中国語学習者のブログ

これって中国語でどう言うの?様々な中国語表現を紹介します。読者の皆さんと一緒に勉強しましょう。

中国文化と“虎”の係わり

2010年02月28日 | 中国文化

 今週は、久々に中国・蘇州に出張に来ている。今日は元宵節、旧暦の正月十五日であり、家族で元宵という米の粉で作った団子を食べ、また様々な飾り提灯を眺めに外に繰り出す日である。提灯とともに、燈謎というなぞなぞが掲げられ、それを当てると、いろいろ景品がもらえる、子供たちのお楽しみがついている。
 さて、今年は虎年ということで、中国でも景気の一層の飛躍が期待されている。人民日報に、中国の虎文化という題の小文が載っていた。中国人と虎にまつわる雑学として、おもしろい内容なので、紹介したいと思う。

                人民日報海外版:中国虎文化
           2010年02月19日 来源:人民網-《人民日報海外版》

■ 中華虎文化源遠流長。自古以来,人們就習慣用“生龍活虎”、“龍騰虎躍”、“虎背熊腰”、“藏龍卧虎”、“如虎添翼”、“虎頭虎脳”、“将門虎子”、“虎老雄心在”、“虎虎有生气”等詞語,賛揚生活中的人物和事物,表達中華民族的精神面貌、民族性格和民族自我意識,逐漸形成了独特的虎文化。
 中華の虎文化の起源は、はるか昔まで遡る。太古より、人々は“生龍活虎”、“龍騰虎躍”、“虎背熊腰”、“藏龍卧虎”、“如虎添翼”、“虎頭虎脳”、“将門虎子”、“虎老雄心在”、“虎虎有生气”等のことばを習慣的に用い、生活の中の人物や事物を賞賛し、中華民族の精神、民族性、民族としての自我の意識を表現し、次第に独特な虎文化を形成した。
・源遠流長 yuan2yuan3liu2chang2 [成語]源が遠ければ流れも長くなる。歴史や伝統が長いたとえ。

 ここで、“虎”を使った成語、慣用句がたくさん出てきたので、それぞれの意味を下記にまとめておく。
・生龍活虎 sheng1long2huo2hu3 [成語]生気に満ち活気にあふれているさま
・龍騰虎躍 long2teng2hu3yue4 [成語]龍が飛び立ち虎が躍り上がる。沸き返るような活気に満ちていることの形容
・虎背熊腰 hu3bei4xiong2yao1 [成語]虎の背に熊の腰。体格の逞しいことの形容。
・藏龍卧虎 cang2long2wo4hu3 [成語]隠れた龍に伏せた虎。まだ世に見出されていない有能な人物、或いはその居場所を形容する。
・如虎添翼 ru2hu3tian1yi4 [成語]虎に翼を添えたようだ。強いものが一層強くなるたとえ。鬼に金棒。
・虎頭虎脳 hu3tou2hu3nao3 [成語]丈夫で元気なことのたとえ。(男の子について言うことが多い)
・将門虎子 jiang1men2hu3zi3 ①“将門”は代々将軍を出す、武勇の誉れ高い家柄の意味。“将門虎子”で親や祖先が才能があると、子や子孫も技量が非凡であることを言う。或いは、子や子孫が家柄を汚さないこと。②家庭環境は子供の成長に影響を与えるので、特にスポーツ選手で親子二代ですばらしい成績を残すことを喩えて“将門虎子”という。“将門出虎子”ともいう。
・虎老雄心在 hu3lao3xiong2xin1zai4“虎痩雄心在”とも言う。肉体が老い衰えても、立ち向かいチャレンジする気持ちを持ち続けていること。
・虎虎有生气 hu3hu3you3sheng1qi4 勇ましくて元気いっぱいである。/虎虎:威勢のあるさま。

■ 虎,很早就成为中国的図騰之一。1987年河南省濮陽西水坡一帯発掘出土了一対蚌塑龍虎,距今大约6000年,它伴于一位祖先遺骨的東西両側,依照方位,恰与后世盛行的“東青龍、西白虎、南朱雀、北玄武”相吻合,被誉為“中華第一虎”。著名的司母戊大鼎鼎耳外廓飾着一対虎紋,虎口相向,口中含着人頭。《周易•乾卦文》也説:“雲従龍,風従虎。”因為龍飛于天,虎行于地,所以龍虎相合成為雄偉強盛的象征。漢朝時,人們就開始在除夕之夜在門上画虎以駆鬼魅,以后最正宗的門神画上,都絵有老虎。
 虎は、早くから中国のトーテムのひとつであった。1987年河南省陽西水坡一帯で一対の貝殻で描かれた龍虎像が出土したが、今から6000年前のもので、ひとりの祖先の遺骨の東西両側に置かれ、方位を見ると、ちょうど後世に盛んになった“東青龍、西白虎、南朱雀、北玄武”と符合しており、“中華第一虎”と呼ばれている。有名な司母戊大鼎の鼎耳の外郭に一対の虎紋の飾りがあり、虎の口は向かい合っており、口の中に人の頭をくわえている。《周易•乾卦文》でも、「雲は龍に従い、風は虎に従う」と言う。なぜなら龍は天を飛び、虎は地上を駆けるので、龍虎相見えて雄壮で盛んなことの象徴となったのである。漢代になると、人々は大晦日の夜に家の門に虎の絵を描き、妖怪変化を追い払うようになり、その後、最も正統な家の門の守り神の絵には、虎が描かれるようになった。
・図騰 tu2teng2 トーテム
・蚌塑龍虎 bang4su4long2hu3 貝殻で墓室の地面に描かれた龍と虎の図案。
・司母戊大鼎 si1mu3wu4da4ding3“司母戊大方鼎”、“司母戊鼎”とも言われる。商代(日本では“殷”代と呼ぶ)後期(B.C.16世紀~B.C.11世紀)の王室の祭祀用の青銅器の方形の鼎(かなえ)で、1939年河南省安陽市の農地から出土した。鼎の内部に“司母戊”という文字が鋳込まれていることから、こう名づけられた。高さ133cm、長さ110cm、幅78cmで、現在まで発見されている中で、世界最大の青銅器である。
・鬼魅 gui3mei4 化け物。妖怪変化。

■ 我国虎文化内容非常豊富,虎的形象無所不在,深入人心。在上古的甲骨文中,“虎”字就是一只造型優美可愛的象形虎。従殷商、西周、春秋、戦国,到秦朝、漢朝的石雕、石刻和画像石,以及青銅器、鉄器、金銀器、玉器、瓷器中,以虎為原型的芸術品的紋飾、造型更加豊富。在青銅器中,商代的龍虎尊的主題紋是“虎口銜人”;婦好墓出土的銅鉞上也有“虎釘銜人”紋;特別是一件名叫“虎食人卣”的商代作品,卣的三个支点是虎的両条后腿和尾巴,虎的前爪抱持一人,張口欲啖人首,形象生動,撼人心魄,反映了古代人対虎的崇拜。
 我が国の虎文化の内容はたいへん豊かで、虎の姿かたちはどこにでもあり、深く人々の心に入り込んでいる。古代の甲骨文字で、“虎”は造型が優美で可愛い象形の虎である。殷商(都を殷に移してからの商)、西周(都が長安にあった時代の周。次の春秋時代は都を洛陽に移し、東周と呼ばれる)、春秋、戦国から、秦朝、漢朝に至るまでの石雕、石刻、画像石、及び青銅器、鉄器、金銀器、玉器、陶磁器の中で、虎を原型とする芸術品の紋様、造型は更に豊富である。青銅器の中で、商代の龍虎樽の主要な紋様は「虎が人を口にくわえる」で、婦好墓出土の銅のまさかりにも「虎の釘が人をくわえる」紋様がある。特に「虎が人を食べる図柄の酒器」と呼ばれる商代の作品は、酒器の三本の脚は虎の二本の後ろ足と尻尾であり、虎の前足の爪は一人の人間を抱え持ち、口を開いて人の首を食おうとしており、姿かたちが生き生きとしていて、人を感動させ、古代の人の虎への崇拝を反映している。
・無所不在 wu2suo3bu4zai4 [成語]ないところはない。どこにでもある
・銜 xian2 口にくわえる
・婦好墓 河南省安陽の殷墟で1976年に発掘された、商の王室関係者の唯一完全な墓。
・鉞 yue4 古代の武器。まさかり
・卣 you3 酒を入れる器で、口が小さく、腹が大きい。
・啖 dan4 食らう
・撼 han4 揺り動かす。揺さぶる
・魄 po4 人の肉体に宿る霊魂。魂

