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「歩く」がスポーツになる歩き方をスポーツトレーナーが解説 ジムに行かなくても運動量を上げる方法 202310

2023-10-31 21:58:00 | 生活編

「歩く」がスポーツになる歩き方をスポーツトレーナーが解説 ジムに行かなくても運動量を上げる方法
  AERA dot より 231031


 多くの現役アスリートも通うトレーニングジム『IPF』代表のカリスマ最強トレーナー・清水忍さんによれば、ジムに通うなど特別なことをしなくても日常生活の中で運動量を増やすことは可能だ。と清水さんは言う。
「家事や通勤などの生活活動の中で消費されるエネルギー量のことをNEAT(Non-Exercise Activity Thermogenesis/非運動性熱産生)といいます。
 今、NEATを上げること、つまり普段の生活の中の活動量を多くすることが注目されています」。彼が監修した『運動習慣ゼロの人のための疲れない動けるからだをつくるテク』(朝日新聞出版)から、運動量が上がる歩き方のポイントを紹介する。

*  *  *

■一つ目は、「大股で歩く」
 大股で歩くと股関節が鍛えられて、足腰の強化やスタイルアップにつながります。股関節まわりには、歩行のほか、姿勢を保つのに重要な筋肉が集まっています。大股で歩くことは股関節のトレーニングになり、足腰の強化やスタイルアップに大きな効果があるのです。

 大股で歩く時のポイントは、以下の4点。

目線はまっすぐ前
前に出す足に重心をのせる感じで
腕を大きく前後に振って
歩幅をできるだけ大きく

 後ろの足のつま先で地面を蹴らないように注意しましょう。地面を蹴ると、ふくらはぎの筋肉の負担が増して疲れやすいです。前に出す足を大きく振り出し、そこに体重をのせることを繰り返して歩くと◎。腕は大きく振り、肩甲骨まわりも動かして。

■二つ目は「移動の時は早歩きする」
 運動の時間を設けなくても、日常動作でやせることはできます。早歩きは有酸素運動になり、脂肪燃焼効果があるので、わざわざジョギングなどの時間を設けなくても、日常の行動を早歩きに変えるだけで、運動をしたのと同じ効果が得られます。

 早歩きをする時のポイントは、以下の3点。

ひじを曲げて前後に振って
前に出す足に重心をのせる感じで
歩幅を大きめに

 少しだけきついと感じるくらいの速度にするのがいいでしょう。脂肪燃焼効果を得られているかは、心拍数で判断します。
 心臓が少しドキドキし、やや汗ばんでくるくらいが、ちょうどよい速度です。余裕があったり、逆にきつすぎたりすると、効果は半減します。

■三つ目は、「エスカレーターではなく階段を使う」
 階段を使うと上り下りの移動で足腰強化、脂肪燃焼が期待できます。駅や高い建物など、生活のなかでは意外にたくさん上り下りの移動をしているものです。エスカレーターに頼らなければ、自重を使ったトレーニングと同じ効果が得られます。

 階段を使う時のポイントは、以下の2点。

背筋をまっすぐに
かかとまでしっかり着地する

 背すじを伸ばし、足の裏全体を使って上りましょう。かかとが浮いていると、もも前の筋肉ばかりが使われ、疲れやすくなります。逆にかかと重心になると、背中が丸まりやすくなります。


(構成 生活・文化編集部 森 香織)
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サルから人類への進化のカギは「ハゲ」と「変態」にあった!?ホモ・サピエンス誕生の謎と人類の多様化を巡る奇説珍説 202310

2023-10-31 21:49:00 | なるほど  ふぅ〜ん

サルから人類への進化のカギは「ハゲ」と「変態」にあった!?ホモ・サピエンス誕生の謎と人類の多様化を巡る奇説珍説
 FutabaNet Portal より 231031  久野友萬


 歩き始めた人類はアフリカ大陸からユーラシア大陸へと広がっていった 
■裸と二足歩行の謎
 人間の体に毛が生えていないのは、性器を見せるためだった?(写真はあくまでイメージですが……) 画像:Michelangelo, CC BY-SA 4.0 , via Wikimedia Commons
 なぜ人間は二足歩行をするようになったのか? 実はまだわかっていない。

