goo何気無い日々が心地よい安寧

何気無い日々が続く様に。生きていく事の大変さがカナン。ある種空気の様な存在になりたいもの。

🚶2024年10月 歩きまとめ 👣

2024-10-31 23:59:00 | 🚶纏_歩き総括
…先月同様,予報は短時間で変更多く…今月も結果的に雨降らずが…散策範囲近所に…
 今月もクラシック音楽鑑賞!大フィル:田園,懐かしい。
下旬,遂に遅い堤防土手草刈り、やっとスッキリ宇治川堤防道歩き易く◎
 散歩散策は真昼間基本は変えずで今月も人出少なく気楽

 下旬)ベランダ側面•開放部と更に日除けシート,簾ほぼ設置外す,
 暮れると秋,過ごし易く下旬になり日々肌寒い風がやっと晩秋らしく
 衣替えも下旬に。
 でも紅葉にはほど遠く緑残る
今年は冷暖房未使用達成!
 

         (百歩)
28:👫🚙〜城陽Alp🚶…木津川右岸堤防道…山城大橋 107
27:🚶…賀茂川…コンサートホール:大フィル田園👂:  129
25:👫〜龍谷ミュージアム「眷族」 107
21:👫〜大正区民ホール👂〜梅田大丸;ゴジラストア  111
20:🚶…京大宇治C:エネルギー理工研 106
17:🚶…御苑界隈寺社7社…アルティ;ブランデンブルグ協奏曲全👂 161
12:🚶… 蔵林寺,西導寺 103
11:🚶…下鴨神社…コンサートホール🎶京響:展覧会の絵…146
8:🚶〜北山-コンサートホール,歴彩館…下鴨神社…丸太町 118
5:🚶…安養寺,恵心院,放生院 拝観 104
1:🚶…宇治散歩コース①黄檗…隠元橋…太閤堤跡公園 122

累計 3,686,370歩

10月 365103歩+
9月 350713歩+
8月 377006歩
7月 362564歩+
6月 346440歩+2kg
5月 361763歩+2kg
4月 352018歩+2kg
3月 359840歩+2kg
2月 347102歩+2kg
1月 390318歩+3kg

🚶‍♂️34万歩越:2019/05〜68ヶ月連続🎉
  今月は35万歩越!
🚶‍♂️2020/2/8〜日1万歩越連続,末:1728日
 今月も運良く日々1万歩越継続:安寧平穏な日々が更に続きます様に…
🚶‍♂️‘19/10/21~日9千歩越継続:末:1838日
🏆年累計435万歩越(5年連続:2019~23)

 @@ 済 @@
🏆年累計440万歩越(4年連続:2019~22)
🏆35万歩越:2019/06~22/01=36ケ月連続

















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⚠️ 「6メートル以上の揺れ」が「10分以上」続くかもしれない…近畿圏を襲う「巨大地震」のすさまじさ 2024/10

2024-10-31 22:43:00 | 気になる モノ・コト

「6メートル以上の揺れ」が「10分以上」続くかもしれない…近畿圏を襲う「巨大地震」のすさまじさ
 現代ビジネス より 241031 
 山村 武彦(防災システム研究所 所長・防災・危機管理アドバイザー)


⚫︎タワマンや高層オフィスに「飛ばされ防止手すり」
 東日本大震災の時、震源から約700km離れた大阪府咲洲庁舎(愛称:さきしまコスモタワー)を周期6~7秒の長周期地震動が襲った。咲州庁舎は大阪湾に面した大阪市住之江区南港北(咲洲)の人工島にある。高さ256m、地上55階・地下3階建ての超高層ビル。
 大阪府の調査によると、地上の最大震度は「震度3」だったにもかかわらず、咲州庁舎の大揺れは約10分間続き、最上階の52階では短辺方向片側に最大1.37m、長辺方向に0.86mの揺れ幅だった。
 咲州庁舎・咲州コスモタワーの主な被害は、内装材や防火戸等の一部で破損が合計360ヶ所。内訳は「中央廊下の防火戸のゆがみ49ヵ所」「消火栓上部鉄板のへこみ33ヵ所」「事務所・テナントの天井の落下・床の浮き59ヵ所」「階段室の壁面ボードのゆがみ・亀裂・落下72ヵ所」「階段室床面の浮き・亀裂・はがれ8ヵ所」「中央廊下・居室内の壁面ボード亀裂・パネル落下110ヵ所」「電気室吹き付け材の落下4ヵ所」「トイレ洗面台の排水トラップの損傷・その他25ヵ所」。また、エレベーター全32基が停止。うち25基は地震時管制運転装置が正常に作動したものだったが、4基でロープの絡まりにより男性5人が閉じこめられ、全員救助まで5時間近くかかった。24時間以上過ぎた12日夜になっても、エレベーター8基がすぐに復旧しなかったという。
 咲州庁舎に近い天保山では約60cmの津波が到達している。これが、南海トラフ巨大地震だったら……。

 令和6年能登半島地震の約8か月前、23年5月5日14時42分、石川県能登地方で地震が発生。震源は能登地方で震源の深さは10km、マグニチュードは6.3で、石川県珠洲市で最大震度6強が観測された。
 私は何度が珠洲市に調査に行っているが、この地方では数年前から群発地震が発生していたが、今回はいつもより少し大きな地震だった。この地震による被害は、死者1人、重軽傷者34人、建物被害は354棟、土砂災害も数十件発生している。

