goo何気無い日々が心地よい安寧

何気無い日々が続く様に。生きていく事の大変さがカナン。ある種空気の様な存在になりたいもの。

 「認知症は脳の老化ではない」「老化するのはヒトだけ」他、意外に知らない「老化」の常識を専門家が解説 2024/08

2024-08-13 20:33:55 | ¿ はて?さて?びっくり!

「認知症は脳の老化ではない」「老化するのはヒトだけ」他、意外に知らない「老化」の常識を専門家が解説
 女性セブンプラス より 240813


⚫︎老化に関わる新常識が次々と明らかに

 長く生きられることが当たり前になったからこそ、「老化」と対峙する時間は長くなった。体力や気力の衰え、病気になるリスクが高まり、肌のしわやシミといった見た目の変化など老いを実感するにつき、“年はとりたくない”と思う人は多いはずだ。しかし、医療や科学の進化とともに「老化」も変化している。時代遅れの常識をアップデートして老化と向き合いたい。

【写真】99%、ヒトと同じ遺伝情報を持つ動物には「老後」はない。動物の写真

【目次】
ヒトだけに起こる「老化」。それは子孫繁栄のためだった!
人間界にはシニアが必要
「昔のヒトは短命」はウソ、江戸時代でも70代まで生きられた
寿命が延びているのは人間だけ
老化は細胞から始まる。分裂できなくなると「老化細胞」に
認知症は「脳の老化」ではなかった!
老化はある程度コントロールできる


⚫︎ヒトだけに起こる「老化」。それは子孫繁栄のためだった!
 老後をいかに生きるか、というテーマは実は人間だけに課せられたもの。老化研究の第一人者で東京大学定量生命科学研究所教授の小林武彦さんが言う。

「生殖能力が失われてから死ぬまでの期間を老後とするならば、閉経後も生き続けられるのはヒト、シャチ、ゴンドウクジラだけ。
 ヒト以外のあらゆる野生動物はいわゆる老後はなくピンピンコロリで死んでいきます。
老化で調子が悪くなれば小さな動物は外敵から食べられやすくなり、大きな動物は食べ物を得る能力を失っていく。野生動物にとっては老いること自体メリットがないため、閉経し子孫を残すことができなくなれば急激に代謝が衰え死んでいくのです」(小林さん・以下同)

⚫︎人間界にはシニアが必要
 なぜ人間にだけ老後があるのか。
「ヒトは進化していく過程で、老人がいた方が有利だったからです。大きなコミュニティーをまとめるためにも、子育てのためにも知恵を授けて手助けしてくれるシニアの存在が必要だった。野生動物とは異なり、ヒトが他人のことを考えられる利他的な生き物だったからともいえるでしょう」
 ただし、動物が生きる環境によっては例外もある。
「近年、ペットの認知症や介護が問題になっています。ペットは野生動物と違って捕食の必要性や飢えの心配がないので、体が衰えても“死なずに生きていられる”のです」

⚫︎「昔のヒトは短命」はウソ、江戸時代でも70代まで生きられた
 1940年代前半までは男女ともに50才を下回っていた日本人の平均寿命は、戦後に大きく飛躍し、いまや男女ともに80才を超え世界一の長寿国となった。
 しかし、古くは江戸時代でも70代まで生きることは珍しくなかったと小林さんは話す。

「平均寿命は、子供の死亡率が高ければ下がります。戦前や戦時下は衛生状態や栄養状態が悪く、生まれてすぐに亡くなる子供も多かったため算出される平均寿命が低かった。室町時代や江戸時代などは言わずもがなですが、明治時代頃までは感染症で亡くなるかたが多かったんです。

 徳川家康は75才まで生きましたし、成人まで生きられればその後、70代を超えるまで寿命を全うする人も多かったと思います」

⚫︎寿命が延びているのは人間だけ
 環境によって寿命に変化が見られるのは人間だけのようだ。
「野生の動物は基本的に寿命が延び、老化することにメリットがないので、生殖年齢+子育て年齢を生きられればそれでいい。唯一延びた動物は“人間に生かされている”飼育動物ですね」

