中国語学習者のブログ

これって中国語でどう言うの?様々な中国語表現を紹介します。読者の皆さんと一緒に勉強しましょう。

複文の構造の特徴(1)

2010年10月28日 | 中国語
 これから何回かにわたり、複文の構造の特徴について見ていきたいと思います。複文というのは、いくつかの分句(クローズ)が組み合わさって構成される文です。今回は、複文の主語についてと、分句間の接続について見ていきます。

                                複文
                    一 複文中の分句の主語の差異と省略

 一つの複文にはいくつかの分句(クローズ)が含まれる。分句は主述文(句)でもよいし、非主述文(句)でもよい。例えば:
   (1)刮了一夜的北風,竟然下起雪来了。
   (2)没有高度的工業化,国家是不可能強盛的。

  例(1)の二つの分句は非主述文であり、例(2)の前半の分句は非主述文であり、何れも主語が無い。

 いくつかの分句は主述文であり、これらの主語は同じであり、各分句に出現することがある。例えば:
   (3)掌握科学道理的人比普通人高明,他們憧得事物的生存和発展的規律,他們憧得辯証法,他們看得遠些。
   (4)要知道建設的理論和方法,就得参加建設。

 また前の分句に現れるが、以下の分句は省略される、或いは前の分句は省略され、後ろの分句に現れる場合もある。例えば:
   (5)我們天天穿衣吃飯,応該知道衣和飯的生産過程。
   (6)掌握了拼音方案,我們学習普通話就方便多了。

  例(5)は前を受けて後ろが省略され、例(6)は後ろを受けて前が省略されている。一般的に、分句の主語が同じだと、省略はしばしば行われる。省略されず全部の主語が現れる時は、強調の修辞作用を帯びる。

 複文のいくつかの分句の主語が異なる場合は、通常は主語の省略はできない。例えば:
   (7)不犯我,不犯人;若犯我,必犯人。

 しかし時には省略できることもある。例えば:
   (8)我也做過這種工作,不算太難。
   (9)我們的研究工作取得了不少成績,但絲毫也不能自満。

  例(8)の二番目の分句の主語は“這種工作”であるが、前の分句の賓語を受けて、省略されている。例(9)の二番目の分句の主語は“我們”であるが、前の分句の主語の定語を受けて、省略されている。このような省略は、中国語の融通性の現れである。しかし、運用する時は注意を払わねばならない。後ろの分句の省略された主語は、前の文で現れたものでなければならない。同時に意味は明確でなければならず、人に誤解を与えてはならない。

                         二 複文と関連語句

 一つの複文にはいくつかの分句(クローズ)が含まれる。分句と分句の間には一定の関連があるが、この関連は一定の文法手段――語順と関連語句(“関聯詞語”)――によって表わされる。

  いくつかの複文の各分句の間の関係は、語順(つまり分句の配列順序)だけによって表わされる。例えば:
   (1)火生起来,炉子焼得通紅,上頭坐着一飯盒飯,盒蓋上刻着禹龍大字様。

 この文では、先ず“火”から“炉子”のことまで話をし、その後“炉子”の“上頭”の“一飯盒飯”のことを言い、その後さらに“盒蓋上”に刻まれた文字のことを言っており、分句の間の関係は、話の順番に並んでおり、間に接続詞等を挟む必要がない。もちろん、間に接続詞等を用いることもできるが、用いないことが多い。

 例えば、次の文は“如果”を用いることもできるが、用いる必要はない。
   (2)今夜搭不上你的車,恐怕要走上半夜哩。

 しかしながら、多くの場合、特に書面語では、複文の中に関連語句を用いるのはごく普通に見られることである。

 関連語句(“関聯詞語”)には、“雖然”、“所以”のような“連詞”(接続詞)、“就”、“才”のような副詞、“另一方面”、“反之”のような詞組がある。これらが分句間の関係で果たす機能は、以下のいくつかの面から考察できる。

(一)いくつかの複文の分句の間の関係は、関連語句を用いて初めて表すことができ、関連語句を除くと、分句と分句がつながらなくなってしまう。例えば:
   (3)尽管他有許多独特的創造,可是他一再把自己的成就帰功于導師的指引。

 この文で“尽管”と“可是”を取り除くと、この二つの分句はつながらなくなってしまう。

(二)一つの複文に含まれる分句の数が多く、関係が複雑であると、関連語句を用いないとこれらの関係をはっきりと表現することができない。例えば:
   (4)工作的条理雖然很好,可是困難也還不少,如果我們対困難没有足够gou4的估計,会給工作帯来損失。

(三)時には、ある複文で関連語句を用いるとある関係を表すが、関連語句を用いないと別の関係になってしまうことがある。例えば:
   (5)或者写過信去,或者拍份電報去,叫他馬上回来。

 これは選択関係であり、“或者”を取り去ると、並列関係になる。

(四)同一の関連語句であっても、異なる関係を表すこともできる。例えば:
   (6)就是剰下一個人,要堅守陣地。
   (7)小王学習很好,就是有点驕傲。

 例(6)の“就是”は文頭に用いられ、“也”と呼応し、譲歩関係を表す。例(7)の“就是”は文中に置かれ、話の転換を表す。

(五)分句の間の異なる関係を表す時は、異なる関連語句を用いなければならない。例えば:
   (8)因為你能够gou4虚心学習,所以工作搞得好。
   (9)既然你能够gou4虚心学習,工作一定搞得好。
   (10)如果你能够gou4虚心学習,工作一定搞得好。
   (11)除非你能够gou4虚心学習,工作会搞得好。

 ここでは四組の異なる関連語句を用いることで、四つの関係の異なる複文を構成している。

 関連語句を用いることは複文の特徴の一つであるが、関連語句のある文は必ずしも複文ではない。なぜなら関連語句は分句を接続する以外に、詞、詞組、文、さらには段落をも接続することができるからである。例えば:
   (12)我們這様的国家,可以而且応該用“偉大的”這個字。
   (13)既然建設祖国需要不断提高人民的教育程度和科技文化水平,我們知識分子就応該積極地担負起這個比較艱難但是十分光栄的任務。

 例(12)の“而且”が接続するのは二つの詞で、例(13)の“但是”が接続するのは二つの詞組である。また例えば:
   (14)“祥林嫂怎麼様?倒不如那時不留她。”四嬸有時当面這様説,似乎是警告他。
       然而她総是如此,全不見有伶俐起的希望。他們于是想打発她走了,教她回到衛老婆子那里去……

 ここで“于是”が接続しているのは二つの文であり、“然而”が接続しているのは二つの段落である。

 時には、関連語句は何も接続せず、文の中で強調する機能のみを行うことがある。例えば“無論誰,都要参加労働”という文の中の“無論”は強調する機能しかない。この文は単文であり、複文ではない。

【出典】胡裕樹主編《現代漢語》重訂版・上海教育出版社 1995年


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