ただの偶然なのですか

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映画「母なる証明」(TV)の感想

2011年11月04日 | 映画
実をいうと、この映画の母親と同じように私も息子と一緒に寝ています。
私の息子は中学3年生ですが、中身は幼児なので時々ベッドで寝グソをしたりします。
そんなときは夜中にウンチの始末をしながら「あんたなんて、いらない」と思わず言ってしまいますが、
この映画の母親の姿を見て、まだまだ私は母親というものの業の深さがわかっていないのだと思いました。

私の息子はあまり言葉が話せないので、この映画の息子と同じように、自分の身の回りで起きた出来事を説明することができません。
そして、この映画に出てくる息子は殺人事件の容疑者として逮捕されてしまいます。
我が子が障害児というだけでも辛いのに、殺人犯になるなんて、そんなことを現実として受け入れられるわけがありません。
「殺していない」と言う息子の言葉を信じて、自ら真犯人を探す母親の狂わんばかりの姿を見て身につまされました。

それでも、漢方薬と針治療の医院を営んでいるこの母親は、向いの写真屋の奥さんに不妊治療を施しながら「子供、欲しいでしょ」と言うのです。
女とは母とは、そういうものなのでしょうか。

母という存在。それは証明するものではなくて宿命です。

逃げられない現実に気が狂いそうになるときがありますが、そんなとき私は一人で入浴しながら自分は独身だと空想したりします。

なにもかも忘れてしまいたいときには、この映画の母親のように踊るしかないのでしょう。
哀しみを突き抜けて踊るその姿を見て私は爽快感さえ感じました。