 驚いたのはその後である。震源地石川県能登地方から約300km離れた大阪の「あべのハルカス(地上60階、高さ300m)」で、エレベーター4基のうち3基が地震発生4分後に緊急停止した。そのうち60階展望台までのエレベーター2基も緊急停止している。あべのハルカスのある大阪市阿倍野区は震度1だったのに……。
 ビル管理者によると、エレベーターは地震時管制運転装置が揺れを感知して、最寄り階に緊急停止し扉を開いて利用客を下し利用客に大きな影響はなかったという。つまり、エレベーターの安全装置が正常に働いたことになる。エレベーターの感震装置が捉えた揺れは長周期地震動であろう。短周期の揺れは距離に反比例して地震波が減衰し弱くなっていく。

 一方で東日本大震災の咲州庁舎の時と同じように、長周期地震動は減衰することなく、地震波が遠くまで伝播するのが特徴だ。ただ、この日の地震では、大阪市内のほかの高層ビルでエレベーター緊急停止は起きていない。
 通常、エレベーターは短周期地震動で震度4~5程度で緊急停止するように地震時管制運転装置が設定されている。あべのハルカスだけが緊急停止したということは、あべのハルカスビルの固有周期と、伝播してきた長周期地震動がたまたま共振して緊急停止したか、長周期地震動に関する感震停止装置の設定が過敏だったものと思われる。
 いずれにしても、長周期地震動のすごさを再確認した事例だった。

 国のモデル検討会では、近畿圏の一部では揺れ幅6m以上の長周期地震動が10分以上続く可能性があると推計している。とくに00年以前に建てられ、長周期地震動対策ができていない超高層建物では、激しい揺れが襲うと思われる。
 超高層ビルの上層階が6m以上揺れるとすると、高層オフィスやタワーマンションの上層階でも、揺れ幅4~5m以上の揺れになる可能性がある。固定していない家具類が吹っ飛んだり、倒れたり、大きく移動する可能性がある。人が立っていられない揺れで、何かにつかまらなければ飛ばされる危険性がある。
 こうした過去に経験したことのない大揺れに備えるために今やることは、当然、事前にすべての家具や電化製品をしっかり固定すること。そして、人が大揺れで飛ばされないように安全ゾーンを設定し、そこの堅固な壁や床などに「飛ばされ防止手すり」を複数個所設置する必要がある。
 長周期地震動対策については、前述した<じつは「南海トラフ巨大地震」では「東京」も大きな被害…その具体的な想定の数値>、<名古屋を「とてつもない揺れ」が襲う…「南海トラフ巨大地震」発生時の「愛知県の凄すぎる被害想定」>の項を参照。

 さらに関連記事<「南海トラフ巨大地震」は必ず起きる…そのとき「日本中」を襲う「衝撃的な事態」>では、内閣府が出している情報をもとに、広範に及ぶ地震の影響を解説する。
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🚙〜定期点検🚶…向島中央公園,Alp📚🛒 241031

2024-10-31 21:18:00 | 🚶 歩く
🚙定期点検に,◎。槙島東側農地,未だ稲刈り中。

🚙〜ディラ/定期点検◎🚶…向島中央公園…近鉄向島駅前…京都/宇治市境…ディラ🚙〜🏠🚶…右岸堤防道…宇治橋…巨椋池水の道…槙島(菌場…槙島公園…北内…幡貫…郡)…宇治川橋…Alp📚👫🛒…>
🚶11696歩2kg

☁️:曇天:風穏やか:肌寒い
向島中央公園は未だ未だ夏?

📚日本の名城21



向島中央公園の水場3









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ネタバレ考察】『ゴジラ-1.0』ラストを解説!典子の首の痣(あざ)は何を意味している? 2024/10

2024-10-31 01:59:12 | スカパー 放送予定控 & 映画 予定 &TV 予定

【ネタバレ考察】『ゴジラ-1.0』ラストを解説!典子の首の痣(あざ)は何を意味している?
 ciatr編集部  より241031 


 日本を代表する特撮怪獣映画ゴジラの最新作「ゴジラ-1.0(マイナスワン)」。

 本作は2023年度の国内外の映画賞で作品賞や視覚効果賞を次々に受賞し、特に日本アカデミー賞では12部門を制覇し、米アカデミー賞でアジア映画史上初の視覚効果賞を受賞した超話題作です!

 この記事では本作品をより楽しむためのポイントや気になる謎を徹底解説。
ラストシーンの意味や典子の首の痣に込められた意味とは?

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>ラストシーンの2つの伏線を考察
【ネタバレなし】「ゴジラ-1.0(マイナスワン)」あらすじ・概要

 ゴジラ70周年記念作品となる『ゴジラ-1.0』は、日本版ゴジラとしては『シン・ゴジラ』(2016年)以来の制作で、通算30作目となります。
 特撮怪獣映画の「ゴジラ」シリーズとして原点である1作目『ゴジラ』が公開されたのが、戦後9年後の1954年の事。それから現在に至るまで数々の名作ゴジラ映画が生まれ、2023年に『ゴジラ-1.0』が最新作として公開されました。

 半世紀以上にも及ぶシリーズの到達点として、『ゴジラ-1.0』がアカデミー賞受賞をはじめ海外でも高い評価を得たことは、特撮怪獣映画の歴史でも最高の栄誉といえるでしょう。
 ゴジラが放射能の被ばくによって生まれ、テーマに反戦を掲げていることを世界に発信できたことも大きな成果です。

