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「老化のスピード」はなぜ人によって違うのか…最新研究が明かす「年を取らない人の共通点」 202503

2025-03-24 01:52:00 | 健康関連

「老化のスピード」はなぜ人によって違うのか…最新研究が明かす「年を取らない人の共通点」
 現代ビジネス より ブルーバックス編集部(科学シリーズ)


【】「老化のスピード」はなぜ人によって違うのか…年を取らない人の「共通点」
 1963年に創刊されて以来、「科学をあなたのポケットに」を合言葉に、これまで2000冊以上のラインナップを世に送り出してきたブルーバックス。
 本連載では、そんなブルーバックスをつくっている編集部メンバーによるコラムをお届けします。その名も「ブルーバックス通信」。どうぞお楽しみください!
©講談社


⚫︎酸素消費量が大きい人は、寿命が短くなる?
 先月、飼っていたハムスターがこの世を去りました。チェコ生まれのジャンガリアン・スノーホワイト。クリスマスに我が家にやってきたので、冬を思わせる「スノ」と名づけました。いつか必ず来る定めとはいえ、募るさみしさ……。ありがとう、スノちゃん。忘れないよ。
 さて、ハムスターの平均寿命はおよそ2歳といわれています。対して、人間の平均寿命は70歳を超えます。なぜそんなに違うのでしょうか。
 答えは、「人間のほうが《体重当たりの酸素消費量》が小さい」から。この考え方は、「動物の生涯の代謝量は一定であり、エネルギー代謝が高く、酸素消費量が大きい生活をしていると、寿命が短くなる」という老化理論にもとづいています。
 これを「生涯代謝量一定理論(rate-of-living theory)」と呼びます。

 体重当たりの酸素消費量が大きい(エネルギー代謝率が高い)動物の寿命は、それが低い動物よりも短い──。それは裏返せば、同じ人間でも「酸化ストレス」の多い生活を送っている人は、寿命が短くなりがちということに他なりません。

⚫︎「老化時計」を遅らせるには
 健康科学の世界では、老化の度合いを「加齢に伴うDNAメチル化の変化」から算出します。これは「DNAm老化時計」と呼ばれ、有望なバイオマーカーとして世界中で研究が進められています。

この「DNAm老化時計」の進み方は、酸化ストレスと同様に、食事や運動習慣の違いでも大きく変わることが明らかになってきています。たとえば、「喫煙習慣」や「飲酒習慣」の有無、「朝方か夜型か」などで、その差は歴然です(参照:『健康寿命と身体の科学』図2-8)。

喫煙、飲酒、および生活リズムと生物学的年齢加速との関係(Kawamura et al.: Aging Cell, 2023)

 時計の針をなるべく遅らせたい方には、「抗酸化ビタミン」と称されるビタミンA、ビタミンC、ビタミンEや、ポリフェノールを豊富に含んだ食事や、体力の根幹となる「心肺体力」「筋力」を増やすためのトレーニングをオススメします。

 ⚫︎トレーニング法については、
4分でできる高強度運動「タバタ・トレーニング」、
何時間でも歩けるようになる「すいすいうぉーきんぐ」、
膝にやさしい「ローイング・エクササイズ」など、
『健康寿命と身体の科学』のなかで色々と紹介されていますので,ぜひ参考にしてください。
その他にも,健康科学の最新成果が盛りだくさんの同書,ぜひご一読ください!(F. Y. )
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7秒のスクワットで体が変わる? 血糖値がみるみる下がる正しいやり方とコツとは  202501

2025-01-20 01:40:00 | 健康関連

7秒のスクワットで体が変わる? 血糖値がみるみる下がる正しいやり方とコツとは
 Woman'sHealth より 250120


 血糖値が気になるけれど、食事制限や運動が続かない……そんな方も多いのでは? 
実はたった7秒のスクワットを週2回行うだけで、血糖値のコントロールだけでなく、様々な健康効果が期待できるんだとか。

「7秒スクワットが習慣になれば、血糖値を下げる薬を飲まなくても、過酷な食事制限をしなくても、血糖値をコントロールできるようになります」

 そう話すのは糖尿病臨床医であり、うさみ内科院長の宇佐見啓治先生。今まで多くの糖尿病患者を救ってきた“7秒スクワット”の考案者であり、実践者からの感謝の声も多い。
「でもなぜスクワットが効果的なの?」「どのように行えばいい?」そんな様々な疑問を持つ方も多いはず。早速、宇佐見先生の著書『血糖値がみるみる下がる! 7秒スクワット』から詳しくみていこう。(以下「」・宇佐見先生)
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⚫︎血糖値が上がる原因
  血糖値とは
「血糖値とは、血液のなかにあるブドウ糖の濃度です。ブドウ糖があふれていて血糖値が高ければ高血糖、枯渇していて血糖値が低ければ低血糖。どちらであっても、体に悪い影響を及ぼします。誰でも、食事をとると血糖値が高くなります。

 ごはんやパン、うどんなど、主に炭水化物に含まれている糖質がお腹のなかでブドウ糖に分解され、血液のなかに流れ込むからです。
 ただし健康な人であれば、あふれたブドウ糖は内臓や筋肉、脳、脂肪などの細胞にエネルギー源として取り込まれ、食後しばらくすると血糖値は正常な濃度にまで下がります。このときに働くのが、“インスリン”」

⚫︎日本人はインスリンの分泌が少ない?
「インスリンとは、各細胞の搬入口を開けるカギのようなものです。インスリンが正常に働けば、高血糖が続くことはありません。
 しかし、このインスリンが正常に働かなくなることがあります。理由はふたつ。
 ひとつは、インスリンそのものが分泌されない、もしくは分泌が少なくなる。
もうひとつは、インスリンは分泌されているが細胞の扉を開けなくなる。

