のんびりかな打ち日記  ini's blog

NikonD7100やSonyRX100M3で撮影した画像と日々の出来事を“ かな入力 ”でのんびり綴るブログです。

1Q84 Book3 (文庫)読みました。

2012-06-06 22:41:18 | 通勤快読


村上春樹さんの小説、1Q84のBook3の文庫版、最後の5と6を読みました。

読み終えてからちょっと日にちがたってしまったのでホットな感想ではないですが、以下、ストーリーに関することを書いてますので、これから読もうという方はご注意ください。

Book1の前後編、Book2の前後編と読んできて、Book3、最後でグッと盛り上がってきましたがエンディングはちょっと微妙な感想。
文庫本にして6冊引っ張ったわりにはあっさりしすぎ ?
勝手な注文で言えばもうちょっと壮大なエンディングがあっても良かったかなって思えます。
でもスケールの大きな面白い作品であったことは間違いないですね。

結局この小説、非常に長い物語を読ませるためもあるのですが、ジャンル的にもいろんな要素が交じり合ってます。
青豆と天吾の複雑なラブストーリー、それから呼び方は的確ではないけど、リトルピープルが出てきて空気さなぎを作るファンタジー、そしてタマル、牛河の動きもリアルなミステリーってところでしょうか。

そんな風に読んでいると確かに主人公の青豆と天吾は、20年ぶり? に二人の意に沿ってめぐり合い結ばれて、ラブストーリー的にはある意味ハッピーエンドではあるのですが、ファンタジー的なところはともかくとして、全編にかかわるミステリー的にはいったいどうなんだろう、これからってところでプッツリ切れてしまった感もあります。

脱出した先が1984年なのか、またさらに別のパラレルワールドなのかは明らかにされていません。
ともかくその世界には、カルト教団さきがけはあるのでしょうか、タマルは、ふかえりは、小松は、安達クミは、どうなんでしょう。

1Q84の世界に居る限り、日本中、たとえ海外に逃亡しようとも青豆はカルト教団に追われ続けるけれど、脱出してしまえば同じ都心に居てももう追われることもないような気がします。
ただ1Q84でタマルに殺されなければならなかった牛河はちょっとかわいそう。

そして長いストーリーで積もったしがらみを別のワールドに脱出することで全部終わらせた感じもありますね。
1Q84から脱出したのだから終わりは終わりってところかも知れません。

そしてこのあと二人がどうなるかは、読者の想像に任せられています。
あっさりしすぎと思ったエンディングも、やはり計算しつくされたものなんでしょうか。
うーん、さすがと言えばさすがです。



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『 舟を編む 』 読みました。

2012-05-17 23:05:16 | 通勤快読


三浦しをんさんの小説、『 舟を編む 』を読みました。

文庫派なのにめずらしく単行本で買いました。
でも単行本でもハードな装丁ではなく電車内で読んでもあまり苦にならない大きさです。
そして紺に銀の箔押し文字のカバーはちょうどストーリーの柱である辞書「大渡海」の装丁に合わせてあるのがニクいところです。

実はこれを買ったすぐあとに村上春樹さんの『1Q84』の3と4の文庫が出て、そちらを先に読み始めたので『 舟を編む 』の方は次男に「これ先に読んでていいよ」と薦めました。

自分で読み終えてないものを薦めるのもなんでしたが、三浦しをんさんの小説で私が読んだものは『風が強く吹いている』や『まほろ駅前多田便利軒』、特に箱根駅伝を題材にした『風が強く吹いている』は、次男もとても気に入って読んでいましたし、ともかく本屋大賞1位ってことなので、少なくともそうクセのある内容じゃないハズと安心して薦めました。

なので自分で読む前に先に読み終えた次男に感想を聞いてみたのですが、「どうだった?」と聞くと「うーん、まあまあかな」って返事。
要するに、可も無く不可も無く、つまらなくは無いけどすごく面白いわけでもないって感想でしょうか。

話の内容が辞書の編纂ってことだったので、ひょっとして少々堅過ぎたのかも? などと思いましたが、読んでみるとなんのことはない「本屋大賞1位」も納得の三浦節炸裂でした。
逆に辞書などという地味なものによくスポットを当てたものだと感心してしまいました。

ただ、子供の頃に一度は百科事典や辞書のたぐいを一生懸命に読んだ(見た)世代と次男のように辞書と言えば電子辞書という感覚で育った世代では、やはり感じ方は違ってくるだろうなとは思います。
それに三浦さんの小説特有のやりとりの面白さはやや浪花節的で、私らにはツボでも若い世代にはそうでもないかも知れませんね。