🦖『ゴジラ-1.0』のあらすじ
 太平洋戦争が終結し、多くの都市部が消失した日本は“無(ゼロ)”と化していました。
出兵するも、出撃直前で逃げてしまったことに後ろめたさを感じている敷島浩一(演・神木隆之介)。彼は帰国後、一人で赤子を育てる大石典子(演・浜辺美波)と出会います。
 虚無と喪失のなかから人々が立ち上がろうとした矢先、巨大怪獣ゴジラが日本に上陸。戦争で“無(ゼロ)”となった日本の人々を“負(マイナス)”と突き落とします。


>映画に込められた反戦のメッセージとは?
>ラストシーンの2つの伏線を考察
【ネタバレ】『ゴジラ-1.0』の謎とは?典子のあざ・敬礼・最後の描写の意味

【考察①】典子の首の痣(あざ)はゴジラ化を暗喩?
 ゴジラを倒したのち、病院で再会した敷島と典子。涙と安堵の中、抱き合う2人ですが、典子の首筋には何やら怪しげな黒いあざが。このあざは、単純にゴジラの熱線(放射線)を浴びたことへの後遺症なのでしょうか。

 そもそも、原爆と近しいゴジラの熱線を近距離で受けて生きているのは、いくら映画といえど出来すぎています。『小説版 ゴジラ-1.0』では、典子の首のあざについて「這い上がってきた」と形容されていて、放射線よりも生物的な後遺症が暗喩されています。
 そこで考えられるのは、熱線を受けた時何らかの形でゴジラの細胞(通称:G細胞)が典子に付着した可能性です。これならば、典子が生き延びることができたのも、ゴジラの超再生力のおかげだと説明がつきます。

 G細胞は過去作にも登場しており、シリーズ17作目『ゴジラ対ビオランテ』(1989年)は植物がG細胞を取り込んだ結果、怪獣化するというシナリオ。21作目『ゴジラvsスペースゴジラ』(1994年)では宇宙に飛散したG細胞によってスペースゴジラが誕生しています。

 山崎監督が典子のあざに言及!
 2024年4月に大阪で開催された「ゴジラ・フェス」で、山崎貴監督は典子の首の黒いあざが「G細胞」であることを明言しています。しかもこの描写を入れることにしたのは、「典子が死んでしまっては、がんばって帰ってきた敷島が可哀想だから」とのこと!

 わかる人がわかってくれればいいという思いで、こっそりと典子の首筋に黒いあざを足して撮影したのだとか。しかしこれによって続編の可能性も見え、加えて黒いあざを放射能被ばくのメタファーとして見せることでさらなる反戦の意志を伝えることにも成功しました。

【考察②】人々は最後なぜゴジラに敬礼したのか?
 ワダツミ作戦を経て、ゴジラの討伐に成功した人々。崩れ行くゴジラを見て敬礼を始めた彼らに戸惑った人も多いのではないでしょうか。敷島に対しての敬礼かとも考えられますが、ノベライズ版では「ゴジラに向かって」敬礼したと明記されているのです。

 ここで注目したいのが、作戦に参加した多くの人々が、兵士として戦争を経験していること。戦争で多くの仲間を失った一方で、自らの手で人を殺めてもいるはずです。彼らは、戦争という場において、一人の人間が加害者にも被害者にもなりうることを理解していたのです。
 だからこそ、ゴジラに対しても、ただの「敵」、加害者とは捉えず、人間による核実験の被害者としての側面も理解し、敬礼をしたと考えられます。

【考察③】ラストシーンは初代『ゴジラ』に繋がるのか
1954年に公開されたシリーズ1作目『ゴジラ』は、終戦から9年後、人々の生活もようやく安定してきたころを舞台としています。そして『ゴジラ-1.0』は、まさに終戦直後の1945年が舞台となっています。
 1作目の時代設定より以前の出来事を描く大きな挑戦でしたが、本作のエンディングでは、ゴジラ復活を示唆するようなシーンがあったため、その後ゴジラが再び日本に上陸して、1作目のような物語が展開されてもおかしくはないでしょう。
 ラストシーンでは海中に沈んでいくゴジラの肉片が、ボコボコと音を立てて増殖しつつある様子が映し出されていました。
 もちろん1作目は人類が初めてゴジラに対峙する様子を描いているので、人々の反応などはきれいにつながるとは言えませんが、ゴジラの基本設定は共通しています。


🦖【ネタバレあらすじ】『ゴジラ-1.0』を結末まで解説!
【起】生き延びてしまった元特攻隊員・敷島
 太平洋戦争末期。特攻隊員の敷島は、零戦の故障で大戸島の守備隊基地に着陸します。しかしベテラン整備兵の橘は、戦闘機に異常がないことから敷島が特攻から逃げてきたことを悟ります。

 その夜、巨大な恐竜のような生物が基地に襲来し、ある整備兵は、それが島の伝説にある「呉爾羅(ゴジラ)」ではないかと口にします。橘は敷島に零戦に搭載された砲弾で攻撃するように言いますが、怖気づいた敷島は攻撃できません。その結果、橘と敷島を残して部隊は全滅してしまいました。

 1945年の冬、焼け野原になった東京に帰ってきた敷島は、隣に住む澄子から両親が空襲で亡くなったことを知らされます。厳しい生活のなか、彼は闇市で空襲中に託された赤ん坊・明子を抱えた典子と出会い、成り行きで共同生活をすることに。

 やがて敷島は、米軍が残した機雷撤去の仕事に就きます。生き残ったことに後ろめたさを感じていた彼は、命の危険が伴う仕事を選んだのです。収入を得た敷島は家を建て直し、仕事を通じて知り合った秋津、野田、水島とも親しくなりました。