「ジャングルから平原に出て、遠くを見回す必要があって立ち上がった」

「殴り合うために手を使う必要があってニ足歩行になった」

「立ち上がった猿を見て他の猿が真似をした」

「発情期を失うことが先にあり、いつでも性器を見せられるように立ち上がった」

 ……性器をオールウェイズ見せびらかすためにわざわざ立ち上がったのか? 遺伝子を書き換え、頭蓋骨と背骨のつながる場所を組みかえ、骨盤を変え、手足のバランスを変え……どれだけ見せたいんだ、わがムスコを。
 結局、なぜ立ち上がったのか、まったくわかっていないということだけがわかる珍説ばかりである。

 サルと人間のもうひとつの大きな違いは体毛だ。体毛は立ち上がってからどんどん薄くなっていったらしい。なぜ人間が無毛になったのか、これもわかっていない。

 人間の目は色覚がある(色覚のない猿は多い)ので肌の色の変化で感情を読みとれるという説や、脳が発達するために毛を生えさせるエネルギーを使ったという説があって、こちらも微妙というか意味不明だ。脳が発達にいたっては、じゃあハゲは頭がいいのか? という話になる。そりゃ悪くはないかもしれないが、そういうことではないだろう。

■人類の祖先は河童だった!?
 人類は水辺で進化した? もしかしたら河童とはその進化で分岐した亜人類か?

 二足歩行と無毛問題を一気に解決するかと思われたのが、水生類人猿説だ。

 サルが水辺で暮らすようになり、その結果、水の抵抗を減らすためにカバやイルカのように毛を失い、水中でおぼれないように2足歩行をするようになったという説だ。髪の毛が残ったのは、頭だけ水面から出していたからという。

 さらに人間の鼻の穴は地面を向いている。これは動物では極めて珍しい。どの動物も顔の正面に鼻の穴があるはずだ。水中で暮らすために、水が入りにくいように適応進化したのではないか?

 実にもっともらしい水生類人猿説は、全否定はされていないが証拠もない。それに人間はけして泳ぎが得意ではない。カバやワニと泳ぎ比べで勝てる見込みはゼロだ。あくまで仮説のひとつであり、電脳奇談的には河童の正体である。

■汗をかくことで人類は長距離移動が可能に

体毛を失うことで、私たちは長距離を走れるようになった

 学術的にもっとも信ぴょう性が高いとされているのが、長距離を移動できるように、汗をかくようになったという説だ。
 ホモ・エレクトスは狩猟に最適化するために進化し、毛を失い、ホモ・エルガステルとなった(諸説あり)。

 人間と哺乳動物の違いに、二足歩行と無毛以外にもう一つ、汗がある。

 動物はほとんど汗をかかない。汗をかくのは人間以外では馬ぐらいだ。カバは赤い汗(!)をかき、カモシカは青い汗(!)をかくが、どちらも体温調節が目的ではなく、寄生虫や日光から皮膚を守るためらしい。犬猫は肉球から汗をかくが、これも体温調節ではなく、マーキングの一種だとされる。

 体温調節のために汗をかくのは人間と馬ぐらいと言ったが、この2種類の生物にはもうひとつ共通点がある。それが、どちらも長距離を移動できる、ということだ。

 毛が体温調整のためにあるというのは、わかると思う。砂漠に暮らす人たちが、くそ熱いのにブカブカの暑そうな服を着ているのは、あの恰好が一番涼しいからだ。毛があるのに汗をかいたら、びしょ濡れの服を着ているようなもので、気温が下がったら寒くて死ぬかもしれない。

 汗と毛は両立しないのだ。馬は極端に毛を短くすることで対応し、人間は思い切って毛を捨てた。そして汗の冷却機能を最大化し、長距離を動いてもオーバーヒートしないようになった。人間は足は遅いが、代わりに延々と動物を追い回し、相手がへばったところで捕獲する戦術を選んだのだ。

■イケメンの白人に巨人族にホビット族、古代の人間はさまざま
  もはや「ネアンデルタール人」のイメージはこんな感じに変更?