 インスリンが分泌されないのが1型糖尿病、インスリンの分泌が少なくなったり、細胞の扉を開けられなくなったりするのが2型糖尿病。日本人の場合、約95%が2型糖尿病といわれています」

⚫︎なぜスクワットが高血糖を改善するの?
理由①:運動後1時間は筋肉がインスリンを使わずに糖を取り込む
「運動後1時間という限られた時間ですが、筋肉の細胞は、インスリンがなくてもブドウ糖を取り込んでいたのです。インスリンを分泌できなくても、働きが悪くなっていても、筋肉の細胞がブドウ糖を取り込むのです。ブドウ糖を取り込めるのは、筋肉のなかに蓄えられているエネルギー源が不足しているのが条件。

燃料倉庫がガラガラになっていればいるほど、大量にブドウ糖を取り込むことができます。つまり、筋肉の燃料倉庫を空っぽにするには、運動しかないということです」

理由②:血糖値を下げるには、無酸素運動が吉!
「筋肉を動かす燃料とは、グリコーゲンです。筋グリコーゲンは筋肉を動かすために使われます。無酸素運動のように長く続けられないきつい運動になるほど、筋グリコーゲンをエネルギー源とする比率が高くなります。

 つまり、筋肉の燃料倉庫を早く空っぽにするには、無酸素運動ということです。こちらの目的は、あくまでも筋グリコーゲンを使いきること。ハードなトレーニングをする必要はありません。筋肉の燃料倉庫が空っぽになりさえすれば、インスリンを使わずにどんどんブドウ糖を取り込んでくれます。それが7秒スクワットなのです」

理由③:小さな筋肉より大きな筋肉がエネルギーを消費させる
「7秒スクワットは、効率よく筋グリコーゲンを使いきるために、大きな筋肉を集中的に鍛えます。大きな筋肉を動かすには、大きなエネルギーが必要だからです。

私たちの筋肉の約7割が集中しているのは、太もも、お尻、ふくらはぎといった下半身。この下半身を使う運動が、7秒スクワット。スクワットは下半身の筋肉を一度に動かせるので、筋グリコーゲンを効率よく消費することができます」

理由④:筋肉を伸ばす運動でエネルギーの消費アップ
「筋肉は、縮める動作より伸ばす動作のほうが、負荷が大きくなります。山登りをすると太ももの筋肉痛になるのは、上るからではなく、下るから。

筋グリコーゲンをよく使うのは、もちろん筋肉への負荷が大きくなる「筋肉を伸ばす運動」。筋肉を縮める運動より伸ばす運動を重点的に行ったほうが、血糖値が下がりやすくなるのです。

時間をかけて伸ばせば、それだけ筋グリコーゲンを消費してくれることになります。7秒スクワットが効率よく筋グリコーゲンを使いきる理由は、筋肉を伸ばす運動に重点を置いているからです」

血糖値を下げるだけじゃない。7秒スクワットが持つ効果

Westend61 / Getty Images
1.いつまでも元気で動ける体をつくる
「7秒スクワットは、糖尿病を改善するだけではありません。健康で長生きできる体をつくることにもなります。みなさんは、“フレイル”や“サルコペニア”“ロコモティブシンドローム”といった言葉を聞いたことがありますか? フレイルとは病名ではなく、加齢によって体も心も衰えてしまっている状態のことをいいます。フレイルになると病気にかかりやすくなったり、ケガに弱くなったり、些細なストレスに耐えられなくなったりするなど、介護が必要な生活につながりやすいといわれています。サルコペニアとは加齢によって筋肉が著しく衰えている状態のことをいい、ロコモティブシンドロームとは筋力低下だけでなく、関節の劣化、バランス能力の低下によって運動機能が低下している状態のことをいいます。筋肉量を維持する7秒スクワットは、いつまでも元気で動ける体をつくるトレーニングにもなるのです」

2.肥満解消に効果あり
「太るのは、摂ったエネルギーより、消費するエネルギーが少ないからです。糖質を消費する最大の器官は筋肉です。加齢や運動不足などで筋肉が少なくなると、それだけ消費するエネルギーは少なくなります。7秒スクワットが習慣になれば、消費するエネルギーをキープできるため、少しだけ食事を減らせばやせることになります」

3.脳卒中や心筋梗塞につながる動脈硬化を予防する
「血糖値が高い状態が続くと、ブドウ糖が血管を傷つけ、動脈硬化を進行させることになります。最悪の場合は、心筋梗塞や脳卒中などを引き起こす原因になります。高血糖を改善する7秒スクワットは、動脈硬化の予防にもなるのです」

4.脂肪の分解や免疫力を高める
「7秒スクワットには、筋肉から分泌されるマイオカインというホルモンの効果も期待できます。マイオカインとは、筋肉から分泌されるホルモンの総称で、20種類以上あるといわれています。その健康効果はまだすべてが解明されているわけではありませんが、動脈硬化を抑制したり、脂肪の分解を促したり、免疫力を高めたりする効果があることがわかってきています。

 また、マイオカインには常に分泌されるタイプと筋肉を動かすことで分泌されるタイプがあり、その量を増やすには筋肉量が多い下半身の筋肉を鍛えることだといわれています。7秒スクワットは、まさにマイオカインを増やすトレーニングでもあるのです」

⚫︎7秒スクワットのやり方
「7秒スクワットは、毎日行わなくてかまいません。1日3セットを週に2回。これが基本になります。10回を1セットとし、3セットをゆっくり行ってください。

そして大事なのは、1セット終わるごとに30秒〜1分くらい力を抜いて休むことです。休憩している間に、筋肉の細胞が、使った筋ゲリコーゲン分のブドウ糖をどんどん取り込んでくれます」