■ 我国歴史上,以虎為題的工筆画、写意画等不勝枚挙。在年画、泥塑、皮影、剪紙、布玩具等民間美術作品中,虎的形象有很多不再是凶猛的野獣或者権威的象征,而是一種可親可愛的動物,其中不乏堪称世界経典的作品。《山海経》中説道:在滄海之中有一座大山,名叫“度朔”。山上有一株魁偉的桃樹,枝叶盤曲舒張,覆蓋三千余里。在山的東北面有一処間隙,是供衆鬼出入的“鬼門”。山上住着両位神仙,一个名叫神荼,一个名叫郁塁,専門負責監管衆鬼。凡是遇到為非作歹的悪鬼,二神就用縄子把它梱上,投給老虎吃掉。
 我が国の歴史上、虎をテーマにした工筆画、写意画は数え切れないほど多い。年画、泥人形、影絵、切り紙、布製の人形等の民間の美術作品で、虎の形象にはもはや凶暴な野獣や権威の象徴ではなく、一種の親しみやすく可愛い動物であり、その中には世界の代表作と呼べるような作品もたくさんある。《山海経》の中に次のような話がある。大海原の中に大きな山があり、名を“度朔”という。山には一本の大きな桃の木があり、その枝や葉はくねくねと伸び拡がり、あたり三千余里を覆っている。山の東北に一ヶ所隙間があり、たくさんの鬼が出入りする“鬼門”である。山の上にはふたりの仙人が住んでいて、ひとりは神荼、ひとりは郁塁といい、専ら鬼を管理している。いつも悪事を働く鬼を見つけると、ふたりの仙人は縄で鬼を縛り、虎に投げて食べてしまわせる。
・工筆画 gong1bi3hua4 中国画の画法のひとつで、細密画。
・写意画 xie3yi4hua4 中国画の画法のひとつで、微細な描写をせず、情趣の表現に重きを置く表現方法。
・不勝枚挙 bu4sheng4mei2ju3 [成語]枚挙に暇が無い。いちいち数えきれない
・魁偉 kui2wei3 体格のりっぱなさま
・盤曲 pan2qu3 ぐるぐる曲がりくねる
・舒張 shu1zhang1 心臓や血管の弛緩。拡張
・為非作歹 wei2fei1zuo4dai3 [成語]悪事の限りを働く

■ 我国民間還認為“虎毒不食子”。為了儿童的安全、健康成長,常在小孩的鞋帽上繍上虎頭等装飾,称為虎鞋、虎帽,以討吉利,駆邪避祸。著名現代文学家魯迅先生写過:“無情未必真豪杰,怜子如何不丈夫,知否興風狂嘯者,回眸時看小於菟。”賛美虎的愛子之心,這里的“小於菟”就是虎的幼仔。
 我が国の民間ではまた「虎の毒があると子供を食べられない」と言われている。子供の安全、健康な成長のため、よく子供の靴や帽子に虎の頭などの装飾を刺繍し、虎鞋、虎帽と呼び、縁起をかつぎ、邪気を払い禍を避ける。有名な現代文学作家の魯迅はこう書いている。「冷血無情な者が必ずしも豪傑ではないし、子供をいつくしむ者は男らしい男ではないとは言えない。野生の虎は風のひどい時、時々子供の虎の方を気にかけて見ていることを知っているか。」こう、虎の子を愛する心を賛美している。ここでの“小於菟”とは虎の幼子のことである。
・吉利 ji2li4 縁起
・駆邪 qu1xie2 邪気を追い払う。魔よけをする
・於菟 wu1tu2 虎

■ 虎,還是我国民俗中影響広的十二生肖之一。其形象広汎流伝于人們的口語中,在文学、雕塑、絵画、戯曲、民俗,以及更为広汎的民間伝説、神話、故事、儿歌等伝統文化的各個領域,成為中華文明不可或缺的一部分。
 虎は、また我が国の民俗風習に広く影響している十二支のひとつである。その姿かたちは人々の口語の中に幅広く流布しており、文学、彫刻や塑像、絵画、戯曲、民俗風習、及びより広汎な民間伝説、神話、物語、わらべ歌等の伝統文化のそれぞれの領域で、中華文明の欠くことのできない一部分となっている。
・十二生肖 shi2er4sheng1xiao1 十二支

  中国人と虎の係わりを見てきた。中国は、昨年経済の復興を果たし、今年は上海万博を控え、間違いなく“龍騰虎躍”な一年になる。心配なのは日本経済の状態で、昨年はエコポイントなどのカンフル剤で多少は持ち直したが、息切れしないか気がかりである。是非“生龍活虎”な一年になってほしいものである。

温家宝首相、2010年春節祝賀会でのスピーチ

2010年02月20日 | 中国ニュース
 これは、中国政府の毎年恒例の春節団拝会での温首相のスピーチである。“団拝会”というのは、“団体拝年会”のことで、組織、団体で新年を祝う行事である。中国共産党、政府機関、企業などは、通常、農暦正月一日、つまり春節の前日の夜、“団拝会”を開催、そこで組織の長が参加者に新年の祝賀のことばを述べ、過去一年の業績を振り返り、新しい年の目標を示すという行事である。2010年の春節は2月14日であったが、この“団拝会”は13日ではなく、12日の夜に開催された。というのも、2月13日から19日までを政府の春節休暇と定めた為、休暇に入る前日の夜の開催としたのだろう。

           在二〇一〇年春節団拜会上的講話
           (二〇一〇年二月十二日)温家宝
         2010年02月13日  来源:人民网-《人民日報》

 同志們,朋友們:
牛年即将過去,虎年就要到来。我向大家致以節日的良好祝願!向全国各族人民拜年!
 牛年は間もなく過ぎ去り、虎年がやって来る。私は皆さんに良い祝日を迎えられるようお祈りしたい。全国の各民族の皆さん、あけましておめでとう。

■ 過去的一年,極不平凡。世界遭遇歴史罕見的国際金融危机,我国経済受到厳重衝撃。我們緊緊依靠全国各族人民,堅定信心,沉着応対,果断採取一系列政策措施,迅速扭転経済増速下滑趨勢,在世界率先実現経済回升向好。中国人民以堅定的信心、非凡的勇气和堅忍不拔的意志,戦勝了一個又一個困難。歴史又一次証明,任何艱難険阻都擋不住中国人民前進的步伐。
 過去の一年は、極めて特異であった。世界は歴史的にも珍しい国際金融危機に遭遇し、我が国の経済は重大な衝撃を受けた。私たちは全国の各民族人民にしっかりと依拠し、自信をしっかり持ち、落ち着いて対応し、断固として一連の政策措置を採り、迅速に経済成長のスピードの下降傾向を転換させ、世界で率先して経済の回復と好転を実現した。中国人民は、しっかりした自信と、非凡な勇気、堅忍不抜の意志でもって、ひとつ、またひとつと困難に打ち勝った。歴史はまた、如何なる困難や危険も中国人民の前進の歩みを止めることはできないということを証明した。
・沉着応対 chen2zheying4dui4 落ち着いて対応する。/着:助詞。動詞+着+動詞の形で~しながら~する。沉:落ち着かせる。
・堅忍不拔 jian1ren3bu4ba2 = 堅韌不拔 jian1ren4bu4ba2 意味は同じで、「堅忍不拔」である。
・険阻 xian3zu3 危険

■ 過去的一年,令人振奮。我們隆重慶祝新中国成立60周年。偉大祖国的輝煌成就,極大地激発了全国人民的自信心和自豪感,極大地増強了中華民族的凝聚力,極大地提升了我国的国際地位和影響力。
 過去の一年は、人々を奮い立たせた。私たちは新中国成立60周年を盛大に祝った。偉大な祖国の輝かしい成果は、最大限に全国人民の自信と誇りを奮い立たせ、最大限に中華民族の結び付きを強め、最大限に我が国の国際地位と影響力を高めた。
・令人振奮 ling4ren2zhen4fen4 人を元気づける、奮い立たせる

 “極大地”で始まるフレーズを3回繰り返し、文章にリズム感と力強さを持たせている。

■ 2010年是国内外形勢更加錯綜複雑的一年。“勝非為難,持之為難”。我們一定要保持清醒頭脳,増強憂患意識,堅持以経済建設為中心,大力推進改革開放,着力転変経済発展方式,加快調整経済結構,做好応対国際金融危机的各項工作,保持経済平穏較快発展。
 2010年の国内外の情勢はより錯綜し複雑な一年となるだろう。「勝って兜の緒を締めよ。」私たちは必ず冷静な考えを保ち、危機意識を強め、経済建設を中心とすることを堅持し、大いに改革開放を推進し、経済発展方式の転換に力を入れ、経済構造の調整を加速し、国際金融危機に対応する各種の事業を成し遂げ、経済の平穏で迅速な発展を維持しなければならない。

 ここでポイントは、“勝非為難,持之為難”ということばである。「勝利することは難しくないが、それを維持することは難しい。(勝って兜の緒を締めよ)」これは言うまでもなく、2009年の中国経済を世界金融不況の影響から脱却させ、GDP8%成長の確保を成功させたことと、その好調を2010年も維持していくことへの困難さ、油断への戒めとして言ったことばである。
 このことばは、《宋史》に出典があり、北宋の哲宗の時、右正言という役職にあった、鄒浩という人の皇帝への諫言である。
 温首相は実はこのことばを、昨年12月27日に中南海での人民日報の記者との単独会見での話の中でも使っている。記者に来年、つまり2010年の経済政策について聞かれた時のことばであり、
“応対国際金融危机,我們已経取得了明顕的成効,我們面前是一条不平坦的道路,我們這個民族経歴過很多災難,但是独立不惧、百折不撓是我們的優良伝統。新的一年快到了,我希望全国人民在党和政府的領導下要堅持。“勝非為難,持之為難”,堅持到底就是勝利。我希望在新的一年里,我們還要継続保持憂患意識和危机意識,更加兢兢業業地努力工作,努力奮斗。中国的明天大有希望。”
(国際金融危機の対応で、私たちは既に明らかな成果を得た。私たちの前には一筋の平たんではない道が続いており、私たち民族は多くの災難を経験してきたが、独立不羈(ふき)、不撓不屈は私たちの優れた伝統である。新しい一年がやがてやって来るが、全国人民が党と政府の指導の下にそれを堅持することを希望する。「勝って兜の緒を締めよ。」最後までがんばりぬくことこそ勝利である。私は新しい一年に、私たちが引き続き危機意識を維持し、更にまじめにこつこつと努力し、奮闘することを希望する。中国の明日には大いに希望がある。)
 こういうキーワードを、公の席で、二回も使うということに、温家宝首相の強い決意と自らへの戒めが反映されていると思う。
 では、2010年の政策での決意とは何か。それは“民生”政策である。

