goo何気無い日々が心地よい安寧

何気無い日々が続く様に。生きていく事の大変さがカナン。ある種空気の様な存在になりたいもの。

オリーブオイルで「認知症」死亡リスク28%減少! ハーバード大の研究結果 202406

2024-06-03 16:51:00 | 健康関連

オリーブオイルで「認知症」死亡リスク28%減少! ハーバード大の研究結果
 Medical DOC(メディカルドック) より 240603 


 アメリカのハーバード大学らの研究グループは、「オリーブオイルの摂取と認知症関連死亡リスクとの関連を検討した結果、1日あたり7g以上を摂取する群では、ほとんど、もしくは全く摂取しない群と比べて認知症関連死亡リスクが28%低かった」と発表しました。
 この内容について中路医師に伺いました。

▶︎監修医師:中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)
 1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。
研究グループが発表した内容とは?
アメリカのハーバード大学らの研究グループが発表した内容について教えてください。

ー中路先生
 今回紹介する研究はハーバード大学らの研究グループが実施したもので、研究結果は学術誌「JAMA Network Open」に掲載されています。 
 研究グループは9万2383人を対象に、約28年間の追跡期間を設けました。その間に発生した認知症関連死は4751人でした。
 解析の結果、オリーブオイルの摂取量が多いほど認知症関連死亡リスクが低くなる結果となりました。オリーブオイルを非摂取または1カ月あたり1回未満摂取群を対照群とした場合、最もオリーブオイルを摂取した7g/日超摂取群ではリスクが28%低くなりました。
 また、地中海食スコアなどの食事の質を加味した解析をおこなうと、オリーブオイルの高摂取量群における認知症関連死亡リスクは、食事の質に関するスコアに関係なく、対照群と比較して有意に低かったことがわかりました。 
 
 研究グループは、ほかの脂質をオリーブオイルに置き換えた場合の影響も研究しています。脂質5g/日を同じ量のオリーブオイルに置き換えた場合、マヨネーズでは認知症関連死亡リスクが14%低下しました。
 同様の方法でマーガリンで置き換えた場合も、認知症関連死亡リスクが8%低下しています。一方、そのほかの植物油やバターでは、有意なリスク低下は認められませんでした。 研究グループは、今回の研究結果について「オリーブオイルを多く摂取するアメリカの成人は、食事の質に関係なく認知症関連死亡リスクが低かった。
 この結果は、オリーブオイルなどの植物油の使用を推奨する現行の食事指針が、心血管疾患の予防だけでなく認知症の予防にも当てはまることを示すものだ」とコメントしています。

⚫︎研究の背景とは?
 アメリカのハーバード大学らの研究グループが今回の研究を実施した背景を教えてください。
ー中路先生
 今回の研究の背景として、高齢者の3分の1がアルツハイマー病やそのほかの認知症で死亡していることが研究論文で挙げられています。健康的と話題になることも多い地中海食の一部として、オリーブオイルは注目をされています。
 これまでの研究では、「地中海食の遵守と組み合わせた6.5年間にわたるオリーブオイルの摂取が認知機能低下を予防する」というエビデンスが示されています。 研究グループは、こうした先行研究のほとんどが地中海沿岸諸国で実施されたものなので、オリーブオイルの摂取量が少ない傾向にあるアメリカで研究することに注目しました。
 最近のアメリカ人のための食事ガイドラインでは、地中海料理などの特定の食事パターンが2型糖尿病を含む慢性疾患の予防に関連していることから、全体的な食事パターンに焦点が当てられています。ただ、こうした食事パターンによって食事摂取の全体像が把握できる一方で、食事の機会、例えば食事と間食における洞察は得られない可能性があることに、研究グループは着目しました。

⚫︎研究グループが発表した内容への受け止めは?
 アメリカのハーバード大学らの研究グループによる発表への受け止めを教えてください。
ー中路先生
 認知症の予防に、植物性食品を中心とし、オリーブオイルを主に使用した地中海食が有用であることは、以前より報告されてきました。本研究は、オリーブオイルと認知症による死亡リスクとの関連を初めて検討した大変興味深い研究であると考えます。
 ただし、両者の直接の因果関係を証明したものではないため、その点には注意すべきでしょう。また、オリーブオイルは植物油の一種で、高カロリー食品です。摂り過ぎると、糖尿病などの生活習慣病を発症し、かえって認知症リスクが高まるかもしれません。オリーブオイルの過剰摂取には注意が必要です。

⚫︎まとめ
 アメリカのハーバード大学らの研究グループは、オリーブオイルの摂取と認知症関連死亡リスクとの関連を検討した結果、1日あたり7g以上を摂取する群では、ほとんど、もしくは全く摂取しない群と比べて認知症関連死亡リスクが28%低かったと発表しました。
 オリーブオイルの健康効果を聞く機会は少なくないですが、今回の新たな発見にも注目が集まりそうです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

認知症予防が期待できる"史上最強の抗酸化物質"を多く含む「魚の名前」 2024/04

2024-04-24 01:40:10 | 健康関連

ビタミンEの約500倍…認知症予防が期待できる"史上最強の抗酸化物質"を多く含む「魚の名前」
 プレジデントOnline より 240424  保坂 隆,西崎 知之


 認知症の予防や脳の老化防止に効果的な食材は何か。
精神科医の保坂隆さんは「抗酸化力がビタミンEの約500倍で、今のところ史上最強の抗酸化カロテノイドといわれ認知症の予防や脳の老化防止に期待される『アスタキサンチン』という抗酸化物質がある。
 このアスタキサンチンの世界でナンバーワンの持ち主は赤い天然色素を持つ鮭だ。鮭をひと切れ食べるだけでサプリを摂取しなくてもいいから、面倒くさがりでも無理なくできるはずだ」という――。
※本稿は、保坂隆、西崎知之『おだやかに80歳に向かうボケない食生活』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。


 年齢を重ねるごとに減る体内の酵素チャージは大根おろしで
コーカサス地方のヨーグルトやドイツ名産のキャベツの漬物「ザワークラウト」、韓国の味として人気の「キムチ」などは、世界的に有名な発酵食品です。

しかし、日本だって負けていません。
 味噌、日本酒、みりん、ぬか漬け、塩麹、醤油麹、甘酒……。
じつは日本こそ世界に誇る発酵王国なのです。ほかにも納豆、塩辛、酢、鰹節、焼酎などなど数えきれないほど多彩なラインナップです。