① 両腕をまっすぐ前に出し、両足を肩幅よりも広げて立つ
※うまく動作できないときは、両足をもっと広げる。
ガ二股になってもいいので広めに両足を広げ、つま先はやや外側に向けましょう。
両手を前に出すのはバランスをとるためです。
首の後ろで両手を組むと、動作中に力が入って首を痛めることがあるのでNG。

② 5秒かけて、ゆっくり腰を落としていく
腰は、お尻をしっかり引きながら落とし、曲げたひざが足のつま先より前に出ないようにしましょう。
腰を落としていくときに背中が丸まらないようにしましょう。
両ひざは、つま先と同じ方向に向けて曲げていく。内側に入らないようにしましょう。

③ 太ももが床と平行になったら静止し、2秒間キープしてから反動をつけずに立ち上がる
スクワット動作は息を止めずに行う。
床と平行になるまで落とすのが理想ですが、できる範囲でかまいません。

①の姿勢に戻るときは、反動をつけずに立ち上がること。反動をつけるとひざを傷める原因になります。

スクワットを行う際は、この2つに気を付けて
・ゆっくりしゃがんで、反動をつけずに立つ
「5秒かけてゆっくり腰を落としながら筋肉をじっくり伸ばし、その状態を2秒キープすることで筋グリコーゲンがどんどん使われ、ブドウ糖を取り込みやすくなります。血液中のブドウ糖が少なくなれば、もちろん血糖値は下がります。7秒スクワットは、一つひとつの動作をゆっくり、じっくり行うのがポイントです。

特に、ひざを曲げるときはゆっくり腰を落としましょう。5秒かけて落としていくのが基本動作になりますが、慣れて余裕が出てきたら10秒くらいかけてもかまいません。より効果が高くなります」

ひざの屈伸運動として注意したいのは、立ち上がるときです。立ち上がるときにキープしていたお尻をさらに落として、反動をつけないようにしてください。反動をつけるとひざに余計な負担をかけることになり、ひざを傷める原因になります。

・呼吸を止めない
「呼吸を止めると血圧が急上昇したり、心拍数が速くなったりする場合があります。7秒スクワットは、誰にでもできる安全な運動であるのが大前提。無理なく続けられることが大切なのです。呼吸を止めない方法として私がすすめているのが、声を出しながらスクワットを行うことです。“いーち、にー、さーん、しー、ごー”と声を出しながら腰を落としていくと、自然に呼吸しながらの動作になります。もちろん、声を出さずに臭で呼吸しながらでもかまいませんが、口で呼吸しながらの動作のほうがらくに行えると思います」

まとめ


「7秒スクワットが習慣になれば、血糖値を下げる薬を飲まなくても、過酷な食事制限をしなくても、血糖値をコントロールできるようになります。さらに筋肉を鍛えることで肥満解消や高齢によるサルコペニア(筋肉減少)、ロコモティブシンドローム(運動器障害)対策につながります。みなさんの健康のために、ぜひ7秒スクワットをはじめてみてください」

『血糖値がみるみる下がる! 7秒スクワット 1回7秒! 薬に頼らずヘモグロビンA1cが下がる!』は、文響社より好評発売中。

ここで紹介した内容以外にも、「実践した9人の体験談」や「上半身トレーニングで血糖値を下げる方法」など、驚く情報や様々な知識がたくさん詰まっているので、ぜひチェックしてみて!


▶︎この本を書いたのは......宇佐見啓治(うさみけいじ)先生
文響社
医療法人うさみ内科院長、日本糖尿病学会所属。日本内科学会認定医。福島県生まれ。福島県立医科大学卒業後、福島県立医科大学附属病院第二内科に入局。その後、福島赤十字病院内科勤務を経て、うさみ内科を開設する。専門分野は内科全般、糖尿病・高血圧・高脂血症・肥満などの成人病治療。約25年前から、糖尿病の運動療法に筋力トレーニング(スクワットとプッシュアップ)を取り入れ、食事療法との併用で目覚ましい治療効果を上げる。訪れた患者さんが運動を継続できるように院内に運動教室を開講し、本書で紹介している「7秒スクワット」を用いた糖尿病治療とともに予防医学にも取り組んでいる。
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【脳の老化を防ぐ食事】認知症を遠ざけ、脳の健康を守る神食品とは 2024/1

2024-12-10 00:31:00 | 健康関連

【脳の老化を防ぐ食事】認知症を遠ざけ、脳の健康を守る神食品とは
 ヨガジャーナルオンライン編集部 より 241210


 できるだけ体にいいものを食べたほうがいいとわかっていても、「今日は何を食べよう?」というシンプルな問いが、重荷になることはよくあります。でも、できることなら、手間をかけずに健康的な食事をしたいですよね。
 大人気YouTubeチャンネル「本要約チャンネル」が、世界最新の知見と2000冊の書籍から導き出された本当に健康にいい「食べ物、食べ方」を一冊にまとめました。
著書『結局、何を食べればいいのか? 』(アスコム)より、一部内容を抜粋してご紹介します。

⚫︎認知症を遠ざけ、脳の健康を守る神食品
 アミロイドβが蓄積しないように、ポリフェノールや質のよい脂質を(主に青魚の生食で)とり、糖質のとりすぎを避ける。これらのポイントを押さえつつ、その他の脳によい影響を与える食品をとり、悪影響のある食品を避けることが、脳の健康を守る鍵となります。
 私たちの脳は、精密機械のようなものです。適切な燃料と定期的なメンテナンスがあれば、美しいクラシックカーも長年にわたって性能を発揮し、現役で走り続けることができます。脳においては、その燃料とメンテナンスが日々の食事です。運動や睡眠も大切ですが、食事という燃料がなければ何も始まりません。
 想像してみてください。毎日の食事を少し変えるだけで、5年後、10年後のあなたの脳が、より健康で、活発になっている姿を。そして、当たり前の話ですが、私たちの脳は、あれあれ症候群になっても、認知症になっても、車のように乗り換えることはできません。
 元気に、幸せな老後を過ごすために、日々の食事を改善していきましょう。また、先述したように、脳によい食事をとり、質のよい睡眠がとれるようになると、驚くほど脳のコンディションが上がります。
 ですから、将来の認知症のリスクを避けるだけでなく、今現在の仕事や勉強のパフォーマンスも大きく変えることができるのです。本項では、これまでに紹介した内容のまとめも含めて、具体的に脳にいい食品を網羅的に紹介します。ぜひ食生活の参考にしてください。

