ただの偶然なのですか

私のお気に入りと日々の感想  

アルバム「Best Harvest」 玉置浩二

2007年04月27日 | 音楽
今回ご紹介するのは、4年前に発売された玉置浩二さんのベストアルバムです。

玉置さんがソロになってからのアルバムはほとんど持っているので、ベストアルバムを買うことはあまりないのですが、このアルバムに入っている「愛だったんだよ」という曲だけ持っていなかったので、聴きたくなってレンタルしに行きました。そうしたら、そのレンタル店のJ-POPのコーナーに玉置さんのCDが無いのでビックリ!よく探してみたら、ニューミュージック・フォークソングのコーナーにありました…。安全地帯・玉置さんって、J-POPじゃないのですか?どうりで、J-POPとよばれている最近の曲を聴いても、どれも同じに聞こえて頭に入らないわけですね…。私って、オバサン…。でも、坂本龍一さんのCDはJ-POPのコーナーにありました…。これも、そうなの?って思いましたが…。

「愛だったんだよ」という歌は、NHKの「みんなのうた」で流れていたのを一度聴いただけだったのですが、そのときは涙があふれてきて、とても印象に残った歌でした。
このアルバム『Best Harvest』に収録されている歌は、玉置さん自身が選んだ曲で、作詞も玉置さんが書いたものが多いです。
生きることの辛さを分かってくれている玉置さんならではの、優しくて癒されるアルバムだと思います。
玉置さんといえば安全地帯というイメージを持っている方も、このベストアルバムを聴いたら、その後の彼の内面の変化と目指している音楽を感じていただけると思います。



映画「ブラックブック」の感想

2007年04月19日 | 映画
「この愛は裏切りから始まる」のキャッチコピー、美しい女性とハンサムな男性…。熱いメロドラマを期待して観にいきましたが…。

主演のカリス・ファン・ハウテンは、とても魅力的でセクシーでした。
奔放でありながら気高く、意思の強さが感じられました。
相手役のセバスチャン・コッホも、先週観た『善き人のためのソナタ』以上に素敵に見えて、男の色気がプンプンでした。
配役はいいのですが、でも何か物足りない感じでした。
二人の間の会話が足りないというか、心の内を語り合うような場面が少ないので、いわゆる悲恋物語みたいに泣かせようという感じではないです。

あえて感情移入させないような演出で、出来事だけが次々と描かれていきます。
サスペンスとしても、ハラハラドキドキさせるような感じがしなかったのは、あえて過剰な演出はせずに、重厚さを出したかったのでしょうか。
音楽での盛り上げなども感じられなかったですし…。
それでも、144分間が長く感じることはなかったので、内容としての重さはあったのだと思います。
セリフで直接的に表現されていなくても、出来事から想像力を働かせて、そこに描かれているメッセージを受け取る力があればいいのでしょうが…。
私的には消化不良になってしまいました。

戦時下でも人間の色と欲はなくならないというか、混乱した状況だからこそ、色と欲が剥き出しになるのでしょうか。

スパイの任務でなくても、あんな素敵な相手となら恋に落ちたいです~。たとえ罠だとわかっていても、好きになってしまうでしょう。
過酷な状況でも、色気は大切…というか、色気が手段になるとは…。

そして、人間の醜い欲望…。
裏切りによって殺された人たちは、さぞかし無念だったことでしょう。


映画「善き人のためのソナタ」の感想

2007年04月12日 | 映画
誰かの生活を盗聴することで、その相手の行動を知るだけではなく、
その相手の心の中の裸の部分にまで入り込んでしまうことになる…。
そのことによって、盗聴している自分の心が揺さぶられてしまう…。

この気持ち、わかるような気がします。
私は、自分のブログには個人的な事はあまり書かないようにしています。
それは自分の心の中を、他人に見られるのが怖いから。
でも、数人の方の日記は、毎日読ませていただいています。
ブログですから、もちろん読まれることを考えて書かれたものです。
そんなブログでさえ、毎日読んでいると、見知らぬ他人のことなのに、自分のことのように感じてしまって、相手のことが気になったり心配になったりします。
コメントもせずに他人の日記を読んでいる自分を、後ろめたく感じることもあります。
コメントするときもありますが、軽い話題のときだけです。
相手が悩んでいるときや苦しんでいるときには、見知らぬ他人の心にどこまで踏み込んでいいのか、自分のコメントが相手に予想外の受け取られ方をしてしまうのではないかと思い、コメントできなくなります。