 この発酵食品には、私たちの傷ついたDNAを修復して免疫力を上げるという大事な働きがあります。
 人間は毎日大量の酵素を必要としていますが、残念なことに体内の酵素は年齢とともに減っていき、どうしても酵素不足になってしまいます。
 しかも、たまに発酵食品のまとめ食いをしても、あまり意味はありません。酵素をしっかりチャージするには、毎日少しずつでも発酵食品や酵素の多い食品を摂ることが大切です。

 酵素は、発酵食品のほか生野菜や果物、植物の新芽などに多いのですが、弱点は熱に弱いこと。高温で長く煮たりすると、すぐに壊れてしまいます。
 そこで、「あれこれ面倒なことは苦手」という人におすすめしたいのが大根おろしです。
魚の塩焼きや揚げ出し豆腐などにつきものの大根おろしには、タンパク質分解酵素のプロテアーゼや糖質分解酵素のアミラーゼ、脂質分解酵素であるリパーゼまで含まれているのですから、これだけでも酵素チャージはOK。

 大根おろしは、天然の消化酵素剤でもあるので、胃の弱い人にもおすすめです。
ただし、酵素は酸化に弱いため、おろしたての新鮮なものを食べる必要があります。

⚫︎酵素たっぷりのデトックス効果のある果物の種類
 体内の老廃物を排出する「解毒」や「毒出し」を意味するデトックスは、いまや広く知られるようになり、すっかりおなじみです。成語的な言葉でいえば「人口に膾炙(かいしゃ)する」となります。
 岩盤浴、半身浴、断食など、デトックスにもさまざまな方法がありますが、なかでも簡単にできてしまうのが酵素を使った解毒法です。
 しかも、わざわざ「酵素入り」と謳った商品を買わなくても、酵素たっぷりの食品を使えば、すぐにできるのです。

⚫︎なかでもおすすめなのが新鮮な果物です。
果物には酵素のほかにビタミンやミネラル、食物繊維など体にうれしい成分がたっぷり含まれていますから、健康効果も文句なしです。
 そんな果物のなかでも,とくにデトックス効果が高いものをいくつか紹介していきましょう。

🍏りんご
 肝臓や腎臓の機能を高め、強力な消化酵素で胃腸などの消化器官を活発にする働きがあります。
 とくにりんごに含まれる中性ポリマーは毒素を排出し、体の中からきれいにしてくれます。さらに、血液中のコレステロール値も正常化してくれますから、生活習慣病やボケが心配なシニアにもぴったりです。

🥑アボカド
 一価不飽和脂肪酸という優れた脂肪酸をはじめ、ミネラル分や酵素をたっぷり含んだ栄養の宝庫です。
 一価不飽和脂肪酸はコレステロール値を下げるのに役立ち、毒素の排出を促す抗酸化物質のビタミンEも豊富に含んでいます。
 また、アボカドに含まれるカリウムにはむくみを防ぐ働きがあり、葉酸も倦怠感や疲れを予防してくれます。サラダにしてたっぷりとりたいところです。

🍌バナナ
 腸の機能を正常化する働きがありますから、便秘には最適です。
「美容ビタミン」と呼ばれるビタミンB類が多く、美容効果の高いポリフェノールも豊富です。
 また、たくさん含まれているトリプトファンは、体内でリラックス効果の高いセロトニンというホルモンに変わります。不眠や抑うつ的な気分を解消するにも、バナナは役立つはずです。

🍍パイナップル
 血液の循環を促すブロメラインという物質が多く含まれているうえ、タンパク質の消化を助ける効果も高いので、食事と一緒に食べるのがおすすめです。
 このようにデトックスに効果的な果物はたくさんありますから、楽しみながらデトックス・デーをつくってみるのはいかがでしょうか。それがボケないためにも有効なのはいうまでもありません。


⚫︎魚を食べる日本の食文化ではDHAが豊富に摂れる
 秋刀魚や鯖などのいわゆる青魚の脂には、DHAが多く含まれています。
DHAとはドコサヘキサエン酸の略で、脳や神経細胞の発育・維持にとても大切な物質だとわかっています。
 脳内のDHA濃度が減ると、脳の発達が遅れたり、情報伝達のスピードが遅くなり、頭の回転が遅くなるといわれているのです。
 DHAが脳の働きと関係があると最初に考えたのは、イギリスの脳栄養化学研究所教授のマイケル・クロフォード博士でした。
 驚くべきことにクロフォード博士は「日本の子供の知能指数が高いのは、魚をたくさん食べ、魚に含まれているDHAを大量に摂取しているためだ」と指摘したのです。

 それを裏づけるように、お母さんたちのお乳に含まれているDHAの量は、オーストラリア人が母乳100mlあたり10mg、アメリカ人はわずか7mgだったのに、日本人は20mgだったという結果も出ています。
 こんなにDHAが含まれている母乳を飲んでいれば、脳が発達して当然です。

 ところが、日本では食の欧米化が進み、「青魚より肉がいい」という風潮が続いているのですから、脳のことを考えると、ちょっと残念です。もう少しDHAを効果的に摂取したいところです。
 それにはどんな方法があるのでしょうか。
青魚を刺身で食べてしまうのです。

🐠青魚は薬味たっぷりで刺身で食べる
 DHAは加熱すると、そのほとんどが失われてしまいます。以前の日本人は大量の青魚を食べていたため、それでも十分にDHAを補給することができていました。
 青魚を加熱して食べていたのは、青魚が傷みやすいからでした。しかし、輸送技術の進歩によって、鮮度を損なわずに消費者の手元に届くようになりました。
 そこで、たまにしか青魚を食べる機会がないなら、DHAがたっぷり含まれている生の状態で食べてしまおうというわけです。
 青魚特有の臭みが気になるなら、わさびやしょうがをたっぷり使いましょう。
生臭さが消えるだけではなく、わさびとしょうがには血行をよくする働きがあります。
 つまり、こうした薬味と一緒に青魚を食べれば、より効果的にDHAを脳へ運ぶことができ、ボケとは無縁でいられるのです。

