンキッキーズ』を見ていたら、「歩いて帰ろう」という曲が流れてきたんです。
育児にイライラしていた私にとって、その歌声はなんとも心地よく、その歌詞は閉塞感から私を解放して癒してくれました。

しかしその後、私は斉藤和義さんの他の曲を聴いたことはありませんでした。
今年の8月に発売されたこのベストアルバムを聴いて、彼の曲を38曲じっくり味わってみたら、その素晴らしさに感嘆の念が何度もこみ上げてきました。

斉藤和義さんの曲からは、まるで小説を読んでいるよな情景が感じられて、詞の世界観というか物語が頭の中に広がるんです。
彼の詞は、彼自身のことを自分の言葉で語っているような等身大の日常と、その中で誰もが日々感じているであろう切なさに溢れていて、自分のことのように共感できます。
歌声もとても心地よくて、力んでいないのに力強くて、哀愁があって、温かくて、切なくて、ストレートに心に滲みてくる感じがします。

斉藤和義さんにとって、歌をうたうことは人生そのものなんでしょうね…。
彼自身が言うように、彼のことを呼ぶには「歌うたい」って言葉はぴったりだと思います。

アルバム「HEART STATION 」宇多田ヒカル

2008年03月27日 | 音楽
透明感のある歌声とSFっぽいサウンドは、聴いていると精神世界が宇宙空間に広がっていくような感覚になります。
「心の電波…」とか抽象的・観念的な「気分」をよく現していると思います。
どうしてこんな詞が書けるのかしら…。切なくて満たされない気持ち…。
音楽を聴いて、こんなふうに切ない気分に浸れるのだから、片思いもいいものだわ…。こんなことくらいで軽く失恋気分な自分に引くけど…。妄想もほどほどにしないとね…。
というわけで、今夜も宇多田の曲をヘビロテ中です。

合唱

2008年02月04日 | 音楽
昨日、ある大学の合唱団の演奏会を聴きに行きました。
コンクールの全国大会で金賞を受賞しただけあって、とても素晴らしい歌声でした。
上手い合唱って、大勢で歌っているのに、声が「ひとつ」になって聞こえるんです。
ちょっと難解な曲もありましたが、躍動感や迫力、表現力は秀逸だと思いました。

私が合唱にハマったのは、私の娘が中学校の合唱部に入ったからです。
運動が苦手な子なので、歌ならストレス発散になりそうだし運動部より楽そうと思ったのですが、その予想は大間違いでした。
合唱部は運動部の何倍も練習量が多くて、放課後は毎日7時まで練習があり、土日や夏冬休みなどは毎日弁当持参で朝から夕方まで練習です。引退時期も運動部より3ヶ月も遅かったので3年生は大変でした。
でも、ハードな練習をした甲斐があって、NHKの音楽コンクールの地区大会で金賞をいただけたので、いい思い出になったみたいです。

そして、私が合唱にハマったもう一つの理由は、合唱曲の素晴らしさです。
合唱曲の詩は、短いセンテンスの中に様々な世界が凝縮されていて、感動する曲が多いです。
みんなが心をひとつにして、ひとつの世界を表現する。集まった魂のエネルギーがこちらの魂を揺さぶるようで、コンクールを聴きに行くと毎回、涙が溢れてしまいます。

玉置浩二 コンサートツアー 2007  ☆惑星☆ の感想

2007年09月20日 | 音楽
最初の曲は予想通り、あの曲でした。
そして2曲目、3曲目は意外な懐かしい曲で、一気に盛り上がりました。
今回のコンサートで、あの時代の曲をこんなに多く聴けたのには驚きました。
玉置さんの歌声も、若い頃に劣らないくらい伸びやかでした。
サウンドも昨年までとは変わった感じで、トロンボーンやウッドベースなども加わって、音の深さが増していたと思います。
そして、なによりも驚いたのが、ノリノリの曲が多かったことです。
懐かしい曲や、初めて生で聴く曲など、まさに大人のロックという感じでとても楽しめました。
昨年までは泣ける曲があった私ですが、今回は一度も泣きませんでした。
半分以上の曲で、観客の手拍子があったのではないかと思います。
私は、自分で手拍子を打つと曲に集中できないので、手拍子はせずに足でリズムをとりましたが…。
「惑星」のときにも手拍子があったのには、ちょっと違うような気がしました…。
今回も一人で行った私ですが、私の隣の席の人と、そのまた隣の席の人も一人で来た女性でした。
隣の席の人は、今回のツアーはすでに6回目で、このあと3回行く予定だと言っていて、若い感じの人でしたが、玉置さんと握手したこともあるし、今回も出待ちすると言っていて、その熱い愛には驚きました。
その隣の席の人と帰り道、地下鉄駅まで一緒に歩きながら話したのですが、初対面でも玉置さんのファンとは気持ちが通じるんだなぁと思いました。
本物が解る大人は、コンサートにも一人で行くのよね~。
今回のコンサートでなにより良かったのは、玉置さんが元気だったということです。
声も歌っている姿も元気で、観ている私も元気になりました。
玉置さん、毎年来てくれて、ありがとう!
これからもずっと、私たちに素敵な歌を聴かせてくださいね。
玉置さんには、いつまでも幸せでいてほしいと思います。