【承】ゴジラ、東京を蹂躙。ゼロがマイナスへ。
 1946年の夏、ビキニ環礁で行われた米軍の核実験によって被爆したゴジラはさらに巨大化し、放射線を放つようになりました。その後、米軍の船舶が被害を受ける事故が続発。ゴジラは日本に近づいているようです。

 そんななか、敷島たちが乗る「新生丸」に、重巡洋艦・高雄が日本の海域に戻るまで、ゴジラを足止めするよう命令が下ります。ゴジラに襲われた彼らは、回収した機雷をゴジラの口の中に放り込み、機銃で撃って爆発させます。すると多少の効果はあったものの、すぐにゴジラの再生能力で傷は塞がってしまいました。
 絶体絶命と思われたとき、高雄が到着しゴジラを攻撃。しかしゴジラが吐いた青い熱戦によって高雄は海の藻屑と消えてしまいます。

 その後、典子は明子とともに自立するため、銀座のデパートで働き始めます。ある日、秋津たちと酒を飲んでいた敷島は、なぜ典子と結婚しないのかと詰め寄られ、「自分の戦争はまだ終わっていない」と答えました。
 そんな折、ゴジラが銀座に上陸。典子の身を案じた敷島は彼女のもとへ駆けつけますが、ゴジラの放った熱線の爆風によって典子は吹き飛ばされてしまいます。

絶望した敷島は、秋津たちからゴジラ討伐作戦に誘われます。

【転】ワダツミ作戦が始動、民間でゴジラ討伐を目指す
 元海軍の兵士をメインとした民間のゴジラ討伐部隊が結成され、戦時中に兵器の開発に携わっていた野田は、「ワダツミ作戦」を発案します。
 それは、ゴジラをフロンガスの泡で包み込んで一気に深海まで沈め、その急激な水圧の変化によってゴジラを倒すというものでした。さらに二次攻撃として、海中で大きな浮袋を膨らませゴジラを海面まで引き上げることで、急激な減圧によって息の根を止める作戦です。戦争を生き抜いた民間人たちは、ゴジラとの戦いを決意します。

 一方、敷島は野田たちとは別に独自のやり方でゴジラに立ち向かうことを決めていました。野田にゴジラを誘導するための戦闘機を探してもらうと、彼は開発段階で終戦を迎え、実践で活躍することのなかった最新の戦闘機「震電」を見つけてきました。
 敷島は機体の修復のために橘を探し出します。敷島は「震電」に砲弾を数多く搭載し、ゴジラの口の中へ“特攻”することを決めていたのです。

【結末】ワダツミ作戦開始、「生きて、抗う」ことはできるのか
 ワダツミ作戦決行当日、ゴジラは予想より早く東京に上陸します。しかし戦闘機に乗った敷島は、ゴジラを相模湾沖まで誘導することに成功。

 充分な深さのある海域まで誘導すると、野田の指示で2艘の戦艦がゴジラの周りを取り囲み、フロン爆弾を爆発させます。作戦通りゴジラは海底に沈み、動きが鈍くなりました。そして第二段階、浮袋でゴジラを浮上させようとしますが、装置がうまく働きません。
 そこで一か八か、2艘の戦艦でゴジラを引き上げる作戦に変更。しかし2艘だけでは引き上げる力が弱く、誰もがあきらめかけたとき、水島が多くの民間の船を率いて加勢します。こうして引き上げに成功しますが、ゴジラは息絶えておらず、放射熱線を放とうとしました。

 そこへ敷島の乗った戦闘機が飛来し、ゴジラの口の中に特攻。爆弾を爆発させ、ゴジラの頭を吹き飛ばすことに成功します。
 野田や秋津が敷島の身を案じていると、空中でパラシュートが開きます。橘は戦闘機に脱出装置をつけていたのです。無事に帰還した敷島は、仲間たちに敬礼で迎えられました。

【その後】真の終戦、再生へと向かう人々
 家に戻った敷島は澄子から電報を渡され、明子とともに病院に向かいます。そこには典子がおり、重傷を負ってはいたものの、意識もはっきりしていました。

「あなたの戦争は終わりましたか?」と言う典子を抱きしめ、敷島は涙を流しながら頷きます。しかし典子の首には、黒いアザのようなものが浮き上がっていました。

一方、海中ではゴジラの肉片と思われるものが漂い、再生しようとしていました。

【考察】「生きて、抗う」に込められた反戦・反核のメッセージ
敷島の脱出から見る戦争との決別
死ぬためではない、生きるための戦い
特攻隊員としての任務を放棄し、大戸島でもゴジラを目の前にして逃げてしまった敷島。「僕の中の戦争がまだ終わっていない」と語り、戦後もずっと生き残ってしまった罪悪感=サバイバーズ・ギルトを抱えて生きていました。

 しかしワダツミ作戦に参加することで、特攻のように「お国のために死ぬ」のではなく、「生きて抗う」ために自らゴジラに特攻を仕かける覚悟が生まれます。

 途中まではゴジラへの特攻で死ぬ覚悟を持っていたと思われる敷島ですが、典子や橘の言葉で生きることを選び、死なずに脱出する決断をしたのです。“特攻しても死なずに帰る”ということは、特攻で死んでいった仲間たちへの鎮魂の意味があり、戦争との決別でもあったかもしれません。
 ワダツミ作戦に参加した人々もまた、サバイバーズ・ギルトに苦しむ復員兵たち。同じ痛みを知る者同士だったからこそできた「誰も死なせない」作戦だったのでしょう。
 お上や政府ではない......。「民間人」が戦後を支えるという自負
生き残った者たちの「終戦」を描く映画として、本作には復興への伏線が多く見られます。特に、ワダツミ作戦を主導したのが、有志の民間人であったことは、戦後の日本を民間人が支えていく礎になっているのではないでしょうか。