 毛をなくした直立するサル、ホモ・エルガステルはアフリカを出て世界へ広がり、ヨーロッパでハイデルベルク原人と呼ばれ、中国で北京原人と呼ばれた。インドネシアのジャワ島まで行き、ジャワ原人やフローレス原人にもなった。

 その間、アフリカではホモ・エレクトスはゆっくりと絶滅し、残ったホモ・エルガステルは次なる進化を始めていた。旧人、ネアンデルタール人の誕生である。

 猿人から原人、旧人、ホモ・サピエンスまで、人類の進化は、アフリカでのみ起きている。これをアフリカ起源説といい、遺伝子を調べて判明した。

 一方、世界中に散った原人が、その地域地域で進化し、すべてが交じり合って最終形態のホモ・サピエンスへと進化した……これを多地域進化説といい、長らく信じられてきたが、間違っていた。ネアンデルタール人もホモ・サピエンスも誕生したのはアフリカなのだ。

 なぜアフリカなのか、他の地域でなぜ新種が誕生しなかったのかはわからない。ただし新種が生まれるのはアフリカだが、地域ごとでの最適化は起きている。

 例えば、アフリカを出たネアンデルタール人は北へ移動し、色素を失った。スペインで見つかったネアンデルタール人の骨の化石から遺伝子を抽出したところ、突然変異でメラニン色素がほとんど作れなかったことがわかった。

 ネアンデルタール人は色素がないから白い肌、恐らくは赤毛~金髪、青い目をしていたはずだ。ガッツ石松的な原始人とは、ずいぶんとイメージが違う。

 ジャワ島の先にあるフローレス群島という小さな島で見つかったフローレス原人は身長がわずか1メートルほどしかなかった。まんまホビット族だ。

■10万年前の地球のほうがダイバーシティだった!?
 フローレス原人の頭部はわれわれ現代人の手のひらサイズの小ささ

 このフローレス原人は脳の大きさが猿人ほどしかないため、発見当初は最初にアフリカから出たのは猿人ではないか? と話題になった。
 それまでアフリカを出たのは原人以降と思われていたが、実は猿人が最初にアフリカを抜け出し、フローレス諸島まで歩いてたどり着いたと考えられた。
 しかし、これも遺伝子を調べることで、ホモ・エレクトスの親戚だとわかった。原人である。だから名前もフローレス原人だ。

 島嶼効果(とうしょうこうか)といい、食料が少ない島では、小型動物は天敵がいないために大きくなり、逆に大型動物は体が小さい方向へと進化する。
フローレス原人は体が小さくなるほうへと最適化したのだ。

 ネアンデルタール人と同じ旧人であるデニソワ人は、名前の由来であるシベリアのデニソワ洞窟で、臼歯と下あご、指の一部の化石が見つかっている。この臼歯が大きく、推定される身長はおよそ2メートル。
 2010年に中国で見つかった旧人の頭蓋骨の化石も非常に大きく、仮にデニソワ人のものだとすると身長は2メートル以上あったらしい。デニソワ人は巨人なのか?

 人類進化の行進図に「新人(ホモ・サピエンス)」として出てくるクロマニヨン人は、遺伝子は現在の人間と同じだ。
 クロマニヨン人は初期のホモ・サピエンスであり、遺伝子は私たちと変わらない。とすると、今の人類がアフリカで生まれたのはおよそ20万年前ということになる(諸説あり)。
 18万年前の化石がイスラエルで見つかったことから、その頃にはすでにアフリカから旅立っていたことがわかる。

 ネアンデルタール人やデニソワ人が滅んだのは3~4万年前で、つまり20万年~3万年前までの間、地球には、われわれ現生人類のご先祖様とともに、フローレス諸島のホビット族やデニソワの巨人族が一緒に暮らしていたわけだ。

 バラエティ豊かな古代の地球である。
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中国が「世界第1位の経済大国」になっても「アメリカに替わる覇権国」にはなれない理由 202310

2023-10-31 21:41:00 | ¿ はて?さて?びっくり!

中国が「世界第1位の経済大国」になっても「アメリカに替わる覇権国」にはなれない理由【ジャック・アタリ氏】
 TheGoldOnline  より 231031  ジャック・アタリ,林 昌宏


 2050年のアメリカは経済、地政学、文化の面で支配的な勢力ではなくなる…ソ連の解体やウクライナ危機など数々の世界的危機を予見してきたジャック・アタリ氏は、このように予測します。
 アタリ氏の著書『世界の取扱説明書』(林昌宏訳、プレジデント社)より一部を抜粋し、見ていきましょう。11世紀から現在に至るまでの時代は、商人が地政学、政治、価値観を支配する「商秩序」の時代です。歴史のどの瞬間にも、商秩序は「心臓」を中心に「形態」をつくり出します。2023年現在の世界は、カリフォルニアを「心臓」とする第9の「形態」ですが…。
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 私の推論を要約すると、最も可能性の高い未来は次の通りだ。生産、交換、商売によって生み出される富の蓄積を司るのは、依然として商秩序だ。商秩序は、地政学、政治、価値観を支配し続ける。第9の「形態」は崩壊する。
 アメリカは第9の「形態」を維持しようと試みるが、失敗に終わる。2050年のアメリカは、経済、地政学、文化の面で支配的な勢力ではなくなり、第10の「形態」が登場する。