⚫︎アミロイドβ の蓄積を予防する食品
アミロイドβの蓄積は、アルツハイマー型認知症の主要な特徴の一つです。これらの食品は、その蓄積を予防または軽減する可能性があります。


▶︎ブルーベリー🫐
 ブルーベリーは脳の健康に効果的な果物です。豊富なポリフェノールがアミロイドβの凝集を抑制すると考えられています。フラボノイドやアントシアニンといったポリフェノールには強力な抗酸化作用があり、脳細胞を酸化ストレスから守ります。ベリー類のポリフェノールをしっかりととるには皮ごと食べるのが大切で、ブルーベリーは元々まるごと食べるのが一般的。その点でも優れた食品です。実が小さいので、ぶどうなどに比べて糖質のとりすぎを避けやすい点も最高です。
 研究によると、ブルーベリーの摂取は認知機能の改善と関連しており、特に記憶力や処理速度の向上が見られます。2019年に発表されたカナダ農業食品省の論文によれば、毎日3分の1カップのブルーベリーを食べることで、重要な病気や症状のリスクを軽減できるとされています。ヨーグルトに加えて食べると、腸への効果も大いに期待できます。

▶︎🍵緑茶
強力な抗酸化作用があるポリフェノール「カテキン」が豊富な上に、日々の習慣として取り入れやすい飲料です。特に、甘い飲料を好んで飲んでいる方は、ぜひその代わりに緑茶を日常的に飲んでほしいところです。緑茶の主成分・カテキンの一種「エピガロカテキンガレート(EGCG)」に、アミロイドβの凝集の抑制効果があると考えられています。

▶︎🍇ぶどう(特に赤ぶどう)
先述したポリフェノール「レスベラトロール」を豊富に含むぶどう。レスベラトロールには神経を保護する作用があり、アミロイドβの産生を抑制する効果も期待されています。この健康効果を得るためには、皮ごと食べるようにしてください。

▶︎🍫ダークチョコレート
チョコレートやココアの原料・カカオ豆に含まれるポリフェノール「カカオポリフェノール(フラバノール)」は、認知機能の改善に効果的です。また、アミロイドβの凝集を抑制する可能性もあると考えられています。しつこくなりますが、どれだけカカオ含有量が高いものでも、砂糖入りのチョコレートは避けてください。


⚫︎脳に良質な脂質を提供する食品
 その多くが脂質でできている脳の健康にとって、適切な種類かつ、良質な脂質をとることは極めて重要です。

▶︎🐟小さめの青魚
 まずおすすめしたいのは、イワシやサンマ、サバなどの小さめの青魚です。DHAやEPAだけで言えばマグロも豊富に含んでいます。ただ、大きな魚は生物濃縮によって水銀の含有量が多い問題があります。できれば養殖より天然、加熱調理より生食をしていただきたいところですが、食べないことに比べればサバの水煮缶でも問題ありません。また、刺身が苦手な方は加熱もやむなしですが、揚げるのは可能な限り避けてください。

▶︎🐠サケ
 白身魚のサケもオメガ3脂肪酸が豊富です。DHAやEPAを効率よくとるにはサーモントラウトが特におすすめです。こちらも可能であれば生で食べたいところです。また、アルツハイマー型認知症と関連性があると考えられるビタミンDも豊富に含んでいます。さらに赤い身の理由である天然色素の「アスタキサンチン」は、強い抗酸化作用を持っているので、炎症を防ぎ、血管を守る効果もあります。

▶︎亜麻仁油
 植物性オメガ3脂肪酸の宝庫で、抗炎症作用もあります。亜麻仁油に含まれる「α −リノレン酸(ALA)」は、体内でDHAやEPAに変換され、脳の健康に役立ちます。サラダドレッシングや冷製料理に使うことで、手軽に良質な油を摂取できます。先ほども書きましたが、熱に非常に弱いので、冷暗所で保管し、加熱調理には絶対に使わないように気をつけてください。

▶︎くるみ
 見た目も脳に似ているくるみは、植物性のオメガ3脂肪酸・ALAが豊富です。くるみの定期的な摂取が、認知機能の改善に効果的とする研究があります。おやつや料理の付け合わせとして、毎日少しずつ摂取するのがおすすめです。

▶︎オリーブオイル
 オリーブオイルの主成分はオメガ9脂肪酸の「オレイン酸」ですが、ポリフェノールなどの抗酸化物質も豊富に含んでいます。これらの成分によって、脳の炎症を抑え、酸化ストレスから脳を守る健康効果が期待されています。たとえば、オリーブオイルの摂取量が多い人ほど、認知機能低下のリスクが低いことを示す大規模な疫学研究があります。また、オリーブオイルに含まれる「オレオカンタール」という成分が、アルツハイマー型認知症の研究で注目されるたんぱく質「タウ」の蓄積を減少させる可能性も報告されています。

 オメガ9脂肪酸が豊富で、ビタミンもバランスよく摂取できるアボカド。脳の血流を改善する効果があり、アボカドの摂取が認知機能向上と関連していることを示唆する研究もあります。これらの食品から良質な油を摂取することで、脳の正常な構造を維持し、機能を向上させることが期待できます。ただし、油は高カロリーなので、適量を守ることが大切です。