 ワダツミ作戦を通して人々は、戦後のゼロ以下の「負(マイナス)」の状況を、自分たちの力で「正(プラス)」に好転させる経験をしました。この経験から、これからの日本を自分たちが支えていくという自負が、人々の間に芽生えたはずです。

 戦後間もない頃は、これまでの価値観が180度変わった混乱期。根底には機能不全に陥っていた政府への不信感が大きく、自分たちの力で未来を切り開く意志が強かったように感じます。これは現代でも通じるビジョンであり、国が機能不全に陥った際に民間が結束するという様子は『シン・ゴジラ』でも描かれていました。

⚫︎ただのハッピーエンドではない?戦争・核が残す爪痕の生々しさ
   忘れてはならない核の長期的な影響
 物語の中盤、ゴジラが銀座で放射能を吐き、町ごとなぎ倒されたシーン。そこで典子は吹き飛ばされ、またもや1人生き残った敷島が黒い雨に打たれながら悲痛な叫び声を上げました。
 これは明らかに原爆を落とされた広島・長崎の様子をイメージしており、この黒い雨は放射性物質を含んだ人体に有害なもの。黒い雨を浴びた敷島も当然、被ばくしていると考えられます。
 そしてこの爆風から生き残った典子も、おそらくG細胞によって再生したとはいえ、確実に被ばくしています。典子の首の黒いあざは放射能汚染と原爆症の印であり、今後も長期的に続くであろう戦争と核の物理的な爪痕として描かれているのです。
 それを強く感じられるのが、エンドロール前のゴジラ復活の予兆。海中に沈んだゴジラの肉片が再生し始めていることこそ、最も強い反戦のメッセージと核拡散への警告といえるでしょう。

⚫︎人々の精神性をも変えてしまう戦争
 敷島が典子に会ったばかりの頃、赤ん坊を抱えて生活できるかどうかという戦後の貧困の中で、こんな会話をしています。
 典子「パンパンにでもなれって?」
 敷島「このご時世ですよ。頼るところがなければ仕方ないでしょう」
ここで敷島が言っている「パンパン」とは、アメリカ兵相手に身を売る女性のこと。その多くは戦争で家族や財産を失った女性が、困窮する生活のために行っていました。

 敷島のような青年が、出会ったばかりの典子のような若い女性の売春を肯定する発言をするほど、当時は切羽詰まっていて諦めのムードが蔓延していたのでしょう。
 戦争が人々の心もネガティブにしてマイナスに変え、その精神性をも変えてしまうことがよくわかるシーンです。


【小ネタ】劇中の胸熱すぎるオマージュを解説
  破壊シーンの随所に感じる初代へのオマージュ

 本作でゴジラが最初に日本本土に上陸したとき、ゴジラは品川沖から銀座に向かいました。これは、1作目『ゴジラ』の初代ゴジラが通ったのと同じ道筋です。銀座の街並みや国会議事堂を破壊するシーンなども、1作目のオマージュとなっています。

 またゴジラが銀座を襲撃したときには、ゴジラが放射熱線を発した後にキノコ雲があがり、黒い雨が降るなど、原爆を思わせる描写がありました。やはり初代と同じく、ゴジラを核の恐怖の具現化として描いています。

⚫︎劇中のBGMには「平成」シリーズの名曲が!
 本作のゴジラの登場シーンでも、やはり伊福部昭によるゴジラのテーマ曲が使用されています。ゴジラといえば誰でも頭に浮かぶあの曲です。この楽曲には、ゴジラに立ち向かう人々のテーマという意図があり、そのメッセージもしっかりと踏襲されていますね。
 そのほかにも、「平成」シリーズの『ゴジラVSキングギドラ』(1991年)や『ゴジラVSモスラ』(1992年)の楽曲も使われていますので、ゴジラマニアほど楽しめるのではないでしょうか。

⚫︎史実?戦闘機「震電(しんでん)」は実在するのか?
 ワダツミ作戦のときに敷島が搭乗した「震電」は、実在した戦闘機です。
劇中で語られているとおり、太平洋戦争末期に日本海軍が試作したもので、最高時速約740km以上の高速戦闘機として計画されていました。
1945年6月に試作機が完成、8月に飛行実験を行いましたが、実戦で使われることはなく終戦を迎えました。
 山崎貴監督は、「震電」は実写映画でこれまで一度も映像化されていなかったため、ぜひ登場させたかったと語っています。
 また同作戦に使われた雪風や、中盤に登場した高雄も実在した駆逐艦です。

⚫︎ワダツミ作戦とは?ゴジラ討伐の仕組みを解説
 野田の発案した「ワダツミ作戦」は、水圧の急激な変化によってゴジラを倒す作戦です。
まず、2艘の戦艦の間に渡したワイヤーにフロン爆弾を多く設置し、そのワイヤーをゴジラに巻きます。そして爆弾を爆発させて発生したフロンガスの泡でゴジラを包み、海水より重いガスが沈む原理でゴジラを海底に引きずり込みます。
 このときゴジラの体にかかる水圧が急激に上昇し、ダメージを与えられると野田は考えました。
 さらにその後、大きな浮袋でゴジラを海面まで引き上げ、今度は急激な減圧によって息の根を止める作戦です。

 いくら深海からやってきたゴジラといえど、これほどの急な水圧の変化には耐えられないと仮説を立てたため、この作戦を実行することになりました。
 しかし劇中で秋津が指摘しているとおり、この作戦はどの工程も穴があり、一か八かの作戦でした。実際ゴジラを浮袋で海面に引き上げる工程はうまくいきませんでしたが、その場の機転と水島の助太刀でなんとか実行することができました。