■ 新的一年,我們要更加努力工作,切実解决好民生問題。千方百計創造更多就業机会,持続提高城郷居民的收入水平,譲毎個労働者各尽所能,各得其所。加快完善社会保障体系,使人民群衆老有所養、病有所医、住有所居,努力解除他們的后顧之憂。大力発展教育事業,促進教育公平,提高教育質量,譲毎個孩子都能上学、上好学。我們所做的一切,都是為了譲人民生活得更加幸福、更有尊厳。
 新たな一年で、私たちは更に努力をし、民生の問題を的確に解決しなければならない。百方手を尽くし、より多くの就業機会を作り出し、都市住民の収入レベルを引き続き向上させ、労働者一人一人に各々能力に応じて働き、適材適所を占めるようにさせる。早く社会保障制度を充実させ、人民大衆が老いれば養われ、病気をすれば治療が受けられ、住まいがあり、彼らの後顧の憂いを取り除くよう努力する。教育事業を大いに発展させ、教育の公平を促進し、教育の質を高め、子供ひとりひとりが学校に行き、しっかり勉強する。私たちが行うことの一切は、人民がより幸福で、より尊厳のある生活を送るためである。
・千方百計 qian1fang1bai3ji4 あらゆる方法を講じる。百方手を尽くす
・各尽所能,各得其所 ge4jin4suo3neng2, ge4de2qi2suo3 各人が能力に応じて働き、それぞれ適材適所を占める
 “各尽所能”と言うと、一般には“各尽所能,按労分配”(各人が能力に応じて働き、労働に応じて分配する)、“各尽所能,按需分配”(各人が能力に応じて働き、必要に応じて分配する)が一般的なつながりであるが、ここは多少もじって、人材の有効活用という意味合いを強めている。
・后顧之憂 hou4gu4zhi1you1 後顧の憂い

 “老有所養、病有所医”とは、先ごろ発表された、中国13億人民の医療保険制度のことを言うのだろう。

■ 春節是中華民族的伝統節日。此時此刻,普天之下的中華儿女都更加緬懐祖先、思念故土,更加珍惜血濃于水的骨肉情誼。在這万家団圓的時刻,我衷心祝願香港特別行政区同胞、澳門特別行政区同胞、台湾同胞、海外僑胞生活幸福,事業発達,万事如意!
 春節は中華民族の伝統の祭日である。この時に当たり、世の中の中華民族の子孫達は皆、祖先のことを思い、故郷を思い、更には血は水より濃いという親密の情を惜しんでいる。この全ての皆さんが一家団欒を迎える時間に、私は、香港特別行政区の同胞、アモイ特別行政区の同胞、台湾同胞、海外の華僑の同胞の皆さんの生活が幸福で、事業が発展し、何事も順調にいくよう、心からお祈りする。
・普天之下 pu3tian1zhi1xia4 天下。世の中。/“普天同慶”pu3tian1tong2qing4 という成語があり、天下の人がこぞって(いっしょに)喜び祝う、という意味。
・緬懐 mian3huai2 追想する
・血濃于水 xue4nong2yu2shui3 血は水より濃い
・骨肉情誼 gu3rou4qing2yi4 親密の情

■ 譲我們在以胡錦涛同志為総書記的党中央領導下,同心同徳,奮発図強,為実現中華民族偉大復興而努力奮斗!
祝大家新春愉快,身体健康!祝全国各族人民闔家歓楽,幸福吉祥!
 私たちに、胡錦涛同志を総書記とする党中央の指導の下、心をひとつに、国家の富強に努め、中華民族の偉大な復興実現のため、奮闘努力させてほしい。
 皆さんが新春を楽しく迎えられ、体が健康であることをお祈りする。全国各民族人民が一家団欒を迎え、幸福であることをお祈りする。
・同心同徳 tong2xin1tong2de2 一心同体である。心をひとつにする
・奮発図強 fen4fa1tu2qiang2 奮起して国家の富強を図る
・闔家歓楽 he2jia1huan1le4 一家団欒 /“闔家”で一家そろって、の意味。

 こういう祝賀行事でのスピーチは、紋切型の内容が多いが、このスピーチは温家宝さんらしく古典からの引用や成語をうまく使われている。最後に使われているいくつかの成語などは、あいさつの席でうまく使うと、スピーチのグレードが上がるのではないだろうか。

繞口令(中国語の早口言葉)

2010年02月14日 | 中国語
“繞口令”は、中国の伝統的なことば遊びで、日本語で言うと、早口言葉である。“繞”というのは、「巻く」という意味で、そこから、「からみつく」、「回り道をする」、「頭がこんがらがって混乱する」という意味を持つ。“繞口”だから、「言いにくくて舌がからみつく」ということである。“令”ling4というのは、酒の席での遊びのことである。
侯宝林の相声(漫才)を聞いていると、よく“繞口令”のことを“口腔体操kou3qiang1ti3cao1 と言って笑わせているが、正に口蓋と舌の運動である。
尚、以下の内容は《百度百科》の記載記事である。

一、“繞口令”概要
“繞口令”rao4kou3ling4 は中国の伝統的なことば遊びである。“急口令” ji2kou3ling4 、“吃口令” chi1kou3ling4 、“拗口令” ao4kou3ling ともいう。“声母”、韻母、声調の混同し易い字を組み合わせ、反復したり、語句を重ねたりし、舌が回らず言いにくいフレーズにし、一気に早口で話すことを要求する。読んでもると、リズミカルで、おもしろい。
    
(一)“繞口令”の成り立ちと発展

 “繞口令”の成り立ちについては、5000年余り前の黄帝の時代まで遡ることができる。古籍中、好運にも残った《弾歌》の“晰竹,続竹,飛土 xi1zhu2 xu4zhu2 fei1tu3 ”は黄帝時代の作と伝えられる。考証によれば、これは原始形態に近い歌謡である。この中に、既に“繞口令”の基本成分である、同じ声母を持ったり韻を重ねた語句がある。ここから推察されるのは、文字の出現以前から、既に人々の口から出ることばの中にその芽生えがあったのではないかということである。

   文字や言語の形成、発展に伴い、古代の人々は漢字の並べ方によっては読んだ感じが他と違うことに気づき、同じ声母を持ったり韻を重ねた語句を発見した。これら、同じ声母を持ったり韻を重ねた語句の関係は、うまく並べないと、舌が回らず言いにくい。うまく並べると、ありふれたものとは違う音韻の美しさを生みだす。このため、その規律性を捜し、練習し、口頭で表現しようとする人が現れた。そして、彼らは意識的に音韻の同じ文字を組み合わせ、わざと回りくどい言い方にして、繋ぎ合わせてフレーズを作り、子供たちに憶えさせ、暗誦させた。その中の音韻が美しく、かつ舌が回りにくく、ユーモアのあるフレーズは、子供達を喜ばせただけでなく、多くの青年たちも喜ばせた。このように、人々が諳んじたことばが、口伝され、広まった。広まる過程で、人々は絶えず改良を加え、遂には皆ユーモアのある歌謡となり、益々おもしろみを増した。誰がその作者であるかは、誰も気に留めなかった。

 “繞口令”の形が次第に整うと、人々の間で流布するようになり、下層の人々に近い文人もこの一種の通俗的な文学形式に関心をはらうようになった。屈原の少し後の楚の宋玉は、韻を重ねた語句を詩の中に取り入れた。《九辯》は彼の代表作で、その中で韻を踏んだ語句を使い、語句の音節の錯綜、変化により、読んだ感じが音韻の調子がとれ、興趣が尽きない。多くの文人が茶を飲んだり酒を飲んだりるす時、興に乗っていくつかの句をつないで詩を作り、“酒令”(酒の上でのゲーム)としたり、子供に歌わせたりした。今日まで残された古代の“繞口令”は、ほとんどが、文人が民間の“繞口令”を真似て作ったものである。現在も残っているものでは、唐代の詩人、温庭筠の《李先生別墅望僧舍宝刹作双声詩》:“犠息消心象;檐楹yan3ying2溢yi4絶陽,簾槞lian2long3蘭露落,隣里柳林涼,高閣過空谷,孤竿gu1gan1隔古崗,潭庭tan2ting2月淡蕩 dang4,倣佛復芬芳。”がある。宋代の大文学家、蘇軾も《吃語詩》(“散居剣閣隔錦官”)を作った。明代文学家、高啓は《呉宮詞》(“筵前怜嬋娟”)を作った。内容から見れば、これらの繞口令はたいてい酒食が足りて良い心持になった時に興が乗って手慰みに作ったもので、たいした意味は持たないが、形式から見ると、“咬文嚼字”yao3wen2jiao2zi4(文章の文字面にばかりこだわり、意味のないこと)の文字遊びである。書物は堅苦しく、難解であり、下層の人々や子供たちは、“敬而遠之”、つまり「敬して遠ざく」ものであった。このことは繞口令の言語的価値や文学的価値に大きな影響を与え、繞口令の普及、向上に影響を与えた。古代の繞口令については、明代の文学家、謝肇涮の撰した《文海披沙》卷五に、記載がある。

 一方、民間に流布した繞口令はその通俗でわかりやすい特徴が保持され発揚し、益々完成度が上がり、かつ収集、整理された。清朝末期、イタリアの官吏で中国駐在のVitale(中国語訳:韋大利)が収集した《北京児歌》(1896年出版,英漢対照本)の中に、繞口令《玲瓏塔》がある。何蘭が収集した《孺子歌図》の中にも、繞口令《禿丫頭》がある。