⚫︎脳の炎症を抑える食品
 慢性的な脳の炎症は、認知機能の低下や神経変性疾患のリスク増加を招きます。その悪影響を避けるには、抗炎症作用を持つ食品をとることが大切です。

▶︎ショウガ(生姜)
 古くから薬用植物として親しまれているショウガ。「ジンゲロール」や「ショウガオール」といったポリフェノールが豊富で、近年は脳への好影響が注目されています。これらの成分が脳の炎症を緩和する可能性を示唆する研究や、ショウガの摂取が認知機能の改善につながるとする研究もあります。すりおろして料理に入れたり、生姜茶を飲むことで簡単に摂取できるのもよい点です。

▶︎ブロッコリー🥦
 ブロッコリーは栄養価が高く、特にその抗炎症作用が注目されています。豊富に含まれるポリフェノール「スルフォラファン」が、脳の炎症を抑制する鍵となっています。ある研究では、スルフォラファンが脳の炎症を軽減し、酸化ストレスから脳を保護する可能性が示されています。また、ブロッコリーに豊富に含まれる抗酸化物質や葉酸も、脳の健康維持に重要な役割を果たします。加熱調理をするなら、栄養素を損なわないように食感を残す程度が理想です。

▶︎にんにく🧄
肝臓にもよい「アリシン」が豊富で、抗炎症作用と抗酸化作用があります。脳の炎症を抑制し、認知機能を維持する効果が期待されています。

▶︎トマト🍅
 さまざまながんの予防効果などでも有名な「リコピン」が豊富なトマト。リコピンには神経保護作用があり、脳の炎症を抑制し、酸化ストレスから脳を守る効果も期待されています。生で調理しても栄養価が高く、毎日の食事に取り入れやすい食材です。加工品ですが、トマトジュースも非常におすすめです。

▶︎パイナップル🍍
「ブロメライン」という酵素が豊富で、強力な抗炎症作用があります。ある研究では、ブロメラインが脳の炎症を軽減し、認知機能を改善する可能性が示唆されています。これらの食品を、日々のバランスのよい食事に取り入れれば、脳の炎症を抑制し、認知機能の維持・向上に役立つことが期待できます。


⚫︎体内から毒をデトックスし脳を守る
ここからは、この章でまだ触れていない理屈を簡単に説明しながら、その他の脳によい食事を紹介していきます。

▶︎解毒作用のあるパクチー、キャベツ、ルッコラ
 生活習慣病は、突き詰めると慢性炎症から始まります。体内で自覚症状のない炎症が続くと、血管にダメージが蓄積される。結果、高血圧や動脈硬化につながります。それだけでも命に関わる問題ですが、認知症のリスクも上がってしまいます。炎症を避け、血管を守る。これが、脳に限らず食事術の基本となります。
 その上で、もう一つのポイントになるのが「毒になる物質の排出」です。身の回りには、見えないホコリやカビ、排気ガスなどが舞っています。どれだけ気を遣っても、これらの体内への侵入機会はゼロにできません。これは食事にも言えることで、小さなイワシやサンマ、サバにも水銀は含まれています。ただ、マグロほどの量ではないので、基本的には人間の持つデトックス機能で排出できるわけです。裏を返せば、体に悪い物質を排出できないと、健康にも悪いということ。
 そこでおすすめなのが、香草のパクチー(コリアンダー)です。好き嫌いの分かれる食材ですが、ビタミンやミネラルが豊富で、水銀や鉛などの重金属を排出する作用もあります。水銀の多い大きな魚を食べるなら、せめてパクチーも一緒に食べましょう。
 肝臓の解毒機能を高める「イソチオシアネート」を含むキャベツも、デトックスに役立つ野菜です。抗酸化作用のあるビタミンCも豊富で、全身に効く素晴らしい食材です。春に出回る芽キャベツは、普通のキャベツより栄養価が高く、食物繊維も多いので特におすすめです。
 また、イソチオシアネートに加えて、肝臓をサポートする「グルコシノレート」もとれるルッコラもおすすめの野菜です。

▶︎ホモシステインを減らすブロッコリー
 認知症対策で意識したいのが「ホモシステイン」というアミノ酸の一種です。ホモシステインは、必須アミノ酸「メチオニン」をつくる際にできる中間代謝物です。メチオニンの代謝にはビタミンB群が必要で、ビタミンB6、B12、葉酸などのビタミンBが不足すると、ホモシステインが体内に溜まります。この「ホモシステインはあるが、メチオニンはつくれない」状態が続くと、ホモシステインが血液中に移っていきます。そうして血中濃度が15μmol/ℓを超えると「高ホモシステイン血症」となり、動脈硬化を引き起こし、認知症リスクも高くなってしまうのです。
 つまり、認知症対策にはビタミンB群も大切なのです。そこでおすすめの野菜が、先ほども登場した、葉酸やビタミンB1を豊富に含むブロッコリーです。ビタミンB1も、不足して「ビタミンB1欠乏症」になると、記憶障害や認知機能の低下につながるので、脳を守る上で重要な野菜です。また、先ほど紹介したパクチー、キャベツ、ルッコラもビタミンB群を豊富に含んでいます。


📗『結局、何を食べればいいのか? 』(アスコム)
この本の著者/本要約チャンネル
「真に役立つ知識を、誰にでも分かりやすく伝える」 を信念に、YouTubeチャンネル「本要約チャンネル」を運営。医学部在学中に起業し、チャンネル登録者数167万人、再生回数4億7千万回以上(2024年7月末時点)と、大きな支持を集めている。
 1万冊以上の書籍を読み、一日五冊もの読書を続ける生粋の本好きでもある。数々の健康書や難解な医学論文を分かりやすく解説した動画は、若者から高齢者まで幅広い世代から支持を集めている。ファスティングを取り入れた1日1食生活を実践するなど、健康的なライフスタイルを長年実践している。著書に『「読む」だけで終わりにしない読書術 1万冊を読んでわかった本当に人生を変える方法』(アスコム)がある。