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第9の「形態」崩壊後、新たに権力を握るのは?
では、10番目の「心臓」(=商秩序における中心都市)はどこなのだろうか。

■2050年のアメリカはGDP第4位
 化石燃料の利用形態や、消費財を中心とする経済成長の原動力に変化がないと仮定し、各国の経済成長率を考慮して各国の経済力をGDP(購買力平価)で計測すると、2050年の世界ランキングは、中国、インド、アメリカ、インドネシア、ブラジル、ロシア、メキシコ、日本、ドイツ、イギリスの順になる。
 ちなみに、恒常ドル換算のGDPのランキングは少し異なり、中国、インド、アメリカ、インドネシア、日本、トルコ、ドイツ、ブラジル、ロシア、メキシコの順になる。
 EUをこのランキングに加えると、第4位になるだろう。
別のランキングでは、中国、インド、アメリカ、日本、ドイツ、イギリス、ナイジェリア、インドネシア、フランス、トルコの順だ。

 1人当たりのGDPのランキングも、今日と大きく異なる。
韓国、アメリカ、EU、ノルウェー、スイス、オーストラリア、アイスランド、チェコ、カナダ、オーストリア、オランダ、中国、スウェーデン、イギリス、日本、ドイツ、ベルギー、イスラエル、フィンランド、ロシア、カザフスタン、デンマーク、フランスの順だ。
 ただし、このランキングには、産業が産油やタックスヘイヴンだけの国は含まれていない(例:カタール、クウェート、シンガポール、ルクセンブルク、バーレーン、香港、アラブ首長国連邦、台湾、マカオ)。

 このとき、「心臓」はアメリカのどこかの地域に位置しているかもしれない(そうなれば四度目になる)。
 アメリカの軍隊は、まだ世界最強だろう(新たなタイプの武器が開発される。これについては後ほど述べる)。
 アメリカは、太平洋地域とオーストラリアに海軍を配備しているだろう。アメリカのデジタル産業は引き続き繁栄し、事務仕事の自動化に必要なほとんどの技術を支配し続ける。

 アメリカの人口は3億7500万人になり、その80%が65歳未満だ。今日と同様、移民受け入れはアメリカの活力だ。
 アメリカのGDP(購買力平価)は、およそ40兆ドルになる。これは世界シェアの15%に相当する(2023年は23%)。1人当たりのGDP(購買力平価)は、それでも韓国に次いで世界第2位であり、2023年と比べると70%増加している。

■「10番目の心臓」がアメリカ内に宿っても、アメリカは“帝国”を維持できない
 4つめの「心臓」になる可能性があるのはテキサスであり、テキサスの人口はおよそ4000万人になる。テキサス州ヒューストンがアメリカ最大の港になる。
 すでに将来性のある大企業は、ヒューストンに拠点を置いている。オラクル、テスラ、ヒューレット・パッカードなどのシリコンバレーの大企業も、ヒューストンに移転している。また、有能な人材や投資を呼び込むために尽力しているマイアミも「心臓」の候補だ。

 しかしながらこのシナリオでは、アメリカは、環境、宗教、社会、民族、政治などの面で深刻な問題に直面する。
 アメリカ軍は世界最強の座を明け渡す。たとえば、現在の計画では、2050年の軍艦の数は、今日よりも60隻多いだけの350隻だ。これは、中国の計画する増隻数を大きく下回る。
 アメリカは、未来の技術の牽引役でなくなる(例:医療、教育、娯楽、治安などのサービスを人工化する際にきわめて重要な人工知能)。

 アメリカでは、武器と薬物の使用が増え、治安が極度に悪化する。とくに、アメリカの多くの若者は、薬物の使用によって身を滅ぼす。
 教育と医療の利用面での不平等、社会的少数派の排除、地域間格差、国内(西海岸、中部、東海岸)のイデオロギー面での分断、人口の少ない州に権力を集中させるという政治制度面での不平等などが原因になり、一部のアメリカ人は、国の分割や非民主的な政府の確立といったアイデアを唱え始める。