 “五四”新文化運動以降、中国の現代文学は益々下層の人々に接近し、それに伴い児童文学も次第に文芸の一部として認められるようになり、このことは繞口令の発展に新たな道を拓いた。しかし、社会の意識、創作者の思想の限界から、多くの繞口令の基調は低俗なものだった。
 例えば、《螺螄和騾子》:
“胡子担dan1了一担dan4螺螄 luo2si1,駝子騎了一匹騾子。
 胡子的螺螄撞了駝子的騾子,駝子的騾子跴cai3了胡子的螺螄。
 胡子要駝子賠胡子的螺螄,駝子要胡子賠駝子的騾子。
 胡子罵駝子,駝子打胡子,螺螄也爬到騾子頭上去齦ken3鼻子。”
(ひげの男が一担ぎのマキガイを天秤棒で担いで来た。せむしの男はラバに乗ってやってきた。ひげ男のマキガイがせむし男のラバにぶつかり、せむし男のラバはひげ男のマキガイを踏みつけた。ひげはせむしにひげのマキガイの弁償をしろと言い、せむしはひげにせむしのラバの弁償をしろと言った。ひげはせむしを罵り、せむしはひげをたたき、マキガイもラバの頭に上って鼻を噛んだ。)

 これは、かつての社会の“人不為己,天誅地滅”ren2bu4wei2ji3 tian1zhu1di4mie4 (自分のためを謀らない人には、天地の罰が当たる)という社会意識を反映し、人と人の間の赤裸々な利害関係を反映していた。

 中華人民共和国成立後、繞口令の内容にも明らかな変化が見られるようになった。
例えば、1960年代に流布した繞口令《賠缽缽》:
“你婆婆借給我婆婆一個缽缽bo1bo,我婆婆打爛了你婆婆的缽缽。
 我婆婆買来一個缽缽,還給你婆婆。
 你婆婆説什麼也不要我婆婆賠缽缽,我婆婆硬気把買来的缽缽還給你婆婆。”
(あなたのお母さんが私のお母さん(義母)に鉢を貸してくれた。私のお母さんはあなたのお母さんの鉢を壊してしまった。私のお母さんは新しい鉢を買ってきて、あなたのお母さんに返した。あなたのお母さんはどうしても私のお母さんが鉢を弁償する必要はないと言い、私のお母さんはどうしても買ってきた鉢をあなたのお母さんに返すと言い張った。)
 これは、1960年代の社会の人間関係を反映しており、当時の建国間もない時代の人々の意識が表現されている。
  
(二)繞口令は舌がこんがらがればこんがらがるほどおもしろい

 繞口令の特徴は、同じ声母が並んだり、韻が重なった語句や、発音が同じ、或いは良く似た語句や、混同しやすい文字を意識的に同じところに集め、組み合わせて簡単で面白い韻を踏んだ語句を作り、読んでみると舌がこんがらがり、しかし大変面白い言語芸術である。提起すべきは、繞口令は言語訓練の良い教材であり、真面目に繞口令を練習すると、頭の回転を良くし、ことばが明晰になり、発音がはっきりし、吃音を防ぐことができ、また閑な時に人を笑わせることのできることばの遊びである。  
例えば、
■ 山前有個厳圓眼,山后有個楊眼圓,二人山前山后来比眼;
不知厳圓眼比楊眼圓的眼圓,還是楊眼圓比厳眼的眼圓。
厳さん、楊さんというふたつの姓のまんまる眼(まなこ)を持った人の話。
(山の手前に厳のまんまる眼、山の向こうに楊のまんまる眼がいて、ふたりは山の前と後ろで互いの眼を比べた。厳のまんまる眼が楊のまんまる眼の眼より丸いか、楊のまんまる眼が厳のまんまる眼の眼より丸いかわからない。)
日本語で言ってもこんがらがりそうな話である。

《算卦的和挂蒜的》は、韻を踏んだ調子が良い。
■ 街上有個算卦的,還有一個挂蒜的。
算卦的算卦,挂蒜的売蒜。算卦的叫挂蒜的算卦,挂蒜的叫算卦的買蒜。
算卦的不買挂蒜的蒜,挂蒜的也不算算卦的卦。
(街に八卦見がいて、またニンニクを吊るしている男がいた。八卦見は占いをし、ニンニクを吊るしている男はニンニクを売っていた。八卦見はニンニクを吊るしている男に占いをするよう言い、ニンニクを吊るしている男は八卦見にニンニクを買うように言った。八卦見はニンニクを吊るしている男のニンニクを買わず、ニンニクを吊るしている男は八卦見に占いをしてもらわなかった。)

これらふたつの繞口令は、たいへん妙趣に富んでいる。

 繞口令の構造には、“対遇式”と“一貫式”の二種類がある。“対遇式”は、ふたつの句が対遇、つまり相対し、並行して順繰りに展開していく。
例えば、
■《四和十》四是四,十是十;
要想説対四,舌頭碰牙歯;要想説対十,舌頭別伸直;
要想説対四和十,多多練習十和四。
(四は四、十は十。正しく四を言うには、舌の先を歯に当てなければならない。正しく十を言うには、舌の先を伸ばしてはいけない。正しく四と十を言うには、もっと十と四を練習しなければならない。)

対遇式の繞口令で最も有名なのは、民間に流布している“繞口聯”で、例えば、
■ 童子打桐子,桐子 落,童子 楽;
丫頭齦鴨頭,鴨頭 咸,丫頭 嫌。
(男の子が桐の木を叩くと、桐の実が落ちてきたので、男の子は喜んだ。
女中がアヒルの頭を食べる(噛む)と、アヒルの頭は塩辛かったので、女中は嫌がった。)
この“繞口聯”は、同音異義で、舌が回りづらく、たいへん巧妙に作られている。
■ 求自在不自在,知自在自然自在;
悟如来想如来,非如来如是如来。
(自在を求めても自在にはならないが、自在を知れば自ずと自在になる。
如来を悟って如来を思えば、如来にあらざれどもかくのごとく如来である。)
上の聯と下の聯にそれぞれ四つの“自在”と“如来”が出てきて、この四回それぞれの意味が異なり、味わいがある。

 “一貫式”の繞口令は、一気呵成で、句と句が合い繋がり、次第に内容が深まっていく。
 例えば、
■ 遠望一堆 灰,灰上蹲個亀,亀上蹲個鬼。
鬼儿無事挑担水,湿了亀的尾,亀要鬼 賠 亀的尾,鬼要亀 賠 鬼的水。
(遠く積った灰を見ると、灰の上に亀がうずくまっており、亀の上には鬼がうずくまっていた。鬼はすることもないので天秤棒で水を担いだが、亀の尾を濡らしてしまった。亀は鬼に亀の尾の弁償をしろと言い、鬼は亀に水を弁償しろと言った)
■ 化肥発灰,灰化肥発。
化肥発灰 会 揮発,灰化肥 揮発会発,灰化肥発 揮発会発灰。
(黒い化学肥料が灰になった、灰の化学肥料が黒くなった。黒い化学肥料は灰になり揮発した。灰の化学肥料は揮発して黒くなった。灰の化学肥料は黒くなり揮発して灰になった。)
■ 一面小花鼓,鼓上画老虎。
宝宝敲破鼓,媽媽拿布 補,不知是布 補 鼓,還是布 補 虎。
(一個の太鼓があり、太鼓の上には虎の絵が描かれていた。宝宝は太鼓を叩いて破ってしまったので、お母さんは布を持ってきて修理したが、布で太鼓を修理したのか、布で虎の絵を繕ったのか、わからない。)
■ 墻上一根釘,釘上挂条縄,滑落縄下瓶,打碎瓶下灯,砸破灯下盆。
瓶打灯,灯打盆,盆罵灯,灯罵瓶,瓶罵縄,縄罵釘,釘怪縄,縄怪瓶,瓶怪灯,灯怪盆。
叮叮当当当当叮,乒乒乓乓乓乓乒!
(壁に一本の釘があり、釘には縄がかかっていて、縄の下の瓶が滑り落ち、瓶の下の電灯を打ち壊し、電灯の下のたらいを打ち壊した。
瓶は電灯を打ち、電灯はたらいを打ち、たらいは電灯を罵り、電灯は瓶を罵り、瓶は縄を罵り、縄は釘を罵り、釘は縄を恨み、縄は瓶を恨み、瓶は電灯を恨み、電灯はたらいを恨んだ。)
 これらを見ていくと、繞口令の多くはふざけた感じで生き生きとしており、リズミカルである。方言で朗読したものはより郷土の特色が濃厚となり、毛沢東は生前、繞口令を好んだ。ある時、彼は中南海文工団の余という名の四川省出身の女兵士から、四川方言の繞口令を教わった。“一出南門走六歩,碰到六舅和六叔。好六叔,好六舅,借我六升六斗好緑豆。過了秋,再還六叔六舅六升六斗好緑豆。”四川語の“六”、“緑”、“陸”の音は似ている。毛沢東は声を出して言えば言うほどおもしろくなり、“過了秋”のところを何気なく“收了秋”に変えて言ったところ、うまい具合に穀物を収穫する情景が体現できるようになった。