🐟鮭は最強の抗酸化物質がたっぷり
「アスタキサンチン」という抗酸化物質が話題になっているのをご存じでしょうか。
アスタキサンチンは自然界に広く存在する天然の赤い色素で、鮭や海老、カニなどに多く含まれるカロテノイドの一種です。
 カロテノイドはトマトのリコピンなど活性酸素を消去することで知られていますが、そのなかでも抜きん出たパワーを持つのがアスタキサンチンです。
 アスタキサンチンの抗酸化力はビタミンEの約500倍と大変強く、今のところ史上最強の抗酸化カロテノイドといわれています。
 そして、世界でナンバーワンのアスタキサンチンの持ち主は鮭。鮭の身の赤い天然色素に、すぐれた抗酸化作用があるのです。
 アスタキサンチンはもともと海藻の色素ですが、海藻を食べたおきあみを鮭が食べるというプロセスを経て、鮭の身に赤い色素が蓄積されます。

 鮭は海ではゆっくり回遊していますが、産卵のために川を上るときは食べ物もとらず、ひたすら流れに逆らって川を上っていきます。
 川を上るとき、鮭は必死に泳いでいて、活性酸素も大量に発生しているのですが、強力な抗酸化作用を持つアスタキサンチンがそれを抑えているのです。

⚫︎認知症の予防や脳の老化防止にも
 (保坂隆、西崎知之『おだやかに80歳に向かうボケない食生活』明日香出版社)
アスタキサンチンは強い抗酸化力を持つだけでなく、血液脳関門を通り抜けるという特殊な働きをすることもわかっています。
 血液脳関門というのは、脳に有害な物質が入り込まないように防ぐ関所のようなものですが、アスタキサンチンはこの厳しいチェックを通過できる数少ない物質なのです。
 そのため、認知症の予防や脳の老化防止にも期待は高まるばかりです。
もちろん、サプリで摂取しなくても、意識して鮭の塩焼きやバター焼きをメニューに加えるだけでOKです。鮭をひと切れ食べるだけでいいのですから、面倒くさがりのあなたでも無理なくできるはずです。


ー保坂 隆(ほさか・たかし) 精神科医  1952年山梨県生まれ。
 保坂サイコオンコロジー・クリニック院長、聖路加国際病院診療教育アドバイザー。慶應義塾大学医学部卒業後、同大学精神神経科入局。1990年より2年間、米国カリフォルニア大学へ留学。東海大学医学部教授(精神医学)、聖路加国際病院リエゾンセンター長・精神腫瘍科部長、聖路加国際大学臨床教授を経て、2017年より現職。また実際に仏門に入るなど仏教に造詣が深い。著書に『 精神科医が教える50歳からの人生を楽しむ老後術』『 精神科医が教える50歳からのお金がなくても平気な老後術』(大和書房)、『 精神科医が教えるちょこっとずぼら老後のすすめ』(海竜社)など多数。

ー西崎 知之(にしざき・ともゆき) 医師、医学博士 1954年生まれ。
 神戸大学医学部卒業。神戸大、米国カリフォルニア大学アーバイン校と一貫して生体内情報伝達機構を専門に研究している。特に脂質シグナルと関連づけた新規の認知症治療薬、糖尿病治療薬、がん治療薬の開発に従事している。現在、上海中医薬大学附属日本校、ベトナム国家大学ハノイ校の客員教授を務め、後進の研究指導に当たるとともに新しい研究分野にも挑戦している。著書に『 認知症はもう怖くない』『 私は「認知症」を死語にしたい』『 脳の非凡なる現象』(以上、三五館)、『 ボケるボケないは「この習慣」で決まる』(廣済堂出版)がある。共著に『 あと20年! おだやかに元気に80歳に向かう方法』(明日香出版社)がある。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

耳ツボマッサージまとめ】いつでもどこでも耳をモミモミするだけ 2024/03

2024-03-31 02:09:00 | 健康関連

【耳ツボマッサージまとめ】いつでもどこでも耳をモミモミするだけ!プチ不調改善のメソッド
 yoi より 240331 鈴木 絵都子


 むくみやくすみ、肩こりや、イライラ、眠りたいのに眠れない……そんな“プチ不調”が気になるとき、どう対処していますか? 
 実は、全身のトラブルが耳を“モミモミ”と刺激するだけで解決できるのだとか。そんな“耳ヨガ”ともいわれるイヤービューティセラピーとは? 1分でむくみがスッキリして顔が小さく、自律神経を整えて、笑顔あふれる毎日へ! そんな夢のようなメソッドをご紹介。

▶︎イヤービューティセラピスト協会マスターセラピスト岡田 真樹
イヤービューティセラピスト協会マスターセラピストであり、認定講師。鍼灸師の国家資格を有し、上海中医大学の短期鍼灸課程では、現地の病院で鍼灸のほか、耳鍼も学ぶ。耳から全身の美と健康をコントロールするスペシャリスト。




⚫︎耳をモミモミするだけの「イヤービューティセラピー」とは?

ー岡田さん:耳には220以上のツボと、神経を通して全身にアプローチすることができる反射区があります。よくテレビなどで“足ツボ”を刺激して痛がる人に『これは内臓の〇〇が悪い証拠です』などと施術者が伝えているシーンがありますが、それと同じことが耳にもいえます。

 耳を揉みほぐし、指圧するなど刺激することで、全身の各部位と自律神経に働きかけることができます。
 例えば、お腹が痛いときに胃腸の反射区を刺激すれば落ち着く、寝付けないときに耳を揉んで自律神経を整えるだけで深い眠りにつける……というように、一見すると耳と関係ない全身の不調を耳の反射区を刺激することでケアしていきます。

 耳の下は頭部、上は足、中央は内臓……と、耳のどの位置が全身のどこに効くのかは、お腹の中にいるときの胎児の形と当てはまるといわれています。

 耳を指先や綿棒で刺激すると、不調の箇所(反射区)を見極めることができ、痛いと感じた箇所に対応する部位に不調がある、そんな自己診断としても役立ちます。

ー岡田さん:デジタルガジェットに囲まれ、下向きの姿勢によって首や肩、背中のコリが激しく、なにかとストレスも多い現代人は、呼吸が浅くなりがち。
 そうなると酸素が体内に取り込めなくなり、代謝が下がるだけでなく、血液から栄養を全身に届けにくくなるため、肌の状態が乱れ、体調も崩れやすくなります。

 耳を引っ張るだけで呼吸が深くたっぷり吸えるようになるので、ぜひ試してみてください。深呼吸のときの吐くという動作で自律神経を整えることができるため、リラックスしたいときやストレスを感じたあと、気分を切り替えたいときなどに取り入れて。

① まずは、そのまま深呼吸して、現在の呼吸の深さを感じる。

② 耳を指で持ち、イタ気持ちいい程度に引っ張って、深呼吸をする。

 このときに息を吐ききることを意識することが大切。最初より深く呼吸できることを感じられれば効果アリ!

