中国語学習者のブログ

これって中国語でどう言うの?様々な中国語表現を紹介します。読者の皆さんと一緒に勉強しましょう。

主述文の主語と述語

2010年10月01日 | 中国語
 主述文で、主語と述語は文の最も直接的な部分ですが、文の中で、どの成分が主語で、どの成分が述語であるかを正しく分析することは、文章を正しく理解する上でたいへん重要なことです。今回は、様々な例を取り上げ、主語、述語の成分について、見ていきたいと思います。

                        文と 文の分析
                         主語と 述語

 主語と述語は主述文を構成する直接成分であり、主述文は文の典型である。

 文法学者は主語について三種の異なる理解をしている。一つ目に、主語は述語動詞に対するものと考える。例えば英語の文法では、Subjectはpredicate verbに対して言い、述語動詞の形態は主語に付いて変化しなければならず、主語と述語の間には一致関係がある。二つ目に、主語は陳述の対象と考える。主語は陳述されるもので、述語は主語に対して陳述を加えることである。ここに於いて、主語と述語は「完全」なものを指す、すなわち、主語以外の部分は述語であり、述語以外の部分は主語であり、このことはこれらが詞であろうと詞組であろうと同様である。三つ目に、主語は話題(topic)を指すと考える。話題は広範な概念であり、およそ文の陳述の起点は、全て話題と見做せる。

 異なる概念から主語を確定し、ある文を分析した時、その結果は全く同様であるかもしれない。しかし、別の文を分析してみると、その結果に差が出ることがある。例えば:
     (1)中国又爆炸了一顆原子弾。
     (2)老王,我昨天還見到他。

 例(1)を分析する時、一番目の観点により、“中国”を主語と確定すると、“爆炸了”が述語である。二番目の観点によれば、“又爆炸了一顆原子弾”が述語になる。例(2)を分析する時、一番目の観点と二番目の観点を採ると、何れも“老王”は主語と見做すことができない。しかし三番目の観点を採れば、“老王”を主語と見做すことができる。

  私たちが文の主語と述語を言う時、主に二番目の観点を採り、これらの関係は陳述と被陳述の関係である、と考え、文によっては三番目の観点を採り、主語は「話題」であると考える。

 中国語では、一般には主語は述語の前に置かれる。例えば:
     (3)太陽∥従東方升起。
     (4)東方∥升起了紅太陽。

 名詞、人称代詞、名詞性詞組を主語にするのは、最もよく見かける。時間名詞、場所(“処所”)名詞は二重の性質を持っている。一つは事物性、一つは時地性である。事物性を表す時間名詞、場所名詞を主語にする場合、述語は時間や場所自身がどうであるか説明するか、時間や場所が行為の対象であることを説明する。例えば:
     (5)一九七六年∥是難忘的一年。
     (6)北京∥我没有到過。

 時地性を表す時間名詞、場所名詞は、事情の発生や事実の存在する時間や場所を明示し、これらも主語になることができる。例えば:
     (7)去年∥発生了几件大事。
     (8)這里∥有一些新書。

 このような時間名詞、場所名詞が別の主語の前に置かれると、これらは文全体の修飾語になる。例えば:
     (9)(去年)世界上∥発生了几件大事。
     (10)(這里)我們∥有一些新書。

  もちろん、“屋里坐吧”のような文は、省略文であるので、“屋里”は主語ではない。文の頭に時間名詞や場所名詞が連接して出現する文、例えば例(9)のようなケースでは、先ず場所名詞が主語にならなければならない。すなわち、“世界上去年発生了几件大事”と言えば、主語は依然として“世界上”である。動詞の前にいくつかの名詞性成分がある時は、その中の一つを選んで主語にしなければならない。選択の順序は、動作の主体(“施事”)、手段(“工具”)、受動者(“受事”。⇔施事)、場所時間である。しかし、“在世界上去年発生了几件大事”と言う時の主語は“去年”である。これは、中国語では、介詞構造は主語にすることができないからである。この他、別の実詞(副詞及び助動詞は除く)、各種の詞組、及び“的”構造も主語にすることができる。数詞が単独で主語になるのは、大半が数字や計算を表す文に於いてであり[下記例(11)]、量詞が単独で主語になるのは、その繰り返し(“重畳”)形式の場合に限られる[例(12)]。数量詞組が主語になるのは、それの指す事物が一般に前の文で既に出現した場合である[例(13)]。
     (11)九十∥是三十的三倍。
     (12)(他対我講了許多話,)句句∥都銘刻在我的心上。
     (13)(我国古代通往西域的大路有両条,)一条∥是従玉門出発的北路。

 動詞、形容詞が主語になる場合、述語は一般に形容詞である[例(14)]か、或いは動作を表さない動詞(例:“是”、“使”、“有”など)が構成する“動賓謂語”(動詞+賓語構造の述語)[例(15)]、“兼語謂語”(兼語式の述語)[例(16)]である。
     (14)説説∥容易。
     (15)辱罵和恐吓∥決不是戦斗。
     (16)勤労∥使人聡明。

 “動賓詞組”(動賓構造の詞組)[例(17)]、“主謂詞組”(主述構造の詞組)[例(18)]、“的”構造の詞組[例(19)]も、よく主語になる。
     (17)提高産量∥靠採用先進技術。
     (18)群衆教育群衆∥是一個好辦法。
     (19)放光的∥不都是金子。

 動詞や形容詞が名詞や人称代詞を定語として伴うと、詞組全体が名詞となる。このような名詞性詞組も、しばしば主語になる。例えば:
     (20)会議的如期召開∥是大家努力的結果。
     (21)教師的高明∥在于能使学生超過自己。


【出典】胡裕樹主編《現代漢語》重訂版・上海教育出版社1995年


にほんブログ村 外国語ブログ 中国語へ
にほんブログ村