 伝統的な繞口令は、多くはただ字句の“諧音”(音が同じか似ていること)のみ重視し、その内容には重きを置いていなかった。しかし、現在、民間で新たに創作される繞口令は、
中身もあるものになっている。
 例えば、
■《数獅子》“公園有四排石獅子,毎排是十四只大石獅子,
 毎只大石獅子背上是一只小石獅子,毎只大石獅子脚辺是四只小石獅子,
 史老師領四十四個学生去数石獅子,你説共数出多少只大石獅子和多少只小石獅子?”
(公園に四列の石の獅子がおり、各列には十四匹の大きな石の獅子がおり、どの大きな石の獅子も背中に一匹の小さな石の獅子を背負い、どの大きな石の獅子も脚の横に四匹の小さな石の獅子がいた。史先生は四十四人の学生を連れて石の獅子を数えに行った。さて、全部で何匹の大きな石の獅子と何匹の小さな石の獅子がいるでしょう。)

 算数の文章問題のようになっている。

 内容が意味深長な繞口令もある。
■“一些事没有人做,一些人没有事做,一些没有事做的議論做事的做的事;
 議論做事的総是没事,一些做事的総有做不完的事,一些没有事做的不做事不碍事,一些有事做的做了事却有麻煩事;
 一些不做事的挖空心思惹事,譲做事的做不成事,大家都不做事是不想做事的做事;
 做事的做不成事傷心,不做事的不做事開心。”
(いくつかの事は誰もやらない。何人かの人は何もすることがない。何人かの何もすることが無い人が何かをした人のした事を議論した。何かをした人のことを議論しても総じてどうということもない。何人かの何かをした人にはいつもやり終わらなかった事があり、何人かの何もすることがない人のしなかった事はするのを妨げられている事ではなく、いくつかのある事をした人がした事は面倒くさい事である。何人かの何もしない人が知恵を絞って引き起こした事は、できる人にできなくさせる事であり、皆がしない事は何もしたくない人がする事である。できる人はできなかった事で悲しみ、何もしない人は何もやらなかったので愉快である。)
・挖空心思 wa2kong1xin1si1 苦心惨憺する。ない知恵を絞りだす
 
 こうなると、単なることば遊びの域を超え、思想的、教訓的な意味合いも出てくる。

二、代表的な繞口令
  
(一)声母が同じの繞口令
 “声母”は漢字の音節の最初の子音のことで、“声母”が同じ語句を集めた繞口令である。

■ b-p:補破皮褥子不如不補破皮褥子(《補皮褥子》)
■ b-p:吃葡萄不吐葡萄皮儿,不吃葡萄倒吐葡萄皮儿(《葡萄皮儿》)
■ d:会燉我的燉凍豆腐,来燉我的燉凍豆腐,不会燉我的燉凍豆腐,
 就別燉我的燉凍豆腐。
 要是混充会燉我的燉凍豆腐,燉壊了我的燉凍豆腐,哪就吃不成我的燉凍豆腐
(《燉凍豆腐》)。
■ l:六十六歳劉老六,修了六十六座走馬楼,楼上擺了六十六瓶蘇合油,
 門前栽了六十六棵垂楊柳,柳上拴了六十六個大馬猴。
 忽然一陣狂風起,吹倒了六十六座走馬楼,打翻了六十六瓶蘇合油,
 圧倒了六十六棵垂楊柳,吓跑了六十六个大馬猴,気死了六十六歳劉老六
(《六十六歳劉老六》)。
■ d-t:大兔子,大肚子,大肚子的大兔子,要咬大兔子的大肚子
(《大兔子和大肚子》)。
  

(二)韵母が同じの繞口令
“韵母”は漢字の音の声母のうしろに付く母音のことである。ここでは、“韵母”が同じ語を集めた繞口令を紹介する。

■ a:門前有八匹大伊犁馬,你愛拉哪匹馬拉哪匹馬(《伊犁馬》)。
■ e:坡上立着一只鵞 e2,坡下就是一条河。
 寛寛的河,肥肥的鵞,鵞要過河,河要渡鵞。
 不知是鵞過河,還是河渡鵞(《鵞》)。
■ i:一二三,三二一,一二三四五六七。
 七个阿姨来摘果,七個花籃儿手中提。
 七棵樹上結七様儿,蘋果、桃儿、石榴、柿子,李子、栗子、梨
(《七棵樹上結七様儿》)。
■ u:鼓上画只虎,破了拿布補。不知布補鼓,還是布補虎(《鼓上画只虎》)。
■ ai:買白菜,搭海帯,不買海帯就別買大白菜。
 買売改,不搭売,不買海帯也能買到大白菜(《白菜和海帯》)。
■ an:出前門,往正南,有個面舗面衝南,門口挂着藍布棉門簾。
 摘了它的藍布棉門簾,棉舗面衝南,給他挂上藍布棉門簾,面舗還是面衝南
(《藍布棉門簾》)。
■ ang—eng:長城長,城墻長,長長長城長城墻,城墻長長城長長(《長城長》)。
■ iou:一葫芦酒,九両六。一葫芦油,六両九。
 六両九的油,要換九両六的酒,九両六的酒,不換六両九的油(《酒換油》)
■ ian:半辺蓮,蓮半辺,半辺蓮長在山澗jian4辺。
 半辺天路過山澗辺,発現這片半辺蓮。
 半辺天拿来一把鎌lian2,割了半筐kuang1半辺蓮。
 半筐半辺蓮,送給辺防連(《半辺蓮》)。
■ iang:楊家養了一只羊,蒋家修了一道墻。
 楊家的羊撞倒了蒋家的墻,蒋家的墻圧死了楊家的羊。
 楊家要蒋家賠楊家的羊,蒋家要楊家賠蒋家的墻(《楊家養了一只羊》)。
■ ua:一个胖娃娃,画了三個大花活蛤蟆;
 三個胖娃娃,画不出一個大花活蛤蟆。
 画不出一個大花活蛤蟆的三個胖娃娃,真不如画了三個大花活蛤蟆的一個胖娃娃。
(《画蛤蟆帽》)。
■ uo(o):狼打柴,狗焼火,猫儿上炕kang4捏窩窩wo1wo,
 雀儿飛来蒸餑餑bo1bo(《狼打柴狗焼火》)。
■ ong:衝衝栽了十畦葱,松松栽了十棵松。
 衝衝説栽松不如栽葱,松松説栽葱不如栽松。
 是栽松不如栽葱,還是栽葱不如栽松?(《栽葱和栽松》)
■ uan—uang:那辺劃来一艘船,這辺漂去一張床,船床河中互相撞,
 不知船撞床,還是床撞船(《船和床》)。
■ üan:圓圈圓,圈圓圈,圓圓娟娟画圓圈。
 娟娟画的圈连圈,圓圓画的圈套圈。娟娟圓圓比圓圈,看看誰的圓圈圓
(《画圓圈》)。

【原文】百度百科《繞口令》http://baike.baidu.com/view/1815.htm?fr=ala0_1_1

 韻を踏む、というのが、中国語のことばの調子の良さ、美しさのひとつの表現で、漢詩の表現などが代表的なものだが、日常の会話でも“諧音”としてよく見られる。日本語のしゃれことばに相当するが、それをことば遊びに応用したのが“繞口令”であると言えると思う。

李克強副首相2010年世界経済フォーラムでのスピーチ(2)

2010年02月06日 | 中国ニュース
 前回に続き、今年の世界経済フォーラムでの李克強副首相のスピーチの内容を紹介する。

**************************************

         李克強在2010年世界経済論壇年会上的特別致辞
           2010年01月31日  来源:新華社

        合作包容 共創未来 促進世界経済健康復蘇和持続発展
         ——在2010年世界経済論壇年会上的特別致辞
           中華人民共和国国務院副総理 李克強
          (2010年1月28日,瑞士達沃斯)


■ 我們将依靠技術創新和節能減排促進産業結構優化升級。随着世界経済結構調整和国内消費結構升級,中国産業結構優化升級勢在必行。需要適応市場需求,以企業創新為主体,以技術進歩為支撑,保護好知識産権,不断提高制造業産品質量和発展水平。同時,進一歩加強農業基礎,保障農産品供応;加快発展服務業,以吸收更多就業;継続淘汰落后産能,大力培育戦略性新興産業。
私たちは技術創造と省エネ排出削減に立脚し、産業構造の最適化、レベルアップを促進する。世界の経済構造の調整と国内消費構造のレベルアップにつれ、中国の産業構造の最適化、レベルアップはどうしてもやらなければならない。市場の重要に適応し、企業の創造を主体とし、技術進歩を支柱とし、知的財産権をきちんと保護し、製造業製品の品質と発展レベルを絶えず向上させなければならない。同時に、より一層農業の基礎を強化し、農産品の供給を保障する。サービス業の発展を加速し、それにより、より多くの雇用を吸収する。老朽生産設備の淘汰を継続し、戦略的な新興産業を大いに育成する。
・勢在必行 shi4zai4bi4xing2 (客観的情勢から)どうしてもやらなければならない。物事の勢いからいってやらざるを得ない

 1990-2005年、中国のGDP当たりのエネルギー消費、二酸化炭素排出強度は46%低下した。最近、中国政府は、2020年までに二酸化炭素排出強度を2005年比で更に40-45%低下させ、再生可能エネルギーと原子力等の非化石エネルギーの一次エネルギー消費に占める比率を15%前後にすると発表した。このことは中国が自主的に省エネ、排出削減を行い、構造改革力を強化するという決心を充分に現わしている。より一層省エネの効率改善や生態環境を重視し、グリーン経済、低炭素経済、循環経済の発展を加速し、積極的に気候変動に対応し、経済成長を資源節約と環境友好の基礎の上に打ち立てなければならない。