⚫︎老化は細胞から始まる。分裂できなくなると「老化細胞」に
老化研究の分野では近代に入り次々と新たな報告があり、「細胞の老化」に注目が集まっている。東京大学医科学研究所教授の中西真さんが解説する。

「老化の原因については、遺伝子にあらかじめ老化プログラムが組み込まれている『プログラム説』や、突然変異などによってDNAが傷つけられ老化が進む『エラー説』などさまざまな学説がありました。

 ヒトには約270種類、約37兆個の細胞があると推定されており、神経細胞や筋肉細胞などもともと分裂しないものを除いて細胞には分裂回数に限界があります。
 分裂できなくなることで“老化細胞”となって炎症性の物質を出す。この物質が臓器などの機能低下や加齢性疾患を引き起こすと考えられています」(中西さん)

⚫︎認知症は「脳の老化」ではなかった!
 寿命の延伸とともに増えているのが病気。とりわけ認知症は2025年には65才以上の5人に1人がなるとも予測される。小林さんが言う。

「認知症は脳の老化によるものと考える人も多いでしょう。たしかに脳の神経細胞は加齢とともに減少しますが、直接、機能低下するわけではありません。減少する神経細胞は“使っていない”から。
 つまり必要な神経細胞だけが残り、洗練されていくといってもいい。新しいことを始めれば細胞は刺激されるので、神経のネットワークはいつまでも成長します」(小林さん)

⚫︎老化はある程度コントロールできる
 年をとる=老化する、すなわち老化の進行は自然の摂理と思いがち。しかし事実はそうではないかもしれない。
「加齢と老化は別物です。加齢によって老化が促進することは間違いありませんが、男女差もあれば遺伝子による違い、生活習慣による影響も大きく、ある程度コントロールできる可能性があります」(中西さん)

取材/小山内麗香

※女性セブン2024年8月22・29日号
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2030年代に破滅的被害が!大西洋「海洋循環停止」で生物死滅という衝撃の研究結果 202408

2024-08-11 23:33:00 | ¿ はて?さて?びっくり!

2030年代に破滅的被害が!大西洋「海洋循環停止」で生物死滅という衝撃の研究結果
  Asageibiz より 240811 


 言うまでもないことだが、人間は血液の循環により体の隅々まで酸素や栄養が運ばれ、熱を伝えて体温の保持がなされている。この血液を海に例えた場合、酸素や栄養を海全体に行きわたらせ、多くの海洋生物の命を維持しているのが、海洋循環ということになる。

 ところが、最新の研究で大西洋の海洋循環が、早ければ2030年代後半にも停止する可能性があるとの研究結果が米科学誌「サイエンス・アドバンシズ」に発表され、全世界に衝撃が走ったのは今年2月のことだった。
 研究チームはかねてから大西洋の海水が表層で北上し、深層で南下する、つまり海にとって巨大な地球規模のベルトコンベア的作用を持つ、大西洋子午面循環(AMOC)の変化に着目、検証を重ねてきたが、

「通常、このAMOCが熱帯地域の暖かい海水を彼方の北大西洋まで運び、そこで冷却された海水の塩分濃度が高まることで、海中深くに沈み、それが再び南へ向かうというメカニズムによって、海は循環を繰り返し、地球上のさまざまな地域に熱や栄養分が運ばれ、バランスを保ってきたというわけです。
 ところが、こうした海流の強さを決定する熱と塩のバランスが、気候変動に伴う海洋温暖化や氷の融解により、停止の危機にあるとの説がかねてから唱えられてきました。
 ただ、AMOCの継続観測が始まったのが2004年ということもあり、具体的にAMOCの停止がいつなのか、あるいはどれだけ早まっているのかについては不明な点が多かったんです」(サイエンスライター)

 そんな中、研究チームはスーパーコンピューターを駆使してシミュレーションする中で、海水の塩分濃度が希薄化することで海流が弱体化し、やがて停止する時期について、なんと早ければ2030年代後半だと結論づけたのである。