 いずれにせよ、警察官、裁判官、刑務所、貧困層への補助金、依存症回復支援施設が、さらに必要になる。

 アメリカの公的債務は、対GDP比で200%になる。ドルは基軸通貨ではなくなり、国際貿易の決済において占める割合は、現在の3分の2から半分になる。

 さらに、このシナリオでは、猛暑日の頻度は、今日の7日に1日から3日に1日になる。4日に1日は火災が発生し、アメリカ人口の4分の3が火災の影響を蒙る。また、深刻な水不足に苛まれる。

 アメリカ政府が帝国維持のために自国の法律を外国に押し付けるなど、あらゆる手段を講じたとしても、実権を握るのはアメリカ政府ではなく、プライベート・エクイティ・ファンドやデータ管理会社だ。彼らは、今日よりもさらに多くの富を手中に収め、多くの分野で社会的な規範を課し、政府の要求に従わなくなる。

 結論として、アメリカは国内に問題が山積し、世界の警察官であることを断念せざるをえなくなる。アメリカはイギリス(非常に大きなネットワークを持ち、自国の言語、大学、メディア、市民社会に宿る影響力を駆使する)をはじめとする忠実な同盟国(あるいは属国)を頼りにするが、ロシアや中国などの敵がおよぼす直接的な脅威にしか、対応しなくなる。

 多くの専門家は、10番目の心臓は「中国」に宿ると見るが…
この10番目の「形態」において、次の「心臓」を迎え入れるためのすべての条件が揃っているのが中国だ。今日、多くの人々は、この見方を当然視している。

■2050年、中国は世界第1位の経済大国へ。未来技術の牽引役としても圧倒的な存在感
 2050年、中国の軍事力はアメリカに迫る。大方のシナリオでは、中国共産党は、国民の欲望や怒りを敏感に察知しながら依然として権力を維持する。

 中国は、現在の経済成長率(年率4%)を維持すれば、2050年には世界第1位の経済大国になっているだろう。
 中国のGDPは、2020年のおよそ3.2倍のおよそ580億ドルだ(2016年の恒常ドルの購買力平価換算)。中国のGDPの世界シェアは、20%から25%くらいになる。
 北京大学教授のゾン・ウェイは、「2035年から2050年にかけて、中国の経済力は、秦と漢の時代〔紀元前905年~220年〕とほぼ同じ水準に達するだろう。中国のGDPの世界シェアは、1840年までと同様の25%から40%になる」と予測する。1人当たりの所得は、ほぼ3倍になっている。

 中国の産業は、未来の主力テクノロジーの牽引役になる。たとえば、人工知能や遺伝学だ。中国企業はこれらのテクノロジーを発展させる際に、プライバシーに関する規則を遵守することなく国内の莫大なデータを利用する。
 人工知能を搭載するカメラにより、背後からでも人物を識別し、人物の行動や体温の急激な変化を分析し、生徒や労働者の集中力を常時監視する。さらには、脳神経の動きから「潜在的な犯罪者」を見つけ出す。

 このシナリオでは、中国は科学雑誌の論文掲載数で世界第1位の座を維持する。また、巨大な国内市場と世界市場において、消費、流通、工作機械、ロボット、再生可能エネルギー、未来の財などにおいて、圧倒的な存在感を示す。
 そして世界に先立ち、医療、教育、治安などのサービスを自動化させる。

 中国のレアアースの生産量は、世界シェアにおいて依然として断トツだろう。

 中国の五大都市は、上海、北京、広州、深圳、成都だ。レアアース生産との関連で内陸部にいくつもの巨大都市が開発される。中国の港は引き続き、世界ランキングの上位に位置する。
 中国は韓国のソフトパワーを真似て、自国のSNS、映画、音楽を通じて、世界に大きな影響をおよぼす。今日、中国のSNSであるティックトックは、中国人以外の若者に対して中国のイメージを向上させようとしている。

 西側諸国とロシアとの戦争は、またしても紛争から距離を置いた国に有利に働くだろう。中国はロシアをはじめとする隣国よりも優位になり、30年後には、ロシアの領土の一部を併合することも考えられる。いずにせよ、中国とロシアは、西側諸国にとって恐るべき敵になるだろう。