▶︎ヨガジャーナルオンライン編集部
 ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信
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🦻気づいたときには老化で耳は遠くなっている…難聴の専門家が勧める「耳の寿命」を伸ばす最強の食材リスト 202408

2024-08-17 20:55:00 | 健康関連

気づいたときには老化で耳は遠くなっている…難聴の専門家が勧める「耳の寿命」を伸ばす最強の食材リスト
  プレジデントOnline より240817  木村 至信


 健康で長生きをするにはどうすればいいのか。耳鼻咽喉科医の木村至信さんは「耳の老化を防ぎ、聴力を保つことが大切だ。食生活を見直すことで『耳の寿命』を伸ばすことができる」という――。
※本稿は、木村至信『1万人の耳の悩みを解決した医師が教える 耳鳴りと難聴のリセット法』(アスコム)の一部を抜粋・編集したものです。

⚫︎人生100年時代、誰でも必ず「難聴」になる
 歳を重ねれば、身体のあちこちが老化します。日本人の平均寿命は世界でもトップクラスを誇ります。しかし、介護なしに暮らせる期間(いわゆる「健康寿命」)は、平均寿命よりも10年ぐらい短いというデータがあります。

「100歳まで生きる」のと「100歳まで健康でいる」のは違うのです。

 身体と同じように、耳も必ず老化します。歳を重ねれば、誰でもだんだん聞こえなくなってきます。これが「加齢性難聴」です。

 私たちのDNAには、「何歳まで生きるか」「目や鼻や耳などの知覚がいつまでしっかりしているか」、すべてあらかじめ書き込まれています。もちろん「耳の寿命」も書き込まれています。

 耳の老化そのものは防ぐことはできず、長生きすればするほど耳の老化も進みます。ですから、ほうっておけば誰でもいつかは加齢性難聴になります。

⚫︎耳は少しずつ悪くなっていく
「音が聞こえにくい」「言葉が聞き取りにくい」、あるいは「まったく聞こえない」という症状を、「難聴」と呼びます。私が日々、難聴の人を診察していて実感するのは、「いつ頃からどう悪くなったのか」を自覚していない患者さんがとても多いということです。

 診察室では、最初の問診で、次のような会話がよく交わされます。

【私】「ちょっと聞こえにくいなと、最初に感じたのっていつですか」
【患者さん】「う~ん、10年前ぐらいだったでしょうか」
【私】「10年ぐらい前?」
【患者さん】「いや、もっと前ですね。たぶん20年か30年ぐらい前……」

 なんてざっくりした時間感覚でしょう。
でも、難聴の患者さんにはこういうことが珍しくありません。
みなさん、ちゃんと覚えていないのです。
それは、その難聴が加齢によるものだからです。

 難聴はだいたい50代以降から始まり、本格的な症状に悩まされるのは60代以降です。難聴が50代に始まっているのに、耳鼻科に来るのは60代の半ばぐらいになってからの人がほとんどです。これはとても残念なことです。

⚫︎難聴は大きく分けると3種類ある
 難聴とは「聴覚障害」のひとつで、音を聞いたり区別したりする能力が落ちた状態です。音が「外耳→中耳→内耳」というルートで脳に伝えられるとき、どこかに問題が起きると、難聴が発症します。難聴は、その原因(どこで問題が起きたか、何の問題なのか)によって、次の3種類に分けられます。

・神経が障害されて起こる「感音(カンオン)性難聴」
・耳の機能が落ちて起こる「伝音(デンオン)性難聴」
・この両方の要素で起こる「混合性難聴」
「感音」「伝音」と見慣れない言葉でややこしいので、この本では「カンオン」「デンオン」と親しみやすいカタカナで書くようにします。

◇デンオン性難聴
 音は聞こえているのに、言葉がクリアに聞き取れない難聴は「デンオン性」です。ザックリは聞こえるのですが、細かい子音が聞き取れずに、「ミカン」と言われたのに「イカン」に聞こえたりします。

 デンオン性難聴は、主に「鼓膜の動き」が悪いことで起きます(まれに耳小骨離断などもあります)。音は聞こえているので、音を感受する「聞こえの神経」の細胞(聴覚神経細胞)は生きています。

◇カンオン性難聴
 カンオン性難聴は、聞こえの「神経」そのものの問題で起こります。聞こえ方がストンと低下するのは、カンオン性難聴です。音がとびとびに聞こえたりします。

 カンオン性難聴は、脳の問題に近いともいえます。耳の奥にある「内耳」や、さらにその先での障害で、音を感じる「神経」に問題が起こっている状態です。

 神経というのは、要は電気のコードのようなものだと思ってください。途中で断線していれば、どんなに頑張ってコンセントを差し込んでも電気がつかないように、神経が障害されていると音は届きません。

⚫︎ほとんどの「加齢性難聴」は2種類のミックスタイプ
 デンオン性とカンオン性の2つが混合した難聴は、「混合性難聴」と呼ばれます。そして加齢による難聴のほとんどが、「混合性難聴」です。
 つまり、「デンオン性」と「カンオン性」が混じっているタイプです。どちらかひとつしかない人は、ほとんどいません。

 ここが大切なポイントですが、デンオン性の難聴は改善できます。
言い換えるとカンオン性の難聴は回復しにくいのですが、たいていの人が混合性の難聴なので、デンオン性による問題を改善できれば難聴をある程度まで治せるということです。

 あなたにデンオン性難聴があるかどうかは、最終的には耳鼻科で検査を受けなければ判明しませんが、自分でも見当がつく判断基準があります。

□自分の声が頭の中で響く
□こもったように聞こえる
□音は聞こえるがビビッドでなく、言葉の輪郭がはっきりしない
(「そうなんだよ」が「おうなんだよ」と聞こえるなど)
□慢性鼻炎がある
□喘息がある