⚫︎耳をモミモミするだけの「イヤービューティセラピー」とは? を詳しく読む
 顔のむくみ・肌のくすみも耳をモミモミして解消!朝の代謝アップメソッド

ー岡田さん:仕事やプライベートに忙しい現代人は、ストレスも多く、血管が収縮することで巡りが悪くなりがちです。そんな悪影響は、顔にも出ます。朝起きたときに顔がパンパン、曇ったような肌色で、お疲れ感が抜けていない……なんてことはありませんか? そんな朝の顔を1分で救済するイヤービューティセラピーのメソッドをご紹介します。

 まずは耳全体をほぐす準備運動から始めましょう。耳のコリをゆるめることでツボ押ししたときの痛みをやわらげることができます。

【耳の準備体操】HOW TO
① 親指と人さし指で耳をつまむ。このとき、できるだけ耳の根元を持つことが大事。

② ①の状態のまま、耳をフェイスラインから引きはがすようなイメージで真横に5秒間引っ張り、手を離す。痛すぎるのはNGですが、イタ気持ちいい程度の刺激があると効果的! 左右それぞれ5秒ほど引っ張る。

③ 人さし指と中指の腹を使い、耳の前の付け根部分を、円を描くように揉みほぐす。

④ 耳の裏側の付け根部分も、同様に2本指で揉みほぐす。どちらを揉むときも土台の筋肉を耕すような意識で。

⑤ 耳の根元を指で持ち、引っ張りながら回す。前に10回、後ろに10回。

⚫︎耳たぶには、顔に関わるツボが集中しています。
 揉みほぐすと副交感神経が優位になり、収縮していた血管が広がることで血行がよくなり、代謝がアップ。そうすると酸素や栄養をたっぷり含んだフレッシュな血液が巡るため、くすみは瞬時になくなります。老廃物がドバッと排出されやすくなるため、むくみを撃退するサポートも。

 むくみによる重みが取れた顔は、おのずとキュッと引き締まり、輪郭のゆるみやもたつきなどのないシャープな印象が手に入ります。
 耳たぶ全体を揉みほぐすことで、下あごのツボにもアプローチできるため、食いしばりによるコリをやわらげ、続ければ“エラ張り”を目立たなくする可能性も!

◆【代謝アップに効く1分ワーク】HOW TO

① 親指と人さし指の腹で、耳たぶを挟む。

② 耳たぶの下側から、親指でしっかり圧をかけながら揉みほぐす。少しずつ親指の位置を上に上げていき、耳たぶのエリア全体を揉みほぐす。30秒程度もみほぐせると理想的。このときに耳の皮膚は薄くて傷みやすいため、擦らないように注意する。

③ 反対側の耳も同様に揉みほぐす。

④ 同じ要領で耳の上部を揉みほぐすと、脚のツボがあるため、脚のむくみ解消にも役立つ。代謝アップに効くワークはいつやってもOKですが、イチオシは朝のメイク前。むくみを排出し、くすみを晴らしてハッピー感のある肌色へと導いてくれるため、コンディションのいい顔で一日をスタートさせることができます。

▶︎顔のむくみ・肌のくすみも耳をモミモミして解消!朝の代謝アップメソッド を詳しく読む
イライラ・不眠の緩和、胃腸のケアも耳をモミモミするだけ!夜の1分メソッド

 自律神経は自分の意識でコントロールすることは難しいですが、耳には自律神経に関わるツボが集中しているため、耳を揉むことで“リラックスモード”に導くことができます。とくに、耳の上部にある“神門”というツボは、自律神経をつかさどる視床下部に働きかけるため、そこを揉みほぐすととても効果的です。

 今回ご紹介する自律神経を整えるワークは、緊張やストレスを感じたときやホッとしたいと感じたときに行うのがおすすめ。

【自律神経を整える1分耳ツボワーク】HOW TO

① 写真にある点線の一番下、耳の軟骨がポコッと突出した部分を指先で挟む。

② そのまま軟骨をやわらかくするように揉みほぐす。

③ 軟骨に沿って指の位置を上げながら揉みほぐしていく。

④ 反対の耳も同様に揉みほぐす。

②~③で揉みほぐすライン状には、首、背中、腰、お尻のツボが並んでいるため、それらの部位のコリや不調にも効果的。痛みを感じる部分は不調のサインなので、よりじっくりと揉みほぐしましょう。

【胃腸ケアの1分耳ツボワーク】HOW TO
① 写真にある点線を参考に、耳の中央にある軟骨に沿って綿棒や耳かきで刺激する。点を打つように刺激しながら移動する。刺激を感じるところは長めにプッシュすると、よりほぐれやすくなる。

② 終点まで行ったら、①と同じ要領で綿棒や耳かきでプッシュしながら始点まで戻る。

③ もう一度①~②を繰り返す。

イライラ・不眠の緩和、胃腸のケアも耳をモミモミするだけ!夜の1分メソッド を詳しく読む



◆取材・文/金子優子 イラスト/ささきめぐみ 画像デザイン/前原悠花 構成/渋谷香菜子
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

眼球マッサージはNG》目の老化を遅らせる習慣 「20-20-20」ルール、「蒸しタオル」、「ツボ押し」 2024/03

2024-03-25 02:59:00 | 健康関連

《眼球マッサージはNG》目の老化を遅らせる習慣 「20-20-20」ルール、「蒸しタオル」、「ツボ押し」を紹介!
 8760 より 240325


⚫︎目の老化を遅らせるケア習慣を紹介(Ph/photoAC)
 目の老化を遅らせるためには、きちんと目のケアをすることが大切ですが、正しい目のケア方法をご存じでしょうか? 
 眼科専門医・森下清文さん監修の元、著書『歳をとっても目が悪くならない人がやっていること』(アスコム)を上梓した、わかさ生活代表取締役社長の角谷建耀知さんに、目の老化を遅らせるための正しいケアの習慣と、とるべき食事について教えてもらいました。

【写真】目の老化を遅らせる「意外な食べ物」について写真とともに紹介

【目次】
目の疲れを感じたときは目を休ませる
眼球のマッサージはNG!目の周りのツボを押すこと
眼球体操はNG。正しい目の筋トレは遠くと近くを交互に見ること
目の老化を遅らせる食事とは
* * *