■それでも中国が「心臓」になれない理由
 しかしながら、多くの専門家と異なり、私は、2050年に中国が世界の経済と政治の「心臓」を迎え入れるとは思わない。
 第一に、「心臓」になるには、イデオロギー、外交、金融、経済、軍事の面で、世界を支配しなければならないからだ。
 ところが、これまで中国はバランスの取れた多国間主義に関心を抱かず、自国中心主義の「中華帝国」で満足してきた。また、中国文化は西洋文化と異なり、普遍主義ではない。

 2035年、現在の傾向に変化がなければ、中国は食糧の35%をアフリカやラテンアメリカから輸入する。食糧供給の安定確保が、きわめて重要になる。
 よって、派兵まではやらないにしても、アフリカ、ラテンアメリカ、ロシア、ヨーロッパの農地、そして農産物の輸送拠点になる外国の港を支配するようになる。

 今後、中国の人口動態は破滅的な状況に陥る。人口は減少し始め、2050年には13億人になり、その後、さらに急減する。人口の急減によって、労働力不足が深刻化する。
 中国社会では、就労による女性の経済的な独立と少子化による育児の軽減が進行しただけに、若い中国人女性は、子供をたくさん産もうとしないだろう。

 中国は、豊かになる前に高齢化する(中国人の30%は65歳以上)。高齢者に対する医療費がかさむが、経済は以前のような勢いを失っている。
 さらには、中国や外国の投資家は、中国共産党の自国企業を支配したいという思惑を毎日のように目の当たりにし、中国での投資に消極的になる。多くの中国人起業家や西側諸国の企業は、生産や販売に適した場所を求めて、中国からすでに離れている。この脱中国は今後も続くだろう。

 さらに、タックスヘイヴンや産油国を除いても、中国の1人当たりの所得はアメリカの3分の1にすぎず、世界第11位だ。

 独裁国家を続けるのなら、人民元は兌換できず、「心臓」の必要条件である巨大な金融市場の設立や創造的なエネルギーの解放に必要な手段を持つことができない。
 民主化に踏み切ったとしてもロシアなどと同様、中国は、独裁政権の崩壊にともなう混乱に対処しなければならない。この混乱によって中華帝国は、その長い歴史において何度か経験したような国の解体にまで至る恐れがある。

 中国が2060年までにカーボンニュートラルを実現するという目標を掲げたとしても、このシナリオでは、中国は、非常に深刻な環境問題に見舞われる。
中国人口の85%は、大気汚染(高濃度の微粒子)にさらされる。
 干ばつの影響により、河川の水量は少なくとも25%減少し、内陸部の青海省の平原などは砂漠化する恐れがある。青海省の長江上流付近の平原の3分の1は消失し、上海などの一部の都市部では、水位が60センチメートルくらい上昇するだろう。

 そしてアメリカは、中国が世界最強の国になるのを阻止するためにあらゆる手段を講じるはずだ。たとえば、マイクロプロセッサを製造するのに必要な技術や機械の利用を制限する、さらには、中国が軍事力をつける前に軍事的に叩き潰すことまでやってのけるに違いない。



【著】ジャック・アタリ(Jacques Attali)1943年アルジェリア生。
フランス国立行政学院(ENA)卒業、81年フランソワ・ミッテラン大統領顧問、91年欧州復興開発銀行の初代総裁などの、要職を歴任。
 政治・経済・文化に精通することから、ソ連の崩壊、金融危機の勃発やテロの脅威などを予測し、2016年の米大統領選挙におけるトランプの勝利など的中させた。

林昌宏氏の翻訳で、『2030年 ジャック・アタリの未来予測』『海の歴史』『食の歴史』『命の経済』『メディアの未来』(プレジデント社)、『新世界秩序』『21世紀の歴史』、『金融危機後の世界』、『国家債務危機――ソブリン・クライシスに、いかに対処すべきか?』『危機とサバイバル――21世紀を生き抜くための〈7つの原則〉』(いずれも作品社)、『アタリ文明論講義:未来は予測できるか」(筑摩書房)など、著書は多数ある。

【訳】林 昌宏1965年名古屋市生まれ。翻訳家。立命館大学経済学部卒業。
訳書にジャック・アタリ『2030年ジャック・アタリの未来予測』『海の歴史』『食の歴史』『命の経済』『メディアの未来』(プレジデント社)、『21世紀の歴史』、ダニエル・コーエン『経済と人類の1万年史から、21世紀世界を考える』(いずれも作品社)、ボリス・シリュルニク『憎むのでもなく、許すのでもなく』(吉田書店)他、多数。
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🚶…隠元橋…伏見区向島清水&鷹場🔂↩️ 231031