「研究者らはメディアの取材に対し、AMOC停止の影響で、海水面は約1メートル上昇する可能性もあるとし、気候はまったく別のものに変化するかもしれず、海洋生物にとって、ひいては人類にとってそれは破滅的なものになる可能性がある、と予測しています。
 しかも、彼らの多くが残念ながら『どんな適応策もそこまで急激な気温の変化には現実的に対応できないだろう』と指摘していますからね。つまり、もはや食い止められない大西洋の海洋循環停止が、もうそこまで迫っていると考えられるのです」(同)

 現在も地球温暖化の影響で気候変動が進み、世界各地で熱波や干ばつ、洪水が発生しているが、AMOCが崩壊すればさらに気候はゆがんだものになり、欧州の一部地域では気温が30度以上低下。
 アマゾンの熱帯雨林では季節が完全に逆転、現在の乾期が雨期に、雨期が乾期になるとも言われている。

 もはや、戦争などやっている場合ではない。2030年代後半まで残り十数年、今こそ人類が英知を結集すべき時である。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

地球上の生命誕生、15億年も早かった!? 中部アフリカでさらに古い時代の「生態系の痕跡」発見される 202408

2024-08-04 01:08:00 | ¿ はて?さて?びっくり!

地球上の生命誕生、15億年も早かった!? 中部アフリカでさらに古い時代の「生態系の痕跡」発見される
 よろず〜ニュース  より240804


 地球での複雑な生命の誕生が,考えられていたよりも15億年早かったという仮説が出てきた。
 地球上に動物が出現したのは6億3500万年前という見解が、ほとんどの専門家の間では一致していた。しかし今回、中部アフリカに位置するガボン共和国のフランスビル盆地で、さらに古い時代の生態系の痕跡が発見された。

 この研究により、複雑な生命の進化における、最初の実験の環境証拠が発見された。2つの大陸が衝突した後の水中における火山活動の記録が見つかっている。

 研究を指導した英ウェールズにあるカーディフ大学のアーネスト・チー・フル博士は話した。
「海洋のリンと海水の酸素濃度の増加が6億3500万年前の生物進化のエピソードと関連していることは既にわかっています。我々の研究によって、21億年前というさらに昔のエピソードが追加されたのです」

(BANG Media International/よろず~ニュース)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

人間のY染色体は、X染色体よりも急速に進化している  202408

2024-08-02 00:49:00 | ¿ はて?さて?びっくり!

人間のY染色体は、X染色体よりも急速に進化している
  Eaquire  より 240802 


[目次]
▼ Y染色体の進化を示す新たな研究が発表に

▼ この研究結果から見える可能性

▼ まとめ

▶︎Y染色体の進化を示す新たな研究が発表に
 学名「ホモ・サピエンス(Homo sapiens)」、ラテン語で「賢い人間」の意味する現生人類が属する種。つまり、現代人を示す学名であるが、そんなわれわれは23対の染色体を持っていることはご存じかと思う。
 特別な染色体異常がない限り、すべての人間はこの23対の染色体を持っている。

 ただし、23番目の対は性染色体と呼ばれ、生物学的な性を決定する遺伝子を含んでいるのだ。ほとんどの女性は2本のX染色体を持ち、ほとんどの男性は1本のX染色体と1本のY染色体を持っていることがわかっている。

 2010年以降*1、科学者たちは人間のY染色体が急速に進化していることへの認識を深めていった。過去の進化生物学者たちは長い間、「Y染色体がほとんど変わっていない」とそれまで考えていたため、この発見は驚くべきものであった。

 そしてペンシルベニア州立大学、そして国立ヒトゲノム研究所、ワシントン大学の新しい研究*2では、この急速な変化はヒトのY染色体だけでなく、チンパンジー、ボノボ、ニシローランドゴリラ、ボルネオオランウータン、スマトラオランウータン、そして遠縁のシアマン(フクロテナガザル)など、他の大型類人猿のY染色体でも起きていることが示された。