⚫︎『ゴジラ-1.0』のゴジラの特徴と能力を解説
  作中でのゴジラの変化
 本作に登場するゴジラは、作中でその体長や能力が変化しています。
大戸島に上陸したときは体長15mほどでしたが、ビキニ環礁の実験で被爆し、体長50mほどに巨大化。体重は、約2万tになりました。また当初、口から吐き出すのはただの熱線でしたが、被爆後は放射線をおび、核兵器のような強い破壊力を持つようになります。

 ゴジラの出現理由は不明ですが、攻撃されれば反撃に出るようです。

⚫︎アトラクションのゴジラと激似?
『ゴジラ-1.0』のゴジラは、西武遊園地にあるアトラクション「ゴジラ・ザ・ライド 大怪獣頂上決戦」に登場するゴジラに似ていると、ゴジラファンの間で評判になっています。
 実はこのライドのゴジラも山崎貴が監修しており、基本的なデータを使い回したか、作者が同じであることでその癖が出たのか、といった背景があるのではと指摘する声があがっています。

⚫︎ゴジラの火傷痕の理由は核実験?
 ゴジラのオリジンは、「水爆実験で飛散した放射性物質を浴び、突然変異した生物」とされています。

『ゴジラ-1.0』でも、ゴジラはビキニ環礁の水爆実験によって被爆しています。ゴジラの身体は原子爆弾によって焼き尽くされ、放射性物質が体表の奥深くまで紛れ込んだために、ゴジラの再生能力でも表皮には傷が残り、元に戻ることはできなかったのです。

⚫︎「ゴジラ-1.0(マイナスワン)」の出演キャスト
    『ゴジラ-1.0』の監督・脚本・VFXは山崎貴

 今作で監督・脚本・VFXを一手に担うのは山崎貴。
『ジュブナイル』(2000年)で映画監督としてデビュー。『ALWAYS 三丁目の夕日』(2005年)では第29回日本アカデミー賞監督賞を含む16部門を受賞し、その地位を確固たるものとしました。
 今作について「怪獣映画の本丸に攻め入る恐ろしさと興奮に幾分震えています」と語っており、作品にかける並々ならぬ決意を表明。これまでの作品で発揮してきた監督やVFXクリエイターとしての手腕がどう発揮されるのか、映画ファンの注目が集まっています。

⚫︎前評判の「ゴジ泣き」ってどういう意味?
「ゴジ泣き」とは、『ゴジラ-1.0』の監督・山崎貴が手掛けた『STAND BY ME ドラえもん』(2014年)のキャッチコピー「ドラ泣き」にちなんでつけられたものです。
 監督の作風から、『ゴジラ-1.0』も感動路線になるのではないかと予測されたため、この言葉が生まれました。
 しかし予告編が公開されると、逃げ惑う人々の悲鳴や破壊される街などのショッキングな映像から、そうした予測は間違っていたと判断する人が増えました。
 今では「予告編を見て、感動ではなく恐怖でゴジ泣きした」といった反響が相次いでいます。

⚫︎歴代シリーズにおけるゴジラを復習
  そもそもゴジラはどういう怪獣?

「怪獣王(キング・オブ・モンスターズ)」として知られるゴジラは、その作品の多くで「ビキニ環礁の水爆実験で飛散した放射能を浴びて変貌した生物」とされています。
 初期の作品には、人間の身勝手な環境破壊によって生まれた巨大怪獣ゴジラが上陸し、破壊の限りを尽くすことで人間に復讐するという社会的なメッセージの強い作品が多くありました。

⚫︎ゴジラと人間の関係性は?
 さきほど紹介したとおり、ゴジラは人間が自ら生み出した災厄であり、人間が立ち向かうべき“敵”のようなポジションで描かれている作品が多くあります。
 一方、ゴジラがほかの怪獣と戦う「平成VSシリーズ」や「モンスターバース」シリーズでは、ゴジラは人間を襲うことはしませんが、これは人間など眼中にないだけで、“味方”というわけでもありません。

「ミレニアム」シリーズなどを手掛けた脚本家の三村渉は、ゴジラは台風や津波のような自然そのものと解釈しており、人間がゴジラを慕ってもゴジラが襲ってくるときはあり、その理不尽さがシリーズの魅力だと語っています。

⚫︎歴代ゴジラのざっくりあらすじ
 ゴジラ作品は日本版・海外版合わせて、これまでに35作品も公開されてきました!
ここからは特に有名なゴジラシリーズ3作品をピックアップして紹介します。


🦖『ゴジラ』(1954年)
 太平洋で多数の船が沈没する事件が発生するなか、生き残った人々の証言で浮かび上がる怪獣の存在。
 古生物学者の山根博士らが発見したゴジラという怪獣は、やがて東京に降り立ち街を火の海に変えていきます。成すすべない人々が絶望するなか、山根博士の愛弟子である芹沢博士がゴジラにも対抗しうる恐るべき発明をしてしまいます――。

🦖『シン・ゴジラ』(2016年)
 東京湾アクアラインで崩落事故が発生し、政府は原因究明に動き出します。内閣官房副長官の矢口蘭堂は原因を追究するなかで、海底に存在する巨大生物の存在を察知。
 その存在を誰もが一笑に付すなか、巨大生物は陸地に現れ街を破壊していきます。政府は様々な方法で駆除を試みますが、怪獣はどんどんと成長し手が付けられない状態に。現代日本を舞台に怪獣VS人間の、リアリティ溢れる戦いが繰り広げられます。