2023-10-31 18:30:00 | 🚶 歩く
🚶…右岸堤防道…Alp沿…宇治川高架橋…左岸堤防道&河川敷…隠元橋下…左岸堤防道47km碑+…伏見区向島清水町&鷹場町農地🔂…左岸堤防道47.4km碑…隠元橋…右岸堤防道…>
🚶13361歩2kg14F

☀️隠元橋22℃風穏やか,散歩日和

夕)🚙〜🏥💐〜Frマート〜宇治橋〜マツモトSp〜宇治川高架橋〜>
🚶⇄莵道太閤橋↩️ 後5百強で38万歩越なので…

🌡️ベランダ32.4〜12.0℃


隠元橋西上流部より醍醐山系

清水町より明治御陵〜比叡山



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スイスが資源国に?天然水素に高まる期待 202310

2023-10-31 02:00:00 | 気になる モノ・コト

スイスが資源国に?天然水素に高まる期待
  swissinfo.ch  より 231031 


 地球化学者のエリック・ゴーシェ氏は、スイスの地下には天然水素が眠っている可能性があるという (RTS-SWI)

 地下に眠る天然水素の探索が活発化している。最近フランスで大規模な鉱床が発見され、スイスにも埋蔵されている可能性が高い。クリーンな燃料として注目される水素は、世界のエネルギー供給に革命を起こせるだろうか?

 水素はエネルギー転換の切り札になるとみられている。自動車のガソリンや航空機のパラフィン燃料を水素に置き換えることで、移動手段の脱炭素化に貢献できる可能性がある。
 問題は、水素を生産する際に温室効果ガスを排出する場合があることだ。世界の水素の9割以上は化石燃料(主にメタン=CH₄)から作られているが、その生成過程で二酸化炭素(CO₂)が発生する。CO₂を排出しない、再生可能エネルギーを使用する代替法もあるが、現時点では高コストだ。

 そこで地下に眠る天然水素ガスの発見と採掘への関心が高まっている。既に米国、オーストラリア、スペインなどのスタートアップ企業が掘削事業を開始。
 フランスでは今年5月、北東部ロレーヌ地方にある大規模な鉱床が発見され、天然水素がこれまで考えられていたほど珍しい存在ではないことを示唆した。
 スイスも例外ではなく、初期調査からは有望な結果が得られている。

 この注目の「天然水素」とは何だろうか。どのような特徴があり、未来の燃料としてどのような可能性を秘めているのだろうか?

⚫︎天然水素の由来は?
「ホワイト水素」とも呼ばれる天然水素は、地球内の化学反応により絶えず発生している。主な発生プロセスは2つ。
 1つは鉄に富む岩石の鉄の酸化に伴う水の還元反応であり、もう1つは岩石中の微量の放射性物質による水の分解反応だ。
 いずれも水(H₂O、水素2原子と酸素1原子からできている)に含まれる水素原子(H)から水素分子(H₂)が作られる。地中で発生した水素分子は上昇して地表に漏れ出すものもあれば、そのまま蓄積するものもある。

⚫︎合成した水素と何が違う?
 合成した水素と天然水素は同じ物質(H₂分子)で、性質も同じだ。常温では気体(ガス)であり、無臭で可燃性が非常に高い。両者の違いは生成の仕方であり、前者は化学・工業プロセスにより人工的に合成されるのに対し、後者は地中で自然に発生する。

 水素そのものは燃焼してもCO₂を出さないが、合成に化石燃料を使うと製造工程全体としてはCO₂の発生源となる。このCO₂を回収するか否かで水素は2種類に分類され、回収する場合は「ブルー水素」、回収せずに大気中に放出する場合は「グレー水素」と呼ばれる。

 合成方法の1つに、電気を使って水分子を水素と酸素に分ける「電気分解」がある。ここで太陽光や風力などからの再生可能エネルギーを使って分解する場合は、環境負荷の少ない「グリーン水素」と呼ばれる。

⚫︎天然水素の利点は?
 どの水素も燃焼によるCO₂発生がない上、発電後に残るのは水だけだ。水素の単位重量当たりの発熱量はガソリンの約3倍。水素と酸素から電気を作る燃料電池を使って、自動車、トラック、航空機などを動かすことができる。次の動画では、燃料電池の中で電気ができる仕組みを説明している。

 天然水素はほぼ枯渇しない。石油が有機物から数百万年もかけてゆっくり作られるのに対し、天然水素の生成速度は数十年から数百年ほどと、遥かに速い。そのため、鉱床には常に水素が保たれ、持続的な利用が可能だ。

 他の水素よりも低コストなことも天然水素の利点だ。製造コストは1キログラム当たり1ドル(約149円)以下と見積もられ、化石燃料を使うグレー水素(0.9~3.2ドル)やブルー水素(1.5〜2.9ドル)、再生可能エネルギーを使うグリーン水素(3〜7.5ドル)よりも安い。

 米国地質調査所(USGS)のジェフリー・エリス氏は「天然水素は、世界の重要な新エネルギー源となる可能性を秘めている」と話す。

⚫︎なぜ今、注目されているのか?
 10年前までは,天然水素はほとんど存在しないか,あっても採掘不可能と考えられていた。だが2012年,西アフリカのマリで見つかった天然水素が状況を一変させた。鉱床が見つかったその小さな村では、地中の水素をその場で燃焼・発電し、地域の電力を賄っている。

 この発見をきっかけに天然水素の探索が活発化している。フランスで今年発掘された鉱床の水素埋蔵量は約4600万トンと推定されている。これは世界の水素の年間生産量の約半分に相当する。

⚫︎世界の主な埋蔵場所は?
 天然水素は、①鉄に富む岩石がある②200度以上の高温③水が存在するなどの、水素生成に適した地質条件を持つところに埋蔵されている可能性が高い。
 これらの条件を満たす地域は世界中に数多く存在する。例えば、米国、オーストラリア、フランス、スペイン、ロシア、カナダ、オマーン、日本、中国などが挙げられる。

⚫︎スイスにもある?
 地質条件と土壌中のガスの化学測定の調査から、スイスとアルプス一帯の地下にも天然水素が眠っている可能性が高いとみられている。スタートアップ企業「ラヴォアジェH2ジェオコンサルト(Lavoisier H2 Geoconsult)」の共同設立者で地球化学者のエリック・ゴーシェ最高経営責任者(CEO)は「かつて水素を発生していた岩石を発見した。
 次は地下深部を探り,今でも水素を発生する層があるかどうかを調べる必要がある」と話す。

 アルプスの鉄に富む岩石層は、地殻プレートが衝突してアルプス山脈が形成された時に、地球内部のマントルから地表近くに押し上げられたものだと考えられている。
 ゴーシェ氏らは過去数カ月に渡り初期調査を行ない、有望な結果を得ている。地下深部に水素を生産する「水素キッチン」があるかもしれないと言う。
 次のステップは、その可能性を正確に評価するための資金を調達することだとゴーシュ氏は意気込む。

 だが、スイスが将来「水素のカタール」になれると考えるのは時期尚早だと同氏は指摘する。現在は科学的な関心から研究が進んでいるが、これまでに天然水素の利用で採算が取れることを示せた国は世界でまだない。唯一アイスランドは、地熱井から自然発生する水素を活用して収支を合わせられるという。

 いずれにせよスイスで天然水素を開拓するには、昨年フランスがしたように、鉱業法を改正し探査対象に天然水素を追加する必要がある。スイスでは、個別の調査を許可するかどうかは各州の判断に委ねられている。

⚫︎環境保護団体の反応は?
 環境保護団体「グリーンピース・スイス」のナータン・ソロトゥルンマン氏は、スイス南西部ヴァレー(ヴァリス)州の地方誌「ル・ノベリスト(Le Nouvelliste)」で、天然水素の利用には以下の問題点があると指摘している。
 揮発性物質である水素は漏れ出す危険性が高く、大気中に放出されるとCO₂の11倍もの温室効果をもたらす。その上、天然水素の探索、貯蔵、輸送にはそのためのインフラが必要であり、これも環境に悪影響を及ぼす可能性がある。

 同氏は、天然水素は肥料の製造などでメタンの代わりに使える程度の資源に過ぎず、燃料として大規模に利用しようと考えるのは「危険な幻想だ」と懸念を表している。


▶︎編集:Sabrina Weiss、イタリア語からの翻訳:佐藤寛子
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