中国語学習者のブログ

これって中国語でどう言うの?様々な中国語表現を紹介します。読者の皆さんと一緒に勉強しましょう。

打江山容易,坐江山難 (器を作るのはやさしいが、その維持発展は難しい)

2009年06月30日 | 中国語成語
盧新寧与網友暢談人民日報評論如何打江山后坐江山
6月23日 人民網

【訳】盧新寧とネット上の読者は人民日報の評論を如何に打ち立て発展させるか心おきなく話し合った

人民日報は、もともと中国共産党の機関紙で、その社説は、中国政府の政策を公に伝える窓口であった。しかし改革開放の潮流の中で、もちろん様々な制約はあるにせよ、より多様な意見を発表し、それが受け入れるようになってきた。そのため、人民日報電子版の人民網には、今日談、人民論壇、人民時評や、人民日報海外版の望海楼など、様々な論評を発表するコーナーが作られるようになった。

これら、論評のコーナーを管轄する、人民日報評論部の責任者(主任)に40代で抜擢されたのが、北京大学卒の才媛、盧新寧である。

この記事は、盧新寧とネット上の読者との対話の形になっており、「単純哲人」という読者が盧に次のように質問している。

対很多媒体而言,言論還在開辟疆土的階段,空間也比較大,我們常説打江山容易,坐江山難,人民日報如何更好地経営這些名牌欄目,使他們更上一層楼?

【訳】多くのメディアにとって、言論はまだ領土を切り開いている段階であり、発展の余地は大きい。私たちはよく「器を作るのはやさしいが、それを維持、発展させることは難しい」と言う。人民日報はこれら(今日談、人民論壇といった)有名なコーナーを如何により一層発展させるのか?

打江山容易,坐江山難
Da3jiang1shan1rong2yi zuo4jiang1shan1nan2

・打: 築く。構築する
・江山: 山河。国家。権力
・坐江山: 権力の座にしっかり座る

【訳】組織や器を作るのはたやすいが、それを維持、発展させることは難しい

更上一層楼
Geng4shang4yi1ceng2lou2

原意は、より遠くを見ようと思ったら、もっと高いところに登らなければいけない、という意味。後に、既に取った成績より、もう一歩高い目標を目指す意味に使われるようになった。

【出典】唐•王之渙《登鸛雀楼》詩:“欲窮千里目,更上一層楼。”

鸛雀楼:山西省永済県にあった三層の高楼。眼下に黄河を望む

【訳】千里の視野を極めんと欲し、更に一層、高楼を上る

この質問に対する盧新寧の回答は、常にオピニオンリーダーであり続けることは不可能。時宜に応じ党や政府の方策を伝え、民意を伝え、輿論を誘導していきたい、とうものであった。いささか平凡な回答であり、かつ着任したばかりで、実力の程は見えないが、今後の活躍に期待したい。

盧新寧
1988年 北京大学中文系卒業
1991年 北京大学 法学修士学位取得。人民日報入社
2003年 高級編集者に任命教育、文化、環境担当記者を歴任全国記者協会理事。中央直轄機関十大若手リーダーの一人
2009年6月 人民日報評論部 主任に任命される

一箭双雕 (一石二鳥)

2009年06月27日 | 中国語成語
一箭双雕
Yi1jian4shuang1diao1

【意味】 一石二鳥。

・箭:弓矢
・雕:鷲(ワシ)

《北史•長孫晟伝》:“嘗有二雕飛而争肉,因以箭両只与晟,請射取之。晟馳往,遇雕相攫,遂一発双貫焉。”

【訳】嘗て二羽の鷲が飛んで餌の肉を争っていたので、二本の矢を晟に与え、これを射るよう言った。晟は馬を駆けて行き、鷲が餌を争っているのを見つけ、遂に一発で二羽を射抜いた。

【出典】長孫晟、字は季晟。南北朝・北周(6世紀)、洛陽の人。聡明で、軍事に詳しく、弓の名手であった。北周の宣帝は辺境の安定を図るため、北方の突厥の国王・撮図の妃として皇女を嫁がせることになり、長孫晟は護衛隊の隊長としてお伴をし、突厥に向った。撮図が開いた酒宴で余興に披露した弓の技で長孫晟は撮図の信任を得、一年間突厥に滞在している間のできごととして、この一本の矢で二羽の鷲を射落とした話が出てくる。

【類似語】 一挙两得
       事半功倍

【反意語】 事倍功半

走了和尚走不了寺

2009年06月27日 | 中国語成語

 馬烽という作家が1980年に発表した《結婚現場会》という小説がある。

改革開放政策が動き出した時代の、山間の農村が舞台。当時農村では、結婚しようと思うと、男の家は嫁を出す家に、数年分の年収に相当する結納金を出す必要があり、そのため結婚が許されず自殺したり、いつまでも嫁をもらえない、というような問題が発生していた。こうした悪癖を正すため、結納金のやりとり無しで結婚することになった3組の男女を模範として集団結婚式を開催し、新しい結婚の形をPRすることになった。
ところが、結婚式の前日になり、そのうちの1組、王二蘭の父親の王栓牛が突然、相手の鄭雲山に対し、結納金500元を持って来ないと、結婚を許さないと言いだした。そこで、結婚式兼農民啓蒙の集会の準備で来ていた共産党支部の幹部のひとりが王栓牛の説得に行くが、王栓牛は口もきかず、そのうち怒りだして、家を出て山の方に行ってしまった。戻ってきた幹部がそのことを報告すると、それを聞いていたひとりが次のように言った。

走了和尚走不了寺,今晚上回来再和他算帳!”