私たちは改革の深化を堅持し開放を拡大する。これは中国経済を長期的に平穏で迅速に発展させる強大な動力であり、有効な保障である。

■ 需要堅定不移地推進体制机制創新,堅持市場化改革的方向,継続推進価格、財税、金融、投資等領域的改革,更好地発揮市場在資源配置中的基礎性作用。
  確固不動に体制やメカニズムの創造を推進し、市場化改革の方向を堅持し、引き続き価格、財政・税収、金融、投資等の領域の改革を推進し、マーケットが資源配置の中での基礎的な作用をよりよく発揮するようにしなければならない。
・堅定不移 jian1ding4bu4yi1 確固不動(の)。(意志や立場が)しっかりして、ぶれることがない
・机制 ji1zhi4 (機械などの)メカニズム。構造

 より一層、政府の職能を転換し、国有企業改革を深化し、独占を打破し競争を奨励し、民営企業の発展を促進し、経済成長の内なる動力を増強する。30数年来、私たちは対外開放を通じ、世界経済と互いにつながり互いに補完し、国外の先進技術、管理経験、高い素地を持った人材を導入し、人類文明の優秀な成果を吸収し、中国経済のめざましい発展を実現し、世界経済の発展に積極的に貢献した。現在、中国の輸出のうちの55%は中国以外の投資企業が生産した商品である。中国の輸入のうちの、70%近くが各国からの工業製品である。開放は中国の発展成果を国際社会が享受し、相互利益を実現した。

■ 我們将始終不渝地奉行互利共贏的開放戦略,加快転変外資増長方式,創新利用外資和対外投資方式,形成内需和外需協調拉動経済増長的格局,与世界其他国家実現共同発展。
 私たちは終始変わることなく相互利益、WIN-WINの開放戦略を実行し、速やかに外資成長方式を転換し、外資を利用し対外投資する方式を創造し、内需と外需が協調して経済成長を促す構造を形成し、世界の他の国々との共同発展を実現する。
・始終不渝 shi3zhong1bu4yu2 終始変わらない/不渝:(節操、誓約などを)変えない

■ 需要重申的是,中国的発展是和平的発展。“和”是中国五千年文化的精髓,也是中華民族不懈追求的理想境界。
もう一度申し上げないといけないのは、中国の発展は平和的発展である。「和」は中国五千年の文化の神髄であり、中華民族がたゆまず追及してきた理想の境地である。

■ 中国過去几十年的発展,是在総体和平的環境下実現的,従而能够聚精会神搞建設;今后的発展更需要維護一個和平的環境,才能一心一意謀発展,這符合中国人民的根本利益。
中国の過去数十年の発展は、全体として平和な環境下で実現したものであり、それゆえ精神を集中して建設することができた。今後の発展は更に平和な環境を維持してこそ、一意専心、発展を図ることができ、このことは中国人民の根本的な利益に符合している。
・聚精会神 ju4jing1hui4shen2 [成語]精神を集中する。一心に~する。“聚会”+“精神”という動賓句の賓語を分解し前の動詞の後ろに挿入し、語気を強めている。
・一心一意 yi1xin1yi1yi4 [成語]一意専心。一途に。一心に

■ 在経済全球化的条件下,各国可以通過優勢和資源的互補実現和平発展。作為一個負責任的発展中大国,中国将始終不渝地走和平発展道路,同世界各国一道,推動建設持久和平、共同繁荣的和諧世界。
 経済のグローバル化の条件下では、各国は自らの強みと資源の相互補完を通じて平和的な発展を実現することができる。責任ある発展途上の大国として、中国は終始変わらず平和発展の道を歩み、世界各国といっしょに、長く平和を維持し、共に繁栄する、調和のとれた世界の建設を推進していく。

■ 一年多来,国際社会同心協力,共克時艱,取得了応対危机的初步成果,国際金融市場漸趨穏定,世界経済有望実現恢復性増長。歴史是一面鏡子,人類総是在反思過去中尋求進歩,在応対挑戦中実現発展。経歴国際金融危机的洗礼,人們対発展理念、経済模式、治理結構、全球性挑戦等問題,都需要重新認識、認真思考,以謀劃好后危机時代世界経済発展之路。
 一年余りの間、国際社会は心を一つに協力し、共に現在の困難を克服し、危機に対応する初歩的な成果を取得し、国際金融市場は次第に安定し、世界経済は成長の回復を実現することが期待される。歴史は一つの鏡であり、人類はいつも過去を振り返る中で進歩を追求し、挑戦に対応する中で発展を実現してきた。国際金融危機の洗礼を受け、人々は発展への理念、経済モデル、管理構造、グローバルな挑戦等の問題に対し、新たな認識、真剣な考察が必要であり、それにより、金融危機後の時代の世界経済発展の道をうまく企画していかねばならないのである。
・同心協力 tong2xin1xie2li4 [成語]心を合わせて協力する

■ 国際社会応対這次危机的一条宝貴経験,就是携手合作、共同応対,也弘揚了合作包容的理念。当今時代,各国的命運緊密相連,需要進一歩共担責任、精誠合作,継続発楊同舟共済的精神,在錯綜複雑的環境中形成合力、実現互惠。各国的利益緊密相連,需要進一歩加強交流、唱導包容,共同把“蛋糕”做大,在丰富多彩的世界中求同存異、実現共贏。
 国際社会の今回の危機への対応での貴重な経験は、手を携え協力し、共同で対応し、協力包容の理念を高揚させたことである。現在の時代、各国の運命は互いに緊密に繋がっており、より一層、共に責任を担い、誠意を持って協力し、「力を合わせて共に難関に立ち向かう」精神を引き続き発揚し、複雑に錯綜する環境の中で力を合わせ、「互恵」を実現しなければならない。各国の利益を緊密に繋げるには、より一層の交流の強化、包容の提唱が必要で、共同で「パイ」を大きくし、豊で多彩な世界の中で「小異を残し大同に就き」、WIN-WINを実現しなければならない。
・同舟共済 tong2zhou1gong4ji4 [成語]同じ船に乗っている人々は互いに助け合う。同じ事に当たっている人々が互いに力を合わせて難関を切り抜けること。
・求同存異 qiu2tong2cun2yi4 [成語]共通点を見つけ出し、異なる点は残しておく[よく使う用法]求大同,存小異:小異を残して大同に就く

 そして、「金融危機後」の世界経済の「健全な回復」と「継続発展」のため、五つの提案をしている。

■ 第一,継続合作戦勝危机。風浪并未平息,同舟才能共済。在全球化背景下,各国的経済相互依存、相互促進,各国的政策相互影響、相互作用。只有実現全球経済復蘇,才能鞏固一国経済復蘇。過去一段時間,各国携手応対,減軽了国際金融危机的厳重損害,節制了可能出現的較大衰退。当前,国際金融危机尚未結束,経済復蘇的基礎還不牢固,可能是緩慢而複雑的。避免復蘇過程的曲折,降低復蘇過程中存在的風険,需要各国継続合作。国際社会応進一歩加強宏観政策的協調与合作,把握好経済政策的方向和重点,掌握好刺激政策退出的時机与節奏,使世界経済早日全面復蘇。
 第一に、引き続き協力して危機に勝利する。風浪は未だ治まっておらず、「共に立ち向か」ってこそ「困難に打ち勝つ」ことができる。各国の経済は相互に依存し、相互に促しあい、各国の政策は相互に影響し、相互に作用する。グローバルでの経済復興を実現してはじめて、一国の経済の回復を強固にできる。過去の一時期、各国は手を携え対応し、国際金融危機のひどい損害を軽減し、出現の可能性のあった大不況を抑制した。現在、国際金融危機はまだ終了しておらず、経済復興の基礎はまだ固まっておらず、それは緩やかで複雑なものであるかもしれない。復興の過程での紆余曲折を回避し、復興過程に存在するリスクを低減するには、各国の継続的な協力が必要である。国際社会はより一層マクロ的政策の協調と協力を強化し、経済政策の方向と重点を把握し、景気刺激策の終結の時期とタイミングを見極め、世界経済を早期に全面回復させねばならない。

■ 第二,推動市場更加開放。這是継続応対危机的必由路径。開放是多辺的,也是双辺的。開放有利于拡大合作、推動発展、促進繁栄,“一加一”往往“大于二”。而搞保護主義只会加重経済危机,減緩復蘇進程,最終也会損害自身利益,上个世紀30年代大蕭条的教訓就是明証。一年多来,各国表達了反対保護主義的立場,但各種形式的保護主義仍然不断出現。対此,国際社会応当堅決反対。目前,迫切需要把各方的鄭重承諾転化為実際行動,継続推進貿易和投資自由化、便利化,推動多哈回合談判早日達成更加合理、均衡的結果,使国際市場更加開放。
 第二に、市場の更なる開放を推進する。これは危機に継続して対応するのに「必要な道筋」である。開放は「多面的」であり、「両面的」でもある。開放は協力の拡大、発展の推進、繁栄の促進に有利であり、「一足す一」が往々に「二以上」になる。保護主義を行うことは経済危機を深刻にし、回復のプロセスを遅らせ、最後には自分自身の利益を損なうことは、1930年代の大不況の教訓が証明している。この一年余りの間、各国は保護主義に反対する立場を表明したが、様々な形式の保護主義が依然として次々に出現している。これに対し、国際社会は断固として反対しなければならない。現在、必要に迫られているのは、各方面の厳粛な承諾を実際の行動に転化し、貿易と投資の自由化、利便化を引き続き推進し、ドーハラウンドの交渉が早期により合理的で均衡のとれた結果が達成できるよう促し、国際市場をもっと開放させることである。