でも、この映画の主人公は、自分の人生を危険にさらしてまで、他人の人生に踏み込んでいきます。
会話を交わしたことさえないのに、相手の人生と自分の人生が絡み合っていくことになり、お互いの人生に大きな影響を与えていきます。
盗聴相手の恋愛から、愛の美しさ、愛の優しさを知り、そして愛の哀しさも知った主人公。
映画の最初と最後の方では、彼の行動は180度変わったかのように見えます。
しかし、人間の本質的な部分は、そう簡単には変わらないと思います。
彼の場合は、それは信念に基づいて行動するという生き方です。
変わったのは彼が信じていたもの、思想や主義です。
そして、これらは、それまでの彼の生き方の根幹を成していたものです。
それが覆されるほどに、主人公の心が揺さぶられていく様子からは、大きな変化を見せない表情とは裏腹に、彼の心の中の動揺のすさまじさが伝わってきます。
心理的サスペンスとしての緊迫感もあり、人間の内面の変化を描いた秀逸な作品だと思います。

信念とは、誰かに教え込まれたり強制されるものではなくて、結局は自分で体験したことからしか得られないということでしょうか。
たとえそれが、他人に感情移入し過ぎたことによる疑似体験だったとしても…。















「ウルトラマンメビウス」の総括 40周年

2007年04月09日 | お気に入り
ウルトラマン誕生40周年の記念の年に、「ウルトラマンメビウス」に出会えたことは、私にとって幸運なことでした。
子どもの頃に見た、あの優しさ・愛・勇気を、再び見ることができたのですから。
私が子どもだった頃は、「ウルトラマン」はみんなが見ている国民的な番組だと思っていました。子どもだったから、勝手にそう思い込んでいたのかもしれませんが、巨大なヒーローの登場はセンセーショナルで、女の子だった私も夢中で見ていました。
しかし、私がリアルタイムで見ていたのは「ウルトラマンタロウ」までで、その後はウルトラマンのことは気にかけなくなっていました。
そして、三十数年ぶりにウルトラマンと再会した、この喜びと興奮!
子どもの頃にウルトラマン達から受けた感動、正義の姿、勇気と希望に満ちたメッセージの数々が記憶のかなたから湧き上がってきました。
ウルトラマンはまさに正義のヒーローであり、たとえ忘れていたつもりでも、そのメッセージは私の心の中に残っていて、正義感や道徳感の基本になっていたのです。

そして、今回のシリーズには、ウルトラ兄弟達も出演しましたが、その姿を見ただけで熱いものが胸にこみ上げてきました。
子どもの頃に見た思い出の共有感が新たな感動に繋がり、40年という歴史があるからこその絆の広がりとその強さを感じました。
そして何より感動したことは、ハヤタ・ダン・郷・北斗に会えたことです。
映画の予告で四人の姿を見たときは、その風貌の変わりように、正直、唖然としました。数十年の歳月の経過を感じ、私自身もオバサンになったんだと実感しました。
でも、年齢を重ねてもヒーローはヒーローでした。しかも、若い頃以上に、さらにヒーローらしくなられていたと思います。
彼らの表情や振る舞いからは、人生経験を重ねた者の人徳がにじみ出ていて、語られるメッセージの重みと崇高さは、この数十年の間も彼らが正義を守ってきたことを想像させてくれました。
 
ウルトラマンシリーズは、ウルトラマンと人間の絆だけではなくて、
世代や年齢を超えた、人々の繋がりが大切であることを教えてくれました。
子ども達を導くためには、先輩である大人の生きる姿やメッセージが重要だと気づかせてくれました。
ウルトラマンシリーズが、これでしばらくお休みなのは、とても寂しいです。
これからの子ども達にも、ウルトラマンからのメッセージが伝えられていくように、この絆は続いてほしいと思います。




「ウルトラマンメビウス」の総括 ミライくん

2007年04月06日 | お気に入り
ミライくんを初めて写真で見たときの印象は、
前髪が逆立ったような髪型に鋭い眼光、
いかにも今風の男の子だなぁと思いました。

でも、放送が始まってみたら、写真から想像していたイメージとまったく違っていました。
ルーキーのウルトラマンという設定どおりの初々しさ、
まるで新入生のような、かわいい子犬キャラ…。
今どき、こんなに素直で純真な男の子がいるのか~と驚きました。
しかもヒーローなのに、よく泣くし…。
ウルトラマンなのに地球人(リュウさん)の子分だし…。
私が子どもだった頃の記憶の中のヒーローのイメージとは違っていました。
私がオバサンだからそんな風に感じてしまったのかしら。
今の子ども達の目には、ミライくんはどのように映ったのでしょうか…。
でも、ミライくんの真っ直ぐな眼差し、その素直さ純真さは、
正義の申し子、まさに正義のヒーローです。
彼の言葉のすべてが、正義感に満ち溢れ、そのメッセージはストレートに心に響いて、大人になってしまった私に大切なことを気づかせてくれました。
そして、なんと言っても、ミライくんはとても優しいです。
そんなに優しくて、戦うことができるのかと、オバサンは母親のように心配してしまいました~。
その優しさのために裏切られ、傷ついてしまうこともあって、けなげな姿が痛々しくて、こちらが守ってあげたくなるほどでした。
今回のシリーズは、途中でウルトラマンの人間体がミライくんだと仲間にバレるという、前代未聞の展開でした。
正体を隠しながら戦い、人間関係に悩んだり、葛藤したり苦悩する姿のほうが、
内面の精神的なドラマが見られて私は好きなんですけど…。
でも、正体を明かすことによって、ミライくんとGUYSの仲間達は真に理解し合い、友情の絆で結ばれることができたわけです。
仲間達と共に成長していく様子は、見ていてとても爽やかで清清しく、
人と人との絆の大切さ、力を合わせることで生まれる強さを教えてくれました。
ミライくんはこの1年間で、地球の仲間達と多くの大切なことを学び、
大きく成長して卒業していきました。