⚫︎目の疲れを感じたときは目を休ませる
 目の老化を遅らせるために大切なのは、目を労わり、きちんとケアをすること。
 そのためにはまず、目の疲れを感じたら、目を休ませることが重要です。米国眼科学会議で推奨されている、目を休ませる方法は「20-20-20」ルールです。

「『20-20-20』とは、『連続して20分デジタル端末画面を見たり、画面の文章を読んだりしたあとは、20フィート(約6メートル)離れたところを、20秒間眺める』というルールです。
 このルールを実践することによって、眼精疲労が改善することも報告されています」(角谷さん・以下同)

⚫︎目の疲れをとる蒸しタオル3分リラックス法
 目を温めると血流が良くなり、毛様体筋もほぐれるため、目の疲れをとるには目を温めるのも有効です。目を温めるときのおすすめは「蒸しタオル(ホットタオル)」を使うこと。電子レンジで温めたタオルをまぶたの上に乗せるだけの簡単な方法です。

《蒸しタオルで目を温める方法》
【1】おしぼりを1枚水で濡らしてしぼる
【2】【1】をグルグル巻きにして、電子レンジで加熱する(500Wで1分程度)
【3】電子レンジから取り出してすぐにポリ袋に入れるかラップを巻く
【4】もう1枚の乾いたおしぼりで巻いて「蒸しタオル」完成
【5】「蒸しタオル」をまぶたの上に乗せ、目を閉じて3分ほどリラックスする

「薬を使わないため、やけどさえ注意すれば副作用の心配もなく、目のケアとしてはとても安全な方法です」

⚫︎疲れたときの目薬は防腐剤の入っていないものを
 目が疲れたときのケアとして定番な目薬。ただし、「目薬に関して、最初に言っておきたいのは、他の薬と同じように市販の目薬に大きな期待を持たないことです」と角谷さん。本当に効く目薬が欲しいときは、きちんと眼科医で処方してもらうべきと言います。

 さらに、市販の目薬で気を付けたいのが防腐剤。長期的に使うと、目にとっては逆効果になることがあるそうです。

「開封後も清潔に保てるように最近を繁殖させない理由で使われていますが、目が疲れて乾きやすい状態になっていると、防腐剤が長時間目に留まることになり、角膜を傷つける可能性があります。薬局やドラッグストアなどで目薬を購入するときは、防腐剤が入っていないものを選ぶようにしましょう」

▶︎目薬は1滴で十分
 目薬を差すとき、目からあふれるくらい多めに差す人もいますが、目薬の適量は1滴。目薬の入る容積(結膜嚢といわれる部分)は約30マイクロリットルしかないものの、目薬の先端から出る量は一度に約50マイクロリットルのため、1滴入れてもこぼれてしまうそうです。
「2滴、3滴入れたら目からこぼれてしまうだけです。目薬は1滴で十分。その1滴を確実に入れることが肝心なのです」

⚫︎眼球のマッサージはNG!目の周りのツボを押すこと
 まぶたの上から眼球をギュッと押す人もいますが、これはNG。眼球を押すと迷走神経反射を起こし、血の気が引く、気分が悪くなる、冷や汗が出る、めまいがするなどの症状を引き起こすことがあります。

「その代わりにおすすめするのが、目のまわりにあるツボを指圧することです。目のまわりには、たくさんのツボが集中しています。目が疲れたときに目頭を揉むという行為は、実は、そのツボを刺激して疲れを回復させる有効な方法なのです」

▶︎正しい目のツボ押し方法
 目のまわりのツボを刺激するときには、「ひとつのツボに対して、それぞれ2~3回、『イタ気持ちいい』と感じる強さで3秒程度押す」ようにしましょう。

「ツボを刺激するときも、目(眼球)自体を圧迫しないように気を付けてください」

▶︎目の疲れをとる7つのツボ
 目のまわりのツボを圧迫することで、目の血流がよくなり、疲れ目などの改善につながります。目のまわりの代表的なツボは次の7つ。

【1】左右のまゆ頭の内側のくぼみ「攅竹(さんちく)」
《押し方》両手の親指で、くぼみを押し上げる
【2】まゆ毛の中央、骨の上「魚腰(ぎょよう)」
《押し方》指の腹で、ぐるぐると小さな円を描くように刺激する
【3】まゆ毛をまゆ尻に向かってたどっていった骨の外側にあるくぼみ「絲竹空(しちくくう)」
《押し方》左右同時に親指で斜め上に向かって刺激する
【4】左右の目頭の上、鼻よりにあるくぼみ「晴明(せいめい)」
《押し方》親指をツボに当て、上に向かって押し上げるように刺激する
【5】左右の黒目のちょうど間下の骨のキワ「承泣(しょうきゅう)」
《押し方》骨のキワに指先を引っかけるようにして下に押す
【6】目尻から指1本分、耳側にある骨のくぼみ「瞳子髎(どうしりょう)」
《押し方》中指などを使い、骨のキワを目に向かって押す
【7】左右のこめかみの少し眉毛寄りのくぼみ「太陽(たいよう)」
《押し方》骨のキワを内側に押し込むように刺激する

「目が疲れたなあと感じたら、押しやすいツボを刺激してみてください。スッキリすると思います」

⚫︎眼球体操はNG。正しい目の筋トレは遠くと近くを交互に見ること
 毛様体筋の衰えを防ぐために、眼球をゴロゴロ動かす「眼球体操」などといわれるトレーニングがありますが、「眼球体操はとても危険な行為です」と角谷さん。
 眼球の大部分を占める硝子体は元々網膜にくっついていますが、眼球を動かすことで硝子体と網膜のくっつきが強い部分に刺激が加わり、裂孔(穴が開くこと)ができることがあるそうです。

「では、どうすれば安全に毛様体筋を鍛えられるかというと、遠くを見たり、近くを見たりする程度で十分。それが、正しい目の筋トレです」

⚫︎目の老化を遅らせる食事とは
 目を構成する組織も、体の他の部位と同様に食べたもので作られているため、目の老化を遅らせるためには食事も重要です。

「目の健康を維持するための栄養素をしっかり摂り続けることもまた、目の老化をゆるやかにすることにつながります」

目のビタミン「ビタミンA」
まず摂りたいのは、目のビタミンとも呼ばれる「ビタミンA」。ビタミンAが不足すると光や色に反応する機能が低下するほか、ビタミンAが不足するとドライアイにつながることがあります。