 チェックリストの中に「喘息がある」という項目があることを不思議に思った人もいるかもしれません。実際、喘息の人はデンオン性難聴になりやすいのです。それは、喘息だと好酸球性副鼻腔炎、好酸球性中耳炎、特にお子さんは滲出性中耳炎になりやすく、それらの病気がデンオン性難聴の原因になるからです。
 チェックリストでひとつでも当てはまるようであれば、「デンオン性難聴」を疑っていいでしょう。

⚫︎「耳の疲労」が耳の寿命を縮める
「聞こえの神経」の細胞は主に「疲労」によって非常に劣化します。つまり、耳を酷使していると、耳の寿命は縮まります。早いうちに加齢性難聴を発症すれば、耳の不自由な後半生を生きることになります。
 逆に、ちゃんとセルフケアをすれば、その発症を遅らせることも、発症した加齢性難聴をUターンさせることもできます。

 たとえば、日常生活でも次のようなことに気をつけるだけで、耳が疲れ切ってしまうのをかなり防ぐことができます。

1.テレビドラマの視聴や、会議インカムの使用は2時間以上続けない。使用した後はしっかり休む
2.イヤホンは1回1時間以内。音量は必ず下げる
3.イヤホンのノイズキャンセリング機能はOKだが、長時間使うのはNG
4.工場や工事現場などでは、できるだけ耳栓をする
5.カラオケ、コンサートでは、ライブ用の耳栓を活用

⚫︎ビタミンB12で内耳の血流を促す
 さて、疲れた耳をケアする食生活での工夫を紹介していきます。ほぼすべての耳鼻科医が難聴に処方する「メチコバール」という薬があります。この薬の有効成分は、ビタミンB12です。
 ビタミンB12は、内耳の機能を改善します。さらに、細胞の発育や機能を正常に保ちます。特に血液を作るのに欠かせません。神経の働きにも重要です。ビタミンB12が不足すると、末梢神経の働きが悪くなり、耳鳴りや難聴が起きやすくなります。

 ですから医師は、耳鳴り、難聴、めまいなどで神経障害が疑われる場合にも処方します。昔からある薬で、すぐに大きな効き目があるとはいえませんが、副作用の心配はありません。
「ビタミンB12」は栄養素ですから、食品でも摂ることができます。特にシジミやアサリなどの貝類に多く、サンマやイワシなどの青魚、牛・豚・鶏肉のレバー、卵やチーズにもたくさん含まれています。海苔にも少し含まれています。

⚫︎ビタミンB1と亜鉛も耳にいい栄養素
 ビタミンB12に限らず、ビタミンB群は耳のために積極的に摂りたい栄養素です。「ビタミンB1」もまた、末梢神経や中枢神経の働きをよくする働きがあるので、積極的に摂ってください。ビタミンB1は、豚肉、大豆、ゴマ、玄米、鰻などにたくさん含まれています。

「亜鉛」は内耳の蝸牛(かぎゅう)にたくさん含まれている栄養素なので、不足させてはいけません。蝸牛は音の信号を電気信号に変換するところです。
 亜鉛を多く含む食品は、牡蠣、カタクチイワシ、牛肉、豚のレバーやワカメなどです。ちなみに、体内の亜鉛値が少なくなると味覚障害が起きます。
 なお、栄養素ではありませんが、血液の循環を滞らせないために「水分」はしっかり補給してください。

⚫︎耳鳴りやめまいには、舞茸、バナナ、炭酸水がおすすめ
 耳鳴りやめまいに効果が期待できる食べ物も挙げておきましょう。
耳鳴りで処方される「ストミン」という薬は、ニコチン酸アミド(ビタミンB3やナイアシンとも呼ばれます)とパパベリン(平滑筋に作用して血管を拡張します)の配合剤です。食材なら、舞茸やバナナにビタミンB3はたくさん入っています。3時のおやつにはバナナがおすすめです。

 耳からくる回転性めまいで処方される「ベタヒスチンメシル」という薬は、食材でいえばベーキングパウダーや炭酸水のようなものと思っていいでしょう。めまいが起きそうな日は、ランチに炭酸水と蒸しパンがおすすめです。

📗木村至信『1万人の耳の悩みを解決した医師が教える 耳鳴りと難聴のリセット法』(アスコム)

 デンオン性難聴を改善するには「血行をよくすること」がポイントです。つまり、血管・血液によくない食べ物は、耳にもよくない食べ物だということです。
 糖分・塩分・油分はどれも身体に必要ですが、多過ぎると血管に障害を与え、血流を悪くします。

 食べ物に含まれる栄養素はすべて、血液を通して全身の細胞に届けられます。耳の細胞も同じですから、血液を通して、よい栄養を自分の体に与えるようにしてください。暴飲暴食は、耳も傷めることになります。

 耳のマッサージを勧めた患者さんから、「お酒を飲むと耳が赤くなるんですが、それって耳の血行がよくなるということですよね? お酒は耳にいいってことですよね?」と聞かれたことがあります。残念ながら、勘違いです。耳の中の粘膜はアルコールで腫れるので、逆効果です。

⚫︎あきらめがちな耳の衰えこそセルフケアが必要
 身体のあちこちで老化は進みますが、どれも徐々に衰えるので、私たちは不便に慣れていきます。とはいえ、たいていの人は、目が衰えれば眼科を訪れて白内障の手術を受けたりします。
 ところが耳が衰えても、耳鼻科を訪れて相談する人が少ないのです。目も耳も大切な感覚器なのに、なぜでしょう。

 徐々に衰え、徐々に不便になっていくことに「なんとなく気づいている」人は、「なんとなく慣れてしまう」ものです。実際の生活の質がかなり落ちているのに、「高齢なんだから、こんなものだ」とあきらめているのです。

