ただの偶然なのですか

私のお気に入りと日々の感想  

映画「ハート・ロッカー」の感想

2010年03月10日 | 映画
爆発物処理の現場にあるのは隣り合わせの生と死。すべては一瞬で分けられ、一瞬で片が付きます。
映画の舞台は戦場ではありますが、お互いの主義や主張や戦闘相手の心情などは描かれていないので、なぜ爆弾が爆発しなければならないのか、その理由も背景もわかりません。そして映画を観ている私は安全な場所にいるのです。
極限の状況の中では人間は、闘争本能に火がつくタイプと、恐怖心に囚われてしまうタイプがあるようです。私は後者のほうなので、この映画の主人公の生きている感覚が理解できませんでした。
それは正義感や使命感などではなく、勇気とも違う、「死」と隣り合わせの刹那的な感覚によってのみ実感できる「生」なのでしょうか。
この映画を観て感動する人はいないとおもいますが、興奮する人はいるかもしれません。
でも私には、わからないです。私には考えないでいるなんて出来ないので、不安と闘いながら生きていくしかなさそうです。



ビューティフルワールド

2010年03月04日 | いろんなこと
子どもの頃は卒業式で泣いたことなんてなかった。冷めた目で周りを見ながら、自分は感受性にどこか問題があるんじゃないかと思ったほどだ。
それが大人になった今では、我が子が卒業するわけでもないのに、卒業ソングを聴いただけで涙があふれてしまう。
卒業ソングの歌詞に描かれている世界観。希望を持って未来を信じ、友達を信じ、この世界を信じ、なによりも人間を信じている。
特別支援学級の子ども達を前にして、校長先生の「この子たちは大丈夫です」という根拠のない断言にさえ涙が出てしまう。
声を合わせて歌う子ども達の無邪気な笑顔を見ていると「この子たちに幸あれ」と祈らずにはいられない。
卒業ソングに描かれている理想の世界は確かにここにあるはずだ。誰もがそう願っているからこそ歌はあるのだとおもう。