「ビタミンAが多く含まれる食べ物は、レバー(牛肉・鶏・豚)、うなぎ、あん肝などになります。また、体内でビタミンAに変換されるβ-カロテンを豊富に含む、にんじんやモロヘイヤなどの緑黄色野菜も積極的に摂ったほうがいい食べ物です」

目薬にも含まれる「ビタミンB群」
2つ目は、目薬にも含まれている「ビタミンB群」。ビタミンB群は、ビタミンB1、B2、B3(ナイアシン)、B6、B12、葉酸、パントテン酸、ビオチンの8種類で、視神経を活性化させて筋肉の疲れを改善させる働きや、血流の改善効果、毛様体筋の主成分であるたんぱく質の吸収を補助して目の細胞の新陳代謝をサポートする働きなどがあります。

《ビタミンB群が多く含まれる食材》
・ビタミンB1:豚肉、うなぎ、ナッツ、豆類など
・ビタミンB2:魚介類、レバー、アーモンド、卵、乳製品など
・ビタミンB3(ナイアシン):魚介類、魚卵、肉類など
・ビタミンB6:野菜、穀類、魚介類など
・ビタミンB12:魚介類、海藻、レバー、肉類など
・葉酸:酵母、藻類、レバー、卵、乳製品など
・パントテン酸:豚肉、うなぎ、ナッツ類、豆類など
・ビオチン:酵母、キノコ、レバー、ナッツ類など

網膜の細胞を守る「青魚」
3つ目は「青魚」。さんまやさばなどの青魚に多く含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)というオメガ3系脂肪酸は、人間の体内ではつくることのできない必須脂肪酸であり、血液をサラサラにします。血管の老化防止に効果を発揮し、網膜にある錐体細胞や桿体細胞などの見るために重要な組織を守る役割があります。

「EPAやDHAを手軽に摂るには、さば缶やさんま缶などの缶詰を活用するのもおすすめです。また同じ魚でも、揚げ物よりは煮魚、さらに生(お刺身)のほうが、よりEPAやDHAを多く摂ることができます」

酸化ストレスから守る「ファイトケミカル」
4つ目が「ファイトケミカル」。ファイトケミカルとは、野菜や果物、豆類などに含まれている化学成分のことで、強力な抗酸化力で体内の細胞を活性酸素から守る力があります。ファイトケミカルは数万種以上の種類がありますが、特に注目されているのが「カロテノイド」と「ポリフェノール」です。

特にカルテノイドの中では、桜エイやカニ、鮭などに含まれる「アスタキサンチン」、緑黄色野菜に含まれる「ルテイン」と「ゼアキサンチン」が、目の老化防止に効果があると言われています。

「ルテインが多い食材はブロッコリーやほうれんそう、かぼちゃ、にんじんなどで、ゼアキサンチンが多い食材はほうれんそう、クコの実、とうもろこし、パプリカ、柿、みかんなどが挙げられます」

ポリフェノールの摂取にはブルーベリー
ポリフェノールの中で目の健康を守る成分として注目されているのは「アントシアニン」です。ものを見るときには網膜に映し出された絵を脳に電気信号で送る必要がありますが、そのときに必要なのが「ロドプシン」という物質です。ロドプシンの合成が遅れると、視界がぼやけたり、かすんだりします。

「このロドプシンの再合成を助けるのがアントシアニン。ブルーベリーが目にいいといわれるのは、アントシアニンが豊富に含まれる食材だからです」

◆教えてくれた人:株式会社わかさ生活 代表取締役社長・角谷建耀知さん
かくたに・けんいち。18歳のとき、脳腫瘍の大手術によって視野の半分を失う。自身の経験から、自分のように目で困っている人の役に立ちたいとの想いで、1998年にわかさ生活を創業し、目の健康サプリ「ブルーベリーアイ」などを販売。現在は多数の企業や眼科医と連携して、商品の開発・情報発信を行う。著書に『歳をとっても目が悪くならない人がやっていること』(アスコム)、『長生きでも脳が老けない人の習慣』(同)など。https://ameblo.jp/wakasa-president/

◆監修:医学博士・森下清文さん
もりした・せいぶん。医療法人森下眼科理事長・医学博士。大阪医科薬科大学で研鑽を積み、同大学の講師として、白内障、緑内障、眼底出血などの診療と研究に従事。1991年に大阪市北区で森下眼科を開業。1992年4月から「市民健康講座 目の勉強会」を開始。全国各地で啓発活動を行う。https://morishitaganka.net/
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

お茶は「最先端の健康飲料」だった! がんの成長、転移を予防…日本茶に豊富な成分「テアニン」とは 202401

2024-01-07 01:00:00 | 健康関連

お茶は「最先端の健康飲料」だった! がんの成長、転移を予防…日本茶に豊富な成分「テアニン」とは
 デイリー新潮 より 240107  新潮社


 日本人にとって「ソウルドリンク」ともいえる「お茶」。そんな気軽な飲み物が“不老長寿”をもたらす可能性を秘めていると聞けば驚く人も多かろう。どの種類のお茶をどれくらい飲めば、どんな病気にどのような仕組みで効くのか。専門家が「お茶」を語り尽くした。

 ***

⚫︎緑茶が“不老長寿”をもたらす?
  有効成分「テアニン」が多いお茶の種類とは

 ちょっとした風邪薬から抗がん剤まで、現代社会では病気を治すため、実に多くの薬剤が用いられている。言うまでもなく、これらの薬は、医師や薬剤師の厳重な管理のもとで処方される。強い効果を持つ薬には、時として副作用があるからだ。

 一方、東洋医学の世界では、他の部位に影響を与えず、ゆっくりと病気を癒やす薬が「上薬」とされてきた。抗がん剤のように、効果はすぐに出るものの他の部位に甚大な影響をもたらす薬は「下薬」というわけだ。

 先進各国で見られる長寿化に、これらの「下薬」が貢献してきたのは間違いない。ところが近年、さらなる健康長寿のために、「上薬」が注目を集めているという。その最たる例として、太古より健康効果が言い伝えられてきたもの。それこそが「お茶」である。

 日本には、奈良・平安時代に遣唐使や留学僧によって中国より渡来したと言い伝えられるお茶。日本人にとって「ソウルドリンク」ともいえるこの飲み物に、実は今、世界中の視線が集まっているのだという。

⚫︎“最先端の健康飲料”
 一体、お茶のどこにそんな力が隠されているのか。静岡県立大学・茶学総合研究センターでセンター長を務める中村順行(よりゆき)特任教授によれば、お茶の特異な健康効果には主に三つの成分が寄与しているという。