ミライくん役の五十嵐隼士くんも、ミライくんそのままのような素直で純真な感じの好青年ですね。
今後も、五十嵐くんのことが息子のように気になりそうです。









「ウルトラマンメビウス」の総括 サコミズ隊長

2007年04月04日 | お気に入り
いやぁ…私、普通のオバサンだと思うんですけど…
何で、こんなところでメビウスの総括なんて書いているのかしら…
メビウスが終ってしまって、なんだか寂しくて…

田中実さんがウルトラマンの隊長をやると最初に知ったとき、正直、意外に思いました。
でも、田中実さんのファンの私としては、「どこまでも付いて行きます!」なので、
久しぶりにウルトラマンを見ることになりました。
田中実さんが隊長の制服を着ている姿を初めて見たときも、違和感を感じました。
家族からは「何血迷ったんだ!」「1年間見るつもりなの?」と驚かれ…。
最初の頃の、サコミズ隊長の昼行灯ぶり、机の上に並んだコーヒー豆の瓶、あまり基地から外に出ないなど、私が思っていた隊長のイメージとは違っていて、これが今の時代の隊長なのかと、三十数年ぶりに見るウルトラマンに時代の移り変わりを感じました。
しかし、すでに2話目から「GUYS Sally Go!」の掛け声は力強くて、
サコミズ隊長の熱い内面と強い意志が伝わってきました。
いつも優しく隊員達に語りかけ、要所要所で的確にアドバイスをするその姿。
ウルトラマンメビウスをミライくんと隊員達の成長の物語として見るなら、
サコミズ隊長はまさに学校の先生のようでした。
普段は物静かな感じなのに、いざというときには頼りになり、その責任感の強さと洞察力は、まるで人間とは思えないほど優秀でした。
ゾフィーの人間体ではないかと、当初から話題になっていましたが、
この謎が最終回まで引っ張られたのには、さすがに待ちくたびれました。
でも、ウルトラマンと肩を並べるほどに優秀な人間として、最終回でゾフィーの友人になれたことは、
数十年前に二人が宇宙空間で出会ったときに覚悟したGUYS総監としての使命が達成されたようで感動しました。

ウルトラマンメビウスにこんなに夢中になるなんて、自分でもまったく予想していませんでした。
今では、サコミズ隊長のイメージが田中実さん自身に思えてしまうほどです。
サコミズ隊長という謎のある人物を演じるときの、田中実さんの微妙な表情や雰囲気の変化、その存在感。
サコミズ隊長という魅力的な人物は、田中実さんの演技力があってこそ生まれたのだと思います。






「ウルトラマンメビウス」最終三部作「心からの言葉」の感想

2007年04月02日 | お気に入り
まさか、人間がウルトラマンになれるなんて!
しかも、6人で1人のウルトラマンに融合するなんて!
その姿は、もはや一生命体の域を超越しています。
これは友情の奇跡か、希望と絆、光の象徴か!

そして、サコミズ隊長はゾフィーの人間体ではなくて、
ゾフィーの友人になったのですね。

そして、皇帝は「人間のちっぽけな希望という光、
ウルトラマンと人間の絆に負けた」と言っています。
さすが皇帝というだけあって、その分析力と悟りには感心しました。

さらに最も印象に残ったのが、ウルトラの父の言葉、

「光があるからこそ闇もある、闇があればこそまた光もある」

この言葉を言い換えると、闇がなければ光はない、
ということではないでしょうか…。
困難や絶望があるからこそ、人々の間に絆が結ばれ、希望という光になる。

そして、ミライくんは「この星の人たちと共に得た大切なものを、
光の国の新たなウルトラマンたちに伝えていきます」と言って、
光の国へ帰っていきました。

私たちも、ウルトラマンたちと共に得た大切なものを、
子どもたちに伝えていきましょう!
ウルトラマンシリーズで伝えらてきたメッセージ、その絆は途切れはしない。
無限に続くのですから。