🦖『GODZILLA ゴジラ』(2014年)
 突如起こった地震により倒壊した原子力発電所。その15年後、原発跡地に造られた研究施設では地震の原因となった大きな繭の調査が進められていました。そこから羽化した謎の怪獣ムートーは海上で米軍などと次々に交戦。
 そしてムートーの前に、巨大怪獣ゴジラが現れます。怪獣たちに立ち向かうため核兵器を使おうとする人間。怪獣と人間たちによる、世界の命運をかけた最終決戦が幕を開けます。


⚫︎「ゴジラ-1.0(マイナスワン)」ネタバレから絶望と再生を体感せよ
 山崎貴版『ゴジラ-1.0』はゴジラの日(11月3日)に公開されました!
日本版ゴジラとしては記念すべき30作目となる今作。Amazonプライム・ビデオでは2024年5月3日から見放題で独占配信中。
 さらに11月1日には金曜ロードショーで地上波初放送されますので、お見逃しなく!
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 文化勲章に「ちばてつや」が選ばれた納得理由 2024/10

2024-10-31 01:11:26 | なるほど  ふぅ〜ん

文化勲章に「ちばてつや」が選ばれた納得理由
 東洋経済Online より 241031  南 信長:マンガ解説者


 漫画家・ちばてつや氏は85歳の今も「ビッグコミック」(小学館)で『ひねもすのたり日記』を連載する現役漫画家だ(筆者撮影)

 先頃発表された2024年度の文化勲章受章者の中に、漫画家・ちばてつや氏の名前があった。漫画家では初の受章とのことで、一人のマンガ好きとして喜ばしい。〈戦後漫画史の金字塔として語り継がれる「あしたのジョー」をはじめ数々の優秀な作品を発表し、漫画家の育成にも力を尽くすなど芸術文化の発展に大きく貢献した〉というとおり、ちば氏がマンガ界に残したものは極めて大きい。

⚫︎85歳の今も「ビッグコミック」で連載
 85歳の今も「ビッグコミック」(小学館)で『ひねもすのたり日記』を連載する現役漫画家だ。とはいえ、ある年齢以下の人にとっては、あまりなじみがないかもしれない。
『あしたのジョー』(原作:高森朝雄)は1968年から1973年にかけての連載だし、1998年に『のたり松太郎 駒田中奮闘編』の連載を終えて以降、短編がメインでストーリーものの連載からは遠ざかっている。
「ちばてつや」という名前や『あしたのジョー』のタイトルは知っていても、作品自体は読んだことがないという人もいるだろう。

 しかし、それなりのマンガ好きであれば、いろんな作品の中で登場人物が「まっ白に燃えつきた」シーンを一度は目にしたことがあるはずだ。
 たとえば、秋本治『こちら葛飾区亀有公園前派出所』116巻収録の「祝い隊・出動!!の巻」の扉絵では、三社祭でエネルギーを使い果たした両さんがまっ白に燃えつきて道端でビールケースに座っている。
秋本治『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(集英社)ジャンプ・コミックス116巻p145より
【画像】まだまだある「真っ白に燃えつきる」シーン
 高橋留美子『1ポンドの福音』では、修道院の可憐なシスターをめぐって主人公の大食いボクサーと恋敵になるイタリア料理店のシェフ(実は料理が苦手)が、連日の料理特訓を経てパーティ料理に挑んだあげく、まっ白に燃えつきる。
高橋留美子『1ポンドの福音』(小学館)ヤングサンデーコミックス4巻p49より

⚫︎マンガ史上最も数多く引用されたシーン
 これらは言うまでもなく、『あしたのジョー』で無敵の世界王者相手の試合で完全燃焼した主人公・矢吹丈が、リング上で「まっ白に燃えつきる」ラストシーンを元ネタにしたパロディ(もしくはオマージュ)だ。あのラストシーンがマンガ史上に残る名場面であることは論をまたない。と同時に、マンガ史上最も数多くパロディ&オマージュとして引用されたシーンであることも、おそらく間違いない。
原作:高森朝雄・漫画:ちばてつや『あしたのジョー』(講談社)KC20巻p260より

 朝日新聞夕刊連載の4コマ、しりあがり寿『地球防衛家のヒトビト』では、2010年4月5~7日の3回連続で、新入社員が厳しかった就職戦線を思い起こして燃えつきてしまう。
 2019年にドラマ化された丹羽庭『トクサツガガガ』では、ジオラマ作品の個性について苦悩するモデラーが主人公の何げない一言でまっ白な灰になった。
丹羽庭『トクサツガガガ』(小学館)ビッグスピリッツコミックス14巻p121より
 ほかにも、作:大場つぐみ・画:小畑健『バクマン。』、しげの秀一『頭文字D』、のりつけ雅春『マイホームアフロ田中』、とよ田みのる『これ描いて死ね』など、同様のシーンが登場する事例は枚挙にいとまがない。

 筆者が現時点で把握しているだけでも60近くの作品で、いろんなキャラがまっ白に燃えつきている。
つまり、それだけ多くの漫画家が、あのシーンを「誰もが知るマンガの基礎教養」として頭の引き出しに入れているということだ。
 読者の側も(実際に読んだことがなくても)知識としては知っている。名作と呼ばれるマンガは数あれど、ひとつのイメージがここまで広く共有されている例は、ほかにあるまい。