「お茶にはビタミンやミネラルも豊富に含まれていますが、特に注目されているのが『カテキン』『カフェイン』『テアニン』の三大成分です。さまざまな栄養素を含むお茶は“最先端の健康飲料”であると言っても過言ではありません」

 まさに“有効成分”のオンパレード。中でも有名なのは、やはり三大成分の一角をなすカテキンだろう。

 そもそもカテキンとはポリフェノールの一種。

「ポリフェノールは植物の苦味や渋味、色味のもとになる成分の総称で、お茶が渋かったりするのも、カテキンというポリフェノールのおかげです。また、ポリフェノールには味や色だけでなく抗酸化作用という重要な役割もあります。これは読んで字のごとく“酸化”に抗う作用です」(同)

⚫︎緑茶を5杯以上飲むと驚きの効果が
 ポリフェノールはほぼ全ての植物に含まれる成分で、赤ワインやブルーベリーに含まれるアントシアニン、コーヒーに含まれるクロロゲン酸などが知られている。だが、お茶の中でも緑茶に多く含まれる「エピガロカテキンガレート」というカテキンは数あるポリフェノールの中でも抗酸化力が非常に高く、その値は、クロロゲン酸の数倍ともいわれる。実は、この抗酸化作用こそ、お茶を「健康飲料」たらしめる一番の立役者なのだ。

「人間は酸素を取り込みながら生きていますが、これが体内で変化した活性酸素はかなり厄介。活性酸素は簡単に言うと、人間の細胞を酸化させさびつかせてしまいます。老化や動脈硬化、さらにはがんも、もともとはこの活性酸素が原因。
 逆に言えば活性酸素から身を守ることができれば健康寿命をさらに延ばすことも理屈の上では可能。お茶に含まれるカテキンの抗酸化作用には、この活性酸素を取り除く力があるのです」(同)

 実際、2015年に国立がん研究センターが発表した研究結果によれば、1日に緑茶を5杯以上飲む人は、1杯未満の人に比べて、男性で13%、女性は17%も死亡リスクが減少することが分かっている。

⚫︎大腸がんを予防する効果
 さらに疾患別に見れば、女性では心疾患の死亡リスクが約4割、男性では脳血管疾患が約2割下がったというから、その実力は折り紙付きである。

「こうした血管に関連する病気の死亡リスクが下がったのは、血管の壁が硬くなることで起こる動脈硬化を、カテキンのもつ抗酸化力によって防ぐことができるからでしょう。さらに、カテキンには血管にこびりついた脂肪を溶かし、血の巡りを良くする作用もありますからね」(同)

 また同調査では、緑茶に肺炎などの呼吸器系疾患の死亡リスクを下げる効果があることも指摘されている。

 秋津医院院長の秋津壽男医師によれば、

「心臓が悪くなると血液の循環も悪くなり、肺機能も低下してしまいます。おそらく、カテキンによって心臓の血管の状態が健康に保たれ、結果として肺機能が維持されて肺炎などの死亡リスクが下がったのではないでしょうか」

 カテキンの実力は心血管系疾患や呼吸器系疾患だけにとどまらない。理論上、「大腸がん」を予防する効果も期待できるのだという。

 秋津氏が続ける。

「私たちの腸内で悪玉菌が増えると、食べ物を分解したときに活性酸素が多く発生します。この活性酸素が腸内を傷つけ、ひいては大腸がんの原因になるのです。ただ、コーヒーに含まれるポリフェノール『クロロゲン酸』には、大腸内の悪玉菌を減らし、活性酸素を中和させて大腸がんを予防する効果があると指摘されている。
 いまだお茶でその効果を証明した研究はありませんが、カテキンもクロロゲン酸と同じポリフェノール。原理的にはお茶を飲んでも同様の効果が得られるものと考えられます」

⚫︎転移を防ぐ効果も
 がんの研究には膨大な期間が必要となるため、お茶でがんが予防できることが実証されるのには、まだ時間がかかるかもしれない。だが、動物実験ではすでにお茶によるがん予防の効果が報告され始めている。

 先の中村氏が解説する。

「がん細胞が恐ろしいのは、自らが成長するために血管を新生し寄生虫のように体の中で成長を続けること。それから、自らの分身を他の場所にも転移させてしまうことです。ただ、お茶に含まれるカテキンは、がん細胞が血管を新生するのを防ぐと同時に、転移も防いでくれる。これは動物実験ではハッキリと分かっており、いずれ人間でも証明される可能性があると思います」

 がんの成長や転移を防ぐ効果まであるとすれば、お茶は“健康飲料”どころか“夢のドリンク”である。

 ところが、驚くなかれ。カテキンの実力はまだまだ底が知れない。お次はなんと糖尿病である。

「甘い食べ物などには、糖が複数結合した二糖類や三糖類が含まれます。これらの多糖類は分解され単糖類になることで初めて体に吸収され、多糖類のままでは吸収に時間がかかる。
 カテキンにはこの糖を分解する酵素の働きを阻害する効果があり、急激な血糖値の上昇も抑えることができるのです。また、血糖値を下げるインスリンの働きを増強する効果も認められていて、お茶以外にも“桑の葉茶”の予防効果が注目されています」(同)

 もちろん、カテキンが活躍するのは生活習慣病だけではない。秋津医師によれば、日常生活における感染症予防にもカテキンが力を発揮するのだという。

⚫︎カフェインの効果を穏やかにするテアニン
「約3年半続いたコロナ禍には、お茶メーカーが競い合うようにしてカテキンによる免疫力向上の研究結果を発表していました。体内で発生した活性酸素は免疫細胞をも傷つけてしまうのですが、カテキンの抗酸化作用によってこれを防ぐことができるというわけです。
 さらに、カテキンには菌やウイルスの増殖を防ぐ『静菌』効果があることも分かっています。強い殺菌効果を謳う市販のうがい薬は、良性の菌まで殺してしまうのですが、静菌ならその心配はありません。
 お茶に一つまみの塩を入れれば、浸透圧が体とぴったりになり喉を傷めることもない。そのまま飲み込んでも大丈夫ですから、うがいが苦手な子どもやお年寄りでも難なく感染症予防をすることができる。私自身もよく患者さんにはお茶うがいをお勧めしています」(同)