走了和尚走不了寺
Zou3lehe2shang zou3buliaosi4

【意味】人は逃げることができても、家や建物は持って逃げることができない

【訳】「あの男、山へ行ってしまったが、どのみち夕方には戻ってこざるを得ない。今晩、戻ってきたら、決着をつけましょう!」

これは、俗語のようですが、これよりも、
走了和尚走不了廟 zou3lehe2shang zou3buliaomiao4
跑了和尚跑不了廟 pao3lehe2shang pao3buliaomiao4
の方が一般的なようです。

このことばは、歇后語(かけことば)にもなっており、
走了和尚走不了廟 ―― 尽管放心(心から安心する)
という使い方をします。

この小説にはもうひとつ、俗語表現が出てきます。

半路上殺出個程咬金
Ban4lu4shang sha1chu1ge cheng2yao3jin1

【意味】予想外の事情により、物事がうまくいかなくなること

【解説】程咬金は隋末唐初の農民蜂起の指導者の一人。後に唐に帰順。原名は程金。《隋唐演義》では程咬金と書かれ、そそっかしいが誠実な人物であったようです。斧の使い手で、いつも途中に隠れていて、突然飛び出してきて相手を攻めたが、あまり強くなく、弱い相手にはよいが、強い相手には、さっさと逃げてしまったことから、途中で予想外の人物が現れ、ものごとをぶち壊してしまう、という意味のことばが生まれました。

王栓牛が結納金500元を持ってこないと結婚を許さないと言いだしたと、娘の王二蘭が党の幹部に言いに来た時、まわりで聞いていた人々の反応で、

“這時,院里那些筹辧喜事的年軽人都擁了進来,一聴説半路上殺出個程咬金来,也都傻眼了”

【訳】この時、敷地内で結婚式の準備をしていた若者たちがまわりを取り囲み、思いがけない事態になったことを聞くや、皆びっくりしてものが言えなくなった


棄旧図新 (古きを棄て新しいものを求める)

2009年06月22日 | 中国語成語
棄旧図新
Qi4jiu4tu2xin1

古いものを棄て、新しいものを求める。多くは、悪い状況を好転させることを指し、誤った道を抜け出し正しい道を歩むようにする。
オバマ大統領の“Change”がこれに当たるのではないかと思う

【出典】 唐•韓愈《上宰相書》:“忽将棄其旧,而新是図。”

忽ちその旧を棄て、新たにこれを図る。

韓愈は貞元8年(792年)、科挙に合格し進士となるが、任官されなかったことから、貞元11年元旦に宰相に直接に任官の直訴をした。その時に宰相に宛てた文章の一節。

【用例】 毛沢東《中国共産党在民族戦争中的地位》
出岔子不可救薬者外,不是採取排斥態度,而是採取規勧態度,使之翻然改進,棄旧図新。

事故に遭い薬で治療できない者の他は、排斥的な態度をとってはならず、忠告する態度をとり、きっぱりと改善させ、古きを棄て新しいものを求めるようすべきだ。

【類似語】 
 ・ 棄旧謀新(棄旧開新)
 ・ 重新作人 

 (これまでの罪を悔い)真人間にたちかえる

【反対語】
 ・ 同流合汚 
  
   悪人とぐるになって悪いことをする

 ・ 一意孤行 
  
   独断専行

 ・ 至死不悟 
   
   死ぬまで悟らない。頑迷。

集思広益 (衆知を集める)

2009年06月21日 | 中国語成語
集思広益
Ji2si1guang3yi4

集:集中させる
思:思考、意見
広:拡大する、広げる

【意味】 人々の知恵を集中させ、幅広く有益な意見を吸収する。    
     衆知を集める。

【出典】 三国蜀•諸葛亮《教与軍師長史参軍掾属》
      “夫参署者,集衆思,広忠益也。”  

    (訳)官吏となる者は、人々の意見を集め、国の利益を広めるべきである。

(解説) 三国時代、蜀では劉備が亡くなり、劉禅が帝位を継承したが、蜀国の政務は大小を問わず、丞相の諸葛亮(孔明)が処理していた。諸葛亮は世間での声望がたいへん高かったが、自分の功績を鼻にかけおごり高ぶることがなく、いつも部下の意見をよく聞いた。
上記の文書は、彼が部下を教え諭すために書いたものとされるが、本物かどうかは疑わしい。

歇后語】 (かけことば)
・人多主意強 
人が多ければ、知恵もまさっている→「集思広益」

・発動群衆提倡議 
人々に働きかけ、議論を呼びかける→「集思広益」

【灯謎】 諸葛亮会;個個不想謀私利;大家都想做好事

諸葛孔明はそのようにできた。個人個人が自分の利益ばかり追求しない。皆がためになる事をしようと思う。

「灯謎」というのは、毎年旧暦の正月15日の夜、つまり元宵節のお祭りで、美しく飾った灯籠を見学し、米の粉を練った中に餡を入れた団子(元宵)を煮たものを食べる。灯籠見学の時に、なぞなぞが出され、賞品が出るが、このなぞなぞを「灯謎」という。この習慣は、南宋(10世紀~13世紀)頃から始まったといわれる