 第三に、世界のバランスのとれた発展を促進する。開放を推進することは発展の為であり、民生を改善するにはもっと発展する必要がある。私たちは、全世界には尚10億の人口が貧困、飢餓の苦しみに瀕していることを忘れてはならない。広大な発展途上国の経済の遅れた状態を変革してこそ、貧困、飢餓の問題を解決し、貧困削減の目標を実現することができる。広大な発展途上国の潜在需要を開拓してこそ、もっと国際市場を拡大し、各国の就業問題を緩和解決することができる。国際社会はあらゆる面から長期的に考え、積極的な態度で発展空間を開拓し、バランスのとれた発展を促進し、途上国どおしの協力、先進国と途上国の協力をより一層強化し、バランスのとれた発展を促進する国際的な枠組みを改善し、発展途上国に対する支援の力点を強化し、国連の1000年発展目標を期限通りに実現し、発展の成果が各国の人民に行きわたるようにしなければならない。


第四に、手を携え重大な挑戦に対応する。これは世界経済の健全な復興と持続的な発展を促進する緊急課題である。

■ 在気候変化、能源資源安全、糧食安全、公共衛生安全、重大自然災害等全球性挑戦面前,没有一個国家可以独善其身,没有一個国家可以擺脱责責任,国際社会応当協調行動。
気候変動、エネルギー資源の安全、食糧の安全、公共衛生の安全、重大な自然災害等のグローバルな挑戦を前に、どの国も自分の利益だけを追求することは許されず、どの国も責任から逃れることはできない。
・独善其身 du2shan4qi2shen1 [成語]協調精神に欠け、独りよがりになること

国際社会は協調して行動しなければならない。気候変動の面に対しては、各国は積極的に《コペンハーゲン協議》を実施し、団結一致して前を見、共同の、しかし区分のある責任原則に基づき、「バリ・ロードマップ」交渉をできるだけ早く完了し、《国連気候変動枠組条約》と《京都議定書》の全面的、有効で、継続的な実施を推進しなければならない。中国政府は継続して高度に責任のある積極的建設的態度に則り、気候変動の国際協力に参与していく。

 第五に、グローバルに仕組みの管理を改善する。金融危機に打ち勝ち、市場開放を推進しても、バランスのとれた発展を推進し、重大な挑戦に対応するには、より多くの共通認識と行動によって推進しなければならないだけでなく、信頼のできる制度の配置による保障が必要である。既存の枠組みの改造と改善を通じ、公平性と効率の双方を配慮するのにもっと有利なグローバルな管理体系を形成し、それにより国際経済構造の変化を反映することは、既に各方面の共通認識となっている。グローバルに仕組みの管理を改善することは、平等な参与、協力包容の原則を体現しなければならない。発展途上国の代表性と発言権を優先的に増やし、各種の異なる発展モデルの選択を尊重しなければならない。国連と関連機関の基礎的な役割をもっと発揮させ、G20の建設的な役割を発揮させねばならない。金融管理面では、金融危機の教訓と対応経験を総括し、国際金融機構を改革し、グローバルな金融の管理監督を強化し、地域的な資金救済メカニズムを打ち立て、国際貨幣発行の面での責任と制限を強化し、世界金融の安定と経済発展を維持しなければならない。

 国際金融危機は遂に過ぎ去った。今回の危機が残したものは、共に困難に立ち向かった
一時期の記憶に留まってはならず、世界経済の発展と人類の今後の運命に対する深い考察を残し、未来の発展の道筋を創造する考えを残し、それにより金融危機後の時代の世界経済の発展をよりよく推進しなければならない。私は、私たちが協力の精神で共に発展を図り、それにより包容的態度で共に未来を創造してこそ、世界経済は健全に回復し発展を続けられる道筋を歩めると信じている。

***************************************

 中国の政府首脳の国際会議でのスピーチは、実にすばらしいと思う。李克強副首相のこのような長文のスピーチを見るのは初めてだったが、温家高首相のような、故事古典からの引用のある名調子は無いが、言うべきことは言い、壺を押え、手堅くまとめたスピーチであると思う。
 今回は省略したが、最後の五つの提案の内容の文章も、おもしろい表現がいくつかあったが、また別の機会にご紹介できれば、と思う。


李克強副首相2010年世界経済フォーラムでのスピーチ(1)

2010年02月06日 | 中国ニュース
 今年も、世界経済フォーラムがスイスの保養地、ダボスで開催された。昨年の会議には、温家宝首相が出席し、そのスピーチの中で、国際金融危機に対し、中国は大幅な財政支出と思いきった経済対策で立ち向かうことを宣言し、結果としてその目標を見事達成した。
今年の会議には、李克強副首相が出席された。1月31日に行われた李克強副首相のスピーチの全文が掲載されたので、この内容を読みながら、興味深い表現技法や、その内容を見ていきたい。長いので、2回に分けて紹介する。

***************************************

         李克強在2010年世界経済論壇年会上的特別致辞
            2010年01月31日  来源:新華社

        合作包容 共創未来 促進世界経済健康復蘇和持続発展
         ——在2010年世界経済論壇年会上的特別致辞
           中華人民共和国国務院副総理 李克強
           (2010年1月28日,瑞士達沃斯)

・李克強 1955年7月生まれの55歳。安徽省出身。北京大学卒。経済学専攻。経済学博士の学位を持つ。中国共産党中央政治局常務委員。国務院副総理。
・世界経済論壇 世界経済フォーラム。ジュネーヴに本部を置く非営利財団である。スイスのダボスで開催される年次総会が特によく知られており、選ばれた知識人やジャーナリスト、トップ経営者や国際的な政治指導者が一堂に会し、健康や環境等を含めた世界が直面する重大な問題について議論する場となっている。
・達沃斯 スイスのダボス。人口1万人のリゾート都市である。
・施瓦布主席 世界経済フォーラム創設者兼会長のクラウス・シュワブ

 李克強副首相の経歴を見ると、1974~78年 安徽省鳳陽県大廟公社の共産党青年団の幹部を歴任、78~82年 北京大学法律系に学び、83~98年 共産党青年団中央書記処、最後はその第一書記まで昇進、またこの間に北京大学大学院で経済学の修士、博士号を取得。98~04年 河南省の副書記から省長を歴任、04~07年 遼寧省の共産党委員会書記等。07年に中央政治局常務委員入り。08年より国務院副首相と、中国で言うエリートコースを歩んできた俊才である。

■ 現在雖然仍処冬季,但我們在這里已経感受到了春天将至的气息和経済復蘇的希望。
 現在は季節はまだ冬であるけれど、ここにきて「春がもうすぐやって来る息吹」を感じることができたと同時に、もうひとつ感じることができたのが「経済復興の希望」である。

■ 今年是世界経済論壇第四十届年会。這使我想起2000多年前中国先哲孔子説過的一句很有哲理的名言,“四十而不惑”。意思是人到成熟之年,有更加開闊的眼界和更為豁達的心胸,這也寓意着我們応以更多的智慧,来理解与応対紛繁的世事。
 今年は世界経済フォーラムが四十周年を迎えるということで、論語の為政篇から、“四十而不惑”を引用し、会議を人間に喩え、「人が成熟した年齢に達すると、より幅広い見識を持ち、より闊達な気持ちになる」とし、だからこの会議では「もっと多くの知恵を使い、複雑に入り組んだ世事の理解と対応をしていく」場となるべきだと言っている。
・哲理 zhe2li3 哲理。宇宙と人生に関する奥深い道理
・開闊 kai1kuo4 広々とした。幅広い
・眼界 yan3jie4 視野。見識
・豁達 huo4da2 闊達(かったつ)。“豁”は多音字で、huo4 と4声で発音する時は形容詞で「広々と開けた」という意味だが、huo1 と一声で読むと動詞で「裂ける、破れる」「奮発する」という意味になる。
・寓意 yu4yi4 寓意。他の事物に託してほのめかす。
・紛繁 fen1fan2 入り組んでいる

■ 本届論壇以“改変世界:重新思考、重新設計、重新建設”為主題,共商后危机時代世界経済発展之計,体現了合作創新的精神。這対于集聚各方智慧和力量,“改善世界的状況”,具有現実意義。
 今回のフォーラムは「世界を変革する:もう一度考え、もう一度デザインし、もう一度建設する」をテーマに、世界金融危機の後の世界経済発展の方策を協議し、共同で新たな創造をするという精神を体現している。これは各方面からの知恵と力を結集し、「世界の状況を改善する」現実的な意義を持っている。
 “后危机時代世界経済発展之計”という、古代の兵法書のような言い方をしているのがおもしろい。

 次に、中国の昨年の経済政策を総括している。
 「昨年は、国際金融危機の厳しい衝撃に直面し、中国政府は“一攬子計劃”と呼ばれる一連の政策を打ち出し、内需を中心とする経済刺激策で、短期間のうちに経済の回復を実現した。2009年の中国のGDPの成長は8.7%だったが、そのうち内需拡大が12.6%貢献し、対外輸出が3.9%減少した影響を補てんした。内需のうち、投資需要が8%貢献し、消費需要が4.6%貢献し、経済の自主成長の強力な原動力となった。同時に中国経済の成長は外にも開放された。昨年、中国は貨物を1兆56億米ドル輸入し、貿易黒字は前年比1000億ドル近く減少し、世界第二の輸入国で世界最大の新興市場となった。中国のGDPの増加は3800億米ドルに達し、世界経済の復興に積極的に貢献した。