 研究者たちは、「テロメア・トゥ・テロメア(Telomere-to-Telomere=T2T)シーケンシング」という方法を用いて、テロメア(染色体の「キャップ」として機能するタンパク質構造)を基に、種間での比較を行った。

 そうしてコンピューターソフトウェアを使い、染色体のどの部分が変化し、どの部分が同じであるかを判別。すると6つの種の中で、Y染色体はX染色体よりも遥かに多くの変異を示したという。

 例えば、人間とチンパンジーのX染色体は約98%が一致していているが、Y染色体の一致率はわずか3分の1程度。この研究結果は、2024年5月下旬に『Nature』誌に掲載*3されている。

▶︎この研究結果から見える可能性
 ペンシルベニア州立大学のカテリーナ・マコヴァ氏は、プレス声明*4で次のように述べている。

「性染色体は最初、他の染色体対と同じように始まりましたが、Y染色体はそのほとんどの部分で他の染色体と遺伝情報を交換しないため、多くの遺伝子の欠失や変異、繰り返しが蓄積されてきたという点で独特な染色体です」

 もちろん、Y染色体を持つ個体が、持たない個体よりも進化しているというわけではない。つまり、私たちは皆同じ種の一員なのだ。
 一方で、ボノボやチンパンジーのように同じ属の種であっても、Y染色体には顕著な違いがある。

 これらの変異はたった1つの個体から得られたものであり、その種内でもっと多くのバリエーションがある可能性に注目すべきである。そうなると、人間と同様に他の個体でも多様な変異が見られる可能性は高いと言える。

 この研究は、Y染色体の選択圧(進化や変化の過程において影響を与える力)を解明しようとしたもので、マコヴァ氏によると、「男性の突然変異バイアス」と呼ばれる現象、つまり、精子の生成には卵子の生成よりも多くの複製が関与するため、複製が多いほど突然変異の可能性が高まることを示している。

 大型類人猿におけるY染色体の違いを理解することは、人間の健康に役立つだけでなく、絶滅危惧種となっている霊長類の同族を理解するのにも役立つ可能性がある。
 マコヴァ氏は、別のプレスリリース*5で次のように述べている。

「これらの大型類人猿の種が、絶滅の危機にあることを忘れてはなりません。この研究を通じて人類の進化について学ぶだけでなく、彼らのゲノムとヒトゲノムの知識を応用して、絶滅危惧種の生態や繁殖をよりよく理解することができるでしょう」

▶︎まとめ
 染色体の23番目の対には性染色体が含まれているが、ほとんどの女性は2本のX染色体を持ち、ほとんどの男性は1本のX染色体と1本のY染色体を持っている。
 2010年以降、科学者たちは人間のY染色体が急速に進化していることを知っていたが、新しい研究によると、同じ現象が人間にとても近い類人猿全体にも当てはまることが明らかになった。
 驚くべきことに、チンパンジーやボノボのような同じ属の種間でも、Y染色体には顕著な違いがあることも判明している。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

なぜか「日本人」と「中部アフリカ人」「ブラジル人」だけがかかりやすい病気があった  202407

2024-07-31 10:40:00 | ¿ はて?さて?びっくり!

なぜか「日本人」と「中部アフリカ人」「ブラジル人」だけがかかりやすい病気があった
  現代ビジネス より 240731   奥田 昌子(医学博士)


「生まれ持った遺伝的な体質」は変えられる! 最新科学が示す「日本人が健康になる秘訣」とは?