 心血管系の疾患や呼吸器系疾患の死亡リスク低減からがん予防、さらには糖尿病予防に免疫力向上や感染症予防まで。実に多岐にわたる健康効果を有する「カテキン」だが、忘れてはいけないのが、お茶には他にも有効成分があるということ。

 中村氏は、
「お茶の成分の一つであるカフェインは、交感神経に働きかけて覚醒や集中をもたらしてくれます。玉露などの高級茶にはコーヒーより多量のカフェインが入っていることも珍しくありません。ただ、玉露を飲んで目がカーッと見開いたりすることはあまりありませんよね。
 これは三大成分の一つであるテアニンにリラックス効果があり、副交感神経に働きかけてカフェインの効果を穏やかにしてくれるからなのです」

⚫︎ストレスによる脳の萎縮を軽減
 すでに研究されつくした感のあるカテキンやカフェインに対して、まだまだ未知の領域も多い「テアニン」。だが、その実力の一端は動物実験により明らかにされつつあるという。

「強いストレスにさらされると脳が萎縮する場合があるのですが、テアニンのリラックス効果はこの脳の萎縮を軽減することが動物実験で確かめられています。また、ストレスを与えたマウスは一般に寿命が短くなるのですが、テアニンを投与したところ、平均的なマウスと同じ水準まで寿命が延びたという結果も報告されています」(同)

 ストレスも軽減し、寿命も伸ばす。こうなれば、いよいよ“魔法のドリンク”に見えてくるが、気になるのは「お茶ならば何でもよいのか」という点だろう。

 ご存じの方も多いだろうが、緑茶も烏龍茶も紅茶も元は同じ。これらのお茶は全て「茶の樹」という常緑樹から作られている。

 中村氏いわく、

「茶の樹は葉の小さい中国種と葉の大きいアッサム種に分類されますが、含まれる成分に大きな違いはなく、生産地によって変わることもありません。緑茶や烏龍茶、紅茶の違いは、主に発酵の有無や度合いによるもの。
 お茶の世界では、茶葉をしおれさせたり、もむことで細胞を壊したりして酸化を促進することを“発酵”と呼びますが、茶葉の酸化は熱を加えることで止められる。この発酵を止めるタイミングによってお茶の色や味、香りに変化が出るのです」

 具体的には、茶葉を蒸すことで酸化を止める「不発酵茶」と呼ばれるのが、日本の煎茶や玉露、番茶、抹茶などのいわゆる緑茶である。ちなみにほうじ茶は煎茶や番茶を焙煎したもので、緑茶に分類される。

 一方、中国の烏龍茶などは少しだけ発酵させる「半発酵茶」。紅茶は完全に発酵させる「発酵茶」だ。

⚫︎テアニンが多いのは日本の抹茶
 発酵の度合いはお茶の色や香りにも影響を与えるが、

「重要なのは、お茶を酸化させるとカテキン同士が結合するということです。つまり不発酵茶である日本の緑茶にはカテキンが豊富に含まれる一方、発酵茶である紅茶はカテキン同士が結合して別の物質に変わってしまうので、カテキンはほとんど含まれません」(同)

 ここまで見てきた通り、お茶の健康効果の大部分はカテキンによるもの。烏龍茶や紅茶にはこれらの健康効果は望めないのだろうか。

 だが、中村氏は、

「それが、そうとも言い切れないんです。カテキンが複数結合して別の物質に変わってもカテキンの良いところは失われませんから、場合によっては緑茶より強力な効果を得られる可能性もある。ただ、カテキンが結合した結果、どの成分が有効なのかを判別しにくいだけ、ともいえるのです」

 では、リラックス効果をもたらすテアニンはどうか。テアニンの含有量は葉への日光の照射程度によっても変わるという。

「日本の緑茶のうち、煎茶や番茶は日光を遮らずに育てるのですが、抹茶や玉露といった高級茶は新芽が2、3枚開き始めた頃にワラなどで太陽光を遮る被覆栽培を行うんです。こうすることによってテアニンが生成され、旨味が増すため、玉露や抹茶はほんのり甘い味になる。
 現在、世界で飲まれている緑茶の9割は中国産といわれていますが、中国産のお茶は手間のかかる被覆栽培を行いません。世界中の抹茶を買い集めて比較しましたが、テアニンが最も含まれていたのは日本の高級抹茶でした」(同)

 もっとも、テアニンと違って、カテキンは日光を照射しなければ豊富に生成されない。そこで、効果を高めるためには、自らの用途に応じて複数の種類を組み合わせるのが良いのだそう。

「例えば、玉露はその甘みを味わうために50~60度で入れるのが良いとされます。これくらいの温度でもテアニンは十分抽出されますが、カテキンやカフェインは熱湯で入れる方が多く抽出される。従って、空腹時や夜寝る前などは玉露など、ぬるま湯で入れたお茶を飲むのが良いでしょう」(同)

⚫︎カテキンが豊富な「二番茶」
 また、お茶が摘み取られる時期によっても、成分に違いが出る。

 晩春に収穫されるその年最初の「一番茶」は、栄養成分が豊富で、カテキンやテアニンの含有量も多い。
 一方、「二番茶」は一番茶に比べてテアニンなどの成分が少ないものの、夏に近づき強い日光が当たっているためカテキンの含有量は他の時期よりも多い。
 さらに遅い時期に摘み取られる番茶は、冬に近づき養分を蓄え始めた頃に摘み取られるため、糖類が多く含まれているという。

「特に番茶に含まれるポリサッカロイドという糖類には血糖値や血圧を下げる効果があることが分かっています。従って、食後や寝起きなど血糖値や血圧が上がりやすい時間帯に飲むと効果的だと思います」(同)

 現代社会では、コンビニや自販機で売られているペットボトル入りの緑茶も人気だが、

「“濃いお茶”や“特茶”でない限り、カテキンやカフェインの分量は急須で入れたものと比べて3分の2以下。テアニンはほとんど期待できません。
 冷たいお茶を飲みたいのであれば、茶葉から入れたお茶を冷やすか、茶葉をティーバッグにいれて水出しにするのがおすすめです。
 抗酸化作用を得たいのであれば1日350ミリグラム程度のカテキンを摂取するのが目安。湯飲み5杯分ほどを3時間おきくらいに飲むのが良いのではないでしょうか」(同)

 リラックス効果も得られて、健康長寿も手に入る。何よりお茶を入れることで得られるくつろぎは、私たちの人生をより一層、豊かなものにしてくれるだろう。

「週刊新潮」2023年12月28日号 掲載
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする