のんびりかな打ち日記  ini's blog

NikonD7100やSonyRX100M3で撮影した画像と日々の出来事を“ かな入力 ”でのんびり綴るブログです。

『 舟を編む 』 読みました。

2012-05-17 23:05:16 | 通勤快読


三浦しをんさんの小説、『 舟を編む 』を読みました。

文庫派なのにめずらしく単行本で買いました。
でも単行本でもハードな装丁ではなく電車内で読んでもあまり苦にならない大きさです。
そして紺に銀の箔押し文字のカバーはちょうどストーリーの柱である辞書「大渡海」の装丁に合わせてあるのがニクいところです。

実はこれを買ったすぐあとに村上春樹さんの『1Q84』の3と4の文庫が出て、そちらを先に読み始めたので『 舟を編む 』の方は次男に「これ先に読んでていいよ」と薦めました。

自分で読み終えてないものを薦めるのもなんでしたが、三浦しをんさんの小説で私が読んだものは『風が強く吹いている』や『まほろ駅前多田便利軒』、特に箱根駅伝を題材にした『風が強く吹いている』は、次男もとても気に入って読んでいましたし、ともかく本屋大賞1位ってことなので、少なくともそうクセのある内容じゃないハズと安心して薦めました。

なので自分で読む前に先に読み終えた次男に感想を聞いてみたのですが、「どうだった?」と聞くと「うーん、まあまあかな」って返事。
要するに、可も無く不可も無く、つまらなくは無いけどすごく面白いわけでもないって感想でしょうか。

話の内容が辞書の編纂ってことだったので、ひょっとして少々堅過ぎたのかも? などと思いましたが、読んでみるとなんのことはない「本屋大賞1位」も納得の三浦節炸裂でした。
逆に辞書などという地味なものによくスポットを当てたものだと感心してしまいました。

ただ、子供の頃に一度は百科事典や辞書のたぐいを一生懸命に読んだ(見た)世代と次男のように辞書と言えば電子辞書という感覚で育った世代では、やはり感じ方は違ってくるだろうなとは思います。
それに三浦さんの小説特有のやりとりの面白さはやや浪花節的で、私らにはツボでも若い世代にはそうでもないかも知れませんね。

また三浦さんの小説の特徴というのか、少なくとも根っからの「悪人」は出てこない。
それだけでなく登場人物それぞれが「いい味」出してるので、ほんわかほのぼのとして私などにはとても心地よいのですが、もっと波風が立ってハラハラドキドキがないとって向きには少しもの足りないのかも知れません。

ともあれ私には大満足の娯楽作品でした。



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