 親から受け継いだ遺伝子は生涯変わらないから、がん、糖尿病、認知症、高血圧、肥満など、さまざまな病気のリスクや体質は「遺伝的なものだし仕方ない」と思っていませんか。しかし、近年のゲノム生物学の進歩によって、生活習慣や環境で遺伝子の働きが変わり、「病気のなりやすさ」も変わることが明らかになってきています。日本人の遺伝子と体質の特徴を捉えていくと、どうすれば遺伝的なリスクを抑え健康に過ごせるかが見えてきます。

*本記事は📗『日本人の「遺伝子」からみた病気になりにくい体質のつくりかた』(講談社ブルーバックス』を抜粋・再編集したものです。

⚫︎日本人に多い病気は何を語るのか
 日本でがんや高血圧になる人が多いといっても、これらの病気は発生率に差こそあれ、世界中の人に起こります。では、明らかに日本人がなりやすい病気はあるのでしょうか。

 その代表が川崎病です。世界で初めて報告した日本人医師の名前から命名されました。患者の大部分が小さな子どもで、治ったあとも心臓の血管に異常が残ることがあります。何らかの病原体の感染が原因ではないかと考えられてきましたが、ゲノムワイド関連解析(GWAS)を駆使した研究から、ORAI1という遺伝子に起きたSNP、すなわち塩基1文字の違いが川崎病の発生と関連することがわかりました。
 川崎病が起きやすいタイプのORAI1遺伝子を持つ人の割合を図2‒5の上の世界地図に示しました。アフリカと、アフリカ系の人が住む地域、東アジア、そして東南アジアの一部の地域で高く、もっとも多い日本では約5人に1人がこのタイプの遺伝子を持っています。
 この遺伝子変異が世界のどこで最初に発生したのかはわかりませんが、遺伝子変異を持つ人はインドネシアの島々のあいだを通り抜け、海を渡って移動したようにみえます。

 もう一つ例をあげるなら成人T細胞白血病でしょう。ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV‒1)というウイルスによる感染症で、このウイルスに感染したお母さんの母乳を飲むことで子どもが感染する例がほとんどです。
 幸いなことに、感染しても実際に白血病になる人はわずかで、大多数の人は一生発症しません。

 この病気の特徴は、HTLV‒1に感染している人の割合が地域によって極端に違うことです。明らかに多いのが九州と、北海道のアイヌの人々、そして宮古島周辺を除く沖縄で、とりわけ各地の海岸沿いと離島に集中しています。
 HTLV‒1はどこから日本に伝わったのでしょうか。HTLV‒1の感染率に関する1100本近くの論文と、1985年以降に開催されたHTLV‒1関連の国際学会における発表内容など、膨大な資料をもとに世界各地の感染率に関する統計が作成され、2012年に報告されています。これをまとめたのが図2‒5の下の地図です。


 感染率が高いのは日本と、アフリカ中部のナイジェリアとコンゴ、南米のブラジルで、日本以外のアジアでは中国南部と台湾でわずかに確認されただけでした。この地図で英国とフランスにも少ないながら感染者がいるのは、かつて植民地だったアフリカから移住した人の子孫と思われます。

 HTLV‒1の仲間で猿に感染するSTLV‒1ウイルスは、チンパンジー、オランウータン、ゴリラなどに感染し、一部の猿で白血病を引き起こします。
 人と類人猿の共通の祖先がウイルスを持っていて、それを人が引き継いだのでしょうか。そうだとしても、このウイルスがアフリカと周辺地域の他に、遠く離れた日本にだけはっきり残っているのは不思議です。

 日本でも九州、沖縄、北海道で感染率が高いのは縄文人との関係を思わせます。2016年に、福島県の三貫地貝塚で発掘された縄文人の歯からゲノムを取り出して、現代の日本人ならびに東アジアの人々と比較した研究結果が発表されました。
 ここからわかったのは、東アジアで縄文人の遺伝子を受け継いでいるのは日本人だけだということでした。

 日本人のなかではアイヌの人、沖縄の人、そしてそれ以外の人の順に縄文人の影響が深く残っており、大多数の日本人はゲノムの約15%を縄文人から受け継いでいました。

 縄文人の由来については諸説あるようですが、病気の観点からいうと、HTLV‒1に感染し、ORAI1遺伝子を持つ人がはるか昔にアフリカを出て、インド洋を回って日本列島に到着し、縄文人になったと考えることもできそうです。

 さらに連載記事<ヨーグルトを食べて体調が悪化…じつは「日本人」にとっては「意味がない8つの健康法」>では、日本人の体質とがんの関係について、詳しく解説しています。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする