中国語学習者のブログ

これって中国語でどう言うの?様々な中国語表現を紹介します。読者の皆さんと一緒に勉強しましょう。

主述文に於ける述語の分析

2010年10月05日 | 中国語
 前回は、主述文の主語の分析でしたが、今回は、主述文の述語を分析し、それを類別していきます。ここで注目すべきは、「主述述語文」(“主謂謂語句”)という文型です。

                         文と文の分析
                      主述文の後半部分の類型

 主述文の後半部分の類型は、述語の構造に基づき区分される。基本的な類型は、名詞性述語、動詞性述語、形容詞性述語である。

(一)名詞性述語
 名詞性述語は長さが短く、口語で多く用いられる。例えば:
   (1)明天∥晴天。(述語は名詞である)
   (2)這個人∥好本領。(述語は名詞を中心とする偏正詞組である)
   (3)這些書∥図書館的。(述語は“的”構造の詞組)
   (4)毎人∥一本。(述語は数量詞組。適当な名詞を加えることもできる)

 名詞性述語の主要な機能は説明、或いは判断であり、肯定的な面から主語に対して説明や判断を加えるもので、例(1)、(3)、(4)がそうである。時には主語を描写するのに用いられることもあり、このような描写機能を持つ名詞性述語は、大部分が名詞を中心とする偏正詞組で構成される。例(2)がそうである。

(二)動詞性述語
 動詞性述語の主要な機能は、叙述である。
   (5)大会∥開始了。(述語は動詞である)
   (6)主席∥作工作報告。(述語は動賓詞組である)
   (7)同志們∥挙手表決。(述語は連動詞組である)
   (8)大家∥選他当代表。(述語は兼語詞組である)

 動詞性述語は、主語の描に用いることもできる。
   (9)会議∥進行得十分順利。(述語は後補詞組である)
   (10)任務∥能够gou4完成。(述語の中で、助動詞を状語としている)

 動詞“是”とその賓語を組み合わせた述語を用いる時、その機能は説明、或いは判断である。例えば:
   (11)冬至∥是北半球白天最短的一天。
   (12)熊猫∥是熊。
   (13)陽歴七月∥是最熱的天気。

  この文は「A是B」の形で表すことができる。例(11)では、AとBが指すのは同一の事物である。例(12)では、AとBが指す事物は同じ種類に属する。例(13)では、BはAの特徴を表している。

(三)形容詞性述語
 形容詞性述語の主要な機能は描写である。多くの文において、形容詞の前には状語を伴う。例えば:
   (14)他的学問∥比我好。(述語は、形容詞を中心とする偏正詞組)
   (15)灯光∥亮得使人們的眼睛都睜不開来。(述語は後補詞組)

(四)主述述語(“主謂謂語”)
 中国語には一種の特殊な文型があり、それがいわゆる主述述語文(“主謂謂語句”)である。主述述語文は、一般の主述文が転換して形成され、主に三つの種類がある。一つ目は主述文の中のある動詞の賓語、或いは賓語の一部分が文頭に持って来られたものである。例えば:
   A-(1)我没有聴到過這個故事。
      (2)知道這件事的人不多。
      (3)我認為這個問題可以討論。
   B-(1)這個故事我没有聴到過。
      (2)這件事知道的人不多。
      (3)這個問題我認為可以討論。

 A組は一般の主述文で、B組は主述述語文である。例(1)は、“聴到過”の賓語“這個故事”を文頭に持ってきている。例(2)は、“知道”の賓語“這件事”を文頭に持ってきている。例(3)は、“認為”の賓語、“這個問題可以討論”の中の“這個問題”を文頭にきて、何れも主述述語文を形成している。原文の述語は叙述性のものだが、主述述語文に変化した後、述語の機能は説明、或いは判断となる。

 二つ目の主述述語文も、相対応する非主述述語の文である。例えば:
   ■ A 大家的斗志昴揚。      ■ B 大家斗志昴揚。
        他的身体健康。              他身体健康。

 A組は形容詞性述語文で、B組は主述述語文であり、これらの述語は何れも描写性のものである。B組で、“大家斗志”、“他身体”は偏正詞組を構成していない。つまり、“斗志”は“昴揚”と直接連携している。“身体”は“健康”と直接連携している。また、“大家”と“他”は主語であるので、後ろに“的確”、“也許”のような副詞を用いて状語とすることができる。

 三つ目の主述述語文は、文全体の修飾語の中から介詞“関于”、“対于”などを取り去ることで構成される。例えば:
   ■ A 関于田間管理,他的経験很豊富。
        対于這個問題,我們有不同看法。
   ■ B 田間管理,他的経験很豊富。
        這個問題,我們有不同看法。

 A組は非主述述語文で、B組は主述述語文である。B組の主語が表すものは、依然として範囲、対象、或いは関係する事物である。述語は判断の意味を含むが、主語がどうであるか直接は説明しない。

 以上の例文からみて、主述述語文の主語は大部分が話の起点であり、話題性を含んでいる。この性質は、上記の三つ目の主述述語文の場合が最も明らかである。このような話題の主語は、一つの文、或いはクローズ(分句)に属するが、前後の連続する文章や会話の中で、これはしばしば重要な役割を占める。例えば:
   (1)她年紀小,胖胖的,穿着一身毛線衣褲,正在登上竹凳,想去拿桌上的
     苹果。
   (2)她只有八九歳光景,眼睛溜圓,臉色紅潤,頭髪很短。
   (3)她只有八九歳光景,胖胖的,眼睛溜圓,臉色紅潤,頭髪很短,穿着一身
     毛線衣褲,正在登上竹凳,想去拿桌上的苹果。

 ここに三つの複文がある。例(1)は、クローズ(分句)の主語は“她”である。例(2)では、第1クローズの主語は“她”、後ろの各クローズにはそれぞれ別の主語があるが、この複文全体から見れば、全てのクローズの主語は“她”であると見做して差し支えない。このように見ると、後ろの3つのクローズは主述述語文に属する。例(3)は、例(1)と例(2)を合わせたもので、主語の確定については、異なった見方をすることができる。しかし、この文を理解するには、“她”がこの複文全体を貫いている。例(2)の各クローズの主語が異なると考える場合も、少なくとも第1クローズの主語“她”が重要な地位を占めていることは認めざるを得ない。このことはつまり、私たちが言うところの主述述語文の主語が話題性を備えていることの根拠である。話題の主語は、たとえ構造的には一つの文、或いはクローズに属するとしても、意味や意志の上ではしばしば一つのクローズだけでなく、文全体、或いはその前後の関連する部分にまで影響を与える。

 一般の主述文を主述述語文に改めるのは、しばしば表現上の必要に適応するためである。例えば:“我去過那個地方,你也去過那個地方,那儿的風景真不錯。”もし、“那個地方”が話題の焦点であるなら、次のように改めることができる:“那個地方我去過,你也去過,風景真不錯。”


【出典】胡裕樹主編《現代漢語》重訂版・上海教育出版社1995年


 主述述語文を採用することにより、主語(それも文章全体の主語ですが)が話題の焦点であることが明確になり、述語はその説明、或いは判断となります。このことを知っていると、文章や講演の内容の中心が見えてきます。


 にほんブログ村 外国語ブログ 中国語へ
にほんブログ村