 もちろん、ちば作品がマンガ界に与えた影響は、そんなワンシーンにとどまらない。キャラクター造形、セリフ回し、背景描写、コマ割りや構図といったマンガ表現の根幹の部分を、ちば作品から学んだという作家は多い。

『AKIRA』などで世界的に知られる巨匠・大友克洋もその一人。『文藝別冊 総特集ちばてつや』(2011年)収録のインタビューで、ちば作品のセリフやコマ割り、構図の巧みさを絶賛している。自身の勉強のため、ちば作品のコマ割りをトレースしてみたこともあるという。
 影響レベルではなく心酔しているのが江口寿史だ。同じ『文藝別冊 総特集ちばてつや』の寄稿で、あふれんばかりの“ちばてつや愛”を吐露している。自身の作品の中でも『あしたのジョー』のパロディを何度も登場させており、例の「まっ白に燃えつきた」シーンなんてソラでそっくりに描けるに違いない。
『カイジ』の福本伸行は「ちばてつや賞」出身
 先日デビュー50周年&『アイドルを探せ』40周年記念として初の原画展を開いた吉田まゆみも『総特集 吉田まゆみ』(2024年)のインタビューで「やっぱり“ちばイズム”には染まってます」と語る。この「ちばイズム」という言葉は『カイジ』シリーズで人気の福本伸行も口にしていて、「『カイジ』にしても『アカギ』にしても、“ちばイズム”と言ったら何ですけど、やっぱり主人公は絶対裏切らないとか、人を殺したりしないとか、そういう温かさというか健全さというか、そういうものが根底にある」と述べていた(前出『総特集ちばてつや』)。
 福本伸行は「ちばてつや賞」出身。この賞は、単にちばてつやの名前を冠しただけでなく、最終候補作をちばてつや本人が読むことで知られる。
「ちば先生に読んでもらいたい!」という動機で応募する作家も多く、きうちかずひろ、さそうあきら、望月ミネタロウ、岩明均、山田芳裕、新井英樹、すぎむらしんいち、ハロルド作石、きらたかし、原泰久、野田サトル、コウノコウジ、こざき亜衣、池田邦彦、山本崇一朗など、錚々たる面々を輩出している。
 次代の才能を見出すという意味でも、マンガ界への貢献度は高い。

 なぜ、ちば作品はこれほど愛されるのか。どこがすごいのか。
まずは、大友克洋も参考にしたというコマ割り、構図の巧みさ。人物の位置関係、誰がどこにいて何をしているのかがひと目でわかる俯瞰(上から見下ろす視点)の構図を随所に織り込み、コマ割りで動きを見せる。
 手描きのマンガならではの独特のパース(遠近図法)で、人間の視野に近い自然な空間を作り出す。学園マンガ『おれは鉄兵』(1973~1980年)で主人公の鉄兵が仲間たちと寮の部屋から食堂に向かう場面などはその典型だ。
ちばてつや『おれは鉄兵』(講談社)KCマガジン18巻p8-9より

 空撮のような大都会・東京のビル群から、うらぶれた下町を歩くジョーの姿へとズームインしていく『あしたのジョー』のオープニングもまた名シーンとして語り継がれている。ジョーのプロテスト合格を祝おうとドヤ街の人々が集まって宴会をする場面では、画面の隅っこのモブキャラまでが生き生きと描かれているのに驚かされる。
原作:高森朝雄・漫画:ちばてつや『あしたのジョー』(講談社)KC6巻p134-135より

 しかし、そうした作画技術やストーリーもさることながら、ちば作品が愛される最大の理由は、やはりキャラクターにあるだろう。
 ジョーにしても鉄兵にしても、『のたり松太郎』の主人公・松太郎にしても、決して優等生ではない。というより、悪たれでダメな部分のほうが多い。そんな“はずれ者”たちを、愛情を込めて描く。
 彼らはしっかり食べるしトイレにも行く。髪やひげや爪が伸びたり切ったりもするし、時間の経過とともに年を取る。つまり、ストーリーのための手駒ではなく、作品世界の中で生きている。一人ひとりの生活者としての姿が見えてくる。だからこそ、読者は彼らに人間的な魅力を感じるのだ。

老境を楽しむかのように綴る『ひねもすのたり日記』
大家族ドラマ『1・2・3と4・5・ロク』(1962年)では庶民の生活を描き、
ピカレスクロマン『餓鬼』(1970年)では人間の業を描く。
ちば作品には珍しい恋愛劇『螢三七子』(1972年)の叙情も忘れがたい。
ゴルフマンガ『あした天気になあれ』(1980~1991年)の主人公・向太陽の「チャーシューメーン」の掛け声は、ちょっとした流行語にもなった。
現在連載中の『ひねもすのたり日記』では、物忘れが多かったり体が思うように動かない自分を包み隠さず、むしろ老境を楽しむかのように綴っている。

 そうした多彩な作品を描く一方で、2012年からは日本漫画家協会の理事長、2018年からは会長を務める。マンガ界を代表する立場として、表現規制問題についても先頭に立ち、90年代の有害コミック騒動時には『――と、ぼくは思います!!』と題した作品でも意見を表明した。満州からの引き揚げ体験をもとに、戦争の悲惨さを伝えることにも尽力する。
大御所中の大御所でありながら、少しも偉ぶるところがない。

 手塚治虫が「マンガの神様」なら、ちばてつやは「マンガの天使」とでも言うべきか。
とにかくマンガ界になくてはならない存在であり、文化勲章だけでなく人間国宝に指定してほしい。
少なくとも120歳ぐらいまではお元気でいてほしい――というのが、マンガに関わる人間すべての願いだと思う。


💋ちかいの魔球が!
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