また三浦さんの小説の特徴というのか、少なくとも根っからの「悪人」は出てこない。
それだけでなく登場人物それぞれが「いい味」出してるので、ほんわかほのぼのとして私などにはとても心地よいのですが、もっと波風が立ってハラハラドキドキがないとって向きには少しもの足りないのかも知れません。

ともあれ私には大満足の娯楽作品でした。



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1Q84 7月-9月

2012-05-10 23:56:44 | 通勤快読


村上春樹さんの小説、1Q84の文庫版、1と2に続いて3と4を読みました。

1と2を読んだときにも書いたように、もちろん好き嫌いはあるでしょうけど、私にとっては普通にストーリー展開が申し分なくて流れがいいですね。
超能力者が出てきたり、不可思議なことも起こりますが、つじつまが合わないなんてことは微塵もないし、細かく計算されていて、なんにせよこれだけの長編で長さを感じずに読ませる小説はそうないです。

最後がどうなるのかはわからないですが、中途半端な終りかただったり、まとめかたによってはズッコケるかもしれないってことはあります。

ともかく次の5と6の最後の文庫化分が今月末に発売されるのが楽しみですし、当然すぐに買って読むつもりです。



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1Q84

2012-04-12 22:29:32 | 通勤快読


最初の1と2を読みました。
ノルウェイの森を読んだのが25年程前、それからも時々出す本をだいたい読んでますが、変わらず村上春樹ならではの雰囲気で、今回も私としては十分面白い内容です。

最近では電車の中以外で本を読むことはなかったのに、帰ってからも続きを読んだくらいですから、やはりストーリーへの引き込みは上手いですし、このあと連続で文庫化されるので次が出たらすぐに購入して読むつもりです。

もちろん村上春樹の小説が嫌いだったり、興味がない人なら、これもぜんぜんダメなのでしょうけど、実はさきほどこのレビューを書く前に、すでに刊行されている単行本のレビューが書かれているのをまとめて読んでみました。
その中にノルウェイの森など、これまでの村上春樹の小説は好きでも、この本は内容が酷い! なんて書かれているものが結構あって驚きました。
良いも悪いも村上ワールドは特に変わってないように思えるんですけどね。

オウム真理教をモデルにしたカルト教団の問題の扱いは、ベールに被われているものに潜入するような、ある意味、やじうまワイドショー的な部分を上手く突いているし、主人公の男女、天吾と青豆のちょっと貧しい暗い過去は、読んでて「砂の器」を思い起こさせてくれます。

また危なっかしい美少女「ふかえり」の無防備な天吾に対する接し方は、おたく少年マンガのお決まり人気パターン、さらに女性の方の青豆については、そこそこ美人でマーシャルアーツのインストラクターっていう、これまたかゆいところに手が届くような設定ですからベストセラー要素がちゃんと盛り込まれています。

そこに例の村上ワールド特有の羊男ならぬ異星人のようなリトルピープルや二つの月が浮かんでるところなどの存在が上手く全体をおとぎ話と言うか、ちょっと現実離れしたような不思議空間を生んで、進行しているストーリーをただ単にリアルに読ませない配慮がなされています。
主人公の女性、青豆をただ単に「殺し屋」とだけ認識させないのも、そんないろんな部分で包み込んでいるからでしょう。

毎度毎度の性描写も含め、本来はオタッキーでややマニアックな村上春樹の小説が、なぜかベストセラーになるのは、そんな要素の盛り込みと巧みに潜在意識に訴えている点じゃないかと思います。
でもそれらの要素を考えてみても男性受けはしてもあまり女性受けはしないような気はします。


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ブレイクスルー・トライアル

2010-01-23 00:54:38 | 通勤快読


『このミステリーがすごい!』第5回大賞受賞作ということで読みました。
伊園旬さんってまったく知らない作家だなって思ってたら、これがデビュー作ってことでした。

疲れてたからか、細切れに読みすぎて面白みが半減してしまったような気がします。
たぶん一気に読むともっと良かった感じのストーリーです。

セキュリティアタックという侵入競技というかイベント?を舞台にして繰り広げられるややあり得ない感じのゲーム的なストーリーながら、それだけじゃなくて上手く参加者それぞれの別のストーリーも絡まって展開していくところなど、荒削りながらデビュー作としては将来性を感じさせてくれます。
娯楽作品として映像化しても面白そうな内容でしたね。おそらくB級アクション映画になってしまいそうですが(^^;)

そしてこの著者、いかにも男の子が好きそうな作品の雰囲気からてっきり男性だと思い込んでいたら女性ってことがまた意外でした。



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