川重が建造、世界初の液化水素運搬船「すいそ ふろんてぃあ」が豪州へ出発
神戸新聞NEXT より 211225
川崎重工業(神戸市中央区)が建造した世界初の液化水素運搬船「すいそ ふろんてぃあ」が24日、神戸空港島の専用荷役基地から豪州に向けて出航した。現地で石炭から生成した水素を積み込み、来年2月下旬に神戸に戻る。
川崎重工業のスタッフら25人を乗せて出航した「すいそ ふろんてぃあ」=24日午後、神戸市中央区神戸空港
運搬船は全長116メートル、総トン数8千トン。真空構造で断熱性を高めたタンクを搭載し、75トンの液化水素を輸送できる。この日、外洋に向かって力強く波を切った。
岩谷産業などと取り組む実証実験の一環で、今回は約2カ月かけて神戸-豪州を往復。出航時から液化水素をタンクに積み、往路と復路で水素蒸発量の変化やタンク周辺の構造物への負荷などを調べるという。
水素事業を担当する西村元彦執行役員は「水素社会の実現に向け、大きな一歩を踏み出した」と話した。(中務庸子)