 有効に危機に対応するため、私たちは大規模に財政・公共支出を増加し、構造的な減税を実行した。2009年に新たに増えた公共投資は200億元余りに達し、更に5000億元余りの減税を行った。これらはGDPの3.6%に相当し、市場の需要を刺激しただけでなく、経済成長を促進した。また、企業の負担を低減し、経済活力を増強した。中国の財政赤字はGDPの3%を超えない合理的な範囲内を維持した。私たちは民生プロジェクトを公共投資の重点にした。総額4兆元の2年間での投資計画の中で、民生改善への支出が政府支出の50%以上を占め、居住民の消費を促した。同時に大幅に社会保障への支出を増やし、基本医療衛生制度を公共製品として全世帯に提供し、13億の人口に“全民基本医療保険”を推進するよう努めた。私たちは成長を促進する中でも構造改革にも手を抜かず、積極的に新エネルギー、省エネ・環境保護等の戦略的新興産業を発展させ、高エネルギー消費、高CO2排出の老朽設備を淘汰し、昨年淘汰した単体で10万キロワット以下の小型火力発電設備は2600万キロワットに達する。

 “全民基本医療保険”の話は初めて聞いたが、これは大変なことである。13億人民の国民皆保険をどのように立ち上げるのだろうか?ひょっとすると、民間の保険会社に請け負わせるのかもしれない。

■ 中国応対国際金融危机取得的成効,是政府正確決策的結果,更是人民勤奮工作的結果。正是中国人民的堅靭不抜,尤其是広大労働者的辛勤努力,推動了中国経済平穏較快発展。
 「中国が国際金融危機への対応で勝ち取った成果」は、「政府の正しい政策の結果」であり、「人民の勤勉な仕事の結果」である。正に「中国人民の粘り強さ(“堅忍不抜”)」、とりわけ「幅広い労働者の懸命な努力」が「中国経済の平穏で迅速な発展」を推進した。
・堅靭不抜 jian1ren4bu4ba2 [成語]堅忍不抜。どこまでも耐え抜く

■ 去年四季度,中国居民收入、財政收入、企業利潤与国内生産総値同歩増長,価格水平由負転正,経済回升的基礎得到鞏固。但是国際国内経済環境中仍然存在許多不確定因素,今年中国経済発展面臨的形勢極其複雑。
 昨年の第4四半期、中国の居住民収入、財政収入、企業利潤、及びGDPは歩調を合わせて成長し、価格レベルはマイナスからプラスに転じ、経済回復の基礎は堅固なものになった。しかし国外、国内の経済環境には依然多くの不確定要素が存在し、今年の中国経済の発展が直面する情勢は極めて複雑である。

■ 我們将保持宏観経済政策的連続性和穏定性,継続実施積極的財政政策和適度寛松的貨幣政策,同時根据新形勢新情况着力提高政策的針対性和霊活性。関鍵是処理好保持経済平穏較快発展、調整経済結構和管理好通脹預期的関係,着力提高経済増長質量和効益,切実防範可能出現的風険。
 私たちはマクロ経済政策の連続性と安定性を維持しながら、積極的な財政政策と適度に緩和した貨幣政策を継続して実施し、同時に新たな形勢や新たな状況に基づき、政策の適格性とフレキシブル性の向上に力を入れる。鍵となるのは経済の平穏で迅速な発展の維持、経済構造を調整と、インフレ予測管理をうまく処理することで、経済成長の品質と効率の向上に力を入れ、出現する可能性のあるリスクを的確に防御することだ。
・着力 zhuo2li4 力を入れる
・針対性zhen1dui4xing4 適格性。正確性。/針対=対准:的を得ていること。⇔霊活性 フレキシブル性
・通脹預期 tong1zhang4yu4qi1 インフレ予測

■ 需要強調指出的是,国際金融危机没有改変中国経済発展的基本面和長期向好的趨勢。回顧去年,我們堅定信心、迎難而上,保持了中国経済平穏較快発展。籌劃今年,我們有能力処理複雑局面,継続保持中国経済平穏較快発展。展望未来,我們有条件実現中国経済長期平穏較快発展。
 この一節では、中国経済の発展の傾向そのものは、外部の経済変動を受けず、発展を続けるということを、「昨年、今年、将来」という切り口から話をしている。“中国経済平穏較快発展”ということばは、温家宝首相や他の政府首脳スピーチにもよく出てくるが、ここでは3回も繰り返して使っている。
 「強調して言わなければならないのは、国際金融危機は中国経済発展の基本面と長期的に良くなるという趨勢を変えることはなかったということである。昨年を振り返ると、私たちは信念を貫き、困難に立ち向かい、中国経済の平穏と発展を維持した。今年を見通すと、私たちは複雑な局面を処理することができ、中国経済の平穏と発展を引き続き維持することができるだろう。未来を展望すると、私たちは中国経済の長期的な平穏と発展を実現する条件を備えている。

■ 中国人口多,市場広闊,回旋余地大,正処于工業化、城鎮化快速推進時期,現代化建設的進程不可逆転。中国経済総量雖然已居世界前列,但中国仍然是一個発展中国家,人均国民收入還排在100位以后;城市和沿海地区雖然已得到一定程度発展,但農村和中西部地区居民收入還比較低。改善民生、実現全面進歩,是中国人民的不懈追求,也蘊涵着巨大的発展潜力。
 ここで強調しているのは、中国が間もなく日本を抜き世界第二位のGDPを持つ国になるけれど、依然国民一人当たりでみると未だ先進国のレベルに達しておらず、内に大きな経済格差を抱える発展途上国なのだ、ということで、これも中国要人の国際会議でのスピーチでよく使われる表現である。
 「中国は人口が多く、市場が広く、融通をきかす余地が大きく、正に工業化、都市化を迅速に推進している時期であり、近代化建設のプロセスは後退することができない。中国経済の総量は世界のトップレベルにいるけれども、中国は依然発展途上の国であり、一人当たり国民収入は世界で100位以下である。都市と沿海地域は既に一定程度発展をしたけれども、農村や中西部地区の居住民の収入は低い。民生を改善し、全面的な進歩を実現することは、中国人民がたゆまず追い求めるもので、また巨大な発展の潜在力を含み持っている。
・回旋 hui2xuan2 融通をきかす
・蘊涵 yun4han2 含む。含意。

■  我們還清醒地認識到,中国発展仍然面臨許多挑戦。后危机時代,国際経済形勢還存在諸多不穏定因素,国内経済運行長期積累的矛盾亟待解决。経済結構不合理,増長付出的代価大,資源環境制約日趨厳重。在我們這様一個有十几億人口的発展中大国実現現代化,還需要戦勝重重困難,付出艱苦努力,是一個很長的過程。站在新的歴史起点上,伝統的粗放型増長方式必須転変,過于依頼投資和出口的発展模式必須創新。這需要我們按照科学発展観的要求,加快経済発展方式根本性転変,加大経済結構戦略性調整,着力創新発展模式。
 前の節で、中国は尚発展途上国で、近代化建設、成長路線の継続が必要であると言ったが、ここでは、金融危機が一段落ついて後の、今後の経済政策について、中国が変わっていかなければならない、新たな変化点について述べている。
 「私たちがはっきりと認識しているのは、中国の発展は依然として多くのチャレンジに直面しているということである。金融危機後の時代において、国際経済の情勢には尚多くの不安定な要素が存在し、国内の経済運営で長期に蓄積された矛盾は早急に解決しなければならない。経済構造が不合理で、成長が支払う代価は大きく、資源環境の制約は日増しに厳しくなっている。私たちのような十数億の人口の発展途上大国が近代化を実現するには、数々の困難に打ち勝ち、苦難に満ちた努力をしなければならず、たいへん長い道のりである。新たな歴史の起点に立ち、伝統的な大まかな成長方式から転換しなければならず、過度に投資と輸出に依存した発展モデルは、改めなければならない。これには、私たちは科学的発展観の要求に基づき、経済発展方式の根本的な転換を加速し、経済構造の戦略的調整を強化し、新たな発展モデルの創造に力を入れなければならない。
・亟待解决 ji2dai4jie3jue2 早急に解決を要する


■ 我們将立足拡大内需拉動経済増長。面対世界上潜力最大的国内市場,需要着力拡大国内需求特別是居民消費需求,千方百計拡大就業,加快健全社会保障的“安全網”,積極調整国民收入分配結構,提高中低收入居民收入,促進居民消費持続増加。同時,大力優化投資結構,不断改善投資効益。近十几年来,中国城鎮化率年均提高1个百分点,一年有近千万人口由農村転入城市,既改変着城郷結構,又拡大了国内需求。需要継続積極穏妥地推進城鎮化,逐歩形成大中小城市和小城鎮并挙、沿海城市帯和中西部城市群并立的発展格局。
 私たちは内需拡大に立脚し、経済成長を促進している。世界でもポテンシャルが最大の国内市場に対し、国内需要、とりわけ居住民の消費需要の拡大に力を入れ、あらゆる方策を講じて就業を拡大し、社会保障の「セーフティーネット」の健全化を加速し、国民収入分配構造を積極的に調整し、中低所得住民の収入を向上させ、住民の消費の継続的増加を促進しなければならない。同時に、投資構造の最適化に力を入れ、投資効率を絶えず改善していく。最近十数年来、中国の都市化率は年平均1%向上し、一年間で一千万近くの人口が農村から都市に転入し、都市構造を変化させているとともに、国内需要を拡大させた。引き続き積極的に穏当に都市化を推進し、大中都市と小都市の並立、沿海都市帯と中西部都市群の並立という発展構造を次第に形成していかなければならない。
・千方百計 qian1fang1bai3ji4 あらゆる方法を講じる

 ここまでで、スピーチ全文の約半分である。続きは次回に紹介する。
ここまでの内容で注目されるのは、先にも触れた、13億の人々全員が対象の“全民基本医療保険”のことである。今後、具体的な動きが出てくると思うので、注目したい。