 目のように角膜移植や白内障手術のような劇的な治療法が耳にはないことも大きな要因です。「人工内耳」という人工臓器を付ける手術はありますが、課題もあって白内障手術のように普及していません。劇的な治療法がないからこそ、早い段階での耳のセルフケアが必要なのです。

木村 至信(きむら・しのぶ) 耳鼻咽喉科医
医学博士、耳鼻咽喉科、頭頚部外科。専門は音声学・癌・難聴遺伝子。信州大学病院に勤務後、難聴遺伝子、遺伝子解析研究のスペシャリストとして厚生省で研究に携わり、米国ネブラスカ州国立リサーチ病院に留学、研究を続ける。大学病院での高度医療、癌センターでのオペ研修など医療のトップレベルで15年以上勤務。横浜市大医学部にて医学博士を取得。現在、横浜市内のクリニックで地域密着の診療に従事。著書に『 1万人の耳の悩みを解決した医師が教える 耳鳴りと難聴のリセット法』(アスコム)がある。
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オリーブオイルで「認知症」死亡リスク28%減少! ハーバード大の研究結果 202406

2024-06-03 16:51:00 | 健康関連

オリーブオイルで「認知症」死亡リスク28%減少! ハーバード大の研究結果
 Medical DOC(メディカルドック) より 240603 


 アメリカのハーバード大学らの研究グループは、「オリーブオイルの摂取と認知症関連死亡リスクとの関連を検討した結果、1日あたり7g以上を摂取する群では、ほとんど、もしくは全く摂取しない群と比べて認知症関連死亡リスクが28%低かった」と発表しました。
 この内容について中路医師に伺いました。

▶︎監修医師:中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)
 1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。
研究グループが発表した内容とは?
アメリカのハーバード大学らの研究グループが発表した内容について教えてください。

ー中路先生
 今回紹介する研究はハーバード大学らの研究グループが実施したもので、研究結果は学術誌「JAMA Network Open」に掲載されています。 
 研究グループは9万2383人を対象に、約28年間の追跡期間を設けました。その間に発生した認知症関連死は4751人でした。
 解析の結果、オリーブオイルの摂取量が多いほど認知症関連死亡リスクが低くなる結果となりました。オリーブオイルを非摂取または1カ月あたり1回未満摂取群を対照群とした場合、最もオリーブオイルを摂取した7g/日超摂取群ではリスクが28%低くなりました。
 また、地中海食スコアなどの食事の質を加味した解析をおこなうと、オリーブオイルの高摂取量群における認知症関連死亡リスクは、食事の質に関するスコアに関係なく、対照群と比較して有意に低かったことがわかりました。 
 
 研究グループは、ほかの脂質をオリーブオイルに置き換えた場合の影響も研究しています。脂質5g/日を同じ量のオリーブオイルに置き換えた場合、マヨネーズでは認知症関連死亡リスクが14%低下しました。
 同様の方法でマーガリンで置き換えた場合も、認知症関連死亡リスクが8%低下しています。一方、そのほかの植物油やバターでは、有意なリスク低下は認められませんでした。 研究グループは、今回の研究結果について「オリーブオイルを多く摂取するアメリカの成人は、食事の質に関係なく認知症関連死亡リスクが低かった。
 この結果は、オリーブオイルなどの植物油の使用を推奨する現行の食事指針が、心血管疾患の予防だけでなく認知症の予防にも当てはまることを示すものだ」とコメントしています。

⚫︎研究の背景とは?
 アメリカのハーバード大学らの研究グループが今回の研究を実施した背景を教えてください。
ー中路先生
 今回の研究の背景として、高齢者の3分の1がアルツハイマー病やそのほかの認知症で死亡していることが研究論文で挙げられています。健康的と話題になることも多い地中海食の一部として、オリーブオイルは注目をされています。
 これまでの研究では、「地中海食の遵守と組み合わせた6.5年間にわたるオリーブオイルの摂取が認知機能低下を予防する」というエビデンスが示されています。 研究グループは、こうした先行研究のほとんどが地中海沿岸諸国で実施されたものなので、オリーブオイルの摂取量が少ない傾向にあるアメリカで研究することに注目しました。
 最近のアメリカ人のための食事ガイドラインでは、地中海料理などの特定の食事パターンが2型糖尿病を含む慢性疾患の予防に関連していることから、全体的な食事パターンに焦点が当てられています。ただ、こうした食事パターンによって食事摂取の全体像が把握できる一方で、食事の機会、例えば食事と間食における洞察は得られない可能性があることに、研究グループは着目しました。

⚫︎研究グループが発表した内容への受け止めは?
 アメリカのハーバード大学らの研究グループによる発表への受け止めを教えてください。
ー中路先生
 認知症の予防に、植物性食品を中心とし、オリーブオイルを主に使用した地中海食が有用であることは、以前より報告されてきました。本研究は、オリーブオイルと認知症による死亡リスクとの関連を初めて検討した大変興味深い研究であると考えます。
 ただし、両者の直接の因果関係を証明したものではないため、その点には注意すべきでしょう。また、オリーブオイルは植物油の一種で、高カロリー食品です。摂り過ぎると、糖尿病などの生活習慣病を発症し、かえって認知症リスクが高まるかもしれません。オリーブオイルの過剰摂取には注意が必要です。

⚫︎まとめ
 アメリカのハーバード大学らの研究グループは、オリーブオイルの摂取と認知症関連死亡リスクとの関連を検討した結果、1日あたり7g以上を摂取する群では、ほとんど、もしくは全く摂取しない群と比べて認知症関連死亡リスクが28%低かったと発表しました。
 オリーブオイルの健康効果を聞く機会は少なくないですが、今回の新たな発見にも注目